2026年の台風は、8月だけで10個が発生しました。これは60年ぶりの記録ラッシュです。そして9月9日、気象庁はエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より+3.4℃高いと発表しました。8月としては観測史上最高で、あの1997年をも上回る数字なんです。
ここまで聞くと「じゃあ10月も台風スウェル祭りだ」と思いますよね? でも、答えは少し違います。10月の台風は平年3.4個の発生に対して、上陸は0.3個。本数は減るのに、来るときは「強い」勢力で一気に駆け抜ける。それが10月という月の性格です。
この記事は、2026年9月の台風予想の続編にあたる10月特化版です。気象庁の3か月予報とエルニーニョ監視速報を根拠に、10月の海況見通し、入りやすいうねりの型、エリア別の狙い目、そして水温とウェットの切り替えまでを1本にまとめました。読み終わるころには、10月のどの週に、どこへ、何を着て行くかが決められるはずです。
目次
- 2026年10月の海況見通し|海面水温と台風発生傾向
- 10月に入りやすいうねりの型|南うねりから北東うねりへ
- エリア別の狙い目|湘南・千葉・茨城・伊豆・日本海
- 10月の水温と必要なウェット|エリア別早見表
- 台風接近時の危険サイン|数字と現場の両方で判断する
- 予報の見方|気象庁とWindyを10月はこう使い分ける
- 10月のカレンダー|3連休・日没・潮回りで計画を立てる
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
2026年10月の海況見通し|海面水温と台風発生傾向
前提になる3つのデータ
波予想は気分で語っても当たりません。まず、10月の見通しを組み立てる土台になる公的データを3つ押さえておきましょう。
1つ目は、気象庁が8月25日に発表した3か月予報です。9〜11月の気温は北日本から西日本まで平年より高い予想。降水量は10月まで全国的に平年並みで、11月になると太平洋側で平年並みか多くなる見込みです。ポイントは「偏西風が平年よりやや南を流れ、弱い」という見立てです。偏西風が弱いと、台風が日本付近で加速しきれず、進みが遅くなる場面が出てきます。
2つ目は、9月9日発表のエルニーニョ監視速報です。8月の監視海域の海面水温は基準値+3.4℃。冬にかけてエルニーニョが続く確率は100%とされています。エルニーニョの年は、台風の発生位置が南東にずれ、長い距離を移動しながら発達する傾向があります。9月版でも書いたとおり、これは「本数」より「1個あたりの強さと周期の長さ」に効いてきます。
3つ目は、10月の平年値です。気象庁の統計では、10月の台風発生数は平年3.4個、上陸数は0.3個。9月の発生数が平年5個前後ですから、本数は3割ほど減ります。ただし2000〜2024年に日本へ上陸した台風72個のうち、10月に上陸したものはすべて「強い」勢力でした。つまり10月は「めったに来ないが、来たら強い」月なんです。
2026年10月の見立て:本数は平年並み、1個の質が高い
この3つを重ねると、2026年10月はこう読めます。発生数は平年並みの3〜4個。ただし発生位置が東寄りのため、日本のはるか南東で育ってから北上するコースが増えます。この型の台風は、うねりが届き始めてから本体が接近するまでの時間が長い。サーファーにとっては、周期14〜16秒の長周期うねりを2〜3日楽しめる可能性が高い型です。
一方で、日本近海の海面水温は9月時点で平年より高く、沖縄付近では30℃前後です。10月の台風は海面水温が高い海域を通るぶん、勢力を落とさずに接近します。うねりの質が上がる代わりに、接近時の危険度も上がる。この二面性が2026年10月の本質だと考えてください。
9月11日時点で、日本の南に台風はありません。ただし日本気象協会の1か月予報(9月10日発表)は「台風の備えも万全に」と明記しています。今年は発生ペースが速いぶん、10月に入っても台風シーズンが終わらないと見ておくのが自然です。
9月版から何が変わったか
9月版の記事では「9月は今シーズン最大の山場、ただし前半は雨」と書きました。実際に9月前半は秋雨前線が本州に停滞し、関東では9月11日に最高気温21℃という10月下旬並みの肌寒さになりました。千葉ではスコールライン型の豪雨も発生しています。台風24号は熱帯低気圧に変わり、残ったのは濁りと川の増水でした。
この流れを受けて、10月版で見立てを更新した点は2つです。1つは「秋雨前線が長引く年は、10月前半に南うねりと前線の東風がぶつかりやすい」こと。もう1つは「気温が高い秋は水温の下がり方も遅く、ウェットの切り替えが平年より1〜2週間ずれ込む」ことです。後半のセクションで具体的に触れていきます。
10月に入りやすいうねりの型|南うねりから北東うねりへ
前半戦(10月1日〜15日):台風の南〜南東うねり
10月前半は、まだ夏の延長線上にあります。太平洋高気圧の縁を回って北上する台風が、南から南東のうねりを運んでくる時期です。過去を振り返ると、2019年の台風19号は10月12日に伊豆半島へ上陸しました。2014年は18号が10月6日に浜松、19号が10月13日に鹿児島へ上陸し、2週連続で太平洋側にうねりが入っています。
2025年も10月上旬から中旬にかけて、22号と23号が立て続けに伊豆諸島へ接近しました。八丈島では最大瞬間風速42.7mを観測しています。こうして並べてみると、10月前半に「1回は大きなうねりが入る」確率はかなり高いことがわかりますよね。
この時期のうねりの特徴は、周期が長いことです。南東はるか沖で発生した台風のうねりは、13〜16秒の長周期で届きます。サイズ表記が「胸」でも、実際にセットが入ると頭を超える。これはうねりの周期の見方で解説した通り、周期が長いほど波のエネルギーが大きいからです。
後半戦(10月16日〜31日):低気圧の北東うねりが主役に
10月後半になると、主役が入れ替わります。大陸から移動性高気圧と低気圧が交互にやってきて、低気圧が日本の東海上へ抜けたあとに北東のうねりが残る。この「抜けたあとの北東うねり」が、関東から東北の太平洋側で秋らしい良い波を作ります。
北東うねりは台風のうねりより周期が短く、9〜12秒が中心です。そのぶん扱いやすく、初中級者でも楽しめるサイズに収まりやすい。しかも低気圧が抜けたあとは西〜北西の風になりやすく、千葉北や茨城ではオフショアで面が整います。10月後半の千葉が「1年で一番良い」と言われるのは、この組み合わせのおかげなんです。
2026年は偏西風が弱めという予報ですから、低気圧の動きがゆっくりになる可能性があります。低気圧の通過が遅いと、北東うねりが2日以上続くことも。逆に高気圧に覆われる期間も長引くので、「入れる日は続くが、凪の期間も長い」というメリハリのある月になりそうです。
過去の10月台風が教えてくれること
| 年 | 台風 | 10月に何が起きたか |
|---|---|---|
| 2025 | 22号・23号 | 上旬〜中旬に伊豆諸島へ連続接近。八丈島で最大瞬間風速42.7m |
| 2019 | 19号 | 10月12日に伊豆半島へ上陸。関東直撃で前後3日は入水不可 |
| 2018 | 24号・25号 | 9月30日上陸のあと、25号が10月6日に日本海を北上。連続スウェル |
| 2017 | 21号 | 10月23日に静岡へ上陸。超大型で長周期うねりが数日続いた |
| 2014 | 18号・19号 | 10月6日浜松、10月13日鹿児島へ上陸。2週連続で太平洋側に反応 |
| 1979 | 20号 | 870hPaの史上最低気圧。10月19日に和歌山へ上陸 |
この表から読み取れるのは、10月の台風は「上旬から中旬」に偏っていることです。10月下旬の上陸は2017年の21号のように例外的で、たいていは南海上を東へ抜けていきます。つまり10月のサーフィン計画は、前半は台風スウェル待ち、後半は低気圧の北東うねり狙い、と割り切って組むのが正解です。
エリア別の狙い目|湘南・千葉・茨城・伊豆・日本海
同じうねりでも、エリアによって反応はまったく違います。ここでは関東から日帰り〜1泊で行ける5エリアについて、10月の「当たりやすい型」と「外しやすい型」を整理します。うねりの向きと地形の関係は台風スウェルはどこで入る?でも詳しく書いているので、あわせて読んでみてください。
| エリア | 10月に当たる型 | 外しやすい型 | 狙い目の時期 |
|---|---|---|---|
| 湘南 | 南〜南東の台風うねり | 北東うねり(ほぼ反応しない) | 前半(台風待ち) |
| 千葉北 | 北東うねり+西風オフショア | 南うねり+南西風 | 後半(10月16日以降) |
| 千葉南 | 南東の台風うねり | 強い北東風の日 | 前半〜中旬 |
| 茨城 | 北東うねり+西〜北西風 | 南うねり(届きにくい) | 後半 |
| 伊豆 | 南〜南西の台風うねり | 北東うねり | 前半(台風待ち) |
| 日本海(新潟・北陸) | 低気圧通過後の北〜北西うねり | 台風うねり(ほぼ無関係) | 下旬 |
湘南と伊豆:10月前半の台風うねりに全振り
湘南は相模湾の奥にあるため、北東うねりはほとんど届きません。10月に湘南で良い波に乗りたいなら、台風の南〜南東うねりを待つしかない。2019年10月の19号のような直撃型は前後3日ほど入れませんが、南海上を東へ抜ける型なら、鵠沼や辻堂で胸〜肩の長周期がきれいに割れます。
伊豆は湘南よりさらに南に開いているので、南西うねりにも反応します。台風が九州の西を通るコースでも、伊豆の白浜や多々戸浜にはうねりが回り込む。湘南がフラットでも伊豆は肩サイズ、というのが10月の「あるある」です。10月の伊豆は水温もまだ22〜24℃と暖かく、遠征先として気持ちのいい時期でもあります。
千葉北と茨城:10月後半の北東うねりで本領発揮
千葉北の一宮から片貝、そして茨城の大洗から日立にかけては、北東うねりに正面から向いています。10月後半、低気圧が東海上へ抜けたあとの西〜北西風でオフショアになり、面がきれいに整う。この時期の千葉北は、1年で一番コンディションが安定する期間と言っていいでしょう。飯岡・片貝・作田など各ポイントの向き・駐車場・秋の水温早見表は千葉北サーフィンガイド【2026】にまとめています。
ただし北東うねりの日は、風が北東のまま残ると一気にワイドでダンパー気味になります。狙うなら「低気圧が抜けた翌日の朝」が鉄則です。低気圧うねりの狙い方は秋のサーフィン ポイント選びで手順化しているので、そちらも参考にしてください。
日本海:10月下旬から「もう一つの選択肢」になる
日本海側は台風うねりとはほぼ無縁ですが、10月下旬から低気圧が日本海を通過するたびに北〜北西のうねりが立ち始めます。まだ冬型ほど風は強くないので、通過後の凪いだタイミングに胸〜肩のきれいな波が残ることも。太平洋側が高気圧に覆われてフラットな週末は、新潟や北陸へ足を伸ばす価値があります。エリアの入り方は新潟サーフィンガイドにまとめています。
10月の水温と必要なウェット|エリア別早見表
エリア別・10月の水温とウェットの目安
波予想の記事でウェットの話をするのは、「うねりが当たっても寒くて30分で上がった」という失敗を防ぐためです。10月は月の前半と後半で水温が2℃前後下がります。しかも風が北寄りに変わるので、体感はそれ以上に冷える。下の表は平年の目安です。
| エリア | 10月上旬の水温 | 10月下旬の水温 | 上旬の装備 | 下旬の装備 |
|---|---|---|---|---|
| 湘南 | 約23℃ | 約21℃ | ロンスプ/3mmジャーフル | 3mmジャーフル |
| 千葉北 | 約23℃ | 約21℃ | ロンスプ/3mmジャーフル | 3mmジャーフル |
| 千葉南 | 約24℃ | 約22℃ | スプリング/ロンスプ | 3mmジャーフル |
| 茨城 | 約21℃ | 約19℃ | 3mmジャーフル | 3mmジャーフル+インナー |
| 伊豆 | 約24℃ | 約22℃ | スプリング/ロンスプ | 3mmジャーフル |
| 新潟・北陸 | 約22℃ | 約19℃ | 3mmジャーフル | 3mmジャーフル+インナー |
| 宮崎 | 約25℃ | 約23℃ | スプリング | ロンスプ/3mmジャーフル |
2026年は切り替えが1〜2週間ずれ込む可能性
気象庁の3か月予報では、10月の気温は全国的に平年より高い見込みです。海面水温は気温より遅れて変化するので、10月の水温も平年より高めで推移する可能性が高い。関東なら「10月中旬までロンスプでいける日がある」と考えておいていいでしょう。
ただし、ここで油断しがちなのが風です。秋の寒さは水温より風で決まります。10月下旬に北風8mが吹けば、水温21℃でも海から上がった瞬間に体が震える。この仕組みは秋サーフィンの寒さ対策で詳しく書きました。10月の車には、ジャーフルとロンスプの両方を積んでおくのが賢いやり方です。
今のうちに冬ウェットの目星をつけておく
もう一つ、10月にやっておきたいのが冬用ウェットの検討です。11月に入ると人気サイズから欠品が始まり、オーダーなら納期が3〜4週間かかります。10月中に試着して決めておけば、12月の最初の寒波に間に合う。冬用の選び方はセミドライおすすめ5選に、装備全体の買い時は秋冬サーフィン装備チェックリストにまとめています。
台風接近時の危険サイン|数字と現場の両方で判断する
数字で決める4つのライン
10月の台風は上陸するとすべて「強い」勢力だった、という事実を思い出してください。うねりが良さそうに見えても、数字で線を引いておくことが命を守ります。Wavesでは次の4つを「見送りライン」として提案しています。
1つ目は、台風の中心が自分のポイントから500km以内に入ったら見送ること。この距離になると風が急変し、うねりも乱れます。2つ目は、周期が14秒を超えてサイズが頭以上なら、上級者以外は入らないこと。3つ目は、風速10m以上のオンショアなら、サイズに関係なく中止すること。4つ目は、大潮の満潮前後2時間と長周期うねりが重なる日は、一発大波を前提に行動することです。
風の判断基準はサーフィンは風速何メートルまで?で、入る・やめるの総合判断はコンディション判断の7項目でそれぞれ細かく書いています。
現場でわかる5つのサイン
数字は家で確認するもの。海に着いてからは、目で見えるサインで最終判断します。1つ目は、セットの間隔が極端に長く、10分以上フラットが続いたあとに一気に来ること。これは長周期うねりの典型で、思っているより2サイズ上が来ます。2つ目は、インサイドの白波が沖まで帯状につながっていること。カレントが強く、流されたら戻れません。
3つ目は、海面に泡や流木、ゴミが漂っていること。川からの濁流が入っている証拠で、水質も地形も信用できません。4つ目は、いつも入っているローカルが誰も海に入っていないこと。これは最も信頼できるサインです。5つ目は、雲の流れが速く、風向きが30分単位で変わっていること。台風の外側の風が届き始めています。
通過後こそ落とし穴がある
台風が抜けた翌日は、オフショアで面が整い、うねりが残る「最高の朝」になることがあります。ですが、地形は台風前とは別物です。いつものサンドバーが消えて、インサイドが深く掘れていることも珍しくない。加えて10月は日没が早く、17時前には暗くなります。夕方の1ラウンドは、時間の見積もりを30分早めてください。台風前後の判断は台風サーフィンの見極め方にまとめています。
予報の見方|気象庁とWindyを10月はこう使い分ける
10日前・5日前・前日の3段階チェック
10月の波を当てるコツは、予報を「3回に分けて見る」ことです。1回目は10日前。Windyの海面気圧図で、日本のはるか南東に低圧部(台風のたまご)があるかを見ます。ECMWFとGFSの両方に出ていれば、7割方は何かが起きます。片方だけなら、まだ半信半疑でいい段階です。
2回目は5日前。ここで気象庁の台風情報に切り替えます。気象庁の予報円は5日先まで出ていて、進路の「幅」が読める。北緯20度・東経140度あたりを北上するコースなら、関東の太平洋側にうねりが届く型です。同時に、うねりの周期予想を確認しましょう。13秒以上の数字が並べば、サイズ表記より2段階上を想定します。
3回目は前日。ここは風だけを見ます。うねりの向きは変わらないので、風向きと風速で入るポイントを決める。前日の夜にWindyで朝6時の風を確認し、オフショアになるエリアへ向かう。この3段階を毎回やれば、10月の「行ったけど入れなかった」はかなり減らせます。
気象庁で見るもの、Windyで見るもの
気象庁とWindyはどちらが優れているという話ではなく、役割が違います。気象庁で見るべきは、台風の予報円と海面水温、そして波浪の実況です。特に海面水温の平年偏差図は、10月にウェットを決める根拠になります。「平年より+1℃なら切り替えを1週間遅らせる」といった判断ができるからです。
Windyで見るべきは、うねりの周期と向き、そして時間ごとの風です。ECMWFモデルを基本にして、台風が絡む週だけGFSと見比べる。モデルごとの癖は台風進路予想の見方で解説しています。有料の波情報サービスを併用するなら、無料との違いを有料の波情報サービス比較で整理しておくと、10月の遠征判断が速くなります。
10月に増える「前線+台風」の読み方
2026年の9月は秋雨前線が長く停滞しました。この傾向が10月前半まで続く場合、注意したいのが「前線の南に台風がある」状況です。前線の東風と台風の南うねりがぶつかると、湘南や千葉南はオンショアで面が崩れる。一方で、前線の北側にある茨城や東北は、東風がサイドオフになって意外と入れることがあります。天気図で前線の位置を台風とセットで見る癖をつけておきましょう。
10月のカレンダー|3連休・日没・潮回りで計画を立てる
3連休は10月10日〜12日。混雑と波のバランス
2026年10月の3連休は、10日(土)から12日(月・スポーツの日)です。ここに台風スウェルが重なると、湘南と千葉は間違いなく激混みになります。過去の傾向では、10月上旬から中旬は台風接近の確率が最も高い時期。連休に波が当たる期待値は高いのですが、そのぶん人も多い。連休は伊豆や茨城まで足を伸ばすか、平日に有給を使う判断も選択肢です。行き先の選び方は秋の国内サーフトリップで、うねりの向きから逆算する方法を紹介しています。
日没は月初17時26分、月末16時47分
東京の日没は、10月1日がおよそ17時26分、10月31日がおよそ16時47分です。1か月で40分近く早くなる。仕事帰りの夕方サーフィンは、10月中旬を過ぎるとほぼ成立しなくなります。逆に朝は、日の出が5時40分から6時にずれる程度なので、朝イチ勝負にシフトするのが10月の正解です。
大潮は10月10日前後と26日前後
2026年10月の新月は10日、満月は26日。それぞれ前後3日が大潮です。大潮は潮の動きが大きいぶん、干潮で地形が出て掘れる時間帯と、満潮で厚くなる時間帯の差が激しい。長周期の台風うねりと大潮の満潮が重なる日は、先ほど書いたとおり一発大波に警戒してください。逆に、北東うねりの日に大潮の上げ潮が重なると、千葉北のビーチブレイクはきれいに形が出ます。
よくある質問(FAQ)
Q. 2026年10月、台風は多いですか?
発生数は平年並みの3〜4個と見ています。今年は8月に10個が発生し、年間では既に24個に達していますが、10月は偏西風の南下で本数そのものは減る時期です。ただしエルニーニョの影響で発生位置が東寄りになり、1個あたりの勢力と周期の長さは平年以上になる可能性があります。「本数ではなく1個の質」で考えてください。
Q. 10月のサーフィン、ウェットスーツは何ミリが正解ですか?
関東なら3mmジャーフルが基本です。10月上旬の湘南や千葉は水温23℃前後なので、ロングスプリングでも入れる日があります。下旬になると21℃前後まで下がり、北風の日はジャーフルでないと厳しい。茨城や日本海は上旬からジャーフル、下旬はインナーを足すと安心です。2026年は水温の低下が遅れる予報なので、両方を車に積んで当日決めるのがおすすめです。
Q. 台風のうねりは何日前から届きますか?
台風がフィリピンの東、北緯20度付近にあるときで、関東には2〜3日後にうねりが届き始めます。周期の長い波ほど速く進むので、最初に届くのは周期15秒前後の「先頭集団」です。この段階ではまだ本数が少なく、10分に1セットということも。本体が近づくにつれて本数が増え、周期が短くなっていきます。うねりのピークは、台風が最接近する1日前のことが多いです。
Q. 10月後半、台風が来なくても波はありますか?
あります。10月後半は低気圧が日本の東へ抜けたあとの北東うねりが主役になります。千葉北や茨城では、この北東うねりと西風のオフショアが組み合わさって、1年で最も安定したコンディションになる時期です。周期は9〜12秒と扱いやすく、初中級者にも向いています。太平洋側がフラットな週は、日本海側の低気圧うねりが選択肢になります。
Q. 初心者でも10月の台風スウェルに入れますか?
基本的にはおすすめしません。10月の台風うねりは周期が長く、サイズ表記より実際の波が大きくなりがちです。カレントも強く、流されると戻れないことがあります。初心者が10月に狙うなら、台風が抜けて2〜3日後の残りうねりか、後半の北東うねりの小さめの日を選んでください。湾の奥や堤防に守られたポイントで、ローカルが入っているのを確認してから入るのが安全です。
Q. エルニーニョの年は10月の波が良くなるんですか?
「良くなる」というより「型が変わる」と考えたほうが正確です。エルニーニョの年は台風の発生位置が南東にずれ、長い距離を移動しながら発達します。日本に届くうねりは周期が長く、質は上がりますが、接近する頻度は平年並みです。また偏西風が弱めなので、低気圧の動きが遅く、北東うねりが続く期間と凪の期間がはっきり分かれる傾向があります。当たる日を確実に当てる、という姿勢が大事です。
まとめ:10月は「前半は台風、後半は低気圧」で組み立てる
2026年10月の波予想を、最後に整理しておきます。
- 台風の発生数は平年並みの3〜4個。ただしエルニーニョで発生位置が東寄りになり、届くうねりは長周期で質が高い。
- 10月に上陸した台風は2000年以降すべて「強い」勢力。うねりの質と危険度はセットで上がる。
- 前半(1〜15日)は台風の南〜南東うねりで湘南・伊豆・千葉南、後半(16日以降)は低気圧の北東うねりで千葉北・茨城が主役。
- 水温は上旬23℃前後から下旬21℃前後へ。関東は3mmジャーフルが基本だが、2026年は切り替えが1〜2週間遅れる可能性がある。
- 見送りラインは「中心500km以内」「周期14秒超+頭以上」「オンショア10m以上」「大潮満潮+長周期」の4つ。
- 予報は10日前にWindy、5日前に気象庁、前日に風だけ、の3段階で見る。
9月の振り返りと台風スウェルの基礎は2026年9月の台風予想を、11月以降の冬型のうねりは2026-27冬の波予想をあわせてどうぞ。装備を今のうちに整えたい人は秋冬サーフィン装備チェックリストが便利です。
10月は、1年で一番「当てたときの気持ちよさ」が大きい月です。水はまだ暖かく、人は夏より少なく、うねりは長い。予報を3回見て、装備を2着積んで、ローカルの動きを見て入る。それだけで10月の1本は、今年一番の1本になります。良い波、当てにいきましょう。



















