「サーフィンを始めたばかりで、ルールがよく分からない…」「知らずに迷惑をかけていたらどうしよう…」そんな不安を抱えたまま海に入っていませんか?
サーフィンは自然と向き合える素晴らしいスポーツですが、同時に海を共有する周囲のサーファーとの調和も大切にしなければいけません。ルールやマナーを知らないままサーフィンをはじめると、トラブルや事故につながってしまうことも…。
この記事では、サーフィン初心者がまず知っておきたい基本的なルールやマナーについて、分かりやすく解説します。安全にサーフィンが楽しめるよう、ルールとマナーを一緒に学んでいきましょう!
サーフィン初心者が知っておくべき基本ルール
サーフィンは、波に乗るというシンプルなスポーツに見えますが、守るべきルールが存在します。特に混雑したポイントでは、ちょっとした行動がトラブルのもとになってしまうことも。
サーフィンを始めるうえで必ず知っておきたい基本ルールについて、分かりやすく解説していきます。初心者の人がすぐに実践できるポイントも一緒に紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ワンマン・ワンウェーブの原則

ワンマンワンウェーブ(One Man, One Wave)とは、サーフィンの最も基本的なルールのひとつで、1つの波に乗ることができるのは1人だけ、という意味です。波に乗る優先権は、その波のピークに最も近いサーファーにあります。
分かりやすく言うと、早い者勝ちではなく、波の崩れる場所(ピーク)に1番近い人がその波に乗る権利を持つ、というルールです。他のサーファーは、その人が乗り終わるまで、その波に乗るべきではありません。このルールを守ることで、サーファーの衝突を防ぎ、安全に、そして公平に波に乗る機会を得ることができます。
ワンマン・ワンウェーブのルールを守るためには、まず周囲のサーファーの位置をしっかり確認することが重要です。そして、自分がピークに1番近い場所にいるかを冷静に判断しましょう。最初は難しいですが、回数を重ねるうちに感覚がつかめてきます。また、ポイントが空いている時間帯を選ぶことも良い練習になります。

1つの波に一緒に乗るのって楽しそうに見えてしまうけど、ダメなんです。



ぶつかってしまう危険があるから、サーフィンをする時の大原則として覚えておこう!
前乗り(ドロップイン)禁止


前乗りとは、すでに誰かが乗っている波に割り込んでテイクオフしてしまうこと。多くのサーフィン初心者が、波に乗ることに夢中になってしまって、つい前乗りをしてしまうことがあります。他のサーファーにケガをさせる危険があり、他人に迷惑をかけてしまうため、後から無理に乗ることは絶対に避けましょう。
前乗りを防ぐには、まず周囲のサーファーがどの波に乗ろうとしているかを観察する癖をつけることが大切です。また、波に乗る前の一瞬に「この波、誰か乗ろうとしていないかな?」と確認する習慣を持つと良いでしょう。迷ったら乗らない判断も必要です。



私も、いい波が来て思わず乗っちゃったら、後ろに誰かいてビックリしたことがあります…



テイクオフの瞬間に他のサーファーが乗ってきていないか、確認する癖をつけようね!
スネーキング行為はNG
スネーキングとは、波に乗る優先権を持つサーファーがいるにもかかわらず、そのサーファーのインサイド(波の崩れる側)からパドルして割り込み、波を奪う行為のことです。自分では「ただ良いポジションを取っただけ」と思っていても、周囲からはマナー違反とみなされ、トラブルの原因となります。
スネーキング行為にならないように、「今この波は誰が狙っているのか?」を常に意識することが大切です。無理にポジションを変えず、順番を守って波に乗ることでルールを守ることができます。混雑しているポイントでは、波を譲る心構えも重要です。初心者のうちは経験者の動きをよく観察し、波の取り方や譲り方を学ぶと良いでしょう。



順番待ちをしている列に、横からスーッと割り込んでくる人がいたら嫌だもんね!分かりやすく言うと、それと一緒ってことか。



そうそう、ズルをして波を奪うことになるから、気をつけようね!
波に乗る優先権はピークに最も近いサーファーにあり


サーフィンをしていると、同じタイミングで複数人が同じ波を狙っている状況があります。この時波に乗る優先権を持つのは「ピークに最も近いサーファー」であることを覚えておきましょう。ピークとは、波が最初に崩れ始める場所のことです。そこに最も近く、かつ波に乗ろうとしている人が優先されます。
このルールを守るためには、波の向きや崩れ方を把握し、自分がどの位置にいるのかを意識しておくことが重要です。また、他のサーファーの動きを見て、優先権を持っているかどうかを瞬時に判断する力も必要です。最初は難しいかもしれませんが、経験を重ねることで自然と判断できるようになります。



波のピークがどこなのか、よ〜く観察すると良いね。



海の外から波を観察する練習をすると、海に入った時も分かるようになるよ!
ゲッティングアウト時の注意点
サーフィン中に最も避けたい出来事のひとつが、他のサーファーとの衝突です。サーフボード同士がぶつかるとケガの原因となり、場合によっては重大なトラブルに発展することもあります。
具体的な例として、ゲッティングアウト(沖に戻る動作)の時に、ライディングしてくるサーファーの進路を横切ってしまうケースがあります。この場合、波に乗っている人が優先となるため、サーファーの進行方向を避けるように移動することが大切です。
初心者の人は、海に入る前に周囲の状況を観察し、どのエリアが混雑しているか、把握するところから始めましょう。はじめのうちは、なるべく空いているポイントで練習することで、トラブルのリスクを大きく減らすことができます。そしてゲッティングアウトの際は、ピークを避けたルートで沖に出るようにしましょう。
大切なことは、常に周りのサーファーへの配慮を忘れず、安全第一で行動することです。



沖に戻る時にライディングをしてるサーファーの邪魔をしてしまったことがあって…あとでちゃんと謝りました!



初心者のうちは避けるのが難しいから、サーファーが乗ってきそうな場所は避けて、まわり込んで沖に戻る癖をつけると良いね。
他のサーファーの真後ろにいないようにする


ゲッティングアウトする時は、他のサーファーの真後ろにいないようにしましょう。前のサーファーが波に押し戻された場合、真後ろにいると衝突してしまう可能性があります。
他のサーファーと適切な距離を保ち、横に並ぶか、ある程度距離をとっておくように心がけましょう。



大きい波がきた時にかなり押し戻されて…後ろにいたサーファーに当たりそうになったことがあります…泣



他のサーファーがどこにいるか確認しながら、お互いに気をつけると良いよね!
サーフポイントでのマナーとエチケット
ここからは、サーフポイントでの基本的なマナーやエチケットについてご紹介します。挨拶の習慣、ローカルルールの尊重、他のサーファーへの気配りなど、サーフィンを続けていくうえで大切な要素がたくさんあります。マナーをしっかり守ることで、周囲のサーファーからの信頼が得られ、より心地良くサーフィンを楽しめるようになります。
あいさつの大切さ


海は多くの人が共有する場所であり、安全に、気持ちよくサーフィンをするためには、お互いを尊重する気持ちが大切になります。その最初のステップが、あいさつです。
コミュニケーションのきっかけになる
あいさつから会話が生まれ、他のサーファーと親しくなることがあります。
良好な雰囲気づくり
気持ちの良いあいさつは、その場の雰囲気を和やかにし、皆が気持ちよくサーフィンを楽しめることにつながります。
ローカルサーファーとの関係性
ローカルサーファーがいるポイントでは、丁寧なあいさつは良い関係を築く上でとても重要です。
海に入るとき、上がるとき、ポイントですれ違ったときなど、積極的にあいさつすることを心がけましょう。



笑顔であいさつしてくれるサーファーがいると、嬉しいよね♩



最初にあいさつをしておくと、サーフィン中のトラブルを減らすこともできるよ!
集団入水しない
サーフィン初心者の人が友人やスクールの仲間と一緒に海に入る時、「みんなで入ったほうが安心だし楽しい」と感じることがあるでしょう。しかし、集団で同時に入水することは、マナー違反になります。
グループや友達同士で行くときには、2〜3人ずつ時間差で入水したり、エリアを分けて入るなどの工夫をしましょう。また、混雑していない時間帯やポイントを選ぶことも重要です。海に入ったら、周囲のサーファーへのあいさつも忘れないようにしましょう。



大人数で入ってくると、波の取り合いになっちゃうもんねぇ。



そうそう、相手の気持ちを思いやって行動すれば、トラブルは起きないと思うんだ!
ビーチクリーンを心がける


海に行ったら、必ず自分のゴミは自分で持ち帰りましょう。また、海から上がるときには、目についたごみをひとつ拾ってみましょう。それが毎回の習慣になれば、ビーチは少しずつでもきれいになります!
海で楽しませてもらっているサーファーだからこそ、海をきれいに保つ責任があることを忘れずにいたいものです。ほんの少しの行動でも、それは大きな思いやりにつながります。



この前、海から上がったときにゴミ拾ったら、地元の人に『ありがとう』って声をかけられました。



それは嬉しいね。ビーチクリーンはサーファーとしてのマナーでもあるからね!
まとめ
サーフィンを安全に楽しむためには、周囲との調和を大切にする心構えが欠かせません。今回ご紹介したルールは、どれもサーファーとしての基本なので、初心者のうちにしっかり身につけておきましょう。最初は判断が難しいこともありますが、慣れてくれば大丈夫。波の状況や他のサーファーの動きを観察し、ルールを守ってサーフィンしましょう。
また、ビーチクリーンやローカルサーファーへの敬意といったマナーを守ることも、長くサーフィンを続けていくために大切です。海の中でも、陸でも、気持ちよく過ごせるサーファーを目指して、今日からサーファーへの第一歩を踏み出していきましょう!