海から上がって、ボードを脇に抱えて駐車場まで歩く。その途中で北風がひゅっと吹いた瞬間、濡れた頭がキーンと冷えて、首の後ろまで一気に震えが来る。ウェットの中はまだ温かいのに、頭だけが別の季節にいるみたいな、あの感覚です。
「ニット帽をかぶればいいんでしょ」と思って、街用のビーニーを持っていく。濡れた髪で内側がびしょびしょになり、次の週には塩で白くなっていた。そんな経験、ありますよね? 実は、海上がりの頭に必要なニット帽と、街で見た目重視で選ぶニット帽は、条件がまったく違うんです。
この記事では、サーフィン用のニット帽を「海上がりの濡れた頭」という条件に絞って選び方を整理します。速乾・風・塩・洗えるという4条件と、ウールやアクリルなど素材別の比較表。濡れ頭用・風対策・車中泊用のタイプ別おすすめ7選。そして、拭いてからかぶるまでの手順と洗い方。この順番でひと通りまとめました。
水中でかぶるヘッドキャップとは別の話なので、そちらを探している方はヘッドキャップの選び方をご覧ください。陸の帽子ひとつで、冬の海上がりは本当に変わります。さっそく見ていきましょう。
目次
- 水中のヘッドキャップと陸のニット帽は別物|役割の整理
- 海辺で使うニット帽に必要な4条件|速乾・風・塩・洗える
- 【比較表】素材別の向き不向き|ウール・アクリル・フリース・メリノ
- タイプ別おすすめ7選|濡れ頭用・風対策・車中泊用
- 海上がりに頭を冷やさない手順|拭く→かぶる→の順番
- サイズの選び方と洗い方・型崩れ対策
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|サーフィンのニット帽はこう選ぶ
水中のヘッドキャップと陸のニット帽は別物|役割の整理

まず最初に整理したいのが、「サーフィンの帽子」と検索したときに出てくる3種類の違いです。水中でかぶるヘッドキャップ、夏の日差しを防ぐサーフハットやサーフキャップ、そして陸で頭を温めるニット帽。この3つは見た目が似ていても、役割がはっきり分かれています。
ヘッドキャップは「濡れる前提」、ニット帽は「濡らさない前提」
ヘッドキャップはネオプレン素材で、海に入ったまま使うものです。水が入っても体温で温まり、頭と耳を守ってくれます。一方、陸で使うニット帽は、水に浸かることを想定していません。濡れた頭にかぶって、髪の水分を少しずつ吸い取りながら、風から頭を守る道具です。
つまり、ヘッドキャップを海上がりにそのままかぶっていても、頭は温まりません。中の海水が冷えて、むしろ放熱を続けるからです。逆に、ニット帽を海の中でかぶると、水を吸って重くなり、波に巻かれれば一発で流されます。この2つは、使う場所も時間も別なんです。
なぜ「頭だけ」がこんなに冷えるのか
ウェットスーツを着ている冬のサーファーは、体のほとんどが生地で覆われています。その中で、露出しているのは顔と頭と手足だけ。放熱は露出した面積に比例するので、頭は体の中でもっとも冷えやすい場所の一つになります。
しかも髪は濡れています。水は蒸発するときに周囲から熱を奪います。だから濡れた髪に風が当たると、乾いた状態の何倍ものスピードで頭の熱が逃げていきます。扇風機の前で濡れた手が冷たく感じるのと、まったく同じ原理です。海上がりの頭に必要なのは、この「蒸発+風」の二重の冷えを止める帽子なんです。
サーフハット・サーフキャップとも違う
夏によく見るサーフハットやサーフキャップは、日差しと照り返しを防ぐための帽子です。通気性と速乾性は高いものの、保温は目的に入っていません。秋冬の海上がりにかぶると、むしろ風を通して寒く感じることもあります。日焼け対策の帽子についてはサーフハットの選び方とサーフキャップの選び方で別にまとめています。
この記事で扱うのは、「海から上がった直後から、車で帰り着くまで」の頭を守るニット帽です。10月の後半から春先まで、この時間帯の装備が整っているかどうかで、冬のサーフィンの続けやすさがはっきり変わります。
海辺で使うニット帽に必要な4条件|速乾・風・塩・洗える

街で売られているニット帽は、ほとんどが「乾いた頭にかぶる」前提で作られています。暖房のある室内と屋外を行き来する使い方です。海辺で使うなら、そこに4つの条件を足して考える必要があります。速乾性、風への強さ、塩と砂への耐性、そして気軽に洗えるかどうか。順番に見ていきましょう。
条件1:速乾性|濡れた髪の水分を吸って、早く放す
海上がりの頭は、タオルで拭いたあとでもかなり湿っています。そこにかぶるニット帽は、まず髪の水分を受け止める役割を担います。ただし、吸った水をずっと抱え込む素材だと、今度は帽子そのものが冷たい湿布になってしまいます。
理想は、水分を一度受け取って、走行中の車内や翌朝までに乾いてくれる素材です。アクリルやポリエステル系の化繊は吸水率が低く、乾きが早い反面、濡れた髪の水分を受け止める力は弱めです。ウールは吸湿性が高く、湿っても冷たさを感じにくい性質を持っています。この違いは、次の章の比較表で詳しく整理します。
条件2:風への強さ|編み目の粗さが、そのまま寒さになる
海辺の寒さは、気温よりも風で決まります。これは秋の寒さ対策の記事でも繰り返し書いてきたことですが、帽子も同じです。ざっくりとしたローゲージのニット帽は見た目がかわいい反面、編み目から風がすっと抜けます。北風6メートルの駐車場では、かぶっていないのとほとんど変わりません。
海辺で使うなら、目の詰まったハイゲージの編み地か、内側にフリースの裏地が付いたタイプを選びます。もう一つ見落としがちなのが「飛ばされにくさ」。ボードを両手で抱えているときに帽子が飛ぶと、追いかけられません。耳までしっかり覆える深さと、適度なフィット感は、保温と同時に紛失防止にもつながります。
条件3:塩と砂への耐性|白く残る塩、繊維に入る砂
海上がりの髪には、海水の塩分がそのまま残っています。それを吸ったニット帽を干すと、乾いたあとに白い塩の結晶が浮いてきます。塩は繊維を硬くし、ウールなら風合いを損ね、化繊でも毛玉を増やす原因になります。砂はもっと厄介で、編み目の奥に入り込むと、振っても洗っても簡単には出てきません。
だからこそ、海で使うニット帽は「塩を含んでも水洗いで戻る素材」で、「編み目が細かく砂が入りにくい」ものが向いています。カシミヤやアンゴラ混の高級ニットは、海辺用には正直おすすめしません。塩と砂で1シーズンもたずに傷んでしまうことが多いからです。
条件4:洗える|週1で水洗いできなければ、海では使えない
3つめの条件とつながりますが、海で使う帽子は毎回塩を含みます。つまり、理想は海に行くたびに水洗いすること。少なくとも週に1回は洗う前提で選ぶ必要があります。「手洗い可」はもちろん、できれば洗濯ネットに入れて洗濯機で回せる表示のものが楽です。
ドライクリーニング指定のニット帽は、海辺では現実的ではありません。ウェットスーツを真水で洗う習慣と同じく、帽子も「上がったら真水に通す」をセットにできる素材を選びましょう。洗いやすさは、そのまま帽子の寿命と、翌週も気持ちよくかぶれるかどうかに直結します。
【比較表】素材別の向き不向き|ウール・アクリル・フリース・メリノ

4条件を押さえたうえで、実際の素材をどう選ぶか。海辺のニット帽で候補になるのは、主にウール、アクリル、フリース(ポリエステル)、メリノウールの4つです。それぞれの得意・不得意を、海上がりという場面に当てはめて表にしました。
| 素材 | 濡れたときの冷たさ | 乾く速さ | 風の通しにくさ | 塩・砂への強さ | 洗いやすさ | 価格の目安 | 海辺での向き不向き |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ウール(一般) | ◎ 湿っても暖かい | △ 遅い | ○ 目が詰まれば強い | △ 塩で硬くなりやすい | △ 手洗い・平干し | 3,000〜7,000円 | 濡れ頭用に向くが、手入れの手間を許せる人向け |
| アクリル | △ 濡れるとひやっとする | ◎ 早い | ○ ハイゲージなら強い | ◎ 塩に強い | ◎ ネット洗濯機OKが多い | 1,500〜4,000円 | 手入れ重視・毎週洗いたい人の定番 |
| フリース(ポリエステル) | ○ 濡れても重くならない | ◎ 非常に早い | △ 風が抜けやすい | ◎ 塩・砂ともに強い | ◎ 洗濯機OK | 1,000〜3,000円 | 車中泊・就寝用。風の強い浜では裏地向き |
| メリノウール | ◎ 湿っても暖かく、肌当たりが柔らかい | ○ 一般ウールより早い | ○ 薄手でも暖かい | ○ ウールより扱いやすい | ○ 手洗い可、ウォッシャブル表示なら洗濯機も | 5,000〜9,000円 | 濡れ頭用の本命。予算を許せる人に |
価格はいずれも2026年10月時点の目安です。ブランドや編み方で幅があるので、購入時は商品ページの素材表示と洗濯表示を必ず確認してください。
ウールとメリノ|湿っても暖かい、海上がりに強い素材
ウールの繊維は、重さの3割ほどの水分を吸い込んでも、表面はさらっとした状態を保ちます。これが「湿っても冷たく感じにくい」理由で、拭いたばかりの髪にかぶっても、ひやっとしにくいんです。海上がりの頭という条件では、この性質はかなり大きなアドバンテージになります。
ただし、一般的なウールは乾くのが遅く、塩を含むと硬くなりやすい弱点があります。そこで候補になるのがメリノウールです。繊維が細いためチクチクしにくく、薄手でも暖かい。登山やトレイルランニングで定番になっているのは、汗で濡れても冷えにくいからです。この性質は、海上がりの頭にもそのまま当てはまります。価格は高めですが、1枚で3シーズン以上使えると考えれば、投資する価値はあります。
アクリルとフリース|乾きと洗いやすさで選ぶ素材
アクリルはウールの風合いを化繊で再現した素材で、ほとんど吸水しません。濡れた髪にかぶると最初はひやっとしますが、乾くのが早く、塩が付いても水洗いですぐ戻ります。「毎回海で使う帽子は、気楽に洗える方がいい」という人には、アクリルのハイゲージビーニーがいちばん現実的な選択です。
フリースは速乾性と軽さが抜群で、濡れても重くなりません。ただ、起毛の構造上、風が抜けやすいのが欠点です。浜で風を受ける場面では物足りなく、逆に車内や車中泊の就寝時には最適。「風がない場所で頭を温める」用途に割り切るか、ニットの内側に裏地として入っているタイプを選ぶのがコツです。
結論:海上がりは「メリノかアクリル」、車内は「フリース」
まとめると、海上がり直後に濡れた頭へかぶる1枚は、予算が許せばメリノウール、手入れ優先ならアクリルのハイゲージです。車中泊や早朝の待機でかぶる1枚は、フリースの薄手で十分。この「浜用」と「車内用」を分けて2枚持つのが、冬の定番サーファーの実際のスタイルになっています。
タイプ別おすすめ7選|濡れ頭用・風対策・車中泊用

ここからは、用途別にどんなニット帽を選べばいいかを7タイプに分けて紹介します。特定の型番ではなく「このタイプの、この条件を満たすもの」という形で挙げているので、手持ちのブランドや近所のショップでも当てはめやすいはずです。ブランドは定番どころだけ、価格は目安で記載しています。
【濡れ頭用】1. メリノウールの薄手ビーニー
海上がり直後にかぶる本命です。パタゴニアやアイスブレーカーなど、アウトドア系ブランドの定番ラインに必ずあるタイプで、価格の目安は5,000〜9,000円。薄手なのに暖かく、湿っても冷たさを感じにくいのが最大の強みです。
選ぶときは、耳がすっぽり隠れる深さがあるかを確認してください。浅めのショートビーニーは街では格好いいのですが、海上がりには耳が出て寒い。「ウォッシャブル」表示のあるものなら、ネットに入れて洗濯機で洗えるので手入れも楽になります。
【濡れ頭用】2. アクリル・ハイゲージの定番ビーニー
ザ・ノース・フェイスやカーハートなど、ワーク・アウトドア系の定番アクリルビーニーです。価格の目安は2,000〜4,000円。目の詰まった編み地で風を通しにくく、塩が付いても水洗いですぐ戻ります。
このタイプは「とにかく毎回洗いたい」人に向いています。濡れた髪にかぶった瞬間は少しひやっとしますが、タオルドライをしっかりすれば問題ありません。色違いで2枚持って、1枚を洗っている間にもう1枚を使う運用が、いちばんストレスがありません。
【濡れ頭用】3. 内側がフリース裏地のニット帽
外側はアクリルニット、内側の額から耳にかけてフリースが縫い付けてあるタイプです。コロンビアやモンベルなどに定番があり、価格の目安は3,000〜5,000円。濡れた髪に触れる部分がフリースなので、吸った水分が肌に戻りにくく、乾きも早い。
アクリルのひやっと感が苦手な人や、髪が長くて乾きにくい人には、このタイプがいちばん快適です。少し厚みが出るので、車のシートに頭を預けたときに違和感が出ることがありますが、浜から車までの時間を考えれば十分に許容範囲でしょう。
【風対策】4. 防風素材を挟んだソフトシェル系ビーニー
ニットの間に防風のメンブレンを挟んだタイプです。ザ・ノース・フェイスやマムートなど、山岳系のブランドに多く、価格の目安は4,000〜7,000円。見た目は普通のニット帽ですが、北風をほぼ完全に止めてくれます。
千葉北や茨城の冬の浜のように、風がまともに当たる駐車場で着替える人には、これが効きます。欠点は吸湿性が低いことで、濡れた髪にそのままかぶると内側が蒸れます。タオルドライを丁寧にしてから、あるいは薄手のメリノの上に重ねてかぶる使い方がおすすめです。
【風対策】5. 耳までしっかり覆う深めのワッチ
折り返し(カフ)付きで、額から耳、後頭部までしっかり覆える深めのタイプです。厚手のアクリルかウール混で、価格の目安は2,000〜4,000円。カフを二重にすることで耳の部分だけ生地が倍になり、風に対する守りが強くなります。
「とにかく飛ばされたくない」人にも向いています。深くかぶれるぶん、ボードを抱えて歩いていても、ずれにくい。シンプルな分だけ安く手に入るので、最初の1枚としてもおすすめできるタイプです。
【車中泊用】6. フリースの薄手ビーニー
車内で寝るとき、早朝の明るくなるまでの待機時間にかぶる1枚です。モンベルやワークマンの薄手フリースビーニーで、価格の目安は1,000〜3,000円。軽くて、寝ていても締め付けがなく、汗をかいても乾きが早い。
車中泊の夜は、頭が冷えると眠りが浅くなります。寝袋の中に頭まで入れる人もいますが、息で湿気がこもるので、帽子で頭を温める方がよく眠れます。冬の車中泊装備の記事で紹介した防寒の中でも、費用対効果がいちばん高いのがこの1枚です。
【車中泊用・街兼用】7. サーフブランドの陸用ビーニー
ビラボンやクイックシルバー、RVCA、ハーレーなど、サーフブランドが秋冬に出すアパレルラインのビーニーです。価格の目安は3,000〜6,000円。デザインはもちろん格好いいのですが、素材はアクリルが中心で、海上がり専用に作られているわけではありません。
なので、このタイプは「海の帰りにそのまま街に寄る」「車中泊の夜から翌朝の朝食まで」といった、濡れ頭以外の時間を担当させるのがおすすめです。買うときは、裏地の有無と洗濯表示を必ず確認してください。素材さえ合えば、濡れ頭用として兼用できるものもあります。
7タイプの一覧比較表
| タイプ | 主な素材 | 向く場面 | 価格の目安 | こんな人に |
|---|---|---|---|---|
| 1. メリノ薄手ビーニー | メリノウール | 海上がり直後 | 5,000〜9,000円 | 濡れた頭を一発で温めたい |
| 2. アクリル・ハイゲージ | アクリル | 海上がり直後 | 2,000〜4,000円 | 毎回洗いたい、2枚持ちたい |
| 3. フリース裏地ニット | アクリル+フリース | 海上がり直後 | 3,000〜5,000円 | 髪が長い、ひやっと感が苦手 |
| 4. 防風ソフトシェル系 | ニット+防風膜 | 風の強い駐車場 | 4,000〜7,000円 | 千葉北・茨城など風の浜 |
| 5. 深めのワッチ | 厚手アクリル・ウール混 | 風の強い浜、紛失防止 | 2,000〜4,000円 | 最初の1枚、飛ばされたくない |
| 6. フリース薄手ビーニー | フリース | 車中泊・早朝の待機 | 1,000〜3,000円 | 車で寝る、朝一に入る |
| 7. サーフブランド陸用 | アクリル中心 | 帰り道・街兼用 | 3,000〜6,000円 | 海の帰りに寄り道する |
最初の1枚なら、2か5のアクリル系が失敗しにくいです。慣れてきて「もっと暖かく」と思ったら1のメリノを足し、車中泊を始めるなら6を追加する。このステップで買い足していけば、無駄なく揃います。装備全体の優先順位は秋冬装備チェックリストも参考にしてください。
海上がりに頭を冷やさない手順|拭く→かぶる→の順番

どんなにいい帽子を買っても、かぶる順番を間違えると効果は半減します。実際に多いのが「着替えを全部終えてから、最後に帽子をかぶる」パターン。これだと、着替えている5〜10分間ずっと頭が風にさらされ、体が冷え切ってしまいます。海上がりの手順を、頭を基準に組み替えてみましょう。
手順1:海から上がったら、まず頭をタオルで拭く
車に着いてウェットを脱ぎ始める前に、やることはひとつ。頭をタオルで拭くことです。ここで使うのは、吸水力の高いマイクロファイバーの小さめのタオル。ごしごしこすらず、髪を挟んで押すように水分を取ります。髪の水分が半分になるだけで、その後の冷え方はまったく違います。
タオルは首にかけておくと、ウェットから滴る水を受ける役にもなります。速乾タオルの選び方で比較したように、海上がりには大判より、頭専用の小さめサイズを1枚別に持つのが正解です。
手順2:濡れ頭用のニット帽をかぶる。着替えはそのあと
拭いたら、すぐに濡れ頭用の帽子をかぶります。この時点で、ウェットはまだ着たまま。ここが重要なポイントで、ウェットを脱ぐ前に頭を守っておくと、着替えの間に震えが来ません。耳までしっかり覆い、額の生え際まで下げてかぶってください。
そこからポンチョやドライローブをかぶって着替えに入ります。ポンチョの中は湿気がこもるので、ここで帽子をかぶっていると、髪の水分が帽子に移って頭が軽くなるのを感じられます。着替えの道具はポンチョ・ドライローブ・バケツの比較で詳しく書いています。
手順3:車に乗ったら、浜用から車内用に替える
着替えが終わって車に乗り込んだら、浜用の帽子は湿っているはずです。ここで車内用のフリースビーニーに替えると、頭は乾いた状態で温まります。湿った浜用の帽子は、ダッシュボードや送風口の近くに広げておけば、帰り着くまでにかなり乾きます。
お湯を用意している人は、頭にかけるより、まず手足を温めてください。頭は帽子で守れますが、手足は帽子では守れません。ポリタンクとお湯の使い方と手足の冷え対策を組み合わせると、海上がりの寒さはほぼ解決します。
車中泊と早朝サーフでの使い方

車中泊をする人は、夜のうちから帽子をかぶって寝てください。朝起きたときの体温が違います。明け方に明るくなるのを待つ時間も、エンジンを切った車内はどんどん冷えるので、帽子は脱がない。冬の早朝サーフィンの手順でも書きましたが、入水前に体を冷やさないことが、海の中での持ち時間を決めます。
入水する直前に帽子を脱いで、ボードケースの中かダッシュボードに置いておく。そして上がってきたら、タオルで拭いて、その帽子をかぶる。この往復を身につけると、冬の朝一セッションがぐっと楽になります。車の凍結やバッテリーの問題は冬の車トラブル対策にまとめてあります。
サイズの選び方と洗い方・型崩れ対策

最後に、サイズの選び方と手入れです。海で使うニット帽は、街用より消耗が早いもの。それでも正しく洗って干せば、アクリルなら数シーズン、メリノでも2〜3シーズンは気持ちよく使えます。
サイズは「高さ」と「伸び」で見る
ニット帽にはサイズ表記がないものが多く、代わりに見るべきなのが「高さ」です。製品寸法で高さ22センチ前後は浅め、26〜28センチなら耳まで深くかぶれます。海上がりに使うなら、26センチ以上を目安にすると、耳と生え際をしっかり覆えます。
もう一つは伸びです。リブ編みは伸縮性があり、頭の大きさを問わずフィットします。逆に、コットン混は伸びにくく、濡れると縮むことがあるので、海辺では避けた方が無難です。試着できるなら、ボードを抱える動きを想像して、前後に頭を振っても落ちないかを確かめてください。
洗い方|その日のうちに真水、週1はおしゃれ着洗剤
海で使った日は、帰宅後にバケツや洗面器の水に帽子をくぐらせて、塩を抜いてください。これだけで、白い塩が浮いてくるのをかなり防げます。ウェットスーツを真水で流すときに、一緒にバケツに放り込む習慣にすると忘れません。
週に1回は、おしゃれ着用の中性洗剤で洗います。手洗いなら、ぬるま湯に洗剤を溶かして、こすらずに押し洗い。洗濯機なら、必ずネットに入れ、脱水は1分程度の短時間にします。「洗濯機可」の表示でも、長い脱水は型崩れの原因になります。
干し方と型崩れ対策|吊らずに平干し
ニットは水を含むと重くなり、吊るして干すと縫い目から伸びます。タオルで挟んで水気を取ったら、形を整えて風通しのいい日陰に平干しが基本です。急いでいるときは、丸めたタオルを中に入れて頭の形を作りながら干すと、型崩れを防ぎつつ乾きも早くなります。
ドライヤーの熱風や車の送風口での長時間乾燥は、アクリルを縮ませたり、ウールを硬くしたりします。帰り道の車内で軽く乾かす程度ならいいのですが、仕上げは自然乾燥で。毛玉が出てきたら、専用のブラシか小さなハサミで取ると、見た目がぐっと戻ります。
車に常備するなら「塩抜き用の小バケツ」とセットで
冬の車にはウェットを入れるバケツがあるはずです。その中に、真水を少しだけ入れたジップ袋や小さな容器を用意しておくと、帽子の塩抜きが現場でできます。やるのはくぐらせて軽く絞るだけ。帰宅してから洗うのを忘れても、塩が固まる前に落とせるので、帽子の寿命が目に見えて延びます。
ワークマンなどで安く揃えて使い切る考え方もあります。ワークマンの防寒の代用と限界で書いたように、陸用の防寒小物は代用が効きやすい領域です。ただ、濡れ頭に直接触れる1枚だけは、素材を妥協しない方が結果的に安く済みます。
よくある質問(FAQ)
サーフィンのニット帽は、水中用のヘッドキャップと兼用できますか?
兼用はおすすめしません。ヘッドキャップはネオプレン製で、海水に浸かっても体温で温まる「濡れる前提」の装備です。海上がりにそのままかぶると、中の海水が冷えて放熱を続けます。逆にニット帽を海で使うと、水を吸って重くなり、波に巻かれれば流されます。水中はヘッドキャップ、陸はニット帽と分けて、海上がりにはタオルで拭いてからニット帽に替えるのが正解です。
濡れた髪にニット帽をかぶっても大丈夫ですか?
大丈夫ですが、素材と順番が大切です。まずマイクロファイバーのタオルで髪を押さえて水分を半分ほど取り、そのうえでメリノウールかアクリル、フリース裏地付きなど速乾性のある帽子をかぶります。カシミヤやアンゴラなど繊細な素材は、塩と水分で傷むので避けてください。かぶったあとは、車内で乾いた帽子に替えるか、送風口の近くで浜用の帽子を乾かすと、頭も帽子も快適に保てます。
海上がりのニット帽は、ウールとアクリルのどちらがいいですか?
暖かさ優先ならウール、特にメリノウールです。湿っても冷たさを感じにくく、薄手でも保温性があります。一方、手入れの楽さと価格を優先するならアクリルのハイゲージが現実的です。乾きが早く、塩が付いても水洗いですぐ戻り、ネットに入れて洗濯機で洗えるものが多い。迷ったら、最初はアクリルで始めて、物足りなければメリノを足す順番がおすすめです。
ニット帽が風で飛ばされないようにするには?
深さとフィット感で防ぎます。製品寸法で高さ26センチ以上の、耳までしっかり覆える深めのタイプを選び、額の生え際まで下げてかぶってください。折り返し(カフ)付きのワッチなら、耳の部分の生地が二重になり、ずれにくくなります。リブ編みで伸縮性があるものは頭に密着しやすく、ボードを抱えて前後に動いても落ちにくいです。ざっくりしたローゲージの浅いビーニーは、風の強い浜では避けましょう。
海で使ったニット帽の洗い方と頻度は?
使った日のうちに真水にくぐらせて塩を抜き、週に1回はおしゃれ着用の中性洗剤で洗います。手洗いなら、ぬるま湯で押し洗いし、こすらないこと。洗濯機を使う場合は必ずネットに入れ、脱水は1分程度に短くします。干すときは吊らず、タオルで水気を取ってから形を整えて日陰で平干しに。ドライヤーの熱風はアクリルを縮ませ、ウールを硬くするので、仕上げは自然乾燥にしてください。
サーフィンのニット帽はいつから必要ですか?
関東近郊なら、10月後半から北風が吹き始める頃が目安です。水温より気温と風で決まるので、朝一の気温が15度を下回り、風が出る日には持っていってください。11月から3月は毎回必須と考えていいでしょう。春先の4月も、水温は低いまま風が強い日が多く、海上がりの頭はまだ冷えます。ニット帽は軽く、車に常備しておけるので、迷ったら早めに積んでおくのがおすすめです。
まとめ|サーフィンのニット帽はこう選ぶ
サーフィン用のニット帽について、海上がりの濡れた頭という条件で選び方を整理してきました。要点をまとめます。
- 水中のヘッドキャップと陸のニット帽は別物。海上がりはタオルで拭いてからニット帽に替える
- 海辺で使う帽子の4条件は、速乾・風への強さ・塩と砂への耐性・気軽に洗えること
- 素材は、海上がり直後ならメリノウールかアクリル、車内や就寝用ならフリースが向いている
- 最初の1枚はアクリル・ハイゲージか深めのワッチ。慣れたらメリノと車中泊用フリースを足す
- 順番は「拭く→かぶる→着替える→車内用に替える」。着替えの最後に帽子では遅い
- 使った日は真水で塩抜き、週1でおしゃれ着洗い。吊らずに平干しで型崩れを防ぐ
陸の帽子ひとつで冬の海上がりは変わりますが、上半身や手足とセットで考えるとさらに効きます。行き帰りの服装は秋冬の防寒レイヤリングを、装備全体の買い足し順は秋冬装備チェックリストを、海の中の頭の守りはヘッドキャップの選び方をどうぞ。
冬のサーフィンを続けられるかどうかは、海の中の寒さよりも、上がった直後の数分で決まります。拭いて、かぶって、着替える。この順番が体に入ると、北風の駐車場が怖くなくなります。来週の朝一、ダッシュボードにニット帽を1枚置いて、海に向かってみてください。


















