片道2時間。往復で4時間。月4回通えば年間で約200時間を車の中で過ごしている計算になります。海にいる時間より長い、という人も珍しくありません。
この時間を「移動」として耐えるか、使える時間に変えるか。この記事では、運転する人・同乗する人・現地で待つ人の3つの場面に分けて、サーファーの移動時間の潰し方をまとめます。
サーファーの移動時間は、思っているより長い
主要ポイントまでの片道時間を並べてみると、規模感が分かります。
| 都心から | 片道の目安 | 月4回通った場合の年間 |
|---|---|---|
| 湘南(鵠沼・辻堂) | 1時間〜1時間30分 | 約100〜140時間 |
| 千葉北(片貝・一宮) | 1時間30分〜2時間 | 約140〜190時間 |
| 千葉南(平砂浦) | 2時間30分〜3時間 | 約240〜290時間 |
| 茨城(大洗・鹿嶋) | 2時間〜2時間30分 | 約190〜240時間 |
| 伊良湖・磯ノ浦などの遠征 | 3時間以上 | — |
しかも移動は早朝と、疲れきった帰りという、一番つらい時間帯に集中します。ここが快適かどうかで、翌週も行く気になるかが変わります。
運転する人の暇つぶし|手も目も使えない前提で考える
当たり前ですが、運転中は耳しか空いていません。動画も本もスマホもすべて論外です。となると選択肢は音声に絞られます。
⚠️ その前に:イヤホンでの運転は避けてください
道路交通法では「安全な運転に必要な音が聞こえない状態」での運転が禁止されており、多くの都道府県でイヤホン・ヘッドホンの使用が公安委員会規則で規制されています。片耳や骨伝導なら常に合法、というわけでもなく、自治体によって扱いが違います。
車内で音声を聞くなら、素直にカーオーディオから鳴らすのが確実です。Bluetooth非対応の古い車なら、FMトランスミッターでスマホの音を飛ばせます。
耳だけで完結するもの|オーディオブックとポッドキャスト
往復4時間を音声コンテンツに充てると、本を1冊聴き終わるくらいの分量になります。オーディオブックは1冊あたり6〜10時間のものが多いので、2〜3回の遠征で1冊です。
サーフィン関連なら、海外のサーフポッドキャスト(英語)や、日本のサーファーが出ているトーク番組が無料で聴けます。無料の範囲で足りるなら、まずはそちらで十分です。
「毎週長距離を運転する」という人は、Amazonのオーディオブックサービス(Audible)のような聴き放題を試してみる価値があります。月に8時間以上運転するなら、単品購入より安く済む計算です。
音楽なら、行きと帰りで変えると効く
行きは気分を上げるもの、帰りは眠くならないテンポのもの。とくに帰り道の睡魔は本当に危険です。海上がりの疲労と、暖かい車内と、単調な高速道路が揃うと一気に来ます。
眠気を感じたら、音楽でごまかさずに停まってください。仮眠の取り方はサーフィン遠征の車内ガイドにまとめています(20分か90分、その中間が一番よくない)。
助手席・後部座席の人の暇つぶし
先にダウンロードしておく|海沿いは電波が切れます
見落とされがちですが、房総半島の内陸部や、伊良湖へ向かう海岸線は電波が細くなる区間があります。ストリーミング前提でいると、一番暇な時間帯に止まります。
動画も音楽も、出発前にWi-Fiでダウンロードしておいてください。これだけで体感がまったく違います。
スマホを持ち続けるのは意外と疲れる
2時間スマホを手に持っていると、腕と首に来ます。これから海でパドリングする前に、首を疲れさせておく意味はありません。ホルダーで固定してしまうほうが楽です。
バッテリーは往復ぶん持たない前提で
往路で動画を観て、現地で波チェックアプリを使い、GoProの映像を確認し、帰路でまた観る。スマホのバッテリーは確実に足りません。 しかも現地では波情報アプリと連絡手段として使うので、電池切れは実害があります。
車の電源そのものの確保(インバーター・ポータブル電源)は遠征の車内ガイドで詳しく扱っています。
現地に着いてからの「待ち」も、実はけっこう暇
潮が動くのを待つ、風が落ちるのを待つ、混雑が引くのを待つ。現地での待ち時間は1〜2時間になることもあります。 ここをどう使うかで、その日の1本の質が変わります。
波を見ながらできることがある
ぼんやりスマホを見て過ごすより、目の前の海を観察するほうが役に立ちます。セットの間隔、どこでブレイクしているか、カレントがどっちに流れているか。波待ちのポジション取りと離岸流の見つけ方は、待っている間に確認しておくと入水後が変わります。
前回のセッション動画を見返す
待ち時間は、自分の映像を見返すのに向いています。海に入る直前に見ると、直したい1点を意識したまま入れます。見返し方は動画で自己分析する方法にまとめています。
波予報を「答え合わせ」する
出発前に見た予報と、目の前の海を照らし合わせてください。予報の読み方はWindyの使い方にありますが、予報と実際のズレを繰り返し見るのが一番の練習です。これを続けると、そのうち「この予報ならこのポイント」が読めるようになります。
移動時間の使い方 早見表
| 場面 | 使えるもの | あると変わるもの |
|---|---|---|
| 運転(行き) | 音声のみ。カーオーディオから | FMトランスミッター |
| 運転(帰り) | 音声+こまめな休憩 | 眠くなったら停まる。仮眠グッズ |
| 同乗(往路) | ダウンロード済みの動画・音楽 | スマホ/タブレットホルダー |
| 同乗(復路) | 同上。ただし寝るのが最善 | ネックピロー |
| 現地の待ち時間 | 波の観察・前回の動画 | モバイルバッテリー |
よくある質問(FAQ)
Q. 運転中にイヤホンをつけるのは違法ですか?
道路交通法そのものではなく、各都道府県の公安委員会規則で規制されているのが実情です。「安全な運転に必要な音が聞こえない状態」が禁止されており、片耳や骨伝導であっても、音量次第では取り締まりの対象になり得ます。自治体によって条文が違うので、車内スピーカーから鳴らすのが確実です。
Q. 高速道路と下道、どちらが疲れませんか?
距離にもよりますが、片道2時間を超えるなら高速のほうが総合的に疲れません。ただし単調なぶん眠気は来やすいので、サービスエリアで一度は降りてください。海に着いてから眠いのでは意味がありません。
Q. 一人で行くときの移動が一番きついです
行きより帰りが問題です。入水後は判断力が落ちているので、「上がったらすぐ運転しない」を先に決めておくほうが安全です。ストレッチして、何か食べて、20分寝てから出る。それだけで事故のリスクがまったく違います。
Q. 電車で行く場合の暇つぶしは?
電車なら手も目も使えるので選択肢は広がります。ただしボードの持ち込みにはルールがあるので、サーフボードの電車持ち込みルールを先に確認してください。
Q. 子ども連れの移動はどうすればいいですか?
ダウンロード済みの動画とヘッドホン、そして途中で必ず一度降りること。海に着く前に機嫌が尽きると、その日1日が厳しくなります。キッズサーフィンの進め方はこちらにまとめています。
まとめ|移動時間は「削れない固定費」なので、投資対効果が高い
サーフィンを続けるかぎり、移動時間はなくなりません。年間200時間という規模を考えると、ここを快適にする数千円は、道具にかける数万円より効く場合があります。
まずは3つ。車内で音を鳴らせる環境・スマホホルダー・モバイルバッテリー。 ここが揃うだけで、往復4時間の体感が変わります。
車内の装備をもう一段整えたい人はサーフィン遠征の車内ガイド、泊まりで行くならサーフィン車中泊の必需品もあわせてどうぞ。

















