ノンジップウェットスーツとは?チェストジップとの違いと着方

ノンジップウェットスーツを着てサーフボードを抱え海へ向かうサーファー

真冬の駐車場。海上がりで指先はかじかみ、体は震えているのに、ウェットの首がどうしても抜けない。肩まで下ろしたところで生地が引っかかり、無理に引っ張った瞬間「ビリッ」と嫌な音がした……。ノンジップウェットスーツで、こんな失敗をした人は少なくありません。

「浸水しにくくて動きやすい」と聞いて気になっているけれど、着脱が大変そうで踏み切れない。チェストジップやバックジップと何がどう違うのか、自分の体型に合うのかも分からない。ショップで勧められたものの、上位グレードで価格も高いだけに失敗はしたくないですよね。

この記事では、ノンジップウェットスーツの構造と、混同されがちな「2種類のノンジップ」の違いを整理します。そのうえでチェストジップ・バックジップとの比較表、破らない着脱手順、体型から判断する向き不向きまで解説していきます。読み終わる頃には、次のウェットをノンジップにすべきかどうか、自分で判断できるようになっているはずです。

目次

目次

  1. ノンジップウェットスーツとは|構造と「2つのノンジップ」
  2. チェストジップ・バックジップとの違い(比較表)
  3. ノンジップのメリット・デメリット
  4. ノンジップの着方・脱ぎ方|破らない手順とコツ
  5. ノンジップが向く人・やめたほうがいい人
  6. 首周りを長持ちさせるメンテナンス
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめ

ノンジップウェットスーツとは|構造と「2つのノンジップ」

ウェットスーツの首周りと肩口の構造のクローズアップ
ノンジップは首周りと肩口の伸縮パネルが命。ここの構造で着心地も寿命も決まる

ノンジップウェットスーツとは、その名のとおりファスナー(ジップ)を使わずに着脱するウェットスーツのことです。ジップレス、ジッパーレスとも呼ばれます。開口部は首から肩にかけての伸縮性の高いパネルで作られ、そこを大きく広げて体を入れます。

ジップがあるモデルとの最大の違いは、「水の入り口」と「動きを止める硬い部品」が無いことです。たったこれだけの構造の違いが、冬の海での快適さを大きく変えるんです。

ジップをなくすと何が変わるのか

ウェットスーツで海水が入る場所は、首・手首・足首・縫い目・そしてジップの5カ所です。このうちジップは、背中や胸に長さ40〜60cmの「隙間」を作ります。防水ジップでも、テンションがかかった状態で完全に水を止めるのは難しいのが実情です。

ノンジップはこの入り口をそもそも持ちません。首周りの一重または二重のパネルが肌に密着し、ドルフィンスルーで頭から突っ込んでも「背中にドバッ」という感覚がほぼ無くなります。真冬の水温13℃で、この差はかなり効いてきます。

もう一つが可動域です。ジップは伸びません。バックジップなら背中の中心に、チェストジップなら胸の上に、伸びない帯が一本走ることになります。パドリングで肩甲骨を寄せる動きや、テイクオフで胸を反らす動きを、ジップがわずかに邪魔するわけです。ノンジップはこの帯が無いので、生地の伸縮性がそのまま体の動きになります。

「ノンジップ」は2種類ある:フラップ式とネックエントリー

ここが競合記事でも混乱しがちなポイントです。日本のサーフショップやメーカーで「ノンジップ」と呼ばれるものは、実は2つのタイプに分かれます。

1つ目はフラップ式(ベルクロクローザー)です。首から被って着たあと、胸の上にある「フラップ」と呼ばれる被せパネルをベルクロ(マジックテープ)で固定します。ジップは使いませんが、肩口を大きく開けられるので着脱はしやすい。国内メーカーの冬用モデルで「ノンジップ」と表記されているものの多くはこのタイプです。

2つ目はネックエントリー(完全ジップレス)です。フラップもベルクロも無く、首の穴を広げて着脱します。ストレスになる部品が一切無いため、可動域と防水性はこちらが上。その代わり着脱の難易度は全方式の中で最も高く、首パネルの伸びによる寿命の短さも指摘されます。

この記事では両方を「ノンジップ」として扱いつつ、違いが出る部分では「フラップ式」「ネックエントリー」と呼び分けます。購入時にショップで「ノンジップ」と言われたら、どちらのタイプか確認するクセをつけておきましょう。

なぜ上位グレードに多いのか

ノンジップは各メーカーの上位ラインに集中しています。理由はシンプルで、ジップ無しで着脱を成立させるには、首周りと肩口に伸縮率の高い高価な生地が必要だからです。標準的なジャージ生地では、首を広げた時に戻りが悪く、数カ月で首元がゆるゆるになってしまいます。

さらに開口部が狭い分、体全体の裁断精度(カッティング)も要求されます。肩幅や胸囲にゆとりを持たせて「なんとなく合う」設計ができないため、パターンの完成度がそのまま着心地に出るんです。結果として、ノンジップ=上位モデル=高伸縮素材+高精度パターン、という組み合わせになります。

生地の種類(ジャージ・ラバー・起毛)ごとの特徴は、ウェットスーツの素材の違いの記事で詳しく解説しています。ノンジップの首パネルに使われる素材を理解するうえでも役立つはずです。

チェストジップ・バックジップとの違い(比較表)

ウェットスーツを着てビーチを歩くサーファー(ジップ方式の比較イメージ)
ジップ方式は「どこから着るか」の違い。防水・可動域・着脱のどれを優先するかで選ぶ

ウェットスーツのジップ方式(エントリーシステム)は、大きく分けてバックジップ・チェストジップ・ノンジップの3つです。それぞれの違いを5つの項目で比較してみましょう。

5項目で比較する

項目バックジップチェストジップノンジップ(フラップ式)ノンジップ(ネックエントリー)
防水性△(背中から浸水)◎(最高)
可動域△(背中に硬い帯)○〜◎◎(最高)
着脱のしやすさ◎(最も楽)×(要コツ)
首周りのストレス△(ベルクロ)
耐久性・寿命◎(ジップ交換可)○(ベルクロ弱化)△(首の伸び)
価格帯の目安安〜中中〜高

ざっくり言えば、「着脱の楽さ」と「海の中での性能」はトレードオフです。バックジップは着脱が最も楽な代わりに浸水と背中のつっぱりがあり、ネックエントリーは真逆。チェストジップとフラップ式ノンジップは、その中間でバランスを取ったポジションにいます。

チェストジップとバックジップの細かな違いは、チェストジップとバックジップの違い|後悔しない選び方で徹底比較しています。この記事と合わせて読むと、3方式の全体像がつかめます。

浸水量の体感差はどれくらいか

数字で示すのは難しいのですが、編集部の冬場の実感をお伝えします。水温14℃の千葉北で、同じメーカーの5/3mmセミドライを方式違いで着比べたことがあります。バックジップは、最初のドルフィンスルーで背中に「ヒヤッ」と一筋の冷たさが走ります。その後も大きめのセットをくぐるたびに少しずつ水が入り、90分でお腹周りがじんわり冷えてきました。

一方ノンジップは、最初の一発目こそ首から少量入りますが、その後はほぼ入りません。体温で温まった水がそのまま残るので、2時間入っても「寒いから上がる」という判断になりにくいんです。冬にサーフィンの回数を減らしたくない人ほど、この差は大きく感じるはずです。

価格差の目安

国内メーカーのセミドライで比較すると、同じ生地グレードならバックジップとチェストジップの差は5,000〜10,000円程度です。ノンジップ(フラップ式)はチェストジップと同程度か、やや上。ネックエントリーは上位素材が前提になるため、一段上の価格帯になります。

ただし価格差の大半は「ジップ方式そのもの」ではなく「採用されている生地グレード」から来ています。ノンジップの吊るし(既製品)を7万円台で見つけたら、それはノンジップだから高いのではなく、上位素材だから高いと考えるのが正確です。冬用モデルの価格帯はセミドライおすすめ5選【2026】でも整理しています。

ノンジップのメリット・デメリット

比較表を踏まえて、ノンジップを選ぶ意味と、覚悟しておくべき弱点を整理します。メリットだけ見て買うと後悔しやすいアイテムなので、デメリットの側もしっかり読んでみてください。

メリット①:浸水が少なく、冬の入水時間が伸びる

最大のメリットは、やはり浸水の少なさです。ジップからの浸水が無いだけでなく、首周りのパネルが肌に密着するため、首からの浸水も抑えられます。二重ネック(インナーネック付き)のモデルなら、ドルフィンスルー時の浸水はさらに減ります。

浸水が少ないということは、体温で温めた水を保持できるということです。同じ5mmでも「体感的に1ランク暖かい」と言われるのはこのためです。冬に90分で上がっていた人が2時間入れるようになる、というのは決して大げさな話ではありません。

メリット②:パドリングと首の可動域が広い

背中にも胸にも硬い帯が無いので、パドル時に肩甲骨がスムーズに動きます。特にネックエントリーは、首を回して波を探す動作にストレスがまったく無い。バックジップからネックエントリーに変えたとき、「首が軽い」と感じるサーファーは多いです。

ロングセッションで肩が疲れやすい人、パドル力に自信が無い初中級者ほど、実はこの恩恵が大きいんです。ノンジップは上級者向けと思われがちですが、パドルが楽になる効果はレベルを問いません。

デメリット①:着脱に時間とコツがいる

最大のデメリットは着脱です。バックジップなら1分で脱げるところ、慣れないノンジップだと5分以上かかることも珍しくありません。冬の駐車場で濡れた体のまま5分かけて格闘するのは、正直つらい。特にネックエントリーは、開口部が首の穴だけなので、頭が抜けない・肩が引っかかるというトラブルが起きやすいです。

ただし、これは「慣れ」と「手順」でかなり解決します。後述する着脱手順を守れば、フラップ式なら2〜3回、ネックエントリーでも5〜6回で体が覚えます。

デメリット②:首の伸び・ベルクロの劣化で寿命が来やすい

ネックエントリーは、着脱のたびに首パネルを大きく広げるため、2〜3シーズンで首元がゆるくなりやすいのが弱点です。週2〜3回入るヘビーユーザーだと、2シーズン目の冬に「首から入るようになった」と感じることがあります。フラップ式は首の負担が小さい代わりに、ベルクロが2〜3年で弱くなり、フラップが浮いて浸水するケースがあります。

「まだ生地は元気なのに、首元だけダメになった」という状態は、ノンジップ特有の寿命の迎え方です。買い替え時期の全体像はウェットスーツの寿命は何年?買い替えサイン7つで確認できます。

デメリット③:体型との相性がシビア

見落とされがちですが、ノンジップは開口部が狭いため、体型との相性がバックジップより格段にシビアです。肩幅が広い、胸板が厚い、頭が大きめ、という人は、既製サイズだと「胴は合うのに肩が通らない」という事態が起きます。逆に首が細い人は、首パネルが浮いて浸水しやすい。

この相性問題は、後半の「向く人・やめたほうがいい人」で採寸項目と合わせて具体的に判断できるようにします。

ノンジップの着方・脱ぎ方|破らない手順とコツ

砂浜でウェットスーツを着替えるサーファー
着脱は「引っ張る」ではなく「送り込む」。爪を立てないだけで破れ事故の8割は防げる

ノンジップで最も多いトラブルが、着脱時の破れです。首周りや肩口にはスキン(ラバー)素材や薄い高伸縮ジャージが使われており、ここは爪が当たるだけで裂けます。手順を守って「引っ張らずに送り込む」を徹底しましょう。

着る手順(フラップ式・ネックエントリー共通)

  1. 脚から入れて、腰まで一気に上げる。裾を折り返しておくと足首が通しやすい。ここで腰の位置が低いと、後で肩が届かなくなります。股の生地を完全に引き上げてから次へ。
  2. 片腕ずつ、肘まで入れる。指先で袖口を引っ張らず、手のひら全体で生地を「たくし上げる」ように送る。袖口がダブル仕様なら、先に袖を内側に折ってから腕を通す。
  3. 肩口を広げ、頭を「後ろから前へ」くぐらせる。フラップ式は肩口のパネルを両手で持ち、ネックエントリーは首の穴を両手で広げます。このとき絶対に爪を立てない。指の腹だけで広げます。
  4. 首パネルを肌に沿わせ、フラップを固定する。フラップ式はインナーネックを先に肌に密着させてから、外側のフラップを被せてベルクロで留めます。ネックエントリーは首パネルの折り返しが内側に巻き込んでいないか確認。
  5. 最後に全身の生地を「ならす」。脇・股・膝裏にたるみが残っていると、動きが重くなり浸水も増えます。両手で下から上へ撫でて空気を抜きましょう。

手順3で頭が抜けない場合、ほぼ確実に手順1で腰の位置が低いか、手順2で袖が肘まで届いていません。頭を無理に通すのではなく、一度戻って下半身と袖を上げ直すほうが早いです。

脱ぐ手順

  1. フラップを外し、肩口を広げる。ベルクロをはがす時は、勢いよく引かず端からゆっくり。ベルクロの寿命が変わります。
  2. 頭を「前から後ろへ」抜く。着る時の逆です。あごを引いて額から抜くイメージで、首パネルを両手の指の腹で広げながら。ここで一番破れが起きるので焦らない。
  3. 片腕ずつ、肘を曲げて抜く。袖を引っ張るのではなく、肘を曲げて腕を「抜く」。もう片方の手で肩口を押さえると楽です。
  4. 腰まで裏返しながら下ろす。脱いだ上半身は裏返して垂らし、そのまま腰・太ももへ送る。
  5. 足首は「折り返し」で外す。足首の生地を内側に折り返してから、かかとを抜く。ここで爪先を引っかけて生地を裂く人が多いので注意。

冬場に脱ぐ時は、ポリタンクのお湯を首元から少し流し込んでおくと、生地と肌の間に水の層ができてスルッと抜けます。足首を先に折り返しておけばお湯が抜けません。この「お湯を入れて脱ぐ」テクニックは、ノンジップでは特に効果が大きいです。

破る事故の3大パターンと対策

編集部やまわりのサーファーで実際に起きた破れ事故を整理すると、パターンは3つに集約されます。

1つ目は「爪」です。首パネルを広げる時、指先で生地をつまむと爪が食い込みます。スキン素材はこれだけで裂けます。対策は、必ず指の腹で押し広げること。冬は爪を短く切っておくのも地味に効きます。

2つ目は「片側だけ引っ張る」です。頭が抜けない時に、片手で首の片側だけをグイッと引くと、テンションが一点に集中して縫い目から裂けます。両手で左右均等に広げるのが鉄則です。

3つ目は「着たまま座る・砂の上で脱ぐ」です。フラップ式のベルクロが砂を噛むと、フラップの裏地をヤスリのように削ります。着替えは必ずバケツやマットの上で。砂が付いたベルクロは、留める前に払い落としましょう。

基本の着脱動作はウェットスーツの着方・脱ぎ方|破らない手順とコツでも詳しく解説しています。万一破ってしまった時は、ウェットスーツの修理方法を参考に、早めに補修しておくと広がりを防げます。

ノンジップが向く人・やめたほうがいい人

ノンジップウェットスーツで波に乗るサーファー
冬も回数を減らしたくない人、パドルを軽くしたい人にノンジップは効く

ここまでの内容を踏まえて、ノンジップを選ぶべき人と、別の方式のほうが幸せになれる人を整理します。判断の軸は「冬の入水頻度」「着脱環境」「体型」の3つです。

ノンジップが向く人

まず、冬も週1回以上コンスタントに入る人。浸水の少なさは入水回数が多いほど効きます。次に、ロングセッション派やパドルを軽くしたい人。可動域の広さが体力の温存につながります。そして、着替えを車内やテント内など、風を避けられる環境でできる人。着脱に少し時間がかかっても、環境が整っていれば苦になりません。

体型面では、首周り・肩幅・胸囲が「既製サイズ表の中央値」に近い人はフィットしやすいです。標準体型の人ほど、ノンジップの恩恵をそのまま受け取れます。

やめたほうがいい人

逆に、冬はほぼ入らず年に数回だけという人は、着脱の慣れが蓄積しないのでストレスだけが残ります。この場合はバックジップかチェストジップで十分です。また、屋外の駐車場で風に吹かれながら着替える環境が多い人も、ネックエントリーは避けたほうが無難。フラップ式かチェストジップにしておきましょう。

体型面では、肩幅が広く胸板が厚い人、頭が大きめの人はネックエントリーの既製品で苦労しがちです。首が細い人は首パネルが浮きやすい。こうした人は、フラップ式のオーダーか、チェストジップのほうが結果的に快適になることが多いです。肩や首を痛めている人、体が硬くて腕を後ろに回しにくい人も、着脱で無理をしないためにノンジップは避けたほうがいいでしょう。

採寸項目で判断するチェックリスト

ノンジップは、通常のサイズ選びに加えて「開口部を通るか」の視点が要ります。既製品を検討するなら、メーカーのサイズ表と自分の数値を、次の4項目で照らし合わせてください。

採寸項目見るポイントノンジップでの判断
首周りサイズ表の首周り値との差±1cm以内なら○。細い人はフラップ式(インナーネック付き)を選ぶ
肩幅肩先から肩先の直線距離サイズ表上限に近いならワンサイズ上か、オーダーを検討
胸囲脇の下の一番太い部分胸囲だけ上位サイズに該当する人は、ネックエントリーを避ける
頭囲眉の上を通る周囲58cm以上はネックエントリーの試着必須

各項目の正しい測り方と、既製サイズ表の読み方はウェットスーツのサイズの選び方|メンズ既製品の測り方にまとめています。数値が2項目以上サイズ表からずれるなら、オーダーで首周りと肩幅だけ調整するセミオーダーが現実的な選択肢です。

首周りを長持ちさせるメンテナンス

ノンジップの寿命は首周りで決まります。生地本体より先に首がゆるむのを防ぐために、日常でできることを3つ紹介します。

脱いだ直後に首パネルを整える

脱いだ状態のノンジップは、首パネルが伸び切ったまま裏返っています。この状態で放置すると、伸びた形で乾いてしまいます。脱いだらまず表に返し、首パネルを手で元の形に戻してから真水で洗いましょう。ほんの10秒の手間で、首のヘタリ方が明らかに変わります。

首から吊るさない・肩幅の広いハンガーを使う

ウェット全体の重さは、水を含むと3〜4kgになります。これを細いハンガーで肩から吊るすと、首と肩口のパネルに常時テンションがかかり続けます。ウェット専用の肩幅が広いハンガーを使うか、腰で二つ折りにして干すのが基本です。首の穴にハンガーのフックを通すのは絶対にNGです。

ベルクロには砂と毛玉を残さない

フラップ式のベルクロは、砂やジャージの毛玉を噛むと固定力が落ちます。洗う時にベルクロの面を歯ブラシで軽くこすって、詰まった砂と繊維を落としておきましょう。ベルクロが弱ってフラップが浮くと、そこから浸水が始まります。ベルクロだけの交換修理を受けてくれるメーカーもあるので、生地が元気なうちは修理で延命できます。

よくある質問(FAQ)

Q1. ノンジップは初心者でも使えますか?

使えます。ただし「初めての1着」には向きません。着脱に慣れが必要なうえ、価格も高めなので、まずはバックジップかチェストジップで冬を1シーズン経験するのがおすすめです。2着目以降で、冬にもっと長く入りたいと感じたら、ノンジップに切り替える価値は十分あります。パドルが楽になる効果は初心者でも体感できます。

Q2. ノンジップの寿命はどれくらいですか?

週1〜2回の使用で、生地本体は3〜4シーズン持ちますが、首周りは2〜3シーズンでゆるみが出やすいです。ネックエントリーは首パネルの伸び、フラップ式はベルクロの弱化が先に来ます。脱いだ直後に首を整える、首から吊るさないといった扱いで、1シーズン程度は延ばせます。首だけの修理やベルクロ交換に対応するメーカーもあります。

Q3. ノンジップとチェストジップ、冬はどちらが暖かいですか?

同じ厚み・同じ生地グレードなら、浸水が少ないノンジップのほうが体感は暖かいです。ただし差は「ジップの有無」より「首周りの密着度」で決まります。首が合っていないノンジップより、首がぴったり合ったチェストジップのほうが暖かいこともあります。保温性を重視するなら、方式だけでなく首周りのフィットを最優先に試着してください。

Q4. 夏用のウェットにもノンジップはありますか?

あります。ジャーフルやシーガル、スプリングでもノンジップのモデルは存在します。夏は浸水を気にする必要が少ないので、ノンジップの主な恩恵は可動域の広さと首周りのストレスの無さになります。ただし薄い生地のノンジップは首パネルがさらにデリケートなので、着脱時の爪にはより注意が必要です。

Q5. 頭が抜けなくなったらどうすればいいですか?

絶対に片側だけを引っ張らないでください。一度落ち着いて、腰の位置と袖の位置を確認します。多くの場合、下半身が十分に上がっていないか、袖が肘まで届いていないのが原因です。それを直してから、両手の指の腹で首パネルを左右均等に広げ、あごを引いて額から抜きます。脱ぐ時に抜けない場合は、首元から水かお湯を流し込むとスルッと抜けます。

まとめ

ノンジップウェットスーツについて、構造から着脱、向き不向きまで解説してきました。要点を整理します。

  1. ノンジップは「フラップ式」と「ネックエントリー」の2種類。購入時はどちらか必ず確認する
  2. 最大のメリットは浸水の少なさと可動域の広さ。冬の入水時間が伸び、パドルが軽くなる
  3. デメリットは着脱の難しさ、首周りの寿命、体型との相性のシビアさ
  4. 着脱は「爪を立てない・左右均等・腰と袖を先に上げる」の3点で破れ事故は防げる
  5. 首周り・肩幅・胸囲・頭囲の4項目で、既製品が合うかを事前に判断する

ジップ方式で迷っているなら、チェストジップとバックジップの違いと合わせて読むと3方式の全体像がつかめます。着脱に不安がある人はウェットスーツの着方・脱ぎ方を、サイズで悩む人はウェットスーツのサイズの選び方もチェックしてみてください。

冬の海は、寒さに負けなければ空いていて波もいい。ノンジップは、その冬をもう少し長く、もう少し軽く楽しむための道具です。自分の体型と環境に合うと判断できたら、ぜひ試着から始めてみてください。

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この記事を書いた人

サーフィンにハマって海の近くに移住しちゃった女の子。効率良く楽しくサーフィンするために情報集めるサーフィンマニア。

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