真冬の国内で、3mmフルスーツのまま入れる海があるのを知っていますか?
12月を過ぎると、関東の海は朝の気温が一桁になります。駐車場で凍えながら5mmを着て、グローブとブーツをはめて、それでも手がかじかむ。波はあるのに体が動かない。そんな冬を何年も繰り返してきた人ほど、「一度くらい暖かい海で思いきり乗りたい」と思うはずです。
その答えのひとつが、鹿児島の南に浮かぶ種子島なんです。黒潮が島の東側を流れるおかげで、1〜2月でも水温は18〜20℃前後。ブーツもグローブも要りません。そして冬型の気圧配置が決まると、北西の季節風が東海岸ではオフショアになり、北東のうねりがきれいに割れます。
この記事では、種子島が冬に強い理由と、風向きで選ぶ主要ポイントを整理します。さらに空路と船の行き方と実費、宿とレンタカー、必要なウェットまでを一本にまとめました。観光情報ではなく、サーフトリップとして「行けるかどうか」を判断できる材料を並べています。冬の計画を立てる前に、ひととおり目を通してみてください。
目次
- 種子島が冬に強い理由|黒潮の水温と冬型のうねり
- 風向きで選ぶ主要ポイント|鉄浜・竹崎・犬城・中山・屋久津
- 行き方|空路・高速船・フェリーの比較
- ボード輸送の実費|飛行機・高速船・フェリー・宅配
- 宿・レンタカーの手配と3泊4日のモデル行程
- 冬に必要なウェットと装備
- 種子島サーフィンのよくある質問
- まとめ
種子島が冬に強い理由|黒潮の水温と冬型のうねり

種子島は鹿児島本土から南へ約115km、屋久島のすぐ東隣にある細長い島です。南北に約57km、島全体の人口は約3万人。北から西之表市、中種子町、南種子町の3つの自治体で構成されています。ロケットの発射場がある種子島宇宙センターは、島の南東端にあります。
サーファーにとって大事なのは、この島が「四方を海に囲まれた細長い形」をしていることです。東海岸は太平洋、西海岸は東シナ海に面していて、北と南にもビーチがあります。つまり風がどの方角から吹いても、どこかの海岸がオフショアになる。本州の太平洋側のように「北西が吹いたら全滅」という日が、ほとんどないんです。
水温を支える黒潮と、1〜2月の体感
種子島の東側には黒潮が流れています。そのおかげで、海水温は本州の太平洋側よりかなり高いまま冬を越します。現地のサーフショップや宿が公開している情報を見ると、1〜2月でも18〜20℃近くという数字が並びます。湘南や千葉が同じ時期に12〜15℃まで下がるのと比べると、5℃前後の差があることになります。
5℃というと小さく聞こえますよね。でもウェットの厚みで言えば、「5mmセミドライ+ブーツ+グローブ」と「3mmフルスーツのみ」の差なんです。海から上がった瞬間の風は確かに冷たいものの、水の中にいる間は手足の感覚がなくなることがありません。1ラウンドで2時間入れる、というのが冬の種子島のいちばんの価値だと思います。
気温は別です。1月の平均気温は10℃前後、朝は一桁まで下がります。「南国だから半袖」と思って行くと、駐車場での着替えで後悔します。水温は暖かい、気温は普通の冬。この二段構えを覚えておいてください。
冬型の気圧配置が決まった日に何が起きるか
冬の波の主役は、西高東低の冬型です。シベリア高気圧が張り出し、日本の東に低気圧が抜けていくと、日本海側から北西の季節風が吹き続けます。本州の太平洋側では、この風が「北東うねり+オンショア気味」のジャンクを作ることも多いですが、種子島では事情が違います。
島の東海岸は北東から南東に開いているので、冬型で発生した北〜北東のうねりが入ってきます。そして北西の季節風は、東海岸ではきれいなオフショアです。つまり冬型が決まれば決まるほど、鉄浜を中心とする東海岸の条件が整う。これが「種子島は冬に強い」と言われる理由の核心です。
一方で、冬型が緩んで風が東や南東に回った日は、西海岸の中山や屋久津が狙えます。低気圧が南岸を通過して南うねりが残った日には、南向きの竹崎が息を吹き返します。1週間滞在すれば、だいたい3種類の海岸を経験できる。これが本州の一点集中型のポイントとの違いです。
なお、冬の国内トリップ全体の考え方は、秋の国内サーフトリップ|うねりの向きで行き先を選ぶで整理しています。うねりの向きから行き先を決める手順は、冬でもそのまま使えます。
風向きで選ぶ主要ポイント|鉄浜・竹崎・犬城・中山・屋久津

種子島には大小あわせて10か所以上のポイントがあります。ここでは、ビジターが冬に現実的に入れる場所を、風向きとうねりの向きで整理します。先に全体像を表にしました。
| ポイント | 海岸 | 合ううねり | オフショア | ボトム | レベル | 設備 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 鉄浜(かねはま) | 東(西之表市) | 北東〜南東 | 北西〜西 | 玉石・河口 | 中級〜 | 駐車場・トイレ・シャワー |
| 竹崎(ホテル前) | 南(南種子町) | 南東〜南 | 北〜北東 | サンド | 初級〜 | 駐車場・トイレ・シャワー |
| 犬城(いんじょう) | 東(崖に囲まれる) | 東 | 風の影響小 | リーフ | 中級〜 | 最小限 |
| 灯台下 | 南 | 南 | 北風強いと閉じる | サンド | 初級〜 | 駐車場・トイレ・シャワー |
| 中山 | 西(東シナ海) | 西 | 東 | リーフ・ビーチ | 初級〜 | 最小限 |
| 屋久津 | 南西 | 西 | 南東 | サンド | 中級〜 | なし |
| 安城(ハングリー)・住吉 | 東 | 大きな東うねり | 北西 | リーフ | 上級〜 | なし |
北西風の日の本命は鉄浜(かねはま)
島の北東部、西之表市にある鉄浜海岸は、種子島を代表するメジャーポイントです。北東〜南東のうねりを拾い、北西〜西の風がオフショア。つまり冬型が決まった日の本命になります。ボトムは玉石と河口の砂で、地形は比較的安定しています。レギュラーもグーフィーも割れますが、ロングライドしやすいのはレギュラー側と言われます。
パワーのある波で、頭サイズ前後で真価を発揮するタイプです。腰〜腹の日は初級者でも楽しめますが、サイズが上がると離岸流が強くなり、インサイドの岩にも注意が必要です。駐車場、トイレ、シャワー、更衣室がそろっていて、ビジターがいちばん入りやすい環境なのは間違いありません。混雑するのもここなので、朝一を狙うのが基本です。
北〜北東が吹いたら竹崎(ホテル前)と灯台下
島の南端、南種子町の竹崎海岸は「ホテル前」の通称で呼ばれます。南東〜南のうねりに反応し、北〜北東の風がオフショア。岩が東風を遮ってくれるので、鉄浜が風で崩れる日の逃げ場になります。湾状の地形でうねりが集まりやすく、左奥の岸壁脇から割れるレギュラーが狙い目です。JPSAの大会会場になった実績もあり、サイズが上がるとかなりパワフルです。
すぐ近くの灯台下は、宇宙センターの発射台を眺めながら入れるサンドのビーチです。通年パワフルに割れるものの、北風が強い日はクローズします。トイレ・シャワー・駐車場があり、冬の南うねりが残った日に竹崎とセットでチェックすると効率がいいです。
風が強すぎる日は犬城(いんじょう)
犬城は高い崖に囲まれた入り江で、風の影響を受けにくいのが最大の特徴です。東うねりでレギュラーが割れ、ダラっとしたメローな波質なのでロングボードやミッドレングス向き。北西がどこも強すぎて東海岸が荒れた日、ここだけ入れることがあります。満潮前後は割れにくくなるので、潮回りは事前に確認してください。左側の岩には注意が必要です。
東風の日は西海岸の中山と屋久津
冬型が緩み、風が東寄りに回った日は西海岸の出番です。中山海岸は長いビーチで、西うねりを拾います。夕日の時間帯に入れるロケーションは種子島ならではです。ただし西風が強く残っているとジャンクになります。南西の屋久津はレフトオンリーのビーチで、西うねりに南東の風がオフショア。台風や低気圧通過後に長く乗れる波になり、ダブルのうねりでも乗りやすいと言われます。
ビジターは見学にとどめるべき場所
ハングリーの通称で知られる安城と、住吉は、どちらもリーフのエキスパートポイントです。ハングリーはアウターリーフで、パドルアウトに20分かかります。チューブが巻く日もありますが、カレントが強く、ローカルの上級者が集まります。初めての滞在では、駐車場から眺めて「次に来る目標」にしておくのが正解です。
ローカルルールについては、よそ者を排除するような独自の決まりはないと言われていますが、島のポイントは地元の人の生活圏です。挨拶、順番、駐車場の使い方は本州以上に丁寧に。基本は初心者のためのサーフィンマナーとルール入門と同じです。
行き方|空路・高速船・フェリーの比較

種子島へは、鹿児島を経由する3つのルートがあります。飛行機、高速船、フェリーです。どれを選ぶかは「ボードの長さ」と「車を持ち込むか」でほぼ決まります。まず3ルートを比べます。運賃は2026年10月時点の公式情報と各社の案内をもとにした目安です。燃料油価格の調整で変わるため、予約前に必ず確認してください。
| ルート | 区間 | 所要時間 | 大人片道の目安 | 便数の目安 | ボード |
|---|---|---|---|---|---|
| 飛行機(JAC) | 鹿児島空港→種子島空港 | 約40分 | 時期・運賃種別で大きく変動 | 1日4便前後 | ショートのみ・断られることあり |
| 高速船トッピー&ロケット | 鹿児島本港→西之表港 | 約1時間35分 | 12,000円(往復22,200円) | 1日5〜7便 | ショートのみ有料・ロング不可 |
| フェリープリンセスわかさ | 鹿児島南埠頭→西之表港 | 約3時間30分 | 2等5,500円〜6,000円+調整金 | 1日1〜2便 | 1枚1,000円・ロング可・車も可 |
| フェリーはいびすかす | 谷山港→西之表港 | 約3時間40分 | 3,000円台後半〜(要確認) | 夜便・曜日運休あり | 要相談 |
飛行機|東京から最短で午前中に着く
東京から鹿児島空港までは約1時間50分。そこから日本エアコミューター(JAC)のプロペラ機で約40分で種子島空港に着きます。羽田を朝一の便で出れば、昼前には島に立てる計算です。時間の面では圧倒的に有利で、2泊3日でも実質2日半入れます。
弱点はボードです。JACの機材はATR42/ATR72で、貨物室に積める長さの目安は210cm。しかも「他の手荷物の状況によっては預かれない」と公式に明記されています。ショートボードなら入ることが多いものの、混雑期は断られたり次便回しになったりする話を現地でも聞きます。ロングやミッドレングスは、最初から別の手段で運ぶ前提で計画してください。
高速船|鹿児島市内から1時間35分
種子屋久高速船の「トッピー」「ロケット」は、鹿児島本港の南埠頭から西之表港まで約1時間35分です。2026年5月11日以降、大人片道は12,000円、往復割引で22,200円。Web限定の早割14・早割28を使うと安くなります。ただし年末年始(2026年12月26日〜2027年1月3日)は、早割28の対象外です。
荷物の規定は厳しめで、無料で持ち込めるのは1人15kgまで、3辺の合計115cm未満。ショートボードは有料の手回り品扱いで、現地の案内では1本片道1,000円が目安です。ただし「状況によっては断られる」とあり、ロングボードは規定上、持ち込み不可です。鹿児島中央駅から港まではバスやタクシーで10〜15分なので、鹿児島まで飛行機、そこから高速船という組み合わせは現実的です。
フェリー|ボードの制約がいちばん少ない
フェリープリンセスわかさは、鹿児島南埠頭8:40発が基本で、西之表港まで約3時間30分。2等の旅客運賃は通常期5,500円、繁忙期6,000円で、これに燃料油価格調整金が加わります。サーフボードは1枚1,000円(現金のみ)で、ロングも運べます。
本土から車で来る人には、車両航送が使えます。4m〜5m未満の乗用車で通常期24,000円、繁忙期26,500円。この金額には運転手1名の2等運賃が含まれ、車に積んだボードは追加料金なしという案内です。車両は電話予約制(受付は平日9〜17時、日祝休み)なので、週末に思い立っても予約できません。早めに動いてください。
もうひとつの選択肢が、鹿児島市の谷山港から出るフェリーはいびすかすです。夕方発の夜便で、曜日によって運休があります。運賃は安いものの、乗船券は当日購入で、便数も少ない。時間に余裕がある人向けです。
冬の船で気をつけたい欠航リスク
冬型が決まると、波が良くなる一方で船が揺れます。高速船もフェリーも、海況が悪いと欠航や遅延があり、運航の判断は出港前に決まることが多いです。帰りの便が飛ばなければ、翌日の仕事に間に合いません。帰路は「予備日を1日とる」か「帰りだけ飛行機にする」のが、冬のトリップの鉄則です。往路と復路で航路を変えるときは、レンタカーの返却場所が変わる点も忘れずに。
ボード輸送の実費|飛行機・高速船・フェリー・宅配

種子島トリップでいちばん差が出るのが、ボードをどう運ぶかです。ショートとロングで選択肢がまったく違います。ここでは「関東から1人・ボード1本」を想定して、手段ごとの実費を並べました。
| 運び方 | ショート | ロング・ミッド | 片道の追加費用の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 飛行機(羽田→鹿児島→種子島) | 可(210cm目安) | 原則不可 | JAL系は無料手荷物20kg内なら0円〜 | JACは積載状況で断られる |
| 飛行機+高速船 | 可 | 不可 | 高速船で1本1,000円前後 | ロングは規定で持ち込み不可 |
| 飛行機+フェリー | 可 | 可 | フェリーで1枚1,000円 | 鹿児島で半日待つ日程 |
| 宅配便で宿へ送る | 可 | 可 | サイズと業者で変動・事前見積 | 宿に受け取り可否を確認 |
| 本土から車ごとフェリー | 可 | 可 | 車両航送24,000円〜(運転手込) | 電話予約制・冬は欠航リスク |
ショートボードなら飛行機が現実的
ショート1本なら、羽田から鹿児島までJALで預け、そのままJACに乗り継ぐのがいちばん速いです。国内線のJALグループは、サーフボードも通常の受託手荷物として扱い、他の荷物と合計20kgまでが無料枠の目安です。ボードバッグ込みで8〜10kgなら、着替えを入れても枠内に収まることが多いでしょう。ただしJACの小型機は積載保証がないので、搭乗手続きは早めに。断られたときの保険として、宿に送る手配を頭に入れておきます。
梱包はハードケースか、厚手のトラベルケースが必須です。プロペラ機の貨物室は狭く、積み下ろしも手作業。サーフボードを飛行機で運ぶ方法|料金比較と梱包術で解説した「ノーズとテールを二重に守る」梱包を、ここでも徹底してください。ケース選びはサーフボードケースの選び方とおすすめが参考になります。
ロングボードは「送る」か「フェリー」の二択
ロングやミッドレングスは、飛行機でも高速船でも載りません。選択肢は、宅配便で宿に送るか、鹿児島からフェリーに乗せるかです。宅配は業者ごとに長尺物の上限と料金が違い、ボードケースの長さと重さで見積もりが変わります。往復で数千円から1万円台と考えておけば、大きく外れません。宿によっては受け取りを断られることもあるので、予約時に「ボードを送ってよいか」を必ず聞いてください。
フェリーなら1枚1,000円で済みます。朝8:40に鹿児島を出て、昼前に西之表港に着く日程になるので、前日に鹿児島入りして市内に泊まる形が多くなります。鹿児島で一泊するぶん宿代はかかりますが、ボードを自分の手で運べる安心感は大きいです。
現地でレンタルする選択
島内のサーフショップでは、レンタルボードを扱っている店があります。1日数千円が目安で、ショートからミッド、ロングまで扱いは店によって違います。「初めての種子島で、まず波を見てから決めたい」という人は、ボードを運ばずにレンタルで済ませる手もあります。自分の板でなくても、水温20℃の海で思いきり乗る価値は十分です。
宿・レンタカーの手配と3泊4日のモデル行程

種子島は南北に57kmあり、鉄浜(北)から竹崎(南)までは車で1時間前後かかります。公共交通だけでポイントを回るのは現実的ではなく、レンタカーは必須です。宿は「どの海岸をメインにするか」で選びます。
レンタカーは空港と港で受け取れる
種子島空港にはレンタカー会社のカウンターがあり、西之表港の近くにも営業所があります。軽自動車は1日5,500円前後から、コンパクトで7,000円前後、ワゴンクラスで8,500円以上が目安です。ボードを積むなら、軽でも後部座席を倒せば6フィート前半のショートは入ります。ロングはルーフキャリアが必要なので、予約時にキャリア付き車両があるか確認してください。港への送迎をしてくれる営業所もあります。
気をつけたいのは、ロケットの打ち上げ時期です。打ち上げ前後は観光客と関係者で車も宿も埋まります。打ち上げ日程は宇宙センターのサイトで公開されるので、トリップの日程とぶつかっていないか先に見ておきましょう。
宿は北の西之表か、南の南種子かで決める
宿の選び方は単純です。鉄浜をメインに入るなら西之表市内、竹崎や灯台下を狙うなら南種子町。島の中央の中種子町に泊まれば、どちらにも40分前後で行けます。サーファー向けの宿には、海まで徒歩数十秒のゲストハウスや、サーフショップのオーナーが営む民宿があります。西之表港から歩ける市内ホテルも選択肢です。素泊まりで1泊6,000〜8,000円が相場です。
予約のときに聞いておきたいことは3点あります。ボードの保管場所、外シャワーやウェットを干せる場所の有無、宅配のボードを受け取ってもらえるかです。冬は暖かいとはいえ気温は一桁になるので、ウェットが翌朝まで乾かないことがあります。乾燥できる環境があるかどうかで、2日目の朝の快適さが変わります。
関東発・3泊4日のモデル行程
- 1日目:羽田朝一→鹿児島→JACで昼前に種子島着。レンタカーで鉄浜をチェックして夕方1ラウンド
- 2日目:冬型が決まれば鉄浜で朝一と午後の2ラウンド。風が強すぎれば犬城へ
- 3日目:風が東に回れば中山か屋久津へ。南うねりが残れば竹崎と灯台下
- 4日目:朝一を1本入れてから昼の便で鹿児島へ。欠航リスクがあるので帰りは飛行機
3泊4日で6〜7ラウンド入れれば、十分に元が取れます。費用の目安は、関東発の航空券が往復4〜7万円、レンタカー3日で2万円前後、宿3泊で2万円強、食費と燃料で1万円強。合計10〜12万円が、ボード1本で行く冬の種子島の相場感です。海近の宿を選べば、サーフィン帰りの海近温泉10選で紹介したような湯に、島内でも寄れます。
冬に必要なウェットと装備

「水温は暖かく、気温は普通の冬」。種子島の装備は、この一文に尽きます。水中では3mmで足りても、海から上がって着替える20分が寒い。ここを押さえておけば、荷物を無駄に増やさずに済みます。
ウェットは3mmフルスーツが基本
1〜2月の水温が18〜20℃前後なら、本州の10月下旬〜11月上旬に相当します。多くのサーファーは3mmのフルスーツ(3/2mm)で2時間入れます。寒がりの人や、風が強い日に長く入りたい人は、裏起毛の3mmか、インナーを1枚足すと安心です。5mmのセミドライを持っていっても暑くて動きにくいだけなので、本州の冬用はそのまま家に置いてきて大丈夫です。
ブーツとグローブは、現地の宿が「真冬でも必要ありません」と案内しているほどです。ただしヘッドキャップは別で、北西が強く吹く日の朝一は耳が冷えます。かさばらないので1枚入れておくと、ドロップインの前に迷わずにすみます。ウェットの種類ごとの水温目安はウェットスーツの種類全9種|水温別の選び方で、セミドライとの境目はセミドライと5mmフルスーツの違いでまとめています。
持ち物リスト|あると差がつく5つ
| 装備 | 必要度 | 理由 |
|---|---|---|
| 3/2mmフルスーツ | 必須 | 1〜2月の水温18〜20℃に対応 |
| ヘッドキャップ | あると良い | 北西風の朝一に耳が冷える |
| お湯用ポリタンク(小) | あると良い | 気温一桁の朝の着替えが楽になる |
| ドライローブかポンチョ | 必須 | 駐車場の風対策。島は遮るものが少ない |
| ハードケース+緩衝材 | 飛行機なら必須 | プロペラ機の貨物室は手積み |
ワックスは本州の冬用(COLD)ではなく、COOLを持っていってください。水温20℃近い海で冬用を塗ると、柔らかすぎて足元がぐちゃぐちゃになります。日焼け止めも忘れずに。真冬でも南国の日差しは強く、水面の反射で顔がしっかり焼けます。
情報の取り方|当日の判断に使うもの
現地の波情報は、島のサーフショップや宿が発信するブログやSNSが頼りになります。鉄浜の様子を朝に上げてくれる店もあり、島内で移動する前に見れば無駄足が減ります。潮位は気象庁の種子島の潮位表を参照し、犬城のように満潮で割れにくい場所は干潮前後を狙いましょう。本州の冬の全体的な見通しは2026年12月の波予想もあわせて確認してください。
同じ九州の冬トリップとして、本土側なら宮崎サーフィンガイド|木崎浜・青島の波と行き方、四国なら徳島サーフィンガイド|生見・宍喰の波と駐車場も候補です。種子島は船と飛行機の手間がかかるぶん、水温と人の少なさで応えてくれます。
種子島サーフィンのよくある質問
種子島のサーフィンのベストシーズンはいつですか?
波の安定度と気候の両方を取るなら9〜10月です。台風のうねりが入りやすく、水温も高く、観光客が落ち着きます。ただし「人が少なく、水温が暖かく、冬型で波が立つ」という条件がそろうのは12〜2月で、関東の寒さから逃げたいサーファーには冬こそ狙い目です。1〜2月は水温18〜20℃前後、3mmフルスーツで入れます。
冬の種子島はブーツやグローブが必要ですか?
多くの場合は不要です。黒潮の影響で真冬でも水温が18〜20℃前後あり、現地の宿やショップも「ブーツ・グローブは要らない」と案内しています。ただし気温は1月で平均10℃前後、朝は一桁になります。北西の季節風が強い日の朝一は耳が冷えるので、ヘッドキャップは1枚持っていくと安心です。
ロングボードは種子島に持っていけますか?
飛行機(JAC)と高速船(トッピー・ロケット)では原則として運べません。JACの機材は積載の長さが210cm目安で、高速船はロングボードが持ち込み不可と規定されています。ロングやミッドレングスは、鹿児島からフェリープリンセスわかさに乗せる(1枚1,000円)か、宅配便で宿に送るのが現実的です。宿には事前に受け取り可否を確認してください。
種子島のサーフィンは初心者でも大丈夫ですか?
腰〜腹サイズの日であれば、鉄浜や竹崎、灯台下といった設備の整ったビーチで楽しめます。レンタルボードやスクールを扱うショップもあるので、初めての人はガイドを頼むと安全です。ただしサイズが上がると離岸流やカレントが強く、ハングリーや住吉などのリーフは上級者専用です。初めての滞在では無理せず、ローカルの人に波の状況を聞いてから入りましょう。
種子島へは何日くらいで行くのがおすすめですか?
最低でも2泊3日、できれば3泊4日をおすすめします。移動に半日ずつかかるうえ、冬は船の欠航リスクがあるからです。3泊あれば、冬型で東海岸、風が回った日に西海岸、南うねりが残った日に南海岸と、島の3方向の海岸を試せます。帰りは飛行機にして、欠航で翌日の予定が崩れないようにするのが鉄則です。
車を持ち込む場合のフェリー代はいくらですか?
フェリープリンセスわかさの車両航送は、4m〜5m未満の乗用車で通常期24,000円、繁忙期26,500円(片道)で、運転手1名の2等運賃を含みます。車に積んだボードは追加料金なしという案内です。これに燃料油価格調整金が加わります。車両は電話予約制で、受付は平日9〜17時なので、早めに手配してください。
まとめ
種子島は、冬に本州で凍えているサーファーにとって、いちばん近い「暖かい海」です。最後に要点を整理します。
- 黒潮のおかげで1〜2月も水温18〜20℃前後。3mmフルスーツで入れて、ブーツとグローブは不要
- 冬型の北西風は東海岸でオフショア。鉄浜が本命、風が強すぎれば犬城、東風なら西海岸へ
- 行き方は飛行機・高速船・フェリーの3択。ショートなら飛行機、ロングはフェリーか宅配
- 高速船は大人片道12,000円で約1時間35分、フェリーは2等5,500円〜で約3時間30分
- レンタカーは必須。宿はメインの海岸に合わせて北か南で選ぶ
- 帰りは欠航に備えて飛行機か予備日。3泊4日・10〜12万円が目安
ボードの運び方で迷ったらサーフボードを飛行機で運ぶ方法を、行き先選びの基本はうねりの向きで行き先を選ぶ国内サーフトリップを読み返してみてください。九州本土の候補は宮崎サーフィンガイドでまとめています。
冬の予定を立てるなら、まずは船と宿の空きを押さえるところから。水温20℃の海に飛び込んだ瞬間の「あれ、冷たくない」という感覚は、一度味わうと忘れられません。今年の冬は、種子島で思いきり乗ってみませんか。


















