サーフィンの基本動作のひとつである、テイクオフ。
ただ立ち上がるだけの動作に見えますが、コツをつかむまでは「難しい」と感じている人も多いです。しかし、ほんの少し意識を変えるだけで、驚くほどスムーズに立てるようになることもあります!
この記事では、テイクオフがうまくいかない原因と失敗しないためのコツをわかりやすく解説します。
ぜひ最後まで読んで、どんな波でもテイクオフできるようになりましょう
テイクオフは立つ前のフォームが成功を左右する!
サーフィンのテイクオフに、悩みを抱える人はとても多いです。
テイクオフで大切な要素の1つとして、立つ前の準備があります。テイクオフする前の準備、あなたは意識できていますか?
この章では、テイクオフ前の準備について、目線と頭の位置という2つのポイントに絞って、わかりやすくお伝えします。ちょっとした意識の違いで、安定感が増すので、ぜひ試してみてください。
テイクオフ前の視線は5~10m先を見る

テイクオフの瞬間、つい下を見てしまう…初心者の人は、こんな経験があると思います。
テイクオフ前の視線は、進行方向の5〜10メートル先を見るようにしましょう。
視線が下に向くと、身体のバランスが崩れやすくなり、上半身が前に倒れてしまいます。これが、転んでしまう原因のひとつです。
テイクオフが上手な人をスローで見てみると、共通して波の進行方向、少し遠くを見ています。
視線を進行方向にすることで自然と背筋が伸び、重心がボードの中心に乗りやすくなります。
海に入る前の陸トレで「進行方向を見る癖」をつけるのが効果的。テイクオフした後も「あの建物を見る」といった目標を決める癖をつけると、視線のブレが減り安定します。

進行方向を見なきゃって分かっているのに、どうしても足元を見ちゃうんですよね〜…



それ、初心者あるあるだね。視線が下に向いているだけで、転びやすくなるから、5〜10m先を見る意識を忘れないで!
頭を下げない
「せっかくテイクオフできたのに、前のめりになって転んじゃう…」
こんな人は「頭の位置」に原因があるかもしれません。テイクオフの時に頭が下がっていると、重心が前にいき、ノーズが刺さりやすくなります。
頭を上げた状態で、前を見たままテイクオフすると、視野が広くなり、波の動きやバランスをつかみやすくなります。
陸トレで「頭を起こしたままテイクオフする」動作を鏡の前で練習しましょう。特にパドリングから立ち上がるまでの一連の流れを繰り返すことで、頭の位置を保てるようになります。



頭が下がっちゃって、よく刺さっちゃうんだよね…



顎を上げるように意識してみて!



…確かに!前が見えると、テイクオフ時の怖さも少し減りますね!
テイクオフで足が出ない人必見!
テイクオフの瞬間、「足がうまく前に出ない」と感じたことはありませんか?
サーフィンを始めたばかりの人に多い悩みで、いざ立ち上がろうとすると足が引っかかったり、前足がボードの真ん中に届かなかったりして、転んでしまうケースがあります。
この章では、テイクオフ時に足がきちんと前に出るようになる、足の位置や一連の動作について、わかりやすく解説します。
足の正しい位置と角度


「テイクオフできたけど、なんだか不安定さを感じる」こんな人は、足のポジションを見直してみましょう。
足の位置は、テイクオフ後の安定感を左右する、とても大事な要素になります。
前足はサーフボードの中央に乗せ、後足はデッキパッドの上に置くように意識しましょう
前足がサーフボードの中央より後にあると失速しやすく、逆に前にあるとパーリングの原因となります。安定して波に乗るためには、サーフボードのほぼ中央に前足を置く意識が大切です!
ストリンガーを12時としたら、前足は13〜14時くらい、後ろ足は14時〜15時くらいの角度にしましょう
足の角度を矯正することで、バランスがとりやすくなります。



前足がサーフボードの後ろよりになってしまうことが多くて。いつもブレーキがかかっちゃうんです。



繰り返しの陸トレで、前足が前にでるように練習すると良いよ!
足を引きつけるスムーズな動作
「前足を出そうとすると、足が引っかかって出てこない」
テイクオフの時にこんな悩みを持つ人は、ジャンプするように立ち上がろうとしないことを意識しましょう。
一連の流れの中で、体を前方に運ぶような「なめらかな動作」が大切になります。前足は、胸の下から前に滑らせるイメージで出すとスムーズです。
練習方法としておすすめなのが、スロー動作での反復練習です。ヨガマットの上で、ゆっくりとしたテイクオフ動作を繰り返し練習します。このとき、両手でしっかり体を支えながら前足を引き寄せることがコツです。無駄な力を抜いた自然な足の運び方をマスターしましょう!



どうしても焦ってジャンプするようにテイクオフしちゃうんですよね〜



シャンプするんじゃなくて、足をすべらせて出すイメージをするとうまくいくよ
テイクオフ時の正しい手の位置と使い方
立ち上がるときにサーフボードがグラついてしまう原因のひとつに、手の使い方があります。
初心者の人は、無意識のうちにレール(ボードの側面)をつかんでしまったり、手をボードの前方に置きすぎたりしてしまいがちです。
この章では、「手をつく位置はどこが正解なのか」「なぜレールをつかんではいけないのか」など、テイクオフ時の手の使い方をわかりやすく解説していきます。
手をつく位置は胸の脇にまっすぐ置く


手は、肩の真下にまっすぐ下ろすように置くのが基本です。
胸の横に手があることで、上半身の重さが均等にかかり、安定した姿勢を作れます。
①両手が胸の横にあるか ②肘が外に張っていないか ③肩の真下に手があるか
この3点を意識することで、動作に安定感が出てきます。



手を胸の横に持ってきたら、テイクオフの動作が軽く感じました!



ちょっと手の位置を変えるだけで、いつもより軽い力でテイクオフできるようになるよ
サーフボードのレールをつかまない
テイクオフの時に、レールをつかんでしまう人、けっこう多いです。
特に初心者のうちは、無意識にレールをつかんでしまいがちなのですが、テイクオフのブレにつながるので早めに改善しましょう。
レールをつかむと良くない理由
サーフボードの左右どちらかに力が偏ってしまい、傾きが出やすくなる
前足を出す動作の妨げになり、スムーズな立ち上がりが難しくなる
テイクオフの時は、手のひらでサーフボードを押すだけを心がけましょう。真下に垂直に力をかけるだけでOKです。重心が均等に保たれ、テイクオフがスムーズになります。



ついレールをつかんじゃうんですよね、早めに改善しなくっちゃ



サーフボードがぐらつくし、足が出づらくなるから、手の平で押すだけを意識してみて!
置いてかれない!テイクオフのタイミングを知る
テイクオフは、波の動きに自分の動きを合わせることで成功します。いつも波に置いていかれる人は、波とのタイミングがズレてしまっている可能性があります。
この章では、テイクオフのタイミングと、身体の動かし方のリズムについてお伝えします。リズムを覚えることで、パドルから立ち上がりまでを自然な流れでできるようになりますよ!
波に押されるタイミングを逃さない


波に押されるタイミングとは「ボードがふわっと持ち上がってスピードがつく瞬間」です。
このタイミングに立ち上がると、波のエネルギーを最大限に活かしたテイクオフができます。
うねりのピークが自分の真後ろに来て、ボードがスーッと加速する感覚を感じた瞬間が狙い目です。このとき、後ろから、波が背中を押してくれているような感覚があります。
「ボードが滑り出す=押された」タイミングを逃さずに立つ。これができるようになると、無理のない、気持ちの良いテイクオフができるようになります。



波の力を利用してうまく立ち上がれるようになると、たくさんパドルをしなくてもテイクオフができるようになるよ



波の力に乗せてもらう感覚がわかると、一気にサーフィンが上達するよ〜
波のタイミングに合わせる練習方法
「波のタイミングにうまく合わせる方法を知りたい」そんな人にぴったりなのが、「1・2・3」のリズムに合わせて立ち上がる方法です。
パドルから立ち上がるまでを「1・2・3」のリズムに当てはめて練習します。
【 1で波を感じる 2で手をつく 3で足を出して立つ 】
このリズムを繰り返し練習することで、動作がスムーズになり、波のスピードにも合わせやすくなります。



心の中で「1・2・3」って数えながらやったら、すごくリズムよく動けました!



焦らず動けるようになるから、波のタイミングに合いやすくなるよ
まとめ:どんな波でもテイクオフへできるあなたへ
テイクオフは、サーフィンを続けていくうえで大切な基本動作であり、多くの人がつまずきやすい壁でもあります。
波に乗る前のわずか数秒のこの動作に、たくさんのコツが詰まっていることが分かりました。
テイクオフで思うように立てなかったり、波に置いていかれてしまったりする経験を重ねるうちに「サーフィンって難しいな…」と感じてしまう人も少なくないのが現実です。でも、そこで諦めてしまうのは本当にもったいない!
今回の記事でご紹介したように、テイクオフにはいくつかの押さえておきたいポイントがあります。
立つ前の正しいフォーム、手と足の位置、視線の使い方、波とのタイミング、これらを少しずつ意識しながら練習していくだけで、安定感が増してきます。
そして何より、テイクオフが安定してきて波に乗れるようになってくると、サーフィンの上達スピードは一気に加速します。自分のボードがスーッと波に押されて進んでいくあの感覚は、何度味わっても気持ちの良い瞬間です。
あなたのサーフィンライフが、もっともっと楽しく、心地よいものになりますように。