「2027年のWSL、もう日程は出てるの?」そう思って検索された方が多いはずです。結論から言うと、2026年10月下旬の時点で2027年チャンピオンシップツアー(CT)の全日程はまだ発表されていません。
ただ、「何も決まっていない」わけではないんです。すでに開催が確定した会場がありますし、2026年から始まった新フォーマットは2027年も続く見込みです。そして何より、2027年のCTに誰が立つのかを決める戦いは、もう始まっています。
この記事では、2026年10月21日時点で確定している情報と、まだ未確定の情報をはっきり分けて整理します。さらに2026/27チャレンジャーシリーズのランキングから、2027年のCTに日本人選手が何人立てそうなのかまで、具体的な数字で踏み込んでいきます。読み終わるころには、2027年シーズンの全体像がくっきり見えているはずですよ。
この記事でわかること(目次)
- 【3分で整理】WSL2027シーズンの「確定」と「未確定」
- 2027年CTの日程はいつ発表される?確定している会場はニュージーランド
- 2027年も続くWSL新フォーマットを数字で理解する
- 2027年CTへの道|チャレンジャーシリーズ2026/27の全5戦と枠数
- 新設QS6,000インターナショナルが開いた「もうひとつの道」
- 2027年CTに立つ日本人選手は誰か|データで読む現在地
- 2026年終盤の勢力図から2027年シーズンを読む
- 2027年のWSLはどこで見る?配信と時差のコツ
- 2027年シーズンの見どころ3つ
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
【3分で整理】WSL2027シーズンの「確定」と「未確定」

まずは全体像から押さえましょう。WSLのシーズン情報は、発表のタイミングが分散します。そのため「どこまでが決定事項なのか」が見えにくいんですよね。2026年10月21日時点の状況を、一枚の表にまとめました。
| 項目 | 状況 | 内容 |
|---|---|---|
| 2027年CTの全日程 | 未発表 | WSLは「今年後半に発表予定」とアナウンス |
| ニュージーランド戦の開催 | 確定 | マヌ・ベイ(ラグラン)でCT開催が正式決定 |
| 競技フォーマット | 継続見込み | 2026年導入の新方式(パイプ最終戦)を踏襲 |
| CT出場権の決まり方 | 確定 | 2026/27チャレンジャーシリーズの最終順位 |
| CS最終戦 | 確定 | 2027年3月1〜7日・ニューカッスル(豪) |
| QS6,000インターナショナル | 確定 | 2026年に3戦を新設済み |
| パイプラインの扱い | 変更確定 | 2027年1月はQS6,000リージョナルとして開催 |
| ジョン・ジョン・フローレンス | 復帰予定 | 2026年を休養、2027年に競技復帰の見込み |
この表を見ると、ポイントがはっきりします。「いつ・どこで」はまだ空白が多いのに、「誰が出るか」のルールはもう固まっているんです。だから今の時期は、カレンダーを眺めるよりランキング表を眺めたほうが面白い。そういうシーズンの端境期なんですよね。
なぜ2027年の日程発表がまだなのか
ひとつは、2026年シーズンがまだ終わっていないからです。2026年のCTは12月のパイプ・マスターズで決着します。世界王者も、残留ラインも、年末まで確定しません。来季の顔ぶれが決まらないうちに全日程を出す理由がないわけです。
もうひとつは、会場との契約や許可期間の調整です。サーフィンの大会は「この日に必ずやる」という競技ではありません。10日前後のウェイティング期間を確保して、波が良い日に競技を行います。つまり各会場の許可期間を押さえる作業が必要なんです。これが発表を遅らせる現実的な理由ですね。
参考になるのが前年の動きです。2026年シーズンの大枠(パイプライン最終戦化やフォーマット変更)は、2025年5月という早い段階で発表されました。一方で、フィリピン戦の追加やアブダビ戦の中止といった修正は、シーズン直前から最中にかけて起きています。2027年も「大枠は早めに、細部は直前まで動く」と考えておくのが現実的です。
2026年の情報はこちらの記事で確認を
2027年の話をする前提として、2026年の変更点を理解しておくと理解が一気に進みます。WavesではWSL2026完全ガイド|50周年で変わる新フォーマットで、ファイナル5廃止やパイプライン最終戦化の背景を詳しく解説しました。2026年シーズン後半の日本人選手の動きはWSL2026後半戦|日本人選手の順位と注目日程にまとめてあります。本記事と合わせて読むと、2026年から2027年への流れがつながりますよ。
2027年CTの日程はいつ発表?確定している会場はニュージーランド

2027年CTで唯一、はっきり確定しているのがニュージーランド戦です。2026年9月15日、WSLはニュージーランド・プロの2027年開催を正式に発表しました。会場はワイカト地方ラグランのマヌ・ベイ。あの左に延々と続くポイントブレイクです。
この発表には、ニュージーランド政府が絡んでいます。大会はニュージーランド政府の「メジャーイベント誘致パッケージ」の支援を受けることになりました。観光・ホスピタリティ担当のルイーズ・アップストン大臣は、大会がラグランとワイカトを世界に発信する機会になると語っています。スポーツ大会が地域経済の起爆剤として扱われている、わかりやすい例ですね。
WSLアジア太平洋地域のアンドリュー・スターク氏も、2027年にCTがラグランへ戻ることへの期待を表明しました。ラグランを「深いサーフィンの伝統」を持つ場所と評価しています。地元のワイカト・ラグランのコミュニティへの謝意も忘れていません。一度きりの開催で終わらせない、という意思が見えます。
マヌ・ベイはどんな波なのか
マヌ・ベイは、世界屈指のロングレフトとして知られてきました。ただ意外なことに、2026年5月のCT初開催まで、ここで最高峰の競技が行われたことはなかったんです。映画『エンドレス・サマー』の舞台として半世紀以上前から名前は知られていたのに、CTの舞台にはなっていませんでした。
2026年の初開催、大会名は「Corona Cero New Zealand Pro」。CT第4戦として5月15日から25日に行われました。女子はカリッサ・ムーア、男子はイタロ・フェレイラが勝利しています。現世界王者ヤゴ・ドラや、フォアハンドで攻めたソーヤ・リンドブラッドの滑りも印象的でした。長い壁をどう使い切るかが試される、見応えのある会場だったわけです。
日本から見ると、ニュージーランドは時差がプラス3〜4時間。ヨーロッパ戦や南米戦に比べると、圧倒的に観戦しやすい会場です。南半球なので5月は晩秋から初冬。選手は厚めのウェットで入ります。寒さと戦いながらのロングライドというのも、この会場ならではの絵になる要素です。
地元枠が2つ用意される
2027年大会では、地元トライアルを通じてニュージーランド選手2名がワイルドカードを得る予定です。これは観戦する側にとっても面白い仕掛けですよね。普段CTでは見ない名前が、いきなりトップ選手と当たるわけですから。
2026年大会には、ビリー・ステアマンド、アラニ・モース、トム・バットランドという3名のニュージーランド勢が出場しました。地元の波を知り尽くした選手が、世界のトップにどこまで食い下がれるか。ワイルドカードが波乱を起こすのは、CTでは珍しくありません。2027年も同じ構図が期待できます。
全日程の発表はいつごろを見ておけばいいか
WSL側は「2027年の全日程は今年後半に発表される予定」としています。2026年10月時点でまだ出ていないということは、発表は11〜12月、遅くとも年内という読みが自然でしょう。2026年のパイプ・マスターズが12月8日から20日に設定されていますから、そのあたりで来季の全体像が示される可能性もあります。
発表を待つあいだにできることもあります。それは、2026年のカレンダーを「たたき台」として頭に入れておくことです。開幕はベルズ・ビーチ、4月上旬。そこからマーガレット・リバー、ゴールドコースト、ニュージーランドとオセアニアが続きます。初夏に中南米、夏にタヒチとフィジー、秋にカリフォルニアとヨーロッパ。そして12月にハワイで締める。この骨格は2027年も大きくは変わらないと見るのが妥当です。
2027年も続くWSL新フォーマットを数字で理解する

2026年、WSLは競技フォーマットを大きく作り替えました。この新方式は2027年も続く見込みです。ここを理解していないと、ランキング表を見ても意味がわかりません。少し丁寧に分解していきましょう。
一番大きな変更は、ファイナル5の廃止です。2021年から続いた「上位5名が1日で世界王者を決める」方式が終わりました。代わりに戻ってきたのが、シーズン累計ランキングで王者を決める伝統的な方式です。1年かけて積み上げた成績が、そのまま結果になります。
同時に、ミッドシーズン・カットも廃止されました。シーズン途中で選手を半分に減らす仕組みがなくなったわけです。さらにエリミネーション・ラウンド(敗者復活のような救済ラウンド)も消えました。これにより、すべてのヒートで必ず敗者が決まる構造になっています。1本のミスが即、その大会の終わりを意味する。緊張感はかなり上がりました。
新旧フォーマットの違いを表で比較
| 項目 | 2025年までの方式 | 2026年〜(2027年も継続見込み) |
|---|---|---|
| 王者決定 | ファイナル5(1日で決着) | シーズン累計ランキング |
| 最終戦 | ローワー・トレッスルズ | パイプ・マスターズ(ハワイ) |
| ミッドシーズンカット | あり | 廃止 |
| エリミネーションラウンド | あり | 廃止 |
| 男子出場枠 | 36名 | 36名(ポストシーズンは24名) |
| 女子出場枠 | 18名 | 24名(ポストシーズンは16名) |
| 最終戦の配点 | 通常戦と同等 | 15,000pt(通常の1.5倍) |
注目してほしいのが女子の枠です。18名から24名へ、6名も増えました。これは単なる数合わせではありません。女子のCSから上がれる選手が増え、層が厚くなるという意味を持ちます。日本の女子選手にとっても、現実的にチャンスが広がった変更なんです。
「ベスト7」と「ベスト9」の意味
新フォーマットのシーズンは3つのブロックに分かれます。レギュラーシーズン9戦、ポストシーズン2戦、そしてファイナル1戦です。合計12戦ですね。
レギュラーシーズンの9戦では、ベスト7戦のスコアがポストシーズンへ持ち越されます。つまり悪い結果を2つ捨てられるわけです。インフルエンザで調子が出なかった大会や、波質が自分に合わなかった大会を切れる。選手にとっては救いのある設計です。
そして最終ランキングは、全12戦のうちベスト9戦で決まります。ここで効いてくるのがパイプ・マスターズの15,000ポイントです。通常戦の1.5倍ですから、ここでの結果はほぼ確実にベスト9に入ります。言い換えると、シーズン最終戦だけは実質的に捨てられない。これが新方式の肝です。
ポストシーズンへ進めるのは、男子が24名(上位22名+ワイルドカード2名)、女子が16名(上位14名+ワイルドカード2名)です。さらにポストシーズン2戦の結果で上位8名に入ると、パイプ・マスターズでシード権を得られます。シードされると戦うヒート数が減る。体力的にも、リスク的にも、これは大きなアドバンテージですよね。
2026年に起きたイレギュラーも知っておこう
2026年シーズンは、予定どおりには進みませんでした。当初13戦で組まれていたカレンダーから、11月末に予定されていたサーフ・アブダビ戦が中止になったんです。これにより2026年は12戦のシーズンとなりました。ウェイブプールを使った新時代の大会として注目されていただけに、残念な決定でした。アブダビ戦の位置づけについてはサーフアブダビ2026|日程変更とプールCTの見どころで詳しく触れています。
一方で、新しい会場も加わりました。フィリピン・シャルガオ島のクラウドナインです。10月31日から11月10日という日程で、ポストシーズンの1戦として組み込まれました。アジア圏でCTが行われるのは貴重です。日本からのアクセスも悪くありません。この会場が2027年も残るかどうかは、全日程の発表で確認したいポイントのひとつですね。
こうした途中変更は、2027年にも起こりえます。だからこそ「確定した日程」と「見込み」を分けて考える習慣が大切なんです。
2027年CTへの道|チャレンジャーシリーズ2026/27の全5戦と枠数

ここからが本題です。2027年のCTに誰が立つのか。それを決めるのが2026/27チャレンジャーシリーズ(CS)です。全5戦、すでに4戦が終わっています。
| 戦 | 会場 | 国・地域 | 日程 |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | バリート(クワズール・ナタール州) | 南アフリカ | 2026年7月12〜18日 |
| 第2戦 | ハンティントンビーチ(カリフォルニア州) | アメリカ | 2026年7月27日〜8月2日 |
| 第3戦 | サンセバスチャン | ブラジル | 2026年9月26日〜10月3日 |
| 第4戦 | エリセイラ | ポルトガル | 2026年10月6〜12日 |
| 第5戦(最終戦) | ニューカッスル(ニューサウスウェールズ州) | オーストラリア | 2027年3月1〜7日 |
CSの出場者は、WSLの7地域から選ばれます。オーストラリア/オセアニア、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、ハワイ/タヒチヌイ、北米、南米の7つです。日本の選手はアジア地域の枠を勝ち取って、ここに挑むことになります。
そして肝心の枠数。男子は上位10名、女子は上位6名が2027年のCTにクオリファイします。シーズン終了時点のCSランキングで決まる、シンプルな仕組みです。
最終戦が2027年3月という「異常事態」
この表で一番目を引くのが、第5戦の日程です。2027年3月1日から7日。つまり年をまたぐんですよね。これは観戦する側にとって、かなり特殊な状況を生みます。
考えてみてください。2027年のCT開幕は、例年どおりなら4月上旬のベルズ・ビーチです。CS最終戦が3月7日に終わるということは、開幕まで1か月を切った段階で出場者が確定することになります。昇格が決まった選手は、わずか3週間ほどで世界最高峰の舞台に立つ準備をしなければなりません。
これは選手にとって過酷ですが、ファンにとっては最高です。シーズンオフが退屈しません。年明けの1月にはパイプのQS、3月頭にはニューカッスルでCTの椅子をめぐる最終決戦。2026年の世界王者が決まる12月から、2027年の開幕まで、ほとんど途切れずに見どころが続きます。
CT残留組との「椅子取りゲーム」の構造
もうひとつ理解しておきたいのが、CT枠全体の構造です。男子CTは36名。このうちCSから上がってくるのが10名です。残りの枠は、2026年のCTで上位に残った選手が埋めます。女子は24名の枠のうち、CSから6名ですね。
つまり2027年のCTメンバーは、「2026年CTの残留組」と「CSからの昇格組」の合算で決まります。2026年CTの残留ラインは、男子が22位(17,705pt、9月20日時点)、女子が14位(19,830pt)。このラインより下の選手は、来季の席を失う可能性が高いということです。
ここに、ワイルドカードやインジュリーワイルドカード(怪我で離脱した選手への復帰枠)が加わります。2026年を休養したジョン・ジョン・フローレンスの2027年復帰も、この枠組みと無関係ではありません。だから「CSで10位以内に入ればOK」とは言い切れない、微妙な駆け引きが毎年あるんですよね。
新設QS6,000インターナショナルが開いた「もうひとつの道」
2026年、WSLはもうひとつ大きな手を打ちました。QS6,000インターナショナルという新カテゴリーの創設です。これが2027年への道筋を少し変えました。アジアの選手にとっては、特に見逃せない変更なんです。
これまでのQS(クオリファイングシリーズ)は、基本的に地域ごとに完結していました。アジアの選手はアジアのQSを回り、そのランキング上位がCSへ進む。この構造です。ところがQS6,000インターナショナルは、世界中の選手に開かれています。各地域のトップシード選手が出場資格を持ちます。
| 会場 | 国 | 日程 |
|---|---|---|
| サクアレマ(リオデジャネイロ州) | ブラジル | 2026年9月14〜20日 |
| クラウドナイン(シャルガオ島) | フィリピン | 2026年10月16〜25日 |
| 金樽港(台東県) | 台湾 | 2026年11月14〜22日 |
規模も本格的です。開催期間は7〜9日間。出場人数は男子144名、女子80名。通常のリージョナルQSよりはるかに大きい大会です。そしてポイントは6,000。CSの戦いに直接効いてくる数字ですね。
ポイントが「二重に」効く仕組み
ここが面白いところです。QS6,000インターナショナルで獲得したポイントは、CSランキングと地域別QSランキングの両方に反映されます。開催地域のサーファーの結果は、その地域のランキングにも乗ります。
つまり1つの大会で、2つの戦線を同時に進められるわけです。CSで上位を狙う選手にとっては追加のチャンス。地域QSで来季のCS出場権を狙う選手にとっても価値がある。限られた遠征予算で動く選手にとって、これは実利のある設計変更です。
そして日本の選手には地理的な恩恵があります。3戦のうち2戦がアジア圏なんです。フィリピンのクラウドナインと、台湾の金樽港。どちらも日本から数時間のフライトで行けます。ブラジルのサクアレマへ飛ぶのとは、かかるコストがまるで違います。
パイプラインがQSに変わる意味
もうひとつ、2027年に向けた重要な変更があります。2026年にCSとして開催されたパイプラインが、2027年はQSに変わるのです。2027年1月のパイプ許可期間、暫定で1月29日から2月8日に、QS6,000リージョナル大会として行われます。
パイプラインは誰にとっても特別な波です。そこがCSからQSに降りるということは、より多くの選手に門戸が開かれることを意味します。CSはすでに実績のある選手の戦場ですが、QSならもう一段下のレベルからチャレンジできます。日本から挑む若い選手にとっては、現実味のある目標が増えたと言えるでしょう。
ただし、パイプで結果を出すには経験が要ります。あの波は技術だけでは乗り切れません。それでも「挑戦の入り口が広がった」という事実は、長い目で見れば日本のサーフィン全体にプラスに働くはずです。国内の大会シーンについてはS.LEAGUE 26-27開幕|サーフィン新制度と全日程でまとめていますので、国内から世界への流れを追いたい方はあわせてどうぞ。
2027年CTに立つ日本人選手は誰か|データで読む現在地

では、具体的な数字を見ていきましょう。ここが2027年シーズンを占ううえで、日本のファンにとって一番気になる部分ですよね。
2026年CTを戦う2人の現在地
2026年のCTには、日本代表として2名が参戦しています。五十嵐カノア選手とコナー・オレアリー選手です。9月20日時点のランキングはこうなっています。
| 選手 | 2026年CT順位 | ポイント | 残留ラインとの差 |
|---|---|---|---|
| 五十嵐カノア | 7位 | 31,910pt | ライン(22位17,705pt)に対し大きく上回る |
| コナー・オレアリー | 17位 | 22,185pt | ラインまで約4,480ptの余裕 |
五十嵐カノア選手は7位。これはポストシーズン進出が見える、安定した位置です。2026年はCT参戦10年目という節目のシーズンでもありました。ゴールドコースト・プロでは初戦敗退という悔しい結果もありましたが、トータルでは上位を維持しています。
コナー・オレアリー選手は17位。ポストシーズンへ進む22位のラインは上回っています。2026年はフィジー・プロで5位、タヒチ・プロで9位と、パワー系の波で結果を残しました。ポルトガルではクオーターファイナルまで進んでいます。重い波に強いという持ち味は、パイプが最終戦になった新フォーマットと相性が良いはずです。
この2人は、順当にいけば2027年もCTに残ります。ただし断言はできません。ポルトガル、フィリピン、パイプ・マスターズと3戦が残っているからです。順位は最後まで動きます。
CSから2027年CTを狙う日本勢(男子)
ここからが厳しい現実です。2026/27 CSランキング(10月14日時点)で、男子の2027年CT昇格ラインは10位。日本勢の位置はこうなっています。
| 順位 | 選手 | ポイント | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1位 | ライアン・カイナロ | 22,645pt | CSトップ(参考) |
| 13位 | 五十嵐カノア | 12,545pt | 現CT選手 |
| 35位 | 小林桂 | 6,645pt | — |
| 43位 | 大原洋人 | 5,190pt | — |
| 51位 | 伊東李安琉 | 4,928pt | — |
| 63位 | 西慶司郎 | 3,330pt | — |
| 74位 | 加藤翔平 | 2,230pt | — |
正直に書きます。CSから男子トップ10に入るのは、現時点ではかなり厳しい状況です。最上位の小林桂選手で35位、6,645ポイント。10位のラインまでは相当な距離があります。
ただし、ここで諦めるのは早いんです。CSは残り1戦、2027年3月のニューカッスルがあります。CS1戦の優勝ポイントは大きく、1大会の結果で順位は激変します。表を見てください。35位と10位の差は、ざっくり1大会の上位進出で埋まる可能性がある範囲です。だから3月のニューカッスルは、日本のファンにとって2027年最初の大勝負になります。
CSから2027年CTを狙う日本勢(女子)
女子は昇格枠が6名と狭いのですが、日本勢の位置は男子より近いところにいます。
| 順位 | 選手 | ポイント |
|---|---|---|
| 1位 | シエラ・カー | 26,830pt |
| 12位 | 中塩佳那 | 13,425pt |
| 26位 | 松岡亜音 | 9,480pt |
| 27位 | 都筑有夢路 | 9,190pt |
| 37位 | 都築虹帆 | 5,960pt |
| 39位 | 野中美波 | 5,760pt |
注目は中塩佳那選手の12位です。13,425ポイント。昇格ラインの6位までは、あと6つ。1大会の結果で十分に手が届く距離にいます。2026年の女子CTには日本人選手が1人もいませんでした。だからこそ、中塩選手がこの位置にいる意味は大きいんです。
松岡亜音選手の26位、都筑有夢路選手の27位も、まだ可能性がゼロではありません。女子CTが18名から24名に拡大したことで、CSから上がれる人数も増えました。制度の追い風は確実に吹いています。
2027年3月7日、ニューカッスルで最終戦が終わったとき。日本人選手が何人、2027年CTの名簿に名前を載せているか。今はまだ誰にもわかりません。でも、その日が近いことだけは確かです。
2026年終盤の勢力図から2027年シーズンを読む
2027年に誰が優勝候補になるのか。それを占うには、2026年の終盤を見るのが一番です。9月20日時点のCTランキングから、来季の構図を読み解いていきましょう。
男子はブラジル勢の厚みが際立つ
| 順位 | 選手 | 国 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1位 | ヤゴ・ドラ | ブラジル | 42,780pt |
| 2位 | レオナルド・フィオラヴァンティ | イタリア | 40,015pt |
| 3位 | イタロ・フェレイラ | ブラジル | 39,930pt |
| 4位 | ミゲル・プーポ | ブラジル | 39,450pt |
| 5位 | ガブリエル・メディナ | ブラジル | 35,410pt |
| 7位 | 五十嵐カノア | 日本 | 31,910pt |
上位5名のうち4名がブラジル勢。この厚みは圧倒的です。首位のヤゴ・ドラは現世界王者。2位のレオナルド・フィオラヴァンティとは2,765ポイント差しかありません。パイプ・マスターズの配点が15,000ポイントであることを考えると、この差は何の保証にもなりません。
そして忘れてはいけないのがガブリエル・メディナです。5位という位置ですが、パイプを得意にする選手の筆頭格。新フォーマットの最終戦がパイプになったことで、メディナの価値は確実に上がりました。2027年も、彼を外して優勝予想は組めません。
五十嵐カノア選手の7位も立派な数字です。上位5名との差は3,500ポイント前後。1大会の好結果で射程に入ります。2027年に向けて、ここからさらに上を狙える位置にいると言えるでしょう。
女子はハワイ勢とニューウェーブの競り合い
| 順位 | 選手 | 国・地域 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1位 | ガブリエラ・ブライヤン | ハワイ | 42,865pt |
| 2位 | カリッサ・ムーア | ハワイ | 42,320pt |
| 3位 | ソーヤ・リンドブラッド | アメリカ | 40,055pt |
| 4位 | モリー・ピックラム | オーストラリア | 38,950pt |
| 5位 | エリン・ブルックス | カナダ | 38,000pt |
女子はさらに接戦です。1位と2位の差はわずか545ポイント。ガブリエラ・ブライヤンとカリッサ・ムーアという、ハワイ勢同士の一騎打ちになっています。復帰したカリッサ・ムーアがここまで戻してきたのは驚きでした。
3位のソーヤ・リンドブラッド、5位のエリン・ブルックスは、いわゆるニューウェーブ世代です。この2人が2027年にどこまで伸びるか。女子CTが24名に拡大したことで、若い選手が経験を積む場も増えました。世代交代のスピードは上がっていくはずです。
2027年の最大の注目はジョン・ジョン・フローレンスの復帰
2027年シーズン最大のトピックになりそうなのが、ジョン・ジョン・フローレンスの復帰です。元世界王者の彼は2026年のCTを休養し、競技からの復帰を2027年に延期していました。
ジョン・ジョンといえばパイプライン。ノースショアで育ち、あの波を庭のように知り尽くしている選手です。最終戦がパイプになった新フォーマットは、彼のためにあるようなものだと言う人もいます。1年のブランクがどう出るかは未知数ですが、2027年のパイプ・マスターズに彼が立つとしたら。それだけで1年追いかける価値がありますよね。
世界の競技シーンは2028年のロサンゼルス五輪にもつながっていきます。2027年は五輪予選の前年。各国のトップ選手が本格的に動き出す年でもあります。この流れはオリンピック2028サーフィン展望|会場と日本代表への道で詳しく解説していますので、長期の視点で見たい方はぜひ。
2027年のWSLはどこで見る?配信と時差のコツ

観戦方法についても整理しておきましょう。WSLのCTは、基本的に公式サイトと公式アプリで無料配信されます。worldsurfleague.com にアクセスすれば、ライブ中継が見られます。YouTubeの公式チャンネルでもハイライトやライブが配信されますし、常時番組が流れる「WSL 24/7」チャンネルも用意されています。
問題は時差です。サーフィンの大会は日の出から日没までのあいだに行われます。現地の朝から夕方が競技時間ということですね。開催地ごとに、日本時間での観戦タイミングはまったく変わります。
主な開催地と日本との時差早見表
| 開催地 | 日本との時差 | 日本時間での観戦帯(目安) |
|---|---|---|
| ニュージーランド(ラグラン) | +3〜4時間 | 早朝3時〜昼すぎ |
| オーストラリア東岸(ベルズ・ゴールドコースト) | +1〜2時間 | 早朝5時〜夕方 |
| フィリピン(クラウドナイン) | −1時間 | 朝7時〜夜7時 |
| タヒチ(チョープー) | −19時間 | 翌日の未明〜朝 |
| ハワイ(パイプライン) | −19時間 | 翌日の未明〜朝 |
| カリフォルニア(トレッスルズ) | −16〜17時間 | 深夜〜翌朝 |
| ポルトガル(ペニシェ) | −8〜9時間 | 夕方〜深夜 |
| ブラジル(サクアレマ) | −12時間 | 夜9時〜翌朝 |
この表を見ると、日本から見やすいのはオセアニア戦とアジア戦だとわかります。ニュージーランド、オーストラリア、フィリピンは日中に見られます。逆にハワイとタヒチは、日本時間の未明から朝。パイプ・マスターズを生で見ようとすると、どうしても早起きになるんですよね。
見逃さないための3つのコツ
ひとつ目は、ウェイティング期間の仕組みを理解することです。CTの大会は10日前後の開催枠を持ちます。そのなかで波が良い日を選んで競技日にします。つまり「毎日やっているわけではない」んです。前日に翌日の開催可否が発表されるので、公式サイトやSNSのコールをチェックする習慣をつけましょう。
ふたつ目は、ファイナルズデーを狙うことです。全日程を追うのは正直しんどいです。でも最終日だけは別。クオーターファイナルから決勝までが1日で一気に進みます。密度が段違いです。時間が取れない人は、ここだけ押さえれば十分に楽しめます。
三つ目は、ヒートアナライザーを使うことです。WSL公式サイトには、各ヒートの全ライディングを映像で見返せる機能があります。寝ている間に終わってしまった試合も、これで追えます。気になる選手のライディングだけを拾って見る、という楽しみ方もできますよ。季節ごとの大会日程は2026-27冬のサーフィン大会|日程・会場と観戦ガイドでもまとめています。
2027年シーズンの見どころ3つ
最後に、2027年を追いかけるうえで押さえておきたい見どころを3つに絞って紹介します。日程が出そろう前の今だからこそ、ここだけ頭に入れておけば準備は十分です。
見どころ1:ラグラン2年目、本当の評価が下る
新会場は1年目と2年目でまったく評価が変わります。1年目は「どんな波なのか」を全員が探る大会になります。2年目は違います。選手は前年の映像を研究し、ボードを合わせ、戦略を持って入ってきます。
マヌ・ベイの長いレフトを、2年目の選手たちがどう攻略するのか。コンボ(2本の高得点が必要な状況)からの逆転が起きやすい会場なのかどうか。そうした「会場の性格」が見えてくるのが2年目です。ニュージーランド政府が本腰を入れて支援する以上、しばらく定着する可能性も高い。ここで強い選手は、その後数年にわたって有利になります。
見どころ2:3月のニューカッスルという「開幕前の決勝戦」
すでに触れましたが、改めて強調します。2027年3月1日から7日、オーストラリア・ニューカッスルで行われるCS最終戦。ここで2027年CTの昇格者が確定します。男子10名、女子6名。
CS最終戦というのは、独特の緊張感があります。1本のライディングで人生が変わる選手が、何人も同じ海に入っているわけですから。しかもCT開幕まで1か月を切っている。喜んでいる時間すらありません。日本勢にとっても、この1週間が2027年の行方を決めます。カレンダーに印をつけておく価値のある日程です。
見どころ3:パイプ最終戦2年目と、ジョン・ジョンの帰還
2026年に復活したパイプ・マスターズ最終戦。配点15,000ポイントという重み。この設計が2年目にどんなドラマを生むかが3つ目の見どころです。
1年目は、選手も「最後まで諦めなくていい」構造に慣れきっていませんでした。2年目はシーズンの組み立て方が変わるはずです。レギュラーシーズンで2戦捨てられるベスト7のルールを、より戦略的に使う選手が出てくるでしょう。そこにジョン・ジョン・フローレンスの復帰が重なります。パイプを知り尽くした男が、パイプで決まるシーズンに戻ってくる。これ以上のストーリーはなかなかありません。
よくある質問(FAQ)
Q1. WSL2027の日程はいつ発表されますか?
2026年10月下旬の時点で、2027年チャンピオンシップツアーの全日程はまだ発表されていません。WSLは「2026年後半に発表予定」とアナウンスしています。前年の動きを見ると、2026年シーズンの大枠は2025年5月に発表されました。一方で会場の追加や中止といった修正は、シーズン直前から最中にかけて起きています。2027年についても、11月から12月にかけて大枠が出て、細部は年明け以降に調整されると考えておくのが現実的でしょう。公式サイトのニュースをこまめにチェックするのが確実です。
Q2. 2027年のCTはどこで開催されますか?
現時点で正式に確定しているのは、ニュージーランド・ラグランのマヌ・ベイで行われる「ニュージーランド・プロ」のみです。2026年9月15日に発表されました。それ以外の会場は未発表です。ただし2026年のカレンダーが参考になります。ベルズ・ビーチ、マーガレット・リバー、ゴールドコースト、プンタ・ロカ、サクアレマ、チョープー、クラウドブレイク、ローワー・トレッスルズ、ペニシェ、そしてパイプライン。この骨格は大きくは変わらないと見られています。
Q3. 2027年のCTに日本人選手は何人出られますか?
まだ確定していません。2026年CTを戦う五十嵐カノア選手(7位)とコナー・オレアリー選手(17位)は、残留ラインである22位を上回っており、順当なら2027年も参戦が見込まれます。ただしポルトガル、フィリピン、パイプ・マスターズの3戦が残っており、順位は最後まで動きます。CSからの昇格では、女子の中塩佳那選手が12位と昇格ライン6位に近い位置にいます。男子は最上位の小林桂選手で35位と、ライン10位まで距離がある状況です。
Q4. WSLのフォーマットは2027年も変わらないのですか?
2026年に導入された新フォーマットが2027年も継続する見込みです。具体的には、ファイナル5の廃止、ミッドシーズンカットの廃止、エリミネーションラウンドの廃止、そしてパイプ・マスターズの最終戦化です。世界王者はシーズン累計ランキングで決まります。レギュラーシーズン9戦のベスト7戦がポストシーズンへ持ち越され、最終ランキングは全12戦のベスト9戦で算出されます。ただし2027年用の正式な告知が出るまでは「見込み」であり、微調整が入る可能性は残ります。
Q5. チャレンジャーシリーズから2027年CTに上がれるのは何人ですか?
男子が上位10名、女子が上位6名です。2026/27チャレンジャーシリーズの最終ランキングで決まります。CSは全5戦。バリート(南アフリカ)、ハンティントンビーチ(アメリカ)、サンセバスチャン(ブラジル)、エリセイラ(ポルトガル)、そして最終戦が2027年3月1日から7日のニューカッスル(オーストラリア)です。最終戦が年をまたぐため、2027年CT開幕のわずか1か月前に出場者が確定することになります。この最終戦は例年以上に注目を集めるはずです。
Q6. WSL2027はどこで無料で見られますか?
WSL公式サイト(worldsurfleague.com)と公式アプリで、ライブ中継が無料配信されます。YouTubeの公式チャンネルでもライブやハイライトが公開され、常時番組が流れる「WSL 24/7」チャンネルも利用できます。注意したいのは、大会が10日前後のウェイティング期間を持つことです。毎日競技が行われるわけではなく、波の良い日が選ばれます。前日に翌日の開催可否が発表されるので、公式のコールを確認する習慣をつけておくと見逃しを防げます。
まとめ:2027年のWSLは「ランキング表が一番面白い」時期
2027年のWSLについて、現時点でわかっていることを整理しました。要点を振り返りましょう。
- 2027年CTの全日程は未発表。確定しているのはニュージーランド・ラグランのマヌ・ベイ開催のみ。
- 2026年導入の新フォーマット(ファイナル5廃止・パイプ最終戦・配点15,000pt)は2027年も継続見込み。
- 2027年CTへの道は2026/27チャレンジャーシリーズ。男子トップ10、女子トップ6が昇格。
- CS最終戦は2027年3月1〜7日のニューカッスル。CT開幕1か月前という異例の日程。
- 日本勢は五十嵐カノア(CT7位)、コナー・オレアリー(CT17位)が残留圏。CSでは中塩佳那が12位で昇格を狙える位置。
- 2027年最大のトピックは、ジョン・ジョン・フローレンスの競技復帰。
日程が出そろうまでは、カレンダーよりランキング表を眺めるほうが面白い時期です。CSの数字を追っていると、誰が来季の舞台に立つのかが少しずつ見えてきます。2026年の変更点を復習したい方はWSL2026完全ガイド|50周年で変わる新フォーマットを、日本人選手の歩みを追いたい方はWSL2026後半戦|日本人選手の順位と注目日程をどうぞ。さらに先を見据えるならオリンピック2028サーフィン展望|会場と日本代表への道もおすすめです。
本記事は2027年CTの日程が正式発表され次第、内容を更新していきます。まずは2026年12月のパイプ・マスターズ。そして2027年3月のニューカッスル。この2つを楽しみに待ちましょう。世界の海で戦う選手たちの滑りを見たら、きっと自分も海に入りたくなるはずです。次の休みは、ボードを積んで出かけてみませんか。

















