「冬は日本海」。サーファーなら一度は聞いたことがある言葉ですよね。でも、今年の冬はちょっと様子が違うかもしれません。気象庁が2026年8月10日に発表したエルニーニョ監視速報(No.407)を見てください。2026年春から続くエルニーニョ現象が、冬にかけて続く見込みなんです。しかも7月の監視海域の海面水温は基準値より+2.5℃。7月としては1949年以降で1997年と並ぶ最大値でした。あの1997-98年の「スーパーエルニーニョ」に匹敵する規模になる、と気象庁は予測しています。
エルニーニョの冬は、西高東低の冬型が弱まりやすく、東日本の太平洋側で雨が多くなる傾向があります。つまり「日本海が爆発する回数」と「千葉・湘南に低気圧うねりが入る回数」のバランスが、例年とは変わる可能性があるんです。この記事では、気象庁の最新データを出発点にします。冬型でどこに波が入るのか、北東うねりがどのポイントで反応するのか。そして11月から2月までの月別展望を整理しました。読み終わる頃には、天気図を見た瞬間に「今週末はあっち」と決められるようになるはずです。
なお、この記事の見通しは2026年9月3日時点の気象庁発表をもとにしています。気象庁は9月9日に次回のエルニーニョ監視速報を、9月下旬に寒候期予報を発表予定です。数字が更新されたら、この記事も追記していきます。
目次
- 2026-27冬シーズンの前提|エルニーニョ監視速報の最新値
- エルニーニョの冬、サーファーには何が起きるか
- 冬型(西高東低)でどこに波が入るか|太平洋側と日本海側の逆転
- 北東うねりの特徴とポイント別の反応
- 月別展望|11月・12月・1月・2月
- 冬に狙う日の作り方|気圧配置パターン3つ+α
- 装備と安全のチェックリスト
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
2026-27冬シーズンの前提|エルニーニョ監視速報の最新値

まず、今シーズンの土台になる数字を押さえておきましょう。波の話の前に気象の話が続きますが、ここを飛ばすと後半の「どこで入るか」が腹落ちしません。少しだけ付き合ってください。
気象庁の見解(2026年8月10日発表)
気象庁のエルニーニョ監視速報No.407は、2つの結論を出しています。ひとつは「2026年春からエルニーニョ現象が続いているとみられる」。もうひとつは「今後、冬にかけてエルニーニョ現象が続く見込み(100%)」です。確率100%という表現は、監視速報ではかなり珍しい強さです。
数字を見るとその理由がわかります。7月のエルニーニョ監視海域の海面水温は、基準値との差が+2.5℃でした。7月の値としては1949年以降で1997年と並ぶ最大です。発生判定に使う5か月移動平均値も、5月時点で+1.3℃。大気海洋結合モデルは、監視海域の水温が冬にかけてさらに上昇し、過去最大だった1997年に匹敵する値になると予測しています。
ちなみに、サーファー仲間の間では「ラニーニャの冬は寒くて日本海が当たる」という話がよく出ます。ここ数年はラニーニャ寄りの冬が続いたので、その感覚が残っている人も多いはず。でも今年の最新値は完全にエルニーニョ側です。「去年と同じ感覚」で動くと外しやすい冬になるので、ここでアップデートしておきましょう。
3か月予報(8月25日発表)が示す「季節の遅れ」
気象庁が8月25日に発表した3か月予報(9〜11月)も、冬の入り口を考えるうえで重要です。要点は3つ。9月から11月まで西〜北日本で気温が平年より高いこと。偏西風が日本付近で平年よりやや南を流れ、弱い見込みであること。そして11月を中心に、北・東日本太平洋側と西日本で湿った空気が入り、低気圧の影響を受けやすいことです。
サーファー目線で翻訳すると、こうなります。「冬型のスタートは遅れ気味。その代わり11月は太平洋側に低気圧うねりのチャンスが多い。水温も高めで推移する」。11月の千葉北の水温は平年なら18〜19℃ですが、今年は20℃前後を保つ日が長引くかもしれません。3mmジャーフルで粘れる期間が延びる、と考えるとちょっと嬉しいですよね。
1997-98年、2015-16年に何が起きたか
過去の強いエルニーニョ年を振り返ると、冬の傾向が見えてきます。1997-98年の冬は全国的に暖冬で、特に2月は記録的な高温でした。2015-16年の冬も強いエルニーニョで、12月は東京で記録的な暖かさ。ただし2016年1月下旬には、西日本から沖縄まで記録的な寒波が入り、奄美で115年ぶりの雪が降りました。
ここが大事なポイントです。「暖冬」は3か月平均の話であって、強い寒波が一度も来ないという意味ではありません。冬型が弱い期間が長い一方で、来るときは短期間にドンと来る。そういう冬になりやすいんです。日本海側を狙うなら、その「ドンと来た数日」を逃さないことが勝負になります。
エルニーニョの冬、サーファーには何が起きるか
気象庁は、エルニーニョ現象発生時の日本の天候の特徴を統計的に整理しています。統計期間は1947/48年〜2020/21年。冬(12〜2月)について統計的に有意とされている傾向は、次の3点です。
| 項目 | エルニーニョ冬の傾向(気象庁統計) | サーファーへの意味 |
|---|---|---|
| 平均気温 | 西日本で並か高い | 水温の下がり方が緩い。装備が一段軽く済む可能性 |
| 降水量 | 東日本太平洋側、沖縄・奄美で多い | 南岸低気圧が多い=千葉・湘南に東〜南東うねりの機会増 |
| 日照時間 | 西日本太平洋側で少ない。東日本太平洋側で並か少ない | 曇天・雨の日が増える。体感の寒さは風と濡れ対策が鍵 |
冬型が「続かない」ことの意味
エルニーニョの冬は、偏西風が日本付近で南寄りを流れ、アリューシャン低気圧の位置もずれます。その結果、西高東低の冬型が長続きしにくくなります。日本海側の波は、北西の季節風が数日吹き続けてサイズが上がるところから始まります。そして風が止んだ翌日に極上の波が残る。このサイクルで成り立っています。冬型が2〜3日で緩んでしまうと、うねりが十分に育つ前に終わってしまうことがあるんです。
ただし、悪いことばかりではありません。冬型が短いということは、風が止むタイミングが頻繁に来るということでもあります。日本海側は「胸〜肩の面ツルが1日だけ」というパターンが増える。ロングでもショートでも遊びやすいサイズが多い冬、と読むこともできます。
南岸低気圧が増えることの意味
一方、太平洋側にとっては追い風です。東日本太平洋側で降水量が多いというのは、本州の南岸を低気圧が通過する回数が多いことを意味します。南岸低気圧は、通過前に北東〜東の風でうねりを起こし、通過後は西〜北西のオフショアに変わります。千葉北の一宮・太東、茨城の大洗、湘南の鵠沼・辻堂あたりは、このパターンで一気にコンディションが整います。
Wavesの編集部は湘南と千葉をホームにしています。例年の冬は「日本海に行くか、太平洋側でスモールを我慢するか」の二択になりがちです。今年はその二択が崩れて、太平洋側でしっかり波に乗れる日が増える。そんなシーズンになる可能性があります。秋の台風スウェルの流れは、2026年秋の台風波予想で整理しています。季節のつなぎ目として合わせて読んでみてください。
冬型(西高東低)でどこに波が入るか|太平洋側と日本海側の逆転

ここからが本題です。同じ「冬型」でも、日本海側と太平洋側では起きることが正反対になります。天気図の等圧線が縦縞になったら、頭の中でこの逆転を思い浮かべてください。
日本海側:北西風がオンショアになって波を作る
西高東低の冬型では、大陸から北西〜北の季節風が日本海に吹き出します。日本海側の海岸は北〜北西を向いているので、この風はモロにオンショア。海は一気に荒れて、ハードなクローズアウトになります。この段階では入れません。狙うのは、冬型が緩んで風が止んだ翌日です。風が止んでもうねりは数時間から半日は残るので、面がツルッと整った状態で肩〜頭のセットが割れる。これが日本海側の「当たり日」の正体です。
新潟の場合、等圧線の間隔が狭い日は沿岸で15m/s以上の風が吹きます。このときのうねりは周期5〜7秒の風波で、太平洋側のグラウンドスウェルとは性格が違います。テイクオフの間合いが半拍早く、掘れ上がりが急です。慣れていないと「乗れそうで乗れない」を連発するので、日本海デビューの人は少しサイズが落ちた日から入るのがおすすめ。ポイントの特性や駐車場の情報は、新潟サーフィンガイドに詳しくまとめています。
太平洋側:オフショアでうねりが抑えられる
同じ冬型のとき、太平洋側では西〜北西の風がオフショアになります。オフショア自体は面を整える良い風ですが、強すぎるとうねりを沖に押し返してしまう。湘南のような南向きのポイントは、そもそも南からのうねりが入らない季節なので、ヒザ〜モモの日が続きます。「湘南の冬は波がない」と言われるのはこのためです。
ただし例外が2つあります。ひとつは、遥か東〜北東の海上で発達した低気圧のうねり。冬型のときは日本の東海上で低気圧が猛烈に発達することが多く、そこからの北東〜東うねりが千葉北や茨城に届きます。もうひとつは、関東〜東海の南向きポイントでの西風の風波。西風が強いと相模湾や駿河湾の中で風波が立ち、湘南西側や静岡で意外と乗れることがあります。面はザワつきますが、動いていないよりはマシですよね。
同じポイントでも季節で当たり外れが逆になる
この逆転を頭に入れておくと、ポイント選びがシンプルになります。夏から秋は台風の南うねりが入るので、湘南や千葉南の南向きポイントが当たり、日本海側は湖のようにフラット。冬はそれが反転して、日本海側が主役になり、太平洋側は北東〜東を向いたポイントだけが反応します。
| エリア | 向き | 夏〜秋(台風・南うねり) | 冬(冬型・北東うねり) |
|---|---|---|---|
| 湘南(鵠沼・辻堂) | 南 | ◎ 主戦場 | △ 南岸低気圧の日だけ |
| 千葉南(鴨川・千倉) | 南〜南東 | ◎ | ○ 東うねりに反応 |
| 千葉北(一宮・太東・飯岡) | 東〜北東 | ○ | ◎ 北東うねりの主戦場 |
| 茨城(大洗・日立) | 東〜北東 | ○ | ◎ 北東うねりに最も素直 |
| 静岡(御前崎・静波) | 南〜南西 | ◎ | ○ 西風の風波で立つ |
| 新潟・日本海側 | 北〜北西 | × ほぼフラット | ◎ 冬型の翌日 |
この表を見ると、冬に太平洋側で狙うなら「東〜北東を向いたポイント」に絞るのが正解だとわかります。うねりの向きとポイントの向きの関係は、うねりの向きの読み方ガイドで図解しています。まだピンと来ない人は、そちらを先に読むと理解が早いです。
北東うねりの特徴とポイント別の反応

冬の太平洋側を語るうえで避けて通れないのが「北東うねり」です。台風の南うねりに比べると地味な存在ですが、千葉北のサーファーにとっては冬のメインディッシュ。特徴を知っておくと、当たる確率がグッと上がります。
北東うねりはどこで生まれるか
北東うねりの発生源は主に2つあります。ひとつは、日本の東海上を北東へ抜けていく低気圧。本州付近を通過した低気圧が、三陸沖から千島近海で急発達すると、その南西側で強い北東風が吹きます。この風が関東の東海上でうねりを育て、千葉・茨城に届く。もうひとつは、冬型の吹き出しに伴う北東風。北日本を中心に冬型が決まると、関東の沖合でも北東の風が吹き続けて、ややザワついた北東の風波が入ります。
周期でいうと、前者は8〜11秒くらいの中期うねりで、面が整えば掘れた良い波になります。後者は5〜7秒の風波で、サイズはあってもトロく、ワイドに割れがちです。波情報の周期の数字を見れば、どちらのタイプかはすぐに見分けられます。周期の読み方についてはうねりの周期の見方にまとめてあるので参考にしてください。
ポイント別の反応|千葉北・茨城・湘南
千葉北の一宮周辺は、北東うねりに対して最も素直に反応するエリアです。うねりが入り始めた日は北東風のオンショアで面が荒れますが、風が北〜北西に回った翌朝は面ツルで胸〜肩。冬の一宮で「昨日は入れなかったけど今日は最高」という日は、ほぼこのパターンです。太東はうねりを少し外すので、一宮でサイズがありすぎる日の逃げ場になります。飯岡は北東うねりをまともに受けるので、サイズが上がりやすい反面、風の影響も受けやすいです。
茨城の大洗〜日立は、千葉北よりさらに北東に開いています。北東うねりの反応は一番早く、サイズも出ますが、その分クローズしやすい。「千葉北で頭オーバー」なら茨城は入れないことが多いです。逆に「千葉北でヒザ」なら茨城はモモ〜コシ、という具合にワンサイズ上と考えてください。
湘南は北東うねりが回り込んで入るには距離がありすぎるので、基本的には反応しません。冬の湘南で乗れるのは、南岸低気圧の東〜南東うねりか、西風の風波のどちらかです。それでも12〜2月の湘南は空いているので、スモールでもロングやミッドレングスで遊ぶ人はけっこう多いですよ。
北東うねりが「ハズレ」になる条件
北東うねりで一番多い失敗は、うねりが入っている日に風も北東のまま、というパターンです。この日は面が荒れていて、サイズだけあって乗れない。翌日を待つのが正解です。もうひとつの失敗は、うねりが長続きしないこと。東海上の低気圧は移動が速いので、うねりの寿命が1〜2日しかありません。「週末に取っておこう」と思っていると、土曜の朝にはもう消えていることがよくあります。北東うねりは、入れるときに入る。これが鉄則です。
月別展望|11月・12月・1月・2月
ここからは、気象庁の見通しと過去のエルニーニョ年の傾向を重ねて、月ごとの展望を描いてみます。あくまで「見通し」であって「予報」ではありません。実際の気圧配置は週単位で変わるので、直前は必ず最新の天気図と波情報で確認してください。
11月|季節の進みが遅く、太平洋側の低気圧うねりが主役
気象庁の3か月予報(8月25日発表)では、11月も気温は平年より高い見込みです。太平洋側では低気圧の影響を受けやすいともされています。冬型はまだ本格化せず、日本海側は「たまに北西風で立つ」程度で始まりそうです。主役は太平洋側。秋雨前線や低気圧が本州の南岸を通るたびに、千葉・湘南に東〜南東うねりが入ります。水温は千葉北で19〜20℃前後を保つ可能性が高く、3mmジャーフルで粘れる期間が例年より長くなりそうです。台風シーズンの名残で南うねりが入る年もあるので、11月前半までは湘南も視野に入れておいてください。
12月|冬型が立ち始め、日本海側が始動
12月に入ると、さすがに冬型の気圧配置が出てきます。ただしエルニーニョの年は冬型が長続きしにくいので、「2日吹いて1日止む」くらいの短いサイクルが多くなりそうです。これは日本海側にとって、実は悪くありません。風が止む日が頻繁に来るので、「サイズはほどほど、面はきれい」という日が増えるからです。太平洋側は北東うねりが入り始める時期。東海上で低気圧が発達したら千葉北・茨城をチェックしましょう。水温は千葉北で16〜17℃、新潟で12〜13℃程度。セミドライへの切り替え時期です。
1月|最も冬型が強い月。暖冬でも寒波は来る
1月は一年で最も冬型が決まりやすい月です。エルニーニョ年でも、2016年1月のように強烈な寒波が数日間入ることはあります。この「数日間」が日本海側の勝負どころ。寒波が抜けた翌日は、新潟から山陰まで日本海側全域で極上の波が残ります。太平洋側は、冬型が緩む合間の北東うねりと、東海上の低気圧うねりが頼りです。1月の千葉北の水温は14〜15℃、湘南は13〜14℃。エルニーニョ年は水温の下がり方が緩いので、例年より1℃程度高めで推移するかもしれません。それでも5/3mmセミドライにブーツは必須です。
2月|南岸低気圧が最多。太平洋側にチャンス集中
2月は南岸低気圧が一年で最も発生しやすい月です。エルニーニョ年はその回数がさらに増える傾向にあるので、2月は太平洋側が主役に戻ってきます。南岸低気圧が通過する前日は北東風で千葉・湘南にうねりが入り、通過後はオフショアに変わって面が整う。このパターンが週1回のペースで来る可能性があります。2月後半になると日本海を低気圧が通る「日本海低気圧」も出てきて、湘南に南風と南うねりが入る日が出てきます。春一番のあとの湘南は、冬の間我慢していたサーファーで一気に賑わいます。水温は一年で最も低い時期で、千葉北で13〜14℃。装備は真冬フル装備のままです。
| 月 | 気圧配置の主役 | 狙い目エリア | 水温目安(千葉北/新潟) | 装備 |
|---|---|---|---|---|
| 11月 | 秋雨前線・南岸の低気圧 | 千葉・湘南(東〜南東うねり) | 19〜20℃/16〜17℃ | 3mmジャーフル〜セミドライ |
| 12月 | 短い冬型の繰り返し | 日本海側(風止み翌日)、千葉北 | 16〜17℃/12〜13℃ | 5/3mmセミドライ+ブーツ |
| 1月 | 強い冬型+短期の寒波 | 日本海側全域、茨城・千葉北 | 14〜15℃/9〜10℃ | セミドライ+ブーツ+グローブ+キャップ |
| 2月 | 南岸低気圧(最多) | 千葉北・湘南・千葉南 | 13〜14℃/8〜9℃ | 真冬フル装備 |
冬に狙う日の作り方|気圧配置パターン3つ+α
月別の展望を頭に入れたら、次は「週末どこに行くか」を決める実践編です。冬の天気図は3つのパターンに分けて考えると、迷わなくなります。それぞれのパターンで、どこに、いつ入るのかを整理しました。
パターン1:強い冬型(等圧線が縦縞)
日本の西に高気圧、東に低気圧。等圧線が縦にぎっしり並んでいる典型的な冬型です。このときは日本海側が荒れてクローズ、太平洋側はオフショアでスモール。入る場所は正直ありません。ただし、これは「翌日の仕込み」です。予想天気図で2日後に等圧線の間隔が広がっていたら、その日は日本海側が当たります。冬型が決まったら、まず「いつ緩むか」を予想天気図で確認する。これが冬のルーティンです。予想天気図の見方に自信がない人は、波予測の方法と天気図の見方で基礎を押さえておきましょう。
パターン2:冬型が緩む・移動性高気圧が張り出す
冬型が緩んで、大陸から移動性高気圧が張り出してくるパターン。日本海側は風が止んでうねりだけが残る、一年で一番おいしい日です。新潟なら早朝は無風か弱いオフショア。日が高くなると風が変わるので、朝イチ勝負が基本です。太平洋側は高気圧に覆われて風は穏やかですが、うねりの供給源がないのでスモール。千葉北で残りの北東うねりがモモ〜コシあれば御の字、という感じです。
パターン3:南岸低気圧
本州の南岸を低気圧が東に進むパターンです。低気圧の北側では北東〜東の風が吹くので、通過前日は千葉・湘南に東〜南東うねりが入ります。ただし風もオンショアなので面は悪い。通過後、風が西〜北西に回った瞬間がベストです。低気圧が関東の東海上に抜けて発達すると、北東うねりに変わって千葉北・茨城でさらに1〜2日持ちます。エルニーニョの冬はこのパターンが増えるので、太平洋側のサーファーにとっては最重要パターン。関東で雪になる日と重なることも多く、雪の翌朝に一宮で面ツルというのは、冬ならではの絵になる光景です。
パターン+α:日本海低気圧・二つ玉低気圧
2月後半以降に出てくるパターンが2つあります。日本海を低気圧が進むパターンと、日本海と南岸の両方を低気圧が進む「二つ玉」です。日本海低気圧は湘南に南〜南西の強風を吹かせるので、風波で一気にサイズが上がります。面は荒れますが、通過後に北風に変わった瞬間に面が整い、湘南で胸〜肩の日が出ます。二つ玉は全国的に大荒れになるので、通過中は絶対に入らないこと。抜けた後に太平洋側で東うねりが残ります。
| パターン | 日本海側 | 千葉北・茨城 | 湘南 | 入るタイミング |
|---|---|---|---|---|
| 1. 強い冬型 | × クローズ | △ 北東風波 | × スモール | 入らない。翌日の仕込み |
| 2. 冬型が緩む | ◎ 面ツルの残りうねり | △ 残りうねり | △ | 日本海側の朝イチ |
| 3. 南岸低気圧 | △ | ◎ 通過後のオフショア | ○ 通過後 | 通過後、風が西に回った瞬間 |
| +α 日本海低気圧 | × 南風でクローズ | ○ | ◎ 南風波→北風で整う | 湘南は風が北に変わったあと |
装備と安全のチェックリスト

「今年は暖冬らしい」と聞くと、装備を軽くしたくなりますよね。でも、暖冬というのは気温の3か月平均の話で、海の中の話ではありません。1〜2月の千葉北の水温は、暖冬の年でも13〜15℃。手足の感覚が20分でなくなる温度です。エルニーニョ年だからこそ気をつけたいポイントを、装備と安全に分けて整理します。
装備:水温ではなく「風と濡れ」で決める
気象庁の統計では、エルニーニョ冬は東日本太平洋側で日照が少なく、降水が多い傾向です。つまり、晴れて無風の冬らしい朝より、曇って湿った朝が増える。体感の寒さは、水温よりも「海から上がったあとの風と濡れ」で決まります。12月以降は5/3mmのセミドライを基本に、ブーツは12月から、グローブとキャップは1月からが目安です。上がったあとに着るドライローブやポンチョ、ポットに入れた白湯の効果は、冬を越したことがある人なら全員うなずくはず。装備の全体像は冬サーフィンの寒さ対策20選に、ウェットの厚さ選びはウェットスーツの種類と水温別早見表にまとめています。
安全:冬型翌日の日本海と、南岸低気圧通過中の太平洋側
冬に事故が起きやすいのは、大きく2つの場面です。ひとつは、冬型が緩んだ翌日の日本海側。面はきれいでも、前日の荒れでカレントが強く残っていることがあります。特に河口周りは流れが速いので、入る前に5分間、水面の流れを見る習慣をつけてください。もうひとつは、南岸低気圧が通過している最中の太平洋側。「うねりが入ってきた」と喜んで入ると、風と雨で視界が悪く、サイズも急に上がります。通過後を待つのが、上手い人ほど徹底しているルールです。
もうひとつ、冬は日没が早いことも忘れずに。12月の日の入りは16時半前後で、15時を過ぎると光が急に落ちます。午後に入るなら、14時にはアップして、15時には上がる計画にしておきましょう。暗くなってからの海は、冬は本当に危険です。
よくある質問(FAQ)
Q1. エルニーニョの冬は、日本海側に波が立たないのですか?
立たないわけではありません。冬型が長続きしにくいので、「3日吹き荒れて翌日に頭オーバーの面ツル」という大当たりの回数は減る可能性があります。その代わり、風が止む日が頻繁に来るので、肩〜頭くらいで面のきれいな日は例年並みかそれ以上に出るはずです。1月の寒波のように短期間で強い冬型が入る日もあるので、そのタイミングを逃さないことが重要です。予想天気図で「等圧線が詰まって、2日後に広がる」パターンを探してください。
Q2. 北東うねりと台風の南うねりは何が違いますか?
一番の違いは向きと周期です。南うねりは台風が南海上で作るもので、周期12〜16秒の長いグラウンドスウェル。南向きの湘南や千葉南にきれいなラインで入ります。北東うねりは日本の東海上の低気圧が作るもので、周期は8〜11秒程度と短め。東〜北東向きの千葉北・茨城に入り、南向きの湘南にはほとんど届きません。寿命も違っていて、南うねりは3〜4日続くことがありますが、北東うねりは1〜2日で消えることが多いです。
Q3. 冬の千葉と湘南、どちらのほうが波がありますか?
圧倒的に千葉北です。冬の主なうねりは北東〜東から来るので、東を向いた一宮・太東・飯岡が反応します。湘南は南向きなので、南岸低気圧の通過後か西風の風波のときにしか波がありません。ただし2026-27冬はエルニーニョの影響で南岸低気圧が増える見込みです。例年より湘南で乗れる日が多くなる可能性はあります。それでも「迷ったら千葉北」が冬の基本です。
Q4. 暖冬予想でも、装備は真冬フル装備が必要ですか?
必要です。暖冬は気温の3か月平均が高いという意味で、水温が下がらないという意味ではありません。エルニーニョ年でも1〜2月の千葉北の水温は13〜15℃、新潟は8〜10℃まで下がります。例年より1℃程度高めで推移する可能性はあります。それでも5/3mmセミドライとブーツは必須。1月以降はグローブとキャップも用意してください。むしろ曇天と雨が増える予想なので、海から上がったあとの防寒はいつも以上に大事になります。
Q5. 冬のサーフィンは初心者でもできますか?
できます。むしろ冬は海が空いているので、練習には向いている季節です。ただし条件があります。装備をケチらないこと、サイズのある日を避けること、日没の1時間前には上がることの3つです。初心者におすすめなのは、冬型が緩んだあとの太平洋側や、南岸低気圧が抜けて2日目の千葉北。サイズが落ち着いて面が整った日を選んでください。日本海側は風波で掘れやすいので、初心者は太平洋側から始めるほうが無難です。
Q6. 冬の波を当てるために、どの情報を見ればいいですか?
基本は3つです。気象庁の予想天気図(48時間・72時間先)で冬型の強さと緩むタイミングを見る。波浪予想図または波情報サイトでうねりの向き・周期・高さを確認する。当日の朝にライブカメラかSNSで実際の面の状態を見る。この3段階で外す確率はかなり減ります。加えて、気象庁のエルニーニョ監視速報(毎月10日前後発表)と季節予報(毎月25日前後発表)を月に一度チェックしておくと、シーズン全体の流れがつかめます。
まとめ
2026-27冬の波予想を、気象庁の最新データから整理してきました。要点をまとめます。
- 気象庁は2026年8月10日、エルニーニョ現象が冬まで続く見込み(100%)と発表。規模は1997年級
- エルニーニョの冬は冬型が長続きしにくく、東日本太平洋側で南岸低気圧が増える傾向(気象庁統計)
- 日本海側は「短い冬型を繰り返す」冬。大当たりの回数は減っても、面のきれいな日は狙える
- 太平洋側は北東うねりと南岸低気圧が主役。千葉北・茨城が冬の主戦場
- 11月は太平洋側の低気圧うねり、12〜1月は日本海側、2月は南岸低気圧で太平洋側にチャンス
- 暖冬予想でも水温は13℃台まで下がる。装備は真冬フル装備、日没時刻に注意
冬の波は、夏の台風スウェルのような派手さはありません。でも、天気図を読んで、風が止む瞬間を狙って、誰もいない面ツルの海に入る。その一連の流れそのものが、冬サーフィンの醍醐味なんです。今年はエルニーニョという少し珍しい冬になりそうですが、だからこそ「例年と違う当たり方」を楽しんでください。
季節のつなぎ目として、まずは2026年秋の台風波予想で9〜10月の流れを確認し、装備は冬サーフィンの寒さ対策20選で今のうちに揃えておきましょう。日本海デビューを考えている人は新潟サーフィンガイドも合わせてどうぞ。気象庁の寒候期予報が9月下旬に出たら、この記事の月別展望も更新します。良い冬を。



















