2028年のロサンゼルスオリンピック、サーフィンはどこで、誰が戦うのか気になりますよね? 会場はすでに決定済み。世界最高峰のパフォーマンスウェイブと呼ばれる、カリフォルニアのトラッセルズです。さらに2026年6月には出場枠のルールが大きく改定されました。1カ国から出られる人数まで変わった、かなり重要なアップデートなんです。しかも、最初の五輪切符がかかる大会は、この秋に日本で開催されます。この記事では、LA2028サーフィン競技の基本情報から、トラッセルズの波の特徴、改定されたばかりの予選システム、そして日本代表候補の現在地までを一気に整理します。読み終わる頃には、ここから2年間の観戦がぐっと楽しみになるはずです。
目次
- LA2028サーフィン競技の基本情報
- 会場はトラッセルズ。どんな波で戦うのか
- 出場枠と選考の仕組み【2026年6月改定版】
- 最初の五輪切符は日本で決まる。愛知・名古屋アジア競技大会
- 日本代表候補は誰?注目選手の現在地
- LA2028までのロードマップと観戦のポイント
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
LA2028サーフィン競技の基本情報
ロサンゼルスオリンピックは、2028年7月14日から30日までの17日間で開催されます。サーフィンは東京2020で初めて実施され、パリ2024を経て今回が3大会目。2021年12月には五輪の「コア競技」に昇格しているので、今後も続いていく種目です。
まずは基本情報を表で整理しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会期間 | 2028年7月14日〜30日 |
| サーフィン会場 | トラッセルズ(カリフォルニア州サンクレメンテ) |
| 種目 | 男子ショートボード、女子ショートボード |
| 出場選手数 | 男子24名、女子24名の計48名 |
| 1カ国あたりの上限 | 男女各2名(条件を満たせば例外的に3名) |
種目は前回同様、男女ショートボードのみです。ISAが追加を求めていたロングボードは、LA2028では見送られました。次の2032年ブリスベン大会での採用に期待ですね。
サーフィン競技の具体的な日程は、例によって「波次第」です。期間中に良いうねりが入るタイミングを狙って実施されるため、正確なスケジュールは直前まで確定しません。ここは海のスポーツならではの面白さでもあります。東京大会のときも、台風のうねりに合わせて日程が前倒しされましたよね。会場となった千葉・釣ヶ崎海岸については一宮サーフィン完全ガイドで詳しく紹介しています。
会場はトラッセルズ。どんな波で戦うのか
会場のトラッセルズ(ローワー・トレッスルズ)は、2025年4月15日にISA(国際サーフィン連盟)が正式発表しました。候補にはサーフシティUSAことハンティントンビーチもありましたが、決め手は波のクオリティと安定感。パリ大会のチョープーが大成功したことで、「五輪は最高の波でやるべき」という流れが確立した形です。
玉石の上で割れる「マシンブレイク」
トラッセルズはカリフォルニア州サンクレメンテに位置するポイントブレイクです。ロサンゼルス国際空港からもサンディエゴからも車で約1時間という立地にあります。海底は玉石(コブルストーン)で、うねりが規則正しくAフレームに割れていきます。その正確さから「スケートパーク」と形容されるほど。左右どちらにも走れて、セクションが連続する。ターンを何度も刻めて、エアのセクションも出現する。まさに技の見本市ができる波なんです。
実績も申し分ありません。2000年からWSLチャンピオンシップツアー(CT)の会場として使われ、2021年から2024年まではワールドチャンピオン決定戦「WSL Finals」の舞台でした。そして五輪が開催される7〜8月は、南うねりが入るトラッセルズのベストシーズン。波のポテンシャルが最大化するタイミングで本番を迎えられる計算です。
チョープーとは真逆のゲームになる
パリ2024の会場だったタヒチのチョープーは、浅いリーフの上で炸裂する分厚いバレルでした。求められたのはチューブへの適応力と、恐怖心に打ち勝つメンタル。一方のトラッセルズは、比較的安全でテクニカルな波です。エアリアルの高さ、カービングの精度、技のコンビネーション。純粋な「サーフィンの上手さ」がスコアに直結します。パリが度胸のゲームだったとすれば、LAは技術のゲーム。同じ五輪でもまったく違う競技に見えるはずです。
出場枠と選考の仕組み【2026年6月改定版】
ここがこの記事の核心です。LA2028の予選システムは2026年2月に一度発表されたあと、サーフィン界の猛反発を受けて改定されました。IOC執行委員会が承認した最新版(2026年6月29日更新)の内容を整理します。
何が起きたのか。CT勢の抗議と制度改定
当初案では、WSLチャンピオンシップツアー経由の出場枠が男女各5名まで削減されていました。パリ大会では男子10名・女子8名だったので、ほぼ半減です。これに世界のトップ選手たちが激怒しました。「世界最高峰のツアーを軽視している」「トップサーファーが自宅から五輪を見ることになる」と、抗議が殺到したんです。結果、IOCはCT枠を男女各8名に増やす改定を承認しました。世界のエリート勢にとっては、ひとまず納得感のある着地になっています。CTの仕組み自体を知りたい方はWSL2026完全ガイドもどうぞ。
3つの出場ルートを表で整理
| ルート | 枠数(男女各) | 条件 |
|---|---|---|
| WSLチャンピオンシップツアー | 8名 | 2027年8月15日〜2028年6月15日の成績を合算したランキング上位。1カ国1名まで |
| 2028年ISAワールドサーフィンゲームズ(WSG) | 7名 | 上位の資格保持者。1カ国1名まで |
| 大陸別大会 | 計4名 | 2026年アジア競技大会、2027年パンアメリカン競技大会、2027年欧州選手権で各1名。アフリカ・オセアニアは2027年WSG経由で各1名 |
| 2026・2027年WSGチーム枠 | 各1名 | 男女それぞれ最上位チームの国に1枠付与 |
| 開催国枠 | 1名 | USAに保証(他ルートで未充足の場合) |
| ユニバーサリティ枠 | 1名 | 発展途上国対象。2027年または2028年WSGで40位以内 |
注目すべきはCT枠の集計期間です。2027年シーズンの最終ランキングでも、2028年シーズンの途中経過でもありません。2027年8月15日から2028年6月15日までの結果をひとつのランキングとして合算し、その上位8名が切符を手にします。つまり2027年後半戦から、すべてのCTイベントが五輪予選を兼ねる構図になるわけです。
国別上限は3名から2名へ。日本への影響は?
もうひとつの大きな変更が、1カ国あたりの出場上限です。東京・パリの男女各3名から、男女各2名に引き下げられました。ただし救済措置があります。2026年と2027年のWSGで獲得したチーム予選枠を使えば、例外的に3人目を送り込めるんです。日本にとっては、パリで4名出場した実績があるだけに上限縮小は痛い変更です。だからこそ、WSGの団体戦で結果を出してチーム枠を確保することが、これまで以上に重要になっています。
最初の五輪切符は日本で決まる。愛知・名古屋アジア競技大会
実は、LA2028サーフィンの最初の出場権がかかる大会は日本開催です。2026年秋の愛知・名古屋アジア競技大会で、サーフィンが初めて正式競技として実施されます。ここで優勝した男女各1名が、世界で最初にロス五輪への切符を手にするんです。
日本からの出場枠は男女各1名。男子は日本サーフィン連盟の選考規定(2025年WSLランキング日本人最上位)により、五十嵐カノア選手が出場する見込みです。本人も2026年3月のインタビューで出場を正式に表明しています。CT選手が地の利のある国内で戦えるのは、大きなアドバンテージですよね。自国開催の大会でアジアの頂点に立てば、その瞬間に日本サーフィン界初のLA2028内定者が誕生します。この秋、最大の注目イベントと言っていいでしょう。
日本代表候補は誰?注目選手の現在地
日本サーフィン連盟(NSA)は2026年2月、LA2028を見据えた強化指定選手を発表しました。前年の75名から45名へ大幅に絞り込み、「勝つための再設計」を掲げた本気の布陣です。ここでは代表争いの中心となりそうな選手を見ていきましょう。
男子の軸は五十嵐カノア。若手の突き上げにも注目
男子の中心は、やはり五十嵐カノア選手です。東京2020銀メダリストで、CT参戦10年目のベテラン。しかも生まれ育ちはカリフォルニアで、トラッセルズは庭のような波です。地元開催のアメリカ勢に真っ向から対抗できる、数少ない存在と言えます。CT枠での直接クオリファイと、アジア大会での早期内定。ふたつのルートを狙える位置にいるのも強みです。
続くのは、パリ大会で日本勢最高の5位に入った稲葉玲王選手。そしてパリ代表のコナー・オレアリー選手も強化指定に名を連ねます。若手では伊東李安琉選手や岩見天獅選手など、チャレンジャーシリーズ(CS)を主戦場とする世代が虎視眈々とCT昇格を狙う構図。国別上限が2名になったことで、男子の代表争いはかなり熾烈になりそうです。
女子は戦国時代。東京銅メダルの都筑有夢路と勢いに乗る若手
女子は東京2020銅メダリストの都筑有夢路選手が経験値でリードします。2026年7月には南アフリカのCS開幕戦バリート・プロで9位に入り、CT復帰への足がかりを作っている真っ最中です。一方で若手の勢いも見逃せません。中塩佳那選手は2026年7月の韓国QS6000で優勝し、ランキングを大きく伸ばしました。パリ代表の松田詩野選手を含め、池田美来選手、松岡亜音選手ら強化指定シニア勢の争いは、まさに戦国時代。誰が抜け出してもおかしくない状況です。
「3枠目」を生むWSG団体戦がカギ
前述の通り、2026年・2027年のISAワールドサーフィンゲームズで団体最上位となった国には、男女各1枠が与えられます。個人枠の上限が2名に減った今、この「国枠」は3人目を送り込める唯一のルート。NAMINORIジャパンは男女各3名でWSGに挑み、団体優勝を本気で狙いに行きます。個人の切符争いと並行して、チームジャパンとしての総合力も問われる2年間になるわけです。
ライバルは誰だ?世界の勢力図をチェック
日本勢の前に立ちはだかる世界のトップ選手たちも見ておきましょう。相手を知っておくと、CTやWSGの観戦が予選のドラマとして何倍も面白くなりますよ。
最大の壁は地元アメリカ
まず立ちはだかるのは開催国アメリカです。パリ女子金メダルのキャロライン・マークスを筆頭に、トラッセルズをホームブレイクとするサンクレメンテ出身のCT選手が複数います。彼らにとって五輪会場は、文字通り毎日サーフィンしてきた庭。波の知識という点では、世界で最も有利なチームと言えるでしょう。ただし国別上限2名のルールはアメリカにも平等に適用されます。国内の代表争いは、世界一過酷なサバイバルになるはずです。
ブラジル、オーストラリア、そして欧州勢
ブラジルはパリ銅のガブリエル・メディナをはじめ、エアリアルに強い選手層が魅力です。トラッセルズのようなパフォーマンス系の波は、まさに彼らの得意分野。オーストラリアもパリ銀のジャック・ロビンソンら、層の厚さは相変わらずです。さらに2026年シーズンは、イタリアのレオナルド・フィオラヴァンティが世界ランク1位を走る大躍進を見せています。欧州勢が表彰台に絡む可能性も、もう絵空事ではありません。パリ金のカウリ・ヴァースト(フランス)も、もちろん連覇を狙ってきます。
こうして見ると、トラッセルズで求められるエアやカービングの精度勝負は、どの国のエースも得意とする土俵です。だからこそ、波数の多いトラッセルズを知り尽くした選手、つまりカリフォルニアを拠点にする五十嵐カノア選手の経験値が、日本にとって最大の武器になるわけです。
LA2028までのロードマップと観戦のポイント
ここまでの情報を、時系列のロードマップにまとめます。五輪本番までの2年間、チェックすべき大会がはっきり見えてきますよ。
| 時期 | イベント | かかっているもの |
|---|---|---|
| 2026年秋 | 愛知・名古屋アジア競技大会 | 最初の五輪切符(男女各1) |
| 2026年 | ISAワールドサーフィンゲームズ | 団体チーム枠(3人目の可能性) |
| 2027年 | ISAワールドサーフィンゲームズ | 団体チーム枠、アフリカ・オセアニア大陸枠 |
| 2027年8月15日〜 | WSL CT(合算期間開始) | CT枠(男女各8)の争い開始 |
| 2028年6月15日 | CT合算期間終了 | CT経由の出場者確定 |
| 2028年 | ISAワールドサーフィンゲームズ | 最後の個人枠(男女各7) |
| 2028年7月14日〜30日 | ロサンゼルスオリンピック | メダル |
観戦面では時差がポイントです。カリフォルニアと日本の時差は夏時間で16時間。現地の朝のヒートは、日本時間の深夜から未明にかけての観戦になる見込みです。パリ大会のような早起き観戦ならぬ、夜ふかし観戦の準備をしておきましょう。波待ちならぬ「放送待ち」も、五輪サーフィンの醍醐味です。
よくある質問(FAQ)
Q1. LA2028のサーフィン会場はどこですか?
カリフォルニア州サンクレメンテのトラッセルズ(ローワー・トレッスルズ)です。2025年4月15日にISAが正式発表しました。玉石の海底で規則的に割れるAフレームの波は世界最高峰のパフォーマンスウェイブと評され、2021年から2024年までWSLのワールドチャンピオン決定戦の舞台にもなった名ポイントです。
Q2. 競技日程はいつですか?
オリンピック自体は2028年7月14日から30日までの開催です。ただしサーフィン競技の具体的な日程は、波のコンディションに合わせて調整されるため直前まで確定しません。7〜8月はトラッセルズに南うねりが入るベストシーズンなので、良い波での開催が期待できます。
Q3. 日本からは何人出場できますか?
2026年6月改定のルールで、1カ国の上限は男女各2名になりました(東京・パリは各3名)。ただし2026年・2027年のISAワールドサーフィンゲームズで団体最上位となれば、チーム枠として3人目を送り込める例外があります。日本は最大3枠の獲得を目標に掲げています。
Q4. 最初に出場が決まる大会はどれですか?
2026年秋に日本で開催される愛知・名古屋アジア競技大会です。サーフィンはアジア大会初の正式競技で、優勝した男女各1名が世界で最初のLA2028出場権を獲得します。日本男子は五十嵐カノア選手が出場する見込みで、自国開催での早期内定に期待がかかります。
Q5. ロングボード種目はありますか?
LA2028では実施されません。ISAは男女ロングボードの追加を求めていましたが、今大会では見送られ、種目は男女ショートボードのみとなりました。ロングボード人気は世界的に高まっているので、2032年ブリスベン大会以降の採用に期待が集まっています。
まとめ:LA2028は「技術のゲーム」。日本勢の複数枠獲得なるか
最後に、この記事の要点を整理します。
- 会場はカリフォルニアのトラッセルズ。規則的なAフレームで「技術」が問われる波
- 大会は2028年7月14日〜30日。種目は男女ショートボードのみ、計48名
- 予選制度は2026年6月に改定。CT枠は男女各8名に拡大、国別上限は2名に縮小
- 3人目はWSG団体チーム枠でのみ可能。NAMINORIジャパンの団体戦が超重要
- 最初の切符は2026年秋、日本開催のアジア競技大会で決まる
波のクオリティで選ばれたトラッセルズ、改定された予選システム、そして日本で始まる切符争い。LA2028への道のりは、すでに動き出しています。国内シーンの動向はWSL2026完全ガイドで、この夏の波は2026年夏のサーフィン波予想でチェックしてみてください。まずはこの秋のアジア競技大会から、一緒に日本勢を応援していきましょう!


















