「サーフアブダビのCTは10月開催のはず」。そう思っていた方、実はもう情報が古いんです。WSLは2026年7月に大幅なスケジュール変更を発表しました。中東情勢の影響でアブダビ戦は11月25〜29日へ延期。代わりにフィリピンのクラウド9が急きょCTに昇格し、カレンダー全体が組み替えられています。
しかも2026年はファイナルズ廃止元年。一発勝負でチャンピオンが決まる時代が終わり、年間ポイントの積み上げで王者が決まる方式に戻りました。だからこそ、シーズン終盤のプール戦が持つ意味は例年とはまったく違います。
この記事では、最新の開催日程と変更の経緯、プール戦ならではの採点・戦術、そして日本からの観戦方法と時差まで一気に整理します。読み終わる頃には、11月のアブダビ戦を2倍楽しめる状態になっているはずです。
目次
- サーフアブダビ2026の最新日程|11月25〜29日に変更
- ファイナルズ廃止で変わるアブダビ戦の価値
- プール戦は何が違う?採点と戦術を解説
- 会場「サーフアブダビ」とはどんな施設?
- 注目選手とタイトルレースの現在地
- 日本からの観戦方法と時差ガイド
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
サーフアブダビ2026の最新日程|11月25〜29日に変更

当初予定から何が変わったのか
2025年7月に発表された当初のカレンダーでは、サーフアブダビ戦は第10戦として10月14〜18日に予定されていました。ポストシーズンの開幕戦という位置づけでしたね。ところが2026年7月、WSLはこの計画を大きく修正します。
理由は中東地域の情勢不安です。選手やスタッフの安全を最優先し、アブダビ戦は11月25〜29日へと約6週間後ろ倒しになりました。新日程はF1アブダビGPの約1週間前。国際イベントが集中する時期に合わせた形です。
クラウド9昇格とカレンダー再編
この変更に合わせて、カレンダー全体が玉突きで動きました。ポルトガル・ペニシェ戦は10月16〜25日へ前倒し。さらにフィリピン・シャルガオ島の名波クラウド9で開催予定だったQS6000が、フルCTイベント「フィリピンプロ」に昇格しました。日程は10月31日〜11月10日です。
クラウド9といえば、リーフの浅さと掘れ上がるライトバレルで知られる世界屈指の波。CT開催はフィリピン史上初となり、現地では国を挙げた歓迎ムードが伝えられています。人工波のアブダビとは対照的な、自然のリーフブレイクが終盤戦に加わったわけです。
中止の可能性と「ベスト10/ベスト9」ルール
注意したいのは、アブダビ戦には今も中止の可能性が残っている点です。WSLは情勢次第で完全中止もあり得ると明言しています。クラウド9の昇格は、実は「最低12戦を確保するための保険」でもあるんです。
ランキング計算もこれに連動します。13戦すべてが開催されれば年間タイトルはベスト10戦の合計ポイントで決定。アブダビが中止になり12戦になった場合は、当初どおりベスト9戦で計算されます。柔軟な二段構えですね。
| 項目 | 当初発表(2025年7月) | 変更後(2026年7月発表) |
|---|---|---|
| アブダビ戦の日程 | 10月14〜18日(第10戦) | 11月25〜29日(中止の可能性あり) |
| ポルトガル戦 | 10月22日〜11月1日 | 10月16〜25日に前倒し |
| フィリピン・クラウド9 | QS6000として開催 | CT昇格、10月31日〜11月10日 |
| 年間戦数 | 全12戦 | 最大13戦 |
| タイトル計算 | ベスト9戦 | 13戦開催ならベスト10戦/12戦ならベスト9戦 |
ファイナルズ廃止で変わるアブダビ戦の価値
一発勝負から積み上げ式へ
2021年から続いた「ファイナル5」を覚えていますか?レギュラーシーズン上位5名だけが最終戦に進み、たった1日のサーフオフで王者が決まる方式でした。ドラマ性はあったものの、「9か月間首位を走った選手が1日で無冠になるのはおかしい」という批判も根強かったんです。
2026年からはこの方式が廃止され、年間の累計ポイントで王者が決まる伝統的な形に回帰しました。あわせて敗者復活のノンエリミネーションラウンドも撤廃。初戦の第1ヒートから、すべての勝敗がタイトルに直結します。新フォーマットの全体像はWSL2026完全ガイドで詳しく解説しています。
ポストシーズンは男子24名・女子16名の狭き門
レギュラーシーズン9戦を戦うのは男子36名・女子24名。そこから第9戦ローワー・トレッスルズ終了時点で、ポストシーズンに進めるのは男子24名・女子16名に絞られます。選考はレギュラーシーズン9戦中ベスト7戦の成績。約3分の1が脱落する計算です。
ポストシーズンのフォーマットもシビアです。男子はシード9〜22位とワイルドカード2名がラウンド1のマンオンマンで激突し、勝者だけがシード1〜8位の待つラウンド2へ。女子16名は事前シードなしのラウンド1から始まる完全ノックアウト方式です。1ヒート落とせば即敗退、ポイント差は一気に開きます。
パイプマスターズへの最終調整の場
シーズン最終戦は12月8〜20日のパイプマスターズ。通常の1.5倍にあたる最大15,000ポイントが懸かる大一番です。アブダビ戦はその直前、11月末に置かれています。つまりタイトル争いをする選手にとっては、パイプ前に確実にポイントを積める最後のチャンスのひとつなんです。
波のクオリティが保証されたプールでは、実力者の取りこぼしが起きにくいのも特徴です。荒れがちな秋のポルトガルや潮に左右されるクラウド9と違い、アブダビは「実力どおりの結果が出やすい大会」。ランキング上位陣が差を広げるのか、追う側が意地を見せるのか。積み上げ式だからこそ1戦の重みが際立ちます。
プール戦は何が違う?採点と戦術を解説

採点基準は同じ、でも条件がまったく違う
採点そのものは海の大会と同じです。1本の波を10点満点で評価し、上位2本の合計20点満点で競います。ジャッジが見るのはスピード・パワー・フローに、技の難易度と組み合わせ、完成度。ここは変わりません。
決定的に違うのは、全員がほぼ同じ波に乗るという点です。海では「良い波を引き当てる運」が点数を左右しますが、プールでは波のサイズも形も割れる場所も毎回同じ。言い訳がきかない、純粋な技術勝負になります。0.1点差の勝負が普通に起きるのはこのためです。
「波の選択」という駆け引きが消える
海の大会の面白さは、優先権を使った心理戦やポジション争いにもありますよね。どのセットに乗るか、相手に乗らせないためにどう動くか。ところがプール戦では波数と順番があらかじめ決まっているので、この駆け引きがほぼ消滅します。
代わりに重要になるのが「ルーティン設計」です。ライトとレフト、それぞれの波でどのセクションにどの技を置くか。体操の演技構成に近い発想で、事前に組み立てたラインをどれだけ正確に再現できるかが問われます。失敗したら同じ波はもう来ない、というプレッシャーとの戦いでもあります。
プール戦で強いのはどんな選手か
過去の傾向から見えるのは、エアリアルの精度が高い選手と、バレルの出入りが正確な選手が強いということです。決まった波では加点要素を最初から波に「配置」できるため、大技を確実に決められる選手ほど有利になります。
2025年の初代王者イタロ・フェレイラはまさにその典型でした。決勝で17.27点という高得点を叩き出し、爆発力あるエアと完璧なバレルワークで圧勝。逆に、波を読む嗅覚やハッスルで勝ってきたタイプの選手は、プールでは持ち味をひとつ封じられることになります。この相性の差も見どころです。
会場「サーフアブダビ」とはどんな施設?

ケリー・スレーターの技術を受け継ぐ世界最大級プール
サーフアブダビは、アブダビ市街の南西に浮かぶフダイリヤット島に2023年にオープンした人工波施設です。技術のベースは、ケリー・スレーターが開発したカリフォルニアの「サーフランチ」と同じKS Wave Co.のシステム。世界最大級の規模をうたい、機械が水底のフォイルを引くことで、左右に長く走るレールのような波を生み出します。
波の特徴はなんといってもバレルセクションの長さです。テイクオフから技を2〜3発入れて、ロングバレルに入り、抜けてからさらにエンドセクションでフィニッシュ。1本で40秒を超えるロングライディングができる設計は、海ではまずお目にかかれません。ナイトセッション用の照明も備わっており、日没後の進行にも対応します。
2025年の初開催で何が起きたか
CT初開催となった2025年2月の「サーフアブダビプロ」は、記憶に残る大会になりました。男子決勝ではイタロ・フェレイラが17.27点でリオ・ワイダ(14.50点)を下し優勝。女子はケイトリン・シマーズが16.10点でモリー・ピックラム(15.70点)を僅差で退けました。女子決勝の点差はわずか0.40点。プール戦らしい緊張感が最後まで続いたんです。
このときの大会は2月の第2戦としての開催でしたが、2026年は終盤のポストシーズン。タイトルの行方が絞られた状態で同じ舞台に戻ってくるため、1本の重みは前回の比ではありません。
一般サーファーも同じ波に乗れる
実はサーフアブダビ、大会期間外は一般開放されています。レベル別のセッションが用意されていて、旅行で訪れたサーファーがプロと同じ波に挑戦することも可能です。中継で見た波に自分も乗れると考えると、観戦の熱の入り方も変わりますよね。
「いきなりアブダビは遠い」という方は、まず国内の施設で人工波を体験してみるのがおすすめです。日本のウェーブプール施設一覧と料金ガイドで、静岡・静波のサーフスタジアムをはじめ体験できる場所をまとめています。プールの波を一度知っておくと、プロの凄さが体感として理解できます。
注目選手とタイトルレースの現在地

男子|イタロ首位、王者ヤゴ・ドラが追う展開
8月末時点のタイトルレースは大混戦です。男子はイタロ・フェレイラが首位で第8戦フィジーに入りました。優勝1回に2位1回、3位2回と抜群の安定感。しかもイタロはアブダビ初代王者です。プールとの相性を考えると、終盤に強烈な切り札を持っていることになります。
序盤にイエロージャージを着たレオナルド・フィオラヴァンティ、優勝と準優勝を持つディフェンディングチャンピオンのヤゴ・ドラ(3位)がそれを追う構図。エアの引き出しが豊富なヤゴにとっても、アブダビは得意舞台です。首位争いの数名がいずれもプール巧者という、近年まれに見る面白い状況になっています。
女子|ブライアン首位、シマーズの連覇なるか
女子はガブリエラ・ブライアンが首位でフィジーを迎えました。パワフルなレールワークが武器のハワイアンです。対するアブダビ初代女王ケイトリン・シマーズは、独創的なライン取りでプールでも高得点を連発するタイプ。第8戦フィジー初日には若手のエリン・ブルックスがパーフェクト10を叩き出すなど、女子も役者が揃っています。
女子のポストシーズン枠は16名しかありません。ベテランと新世代の椅子取りゲームは、残り2戦のトレッスルズまで縺れ込むはずです。
五十嵐カノアはポストシーズンに進めるか
日本のファンとして気になるのは、やはり五十嵐カノアの動向ですよね。現在開催中のフィジー戦では、初日に高速バレルを決めてラウンド2を突破。ポストシーズン進出ラインの男子24位以内に向けて、確実にポイントを重ねています。
カノアは2028年ロス五輪を見据えるうえでも、プールでの実戦経験を積める貴重な機会です。日本人選手全体の後半戦の展望はWSL2026後半戦|日本人選手の順位と注目日程で追いかけているので、あわせてチェックしてみてください。
日本からの観戦方法と時差ガイド
時差5時間は観戦のゴールデンタイム
アブダビと日本の時差は5時間。日本のほうが5時間進んでいます。これ、WSL観戦においてはかなりの好条件なんです。たとえば現地で朝8時にヒートが始まると、日本時間では午後1時。現地の午後5時終了なら日本の夜10時です。
ハワイやカリフォルニアの大会だと深夜〜早朝の観戦になりがちですが、アブダビは仕事や学校を終えてからリアルタイムで追える時間帯。しかもプール戦はヒートスケジュールが波待ちに左右されないため、進行が正確です。「何時に誰が出るか」がほぼ確定しているのは、観戦計画を立てるうえで本当にありがたいですよね。
| アブダビ現地時間 | 日本時間 | 観戦シーン |
|---|---|---|
| 8:00(午前ヒート開始) | 13:00 | 昼休みにスマホでチェック |
| 12:00(昼のセッション) | 17:00 | 帰宅しながらアプリ観戦 |
| 15:00(準決勝想定) | 20:00 | 夕食後にテレビ・PCでじっくり |
| 17:00(決勝想定) | 22:00 | クライマックスを生で見届ける |
視聴方法はWSL公式が基本
中継はWSL公式サイトとWSLアプリのライブ配信が基本で、いずれも無料で視聴できます。公式YouTubeチャンネルでもライブとハイライトが配信されるので、フルで追えない日はハイライトだけでも十分楽しめます。アプリのお気に入り選手通知を設定しておくと、カノアのヒート直前にアラートが届いて便利です。
日本語で結果を追いたい方は、各サーフメディアの翻訳記事やSNSハイライトを併用するのがおすすめ。秋以降の国内大会と合わせた観戦計画は2026年秋のサーフィン大会|日程・会場と観戦ガイドにまとめています。
観戦がもっと楽しくなる予習ポイント
プール戦の観戦では「同じ波での比較」を意識してみてください。選手Aと選手Bが同じレフトの波に乗ったとき、どこで技を入れたか、バレルにどの深さで入ったか。条件が同じだからこそ、素人目にも違いがはっきり分かります。
2025年大会のハイライト映像を1本見ておくだけでも、波のセクション構成が頭に入って観戦体験が激変します。テイクオフ→マニューバーゾーン→バレル→エンドセクションという流れを覚えておきましょう。
よくある質問(FAQ)
サーフアブダビ2026はいつ、どこで開催されますか?
2026年11月25〜29日、アラブ首長国連邦アブダビのフダイリヤット島にある人工波施設「サーフアブダビ」で開催予定です。当初は10月14〜18日の予定でしたが、中東情勢を受けて2026年7月に延期が発表されました。F1アブダビGPの約1週間前という日程です。最新情報はWSL公式サイトで必ず確認してください。
大会が中止になる可能性はありますか?
あります。WSLは地域情勢次第で中止の可能性があることを認めており、その保険としてフィリピン・クラウド9をCTに昇格させました。中止の場合でも年間12戦は確保され、タイトルはベスト9戦の合計で決まります。13戦すべて開催された場合はベスト10戦での計算となるため、どちらでもタイトルレースは成立する設計です。
プールの大会は海の大会と採点が違うのですか?
採点基準自体は同じで、1本10点満点・上位2本の合計で競います。違うのは条件です。全員がほぼ同一の波に乗るため、波運の要素が消えて技の完成度がダイレクトに点差になります。0.1〜0.5点の僅差勝負が多く、2025年大会の女子決勝も0.40点差でした。ジャッジの比較がしやすく、視聴者にも点差の理由が分かりやすいのが特徴です。
日本からライブで見るにはどうすればいいですか?
WSL公式サイトまたは無料のWSLアプリでライブ配信を視聴できます。公式YouTubeでも配信・ハイライトが公開されます。時差は5時間(日本が先行)なので、現地午前のヒートは日本の午後、決勝クラスの時間帯は日本の夜に当たり、生活リズムを崩さず観戦しやすい大会です。アプリの通知機能で注目選手のヒート開始を受け取るのがおすすめです。
サーフアブダビは一般の人でも滑れますか?
滑れます。大会期間外はレベル別のパブリックセッションが販売されており、初心者向けの小さな波からプロ仕様のバレルまで選択可能です。旅行と組み合わせて訪れる日本人サーファーも増えています。まずは国内のウェーブプールで人工波の感覚を掴んでから挑戦すると、料金対効果がぐっと高まります。
日本人選手は出場しますか?
ポストシーズン進出条件(男子24位以内・女子16位以内)を満たせば出場します。五十嵐カノアは現在その圏内を争っており、第8戦フィジー、第9戦トレッスルズの結果が鍵を握ります。確定情報は第9戦終了後に発表されるので、当サイトの後半戦ガイドで最新状況を随時更新していきます。
まとめ
サーフアブダビ2026のポイントを整理します。
- 開催は11月25〜29日に変更。中東情勢により中止の可能性も残る
- 保険としてクラウド9がCT昇格。13戦ならベスト10戦、12戦ならベスト9戦でタイトル決定
- ファイナルズ廃止で積み上げ式に回帰。パイプ直前のアブダビ戦は得点源として重要度アップ
- プール戦は波運が消える純粋な技術勝負。ルーティン設計とエア・バレルの精度が鍵
- 時差5時間で日本の夕方〜夜に観戦できる好条件。WSL公式アプリの無料配信が基本
ファイナルズ廃止元年の終盤戦は、1ヒートごとにランキングが動く緊張感が続きます。その中でも進行が読めて僅差の勝負が約束されているアブダビ戦は、初めてWSL観戦する人の入り口としても最適です。まずはWSL2026完全ガイドで新フォーマットをおさらいしつつ、日本人選手の後半戦ガイドでカノアの順位を追いかけてください。そして興味が湧いたら、国内のウェーブプールで人工波を体験してみましょう。画面の向こうの世界が、一気に自分ごとになりますよ。



















