サーフィンのテイクオフで、立ち上がった直後にふらつく、転んでしまうといった経験はありませんか?
実は「立ち上がる姿勢」と「タイミング」は、意外と感覚まかせで行ってしまいがちな部分です。
その結果、せっかくテイクオフできてもすぐに転んでしまうという、もったいない結末になってしまいます。
原因の多くは、サーフボードに手を置いてから立ち上がるまでの一連の動作がスムーズにつながらず、バラバラになってしまっていることにあります。
基礎の動作をひとつずつ確認し、正しい形に整えていくことで、テイクオフは驚くほど安定します。
この記事では、今日から試せる実践的なポイントをまとめました!
「テイクオフの立ち上がりで失敗したくない」という人は、ぜひ最後まで読んで、スムーズなテイクオフを手に入れてください。
テイクオフ 〜正しい手の位置と肘・腕の使い方〜
サーフィンのテイクオフで「立ち上がった瞬間にふらつく」という悩みを抱えている人は少なくありません。
原因のひとつに、手の位置があります。
手を置く位置が前すぎたり、左右のバランスが崩れていたりすると、立ち上がる動作がぎこちなくなり、テイクオフ後の安定感を大きく損なってしまいます。
この章では、正しい手の位置に焦点を当てながら、肘や腕の使い方も含め、立ち上がった後まで安定感を保てるテイクオフの基礎について解説します。
手は胸の横に置くのがベスト

テイクオフ時の正しい手の位置は、胸の横です!
胸の横に手を置くことで、体の中心とサーフボードの中心が合いやすくなります。
これにより左右のバランスが安定し、立ち上がった直後のふらつきを防ぐ事ができます。
手の位置が前すぎると重心が前方に偏り、ノーズが刺さる原因となります。
後ろすぎる場合は、腕の力だけで体を持ち上げる形になり、動作がぎこちなくなります。
陸トレで、パドルの姿勢から自然に胸の横に手を置く練習を繰り返しましょう。
鏡の前や動画撮影で自分のフォームを確認すると、左右の手の位置のズレが、分かりやすくなります。
手の位置は、左右対称に置くことを意識しましょう。

手は胸の横へ…思ったより後ろかも!



前に置きすぎると、ノーズが刺さりやすくなるからね。



テイクオフの後、よく前につんのめって転んでいた理由はコレですね
肘の引き方と腕の力の使い方


テイクオフ時の安定感を高めるには、肘の引き方と腕の力の使い方が大切です。
テイクオフの際、肘を軽く引くことで、体重をボードに均等にのせることができます。
こうすることで、腕だけで上体を起こすのではなく、体幹と連動したスムーズな動きが可能になります。
肘を開きすぎると力が分散し、腕や肩に余計な負担がかかり、結果立ち上がりの動作が遅れがちになります。
腕の力は、体を押し上げるだけでなく、「支える」意識を持つことがポイントです。
両手で均等にボードを支え、胸をしっかり上げることで、足を運ぶ動作に余裕が生まれます。
陸トレで、胸の横に手を置き、肘を軽く引いた状態で腕立て伏せのように上体を起こします。
鏡の前や動画撮影で自分のフォームを確認し、肘が開きすぎていないかをチェックしましょう。
腕だけで押すのではなく、胸を持ち上げる意識をします。



テイクオフの時、肘についてあまり意識したことなかったです



肘を開きすぎると、腕の力が逃げちゃうから、気をつけてね!
スムーズに立ち上がるテイクオフの基本〜足の運び方〜
テイクオフの際に、「足がスムーズに出ず、バランスを崩してしまう」という悩みはありませんか?
原因のひとつに、立ち上がる瞬間の足の運び方が、毎回バラバラになってしまっていることが挙げられます。
この章では、テイクオフ時に足をスムーズに出す方法や、そのための陸トレ方法をご紹介します。
テイクオフの種類:ウォークアップのやり方


テイクオフで安定感を高めたい場合「後足→前足」の順に、歩くように立ち上がるウォークアップが役立ちます。
テイクオフが安定していない人が、ジャンプするように立ち上がるポップアップでテイクオフをすると、足のスタンスがバラバラになりやすく、バランスを崩しやすくなります。
ウォークアップでテイクオフするための手順
- 胸の横に手を置き、肘を軽く引き、しっかりと胸を持ち上げる
- 胸を持ち上げてできた空間に後足を素早く出す
- 後足でボードを安定させながら前足を持ってくる



後足→前足で確実に足が出せると、こんなに安定するんですね!



ウォークアップでのテイクオフに慣れると、テイクオフ後のライディングにも安定感が出るよ。
スムーズな足の運びをマスターする 陸トレ法
ウォークアップでのテイクオフをマスターするには、陸トレで体の動きをしっかり染み込ませることが大切です。
「後足→前足」の順に足を運ぶため、足の運びがスムーズでないと、立ち上がりが遅れ、バランスを崩します。
鏡の前で、手を胸の横に置き上体を持ち上げる→「後足→前足」の順に足を運ぶ動作をスローで行い、足の運びをスムーズに行えるまで反復練習しましょう。
後足の位置が、毎回同じ位置に置けているかもチェック!



ウォークアップって足を歩くみたいに運ぶからそう呼ぶんですか?



そうだね。ロングボーダーのテイクオフの動きを観察すると、分かりやすいよ!
立ち上がった後の姿勢は、重心移動で安定させる
「せっかくテイクオフしても、直後にバランスを崩してしまう」こんな経験はありませんか?
立ち上がるタイミングで、波に合わせた重心移動ができていないことが原因かもしれません。
この章では、テイクオフの直後からライディング姿勢に移るまでの「重心移動」について解説します。
正しい重心移動ができると、立ち上がった後に安定して、バランスを崩さなくなります。
テール重心でノーズ刺さりを防ぐ


テイクオフ直着に、ノーズが波に刺さって前のめりに転んでしまう
立ち上がった直後に、重心が前に入りすぎてしまうことで起こります。
前章でご紹介した、ウォークアップのテイクオフでは、自然とテール寄りの重心になるはずです。
そのテール重心を意識的にキープすることで、ノーズ刺さりを防いでくれます。
テイクオフ直後に、後足寄りの重心を意識し、波の速さに合わせて徐々に前重心へ移行するようにしましょう。



後足から置くと、自然に後ろ重心になるんですね



ウォークアップのテイクオフで、足の運びをスムーズに、かつ後ろ重心でノーズ刺さりを防止しよう!
棒立ちにならない膝の使い方


テイクオフ後、膝が伸びきった棒立ちの姿勢だと、バランスを崩しやすく、転んでしまいます。
また、膝が伸びた状態では、前後の重心移動もできなくなります。
テイクオフ後の安定感を保つために、膝は軽く曲げて重心を低くすることを意識しましょう。
こうすることで、前後の重心移動もしやすくなり、スピードの調整も可能になります。
バランスディスクの上で、テイクオフ後の姿勢を作ります。
その姿勢から、前足の膝を軽く曲げて沈めたら、今度は後足の膝を沈めるという動きを交互に繰り返します。
交互に重心を移し替えることで、前後のバランス感覚と膝の柔らかさが身につきます。



この前自分のライディングを動画で撮ってみたら…思っていた以上に棒立ちでびっくりしました



膝を軽く曲げておくと、波の衝撃を吸収してくれて、転びにくくなるよ!
テイクオフについて、立つ前のフォームや もっと基礎の部分についても知りたい人は、こちらの記事も参考になります!併せてご覧ください。


波におされる瞬間と立ち上がるタイミング
テイクオフの成功率は、立ち方や姿勢に加え、波のどの瞬間で立ち上がるかも関係します。
立ち上がりのタイミングが早すぎたり遅すぎたりすると、テイクオフが失敗する原因となります。
この章では、波におされる瞬間の見極め方、波質による立ち上がりのタイミングの違いを解説します。
テイクオフで立ち上がるタイミングをマスターすると、その後のライディングにも、余裕が生まれます
立ち上がるタイミングが早すぎる/遅すぎるとどうなるか


テイクオフの失敗原因として多いのが、立ち上がるタイミングが早すぎる/遅すぎることです。
立ち上がるタイミングが早すぎる場合、サーフボードが失速して波においていかれます。
逆に遅すぎる場合は、後ろからサーフボードがあおられる形になり、ノーズが刺さることがあります。
パドル中に、波におされてサーフボードが滑り出す感覚を感じたら、素早く胸の横に手を置き、すぐに後足をテール寄りにセットしましょう。
あとはタイミングに合わせて、スムーズに立ち上がるだけです!
陸では体感できない感覚なので、練習を重ねて「滑り出した瞬間=後足」という条件反射を作るのがコツです。



私はよく波に置いていかれるから、早く立ちすぎているのかもしれません



それは板がまだ加速してない証拠だね。
波に押され始めたら後足、これを徹底しよう!
波の種類(速い波・厚い波)によって、立ち上がるタイミングは違う


速い波はブレイクが早く、斜面が急なので、パドルの終盤から素早く立ち上がる準備が必要です。
波に押され始めたらほぼ同時に後足を置き、前足も一気に運びます。
一方、厚い波はブレイクが遅く斜面が緩やかなので、波の力を感じてから立ち上がっても十分間に合います。
後足を置いて板が走り始めたら、速い波よりも前足重心を意識するとことで、サーフボードが加速します。
波質ごとのタイミングを覚えるためには、海に入る前に波の形やスピードをよく観察し、実際に数本乗って感覚を比べてみると良いでしょう。



速い波だと、テイクオフの一連の動作を、よりスピーディに行う必要があるんですね



ここのタイミングに関しては、陸トレが難しいから、海に入って感覚をつかんでいこう!
まとめ:立ち上がりの姿勢を安定させてお手本のテイクオフへ
今回は、テイクオフにおける立ち上がりの姿勢から、立ち上がるタイミングまでを詳しく解説しました。
正しい手の位置、後足→前足のスムーズな足運び、そして波に合わせた重心移動。
この3つがスムーズに連動したとき、安定感のあるテイクオフが完成します
ご紹介した内容は、派手なテクニックではありませんが、どれも基礎として非常に重要な要素です。
立ち上がりが安定すれば、その先のターンやスピードコントロールも、余裕を持って行えるようになります。
手の位置、ステップ、重心移動、タイミング
――すべてを一度に改善するのは難しいので、まずは1つずつ意識して、練習してみてください。
続けていけば、きっとあなたのテイクオフは周囲が参考にしたくなる「お手本」に近づいていくはずです!