サーフィンのボトムターンとは|走らない3症状と型・練習法

波のボトムでレールを立ててターンするサーファー|サーフィンのボトムターンとは

ボトムターンって、「ボトムまで下りてからターンする技」だと思っていませんか?実は、この理解のままだと何年やっても板は走りません。ボトムに着いた時点でスピードは失われ、リップまで届かず、カットバックもオフザリップも入口で詰まってしまうからです。

「テイクオフはできる。横にも走れる。でもターンすると失速する」。中級の入口で足踏みしている人の悩みは、たいてい1つに集約されます。ボトムターンが機能していないんです。逆に言えば、ここが変わると、リップアクションもカットバックも一気につながり始めます。

この記事では、サーフィンのボトムターンとは何かを「ボトムに向かう途中で始める軌道」として整理し直します。できない人の3つの症状(走らない・失速する・リップに届かない)から逆引きします。フロントサイドとバックサイドは別の型として解説。レールの感覚を掴む陸トレ、開始位置の決め方、板とフィンの影響まで扱います。Wavesのスキル記事を横断するハブとして読んでください。自分の症状の章から読んでもらって構いません。

目次

目次

  1. ボトムターンとは|すべてのアクションの入口になる理由
  2. ボトムターンができない人の3つの症状|逆引き表
  3. フロントサイドの型|目線・膝・重心の順番
  4. バックサイドの型|難しさの正体と簡略版
  5. レールを入れる感覚の掴み方|陸トレ・サーフスケート・海
  6. 波のどこから始めるか|位置取りで9割決まる
  7. 板とフィンの影響|ボリューム・テール・フィンで入りが変わる
  8. サーフィンのボトムターンに関するよくある質問
  9. まとめ|ボトムターンが変われば、次の技が全部つながる

ボトムターンとは|すべてのアクションの入口になる理由

サーフィンのボトムターンとは、波の斜面を下りて得たスピードを使い、波の下部(ボトム)付近で板の向きをトップ方向へ切り替えるターンのことです。カットバック、オフザリップ、スナップ、フローター、リエントリー。名前のあるアクションは、ほぼ例外なくボトムターンの出口から始まります。だから「すべての技の入口」と呼ばれるんです。

「ボトムでターンする」ではなく「ボトムに向かう途中で始める」

多くの人が誤解しているのは、ターンを始めるタイミングです。名前に「ボトム」とついているせいで、波の一番下まで下り切ってから曲がるものだと思い込んでしまう。でも、ボトムに着いた瞬間の板は、すでに斜面から離れて減速が始まっています。平らな水面には、板を押してくれる力がありません。

正しくは、斜面を下りている途中、板が一番加速したタイミングでレールを入れ始めます。ボトムに「着く」のではなく、ボトムを「かすめて」上に抜けるイメージです。この違いだけで、ターン後半の伸びがまったく変わります。海で上手い人のラインを見てください。波の一番下に平らな直線はなく、円弧がそのままトップへ続いているはずです。

半円をつなぐと速い理由|加速は下り、方向転換はボトム

物理的に整理すると、板が加速するのは斜面を下りるときだけです。ボトムターンそのものが加速を生むわけではありません。ボトムターンの役割は、下りで得たスピードを失わずに向きだけ変えること。テイクオフからの下りで4分の1の円、ボトムからトップへの上りでもう4分の1の円。この半円をつなぐことが、波の上で最もロスの少ない移動になります。

失速する人のラインには、必ずどこかに「直線」があります。ボトムで横に走る直線、フェイスの真ん中を平行に走る直線。この直線区間で、下りで稼いだスピードを使い切ってしまうんです。ボトムターンとは、その直線を消して、下りと上りを1本の弧でつなぐ技術だと覚えてください。

カットバックもリップも、ボトムターンの出口で決まる

ボトムターンの質は、次の技の成功率にそのまま直結します。深く入れたボトムターンは、板をリップに向けて真上に運びます。浅ければ、リップの手前で角度が足りずに横へ流れる。オフザリップが当たらない人、カットバックで戻り切れない人の原因の多くは、技の動作ではなくその前のボトムターンにあります。

だからWavesでは、アクション系の記事すべてで「まずボトムターンから」と繰り返しています。リエントリーもフローターもスナップも、入口はここ。チューブに入るラインを作るのも、ボトムターンの深さと方向です。まだターンそのものが初めての人は、先にボトムターン&トップターンの基礎記事へ。「ターンとは何か」を押さえてから戻ってきてください。

ボトムターンができない人の3つの症状|逆引き表

「ボトムターンができない」と一口に言っても、海で起きていることは人によって違います。Wavesのスクール仲間や読者の相談を整理すると、症状は3つに分かれます。走らない、失速する、リップに届かない。それぞれ原因が違うので、直すべき動作も読むべき章も変わります。まず自分がどれかを確かめてください。

症状海で起きていること主な原因読む章
①走らない板が傾かず、ボトムで横に直線を引くレールが立っていない/前足荷重が抜けている/目線が足元第3章・第5章
②失速するボトムに下り切ってからターンを始める。後半で止まる開始点が遅い/後ろ足で踏みすぎる/上体が起きる第3章・第6章
③リップに届かない曲がるが浅く、トップの手前で横に流れるターン後半の目線が横/抜重がない/板の傾きが浅い第3章・第4章・第7章

症状①「走らない」|板が傾いていない

ボトムに下りたあと、板が平らなまま横に進んでしまうタイプです。本人はターンしているつもりでも、映像を見るとレールが水に入っていません。原因は3つ。つま先(フロント)またはかかと(バック)への荷重が足りない。膝が伸びて、上体だけで曲がろうとしている。そして目線が板の先や足元に落ちている。

このタイプは、まず「板を傾ける」感覚そのものを掴む必要があります。海でいきなり直すのは難しいので、第5章の陸トレとサーフスケートから入るのが近道です。板が傾く感覚が体に入ると、ターンは勝手に始まります。

症状②「失速する」|開始が遅く、踏みすぎている

一番多いのがこのタイプです。曲がることはできる。でもターンの後半でスピードが消えて、トップまで上がれない。原因は、ボトムまで下り切ってから曲がり始めていること。加えて、後ろ足でテールを踏み込みすぎて、ブレーキをかけながら曲がっている場合がほとんどです。

後ろ足を踏むとテールが沈み、板の前が浮いて抵抗になります。強く踏んでいるのに走らない人は、まさにこの状態です。テールが抜ける感覚がある人は、テールが抜ける原因の記事も合わせて読んでください。直し方は第3章の「重心の順番」と、第6章の「開始点を手前にずらす」です。

症状③「リップに届かない」|浅くて、出口の目線がない

曲がって、失速もしない。でもトップの手前で板が横に流れて、リップに当てられない。この症状は、ターンの深さと出口の目線に原因があります。ボトムターンの後半で、目線がリップではなく進行方向(横)を向いていると、体がその向きに開いて板も横へ流れます。

もう1つは、ボトムターン後半の「抜重」がないこと。レールを入れて縮めた体を、トップに向かって伸ばす動きが抜けていると、板は上に伸びません。フロントとバックで直し方が変わるので、第3章と第4章を症状③の視点で読んでください。板が重くて傾かない場合は第7章です。

フロントサイドの型|目線・膝・重心の順番

フロントサイドで波の斜面を下りながらボトムターンに入るサーファー|目線・膝・重心の順番
フロントサイドは波が正面に見える分、目線で軌道を作りやすい。斜面を下りながらつま先側のレールを立てていく

フロントサイド(波に体の正面を向けて走る側)は、波が見えるぶん軌道を作りやすいターンです。ただし、動作には順番があります。目線、膝、重心の順。この順番が崩れると、力は入っているのに板が反応しません。1つずつ分解して見ていきましょう。

①目線|ボトムを見て下り、ターン前にリップを見る

テイクオフしたら、まず視線をボトムのターンしたい地点に置きます。ここが「下りる先」です。足元や板の先を見ると、上体が丸まって荷重が前に逃げます。ボトムに近づき、板が一番速くなった瞬間に、視線をトップ(リップ)へ切り替える。この目線の切り替えが、ターン開始の合図になります。

人の体は、見ている方向に自然と重心が動きます。目線が先に動けば、肩と腰がついてきて、板が最後に向きを変える。この順番が「目線からターンを作る」ということです。局面ごとの目線の置き方は目線のコツの記事で詳しく整理しているので、迷ったらそちらへ。

②膝と前足のつま先|レールを立てる入口

目線をリップに切り替えたら、次は膝です。前足の膝を波側(つま先側)へ倒し込みながら、つま先に体重を乗せます。このとき膝を曲げて体勢を低くする。すると、板のつま先側のレールが水に入り、板は自然と弧を描き始めます。腕で振り回す必要はありません。

ポイントは、前膝を「内側に倒す」こと。膝が真下に曲がるだけだと板は傾きません。前膝を波側に入れると、腰が同じ方向にひねられ、上体の向きも変わります。この膝の入れ方が、レールを立てる入口です。足の置き方が合っていないとここで詰まるので、スタンスに不安があれば足の位置の記事で基準を確認してください。

③重心|前6:後4から始めて、後半で後ろへ移す

ターンの前半は前足寄り、感覚として前6:後4くらいの配分で入ります。前足荷重のままレールを立てると、板は「引っかかる」のではなく「走りながら」曲がります。ここで後ろ足から踏み始めると、テールが沈んでブレーキになる。失速する人は、ほぼここで順番が逆になっています。

板の向きがトップへ向き始めたら、重心を後ろ足へ移しつつ、縮めていた膝と体を伸ばしていきます。これが抜重です。ボトムで板を押さえつけていた力を、トップに向かって解放する。波が巻き上がる力と合わさって、板はグンと伸びます。順番をまとめると、目線→膝→前足荷重→後ろ足へ移行→抜重。この流れが1本の弧になれば、フロントサイドの型は完成です。

バックサイドの型|難しさの正体と簡略版

バックサイドでかかと側のレールを使ってターンするサーファー|バックサイドのボトムターンの型
バックサイドはかかと側のレールで曲がる。お尻を波に向け、後ろ手を水面に近づけるだけで軸が安定する

バックサイド(波に背中を向けて走る側)のボトムターンは、多くの記事がフロント前提で書かれているせいで、独学だと詰まりやすい場所です。フロントの動きをそのまま鏡写しにしても、うまくいきません。難しさの正体を先に理解して、動作を簡略化するのが近道です。

なぜバックサイドは難しいのか|3つの理由

1つ目は、波が背中側にあって見えないこと。フロントのように「ボトムを見て、リップを見る」目線の切り替えがそのままできません。首をひねって波を見ようとすると、上体が開いてバランスが崩れます。

2つ目は、かかと側のレールで曲がること。人の体は、つま先方向には膝を倒しやすい一方で、かかと方向には倒しにくい構造です。つま先立ちはできても「かかと立ち」はできませんよね。だから同じだけレールを立てようとしても、バックサイドは角度がつきにくい。

3つ目は、重心が後ろに逃げやすいこと。かかとに乗ろうとして腰が引け、お尻が波と反対側に落ちる。すると板は傾かず、症状①の「走らない」状態になります。この3つを一度に解決しようとすると混乱するので、動作を3つに絞ります。

簡略版の3動作|お尻を波に向ける・後ろ手を水面へ・膝でボールを挟む

1つ目、お尻を波に向ける。「かかとに乗る」ではなく「お尻を波に差し出す」と考えてください。お尻の3分の1くらいを波側に突き出す意識で、腰から下が自然とかかと側に傾きます。これでかかとレールが入ります。

2つ目、後ろ側の手を水面に近づける。バックサイドで上体が開く人は、この手が空を向いています。後ろ手を波の斜面に触れるくらいまで下げると、肩が閉じて軸が安定し、視線も自然と斜面の先(トップ)へ向きます。「魔法の手のひら」と呼ぶコーチもいるほど効果が出やすい動作です。

3つ目、両膝でボールを挟むイメージで体をコンパクトに保つ。膝が開くと荷重が分散して板が傾きません。膝を寄せて低く構え、そこからお尻を波へ、手を水面へ。この3つがそろえば、バックサイドのボトムターンは「難しい技」から「順番を守る作業」に変わります。目線と肩の開きから直したい人は、バックサイドの練習法の記事に手順を分けてあります。

フロントとバックの違いを表で整理

項目フロントサイドバックサイド
使うレールつま先側かかと側
目線ボトム→リップへ直接切り替え斜面の先を見る(首を回しすぎない)
軸足の感覚前足のつま先・前膝を波側へ後ろ足を軸に、お尻を波側へ
手の使い方前手を進行方向へ伸ばす後ろ手を水面に近づけて肩を閉じる
起きやすい失敗後ろ足で踏みすぎて失速腰が引けて板が傾かない
ターンの角度深く入れやすい浅くなりやすい→簡略版で補う

レールを入れる感覚の掴み方|陸トレ・サーフスケート・海

スケートパークのボウルでカービングするスケーター|ボトムターンの陸トレとサーフスケート練習
ボウルでのカービングはボトムターンの荷重と抜重にそのまま近い。海に入る前に「傾けたら曲がる」を体に入れておく

ここまで「レールを立てる」「レールを入れる」と繰り返してきました。でも、この感覚は言葉で読んでも海で再現できないことが多いんです。海に入る回数が限られる週末サーファーほど、陸で感覚を先に作っておくのが近道になります。ここでは概要だけを押さえ、詳しい仕組みは専用記事に譲ります。

陸で|ボトムターンの姿勢を静止で作る

まず、床の上でボトムターンの姿勢を作ります。スタンスをとり、膝を曲げて低く構え、前膝を波側(フロントならつま先側)に倒し込む。この状態で、足裏のどこに体重が乗っているかを確認してください。フロントなら前足のつま先の付け根、バックならかかとの内側。ここに乗っている感覚が、レールに荷重している感覚とほぼ同じです。

次に、この姿勢から目線を斜め上(リップの位置)へ送り、膝と体を伸ばして抜重の動きを加えます。縮める→伸ばす。この2拍子を鏡の前で10回、毎日やるだけで、海での動作が1テンポ速くなります。姿勢が固まっていない人は、まずここからです。

サーフスケートで|荷重→抜重を連続させる

サーフスケートは、ボトムターンの練習に最も近い陸トレです。緩い下り坂で、前足荷重のまま板を傾けて曲がり、曲がり切る手前で体を伸ばして次のターンへ。ボトムターンからトップターンへつなぐ「半円の連続」がそのまま練習できます。メニューの組み方はサーフスケートの練習法の記事に、海につながる順番でまとめてあります。

注意点は、後ろ足で蹴って曲げる癖をつけないこと。サーフスケートは後ろ足でも曲がってしまうので、意識して前足荷重で入ります。海で失速する人がサーフスケートで後ろ足ターンを練習すると、癖が強化されて逆効果です。

海で|小波のスープで「1回だけ深く」

海では、いきなりフェイスで深く入ろうとせず、腰〜胸の小波で「1本に1回だけ、深いボトムターンを入れる」練習が効きます。スープに追われてから斜面を下り、加速の頂点でレールを入れて、トップまで上がる。技はつなげなくて構いません。1回の深さに集中します。スープの使い方はスープ練習法の記事を参考にしてください。

「レールを入れる」と水の中で何が起きているのか、レールが入らない原因の逆引き、レール・トゥ・レールで板が走る感覚。この先の詳細はレールを入れるとは?の記事に1本まるごと使って解説しています。本記事で概要を掴んだら、あちらで感覚を深めてください。

週陸海できるようになる目安
1週目静止姿勢+縮める→伸ばす 10回×毎日小波で1本1回の深いターン板が傾く感覚がわかる
2週目サーフスケートで前足荷重の連続ターン開始点をボトム手前へずらす失速せずトップまで上がる
3週目バックサイドの簡略版3動作を陸で確認バックサイドで1本1回バックでもレールが入る
4週目動画で自分のラインの直線を探すボトムターン→リップ当てを1回つなぐ次の技の入口が見える

波のどこから始めるか|位置取りで9割決まる

動作が正しくても、位置が間違っていればボトムターンは機能しません。逆に、位置が合っていれば多少動作が雑でも板は走ります。位置取りで9割決まる、と言われる理由です。押さえるべき点は3つ。テイクオフの位置、ターンの開始点、そして目標点(どこに向かって上がるか)。

テイクオフの位置|ピークの斜面をまっすぐ下りる

ボトムターンの材料はスピードで、スピードは斜面を下りることでしか生まれません。だからテイクオフは、波の一番高い部分(ピーク)のすぐ横で、斜面をまっすぐ下りられる位置が理想です。ピークから離れた肩(ショルダー)で立つと、下りる斜面が短く、ボトムに着いてもスピードが足りません。波の部位の呼び方は波の各部位の名称の記事で確認できます。

焦って横に走らないことも重要です。テイクオフ直後に板を横に向けると、斜面を使い切らないまま平らな場所に出てしまいます。まず下りる。横に走るのはボトムターンの出口からです。横に走ること自体が課題の人は、先に横に走るコツの記事を読んでからのほうが順序として自然です。

開始点|ボトムに着く手前、板が一番速くなった瞬間

第1章で触れた通り、ターンの開始はボトムに着く手前です。目安は、斜面の下から3分の1あたり。板が一番加速していると感じる瞬間に、目線をリップへ切り替え、前膝を入れ始めます。ボトムに着いてからでは遅く、斜面の上のほうで始めると角度がつかずに浅くなります。

もう1つの目安は「スープの下」です。崩れた白波(スープ)の真下は、波が最も強く巻き上がっている場所。ここでレールを入れると、上昇する水の力が板を押し上げてくれます。スープから離れた場所でターンすると、押し上げる力がないので、同じ動作でも伸びません。

目標点|崩れる直前のリップに向かって上がる

ボトムターンの出口で見る場所は、「崩れる直前のリップ」です。すでに崩れた場所は壁がなく、崩れる気配のない場所は力がありません。この「これから崩れる」部分に板を運ぶと、次の技に必要な角度と力が両方そろいます。出口の目標がぼやけていると、症状③の「リップに届かない」になります。

ただし、波によって目標は変わります。厚くてゆっくりな波なら、リップまで行かずに途中で切り返してカットバックに。掘れて速い波なら、リップに直接向かってリエントリー。どちらを選ぶかは、ターンを始める前、斜面を下りている間に決めておきます。波を読む力が足りないと感じたら、波の読み方の記事が土台になります。

波質開始点の目安目標点向いている次の技
厚い・ゆっくりボトム手前・やや深めショルダー寄りの斜面カットバック/トリミングで走る
掘れて速い斜面の途中・早め崩れる直前のリップオフザリップ/リエントリー
小波(腰〜胸)スープの真下崩れかけの小さなリップスナップ/1回だけ深いターン練習

板とフィンの影響|ボリューム・テール・フィンで入りが変わる

海を背景に立てたサーフボードのフィン|板とフィンがボトムターンに与える影響
フィンの面積とテール形状で、同じ動作でもボトムターンの入りと抜けは変わる。動作を直しても変わらないときは道具を疑う

動作と位置を直しても板が傾かない。そんなときは、道具が原因の場合があります。ボリュームの大きい板、幅の広いテール、大きすぎるフィン。どれもボトムターンの「入り」を重くします。ただし、道具を替えれば解決する話でもありません。自分の板で何が起きているかを知っておくのが目的です。

ボリューム|多いほど入りにくいが、レールの厚みは練習向き

浮力が大きい板は、レールを沈めるのに大きな力が必要です。同じ動作をしても、薄いショートボードほど傾きません。だから「板を傾けても走らない」人が厚い板に乗っているなら、動作より板が原因の可能性があります。

一方で、レールの厚い板は「正しく荷重しないと曲がらない」ぶん、基本を身につけるには向いています。薄い板は基本ができていなくても曲がってしまうからです。中級の入口では、レールの厚い板で正しい荷重を覚え、その後に薄い板へ移る順序が理にかなっています。ボリューム選びの考え方は中級者の壁の記事でも触れています。

テールデザイン|スカッシュは万能、ラウンドは伸びる、スワローは速い

テールの形は、ボトムターンの「抜け」に効きます。スカッシュテールは水の抜けとホールドのバランスがよく、迷ったらこれ。ラウンドテールは水が滑らかに流れるので、深く長い弧を描くボトムターンが伸びます。パワーのある波で気持ちいいのはこの形です。

スワローテール(フィッシュ系)は、テール幅が広くて速いのが持ち味です。反面、深いボトムターンでは幅が邪魔をして、角度がつきにくい傾向があります。小波で速く走りたい日と、深いターンを練習したい日で、板を使い分けられるなら理想です。1本しかない人は、自分の板のテール形状が「何に向いているか」だけ把握しておいてください。

フィン|トライは掘れた波で安定、クアッドは厚い波で速い

フィンは、ボトムターンで板が「引っかかってくれる」かどうかを決めます。トライフィンはセンターフィンが軸になり、深いボトムターンでもドライブが抜けにくい。掘れた波で角度をつけるならこちら。クアッドはセンターがないぶん速く、厚い波でスピードを保ちやすい反面、深いターンでは抜けやすさを感じることがあります。詳しい選び方はフィンの選び方の記事を参照してください。

フィンのサイズも重要です。体重に対して大きすぎるフィンは、ターンの入口で抵抗が増えて重く感じます。小さすぎると、ターンの後半でテールが滑って伸びません。取り付けが緩んでいると、正しい動作をしてもレールが効かないので、フィンの付け方・緩み対策も定期的に確認を。道具を疑う前に、まず動作と位置。それでも変わらなければ道具。この順番が失敗の少ない進め方です。

サーフィンのボトムターンに関するよくある質問

ボトムターンはいつから練習すべきですか?

テイクオフが安定して、斜面を下りて横に走れるようになったら始めどきです。目安は、10本乗って7〜8本は横に走れる状態。それより前だと、ボトムターン以前にスピードが足りず、練習にならないことが多いです。ただし「深いボトムターン」ではなく「ボトム手前でレールを軽く入れる」練習なら、横に走り始めた段階から並行して構いません。早く始めるほど、ボトムで直線を引く癖がつく前に正しい弧が身につきます。

ボトムターンで加速することはできますか?

厳密には、ボトムターンそのもので加速はしません。板が加速するのは斜面を下りるときで、ボトムターンの役割は「そのスピードを失わずに向きを変える」ことです。上手い人のターンが速く見えるのは、失速していないうえに、トップへ上がる力を波の巻き上げからもらっているからです。「ボトムターンで加速しよう」と踏み込むと、テールが沈んで逆にブレーキになります。加速を求めるなら、開始点を手前にずらして直線を消すほうが効果があります。

深く曲がろうとするとコケます。どうすればいいですか?

深く入ろうとして転ぶ人は、レールを一気に入れすぎているか、スピードが足りないまま傾けているかのどちらかです。スピードが足りない状態で板を深く傾けると、レールが水に食い込んで止まります。まず斜面をしっかり下りてスピードを確保し、傾ける角度は「自分が思う半分」から始めてください。さらに上体が起きていると、傾けた瞬間に外へ振られます。膝を曲げて低く構え、目線をリップに置いたまま傾ける。角度は週ごとに少しずつ深くしていけば十分です。

バックサイドだけボトムターンができません。原因は?

バックサイドでは、かかと側のレールで曲がるため、つま先側のようには膝を倒せません。さらに波が背中側で見えず、腰が引けて板が傾かない状態になりがちです。直すポイントは3つ。お尻を波に向けて差し出す、後ろ側の手を水面に近づけて肩を閉じる、両膝でボールを挟むように体をコンパクトに保つ。この3つを陸で静止姿勢から確認してから海に入ると、変化を感じやすいです。バックサイド全般の練習手順は、専用記事で段階を分けて解説しています。

ロングボードやミッドレングスでもボトムターンは必要ですか?

必要です。板が長くなるほど弧は大きく、動きはゆっくりになります。それでも「下りて得たスピードを失わずに向きを変える」という役割は同じです。ロングボードでは、深く傾けるよりも、前足荷重のまま滑らかに大きな弧を描くことが優先されます。ミッドレングスはレールが厚くて浮力もあるため、正しく荷重しないと曲がりません。裏を返せば、正しい荷重を覚える練習にはむしろ向いています。ノーズライドに向かうラインを作るのも、結局はボトムターンの深さと方向です。

陸トレだけでボトムターンは上達しますか?

陸トレだけで完成はしませんが、海での上達速度は確実に変わります。ボトムターンで一番難しいのは「板を傾けたら曲がる」という感覚を体に入れることです。これは陸のサーフスケートや静止姿勢で先に作れます。週1しか海に入れない人ほど、陸で姿勢と荷重の順番を固めておくと、海での1本の質が上がります。注意点は、後ろ足で蹴って曲がる癖をつけないこと。サーフスケートでも前足荷重で入ることを徹底してください。海での確認は、自分のライディングを動画で撮り、ボトムに直線がないかを見るのが最も確実です。

まとめ|ボトムターンが変われば、次の技が全部つながる

サーフィンのボトムターンとは、ボトムに下りてから曲がる技ではなく、斜面を下りながら始めて、下りと上りを1本の弧でつなぐ軌道です。この理解が変わるだけで、失速の原因が「直線」にあったことが見えてきます。要点を整理します。

  1. ボトムターンは「ボトムに向かう途中」で始める。加速は下り、ボトムは向きを変える場所
  2. できない症状は3つ。走らない(レールが立たない)、失速する(開始が遅い・踏みすぎ)、届かない(浅い・出口の目線)
  3. フロントサイドは目線→膝→前足荷重→後ろ足へ→抜重の順番。踏むのは最後
  4. バックサイドは別の型。お尻を波へ、後ろ手を水面へ、膝でボールを挟む
  5. レールの感覚は陸で先に作る。サーフスケートは前足荷重で
  6. 位置取りで9割決まる。ピーク横で立ち、スープの下で始め、崩れる直前のリップへ
  7. 動作と位置を直しても変わらないなら、ボリューム・テール・フィンを疑う

ボトムターンが機能し始めると、これまで別々に練習していた技が1本の線でつながります。出口でリップに当てればオフザリップ、戻ればカットバック、失速しないライン取りはトリミング。まずは次の海で、1本に1回だけ「ボトムに着く前に始める」ターンを入れてみてください。

板を傾ける感覚をもっと深く掴みたい人はレールを入れるとは?の記事へ。バックサイドで詰まっている人はバックサイドの練習法へ。自分のラインに直線があるかどうかは、動画でのセルフ分析が一番早く教えてくれます。波にパワーが出てくる秋は、ボトムターンを覚えるのに最高の季節です。海でお会いしましょう。

サーファー専用LINEスタンプ誕生

サーファー必見のLINEスタンプが発売中!くすっと笑えて、日常にも使えるスタンプをこの機会に是非!

施設で切れすぎたから、自分たちで作った。citywave CORE LEASH

東京の人工サーフィン施設 citywave Tokyo では、強い水流で貸出用リーシュが頻繁に切れることが現場の悩みでした。そこで工場と直接やり取りし、施設の波・海・車での牽引テストを重ねて作ったのが CORE LEASH(6ft/7mm)です。

まず、この映像を見てください。

サーファーなら驚くテスト方法ですが、更には車で引っ張るテストまで…!

スタッフ内にもサーファーがいることから、citywaveだけでなく、海でも動きやすく、安全性の高いリーシュを作ろうと、デザイン、太さ、安全性を徹底的に追求して誕生しました。7mmレギュラー径・6ft・ダブルスイベル。初中級者の1本目や、台風シーズン前の交換用に。

仁
リーシュは安全のために1年に1回は交換しよう!白濁やひびを見つけたら、切れる前に替えるのが目安だ!

開発ストーリーを読む(3つのテストの記録)

4,980円(税込・送料無料)。公式ECのほか、Amazon(プライム対応)でも購入できます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

サーフィンにハマって海の近くに移住しちゃった女の子。効率良く楽しくサーフィンするために情報集めるサーフィンマニア。

目次