真夏の海。気持ちよく波に乗って海から上がると、照りつける太陽でクラクラ……。日陰がどこにもなくて、熱々の砂の上やボードの横でぐったり休んだ経験、ありませんか?
実はサーファーにとって、ビーチテントは「あったら便利」ではなく「夏の必需品」なんです。波待ちの合間の休憩、強烈な紫外線からの避難、熱中症の予防、貴重品の番、そして人目を気にしない着替えまで。一張りあるだけで、夏のサーフィンの快適さが本当に変わります。
とはいえ、ポップアップにワンタッチ、UVカット率に耐水圧……種類も価格もバラバラで「結局どれを選べばいいの?」と迷いますよね。この記事では、海水浴向けの一般的なランキングとはひと味違う、サーファー目線でのビーチテントの選び方を徹底解説します。読み終えるころには、あなたの夏にぴったりの一張りが見つかっているはずです。
この記事の目次
はじめに、この記事で解説する内容をざっと紹介します。気になるところから読み進めてください。
- なぜサーファーにこそビーチテントが必要なのか
- ビーチテントの種類(ポップアップ・ワンタッチ・組み立て式)
- 失敗しない選び方5つのポイント
- 【比較表】タイプ別の特徴まとめ
- シーン別・あなたに合うのはどれ?
- サーファーならではの活用術
- 設営・固定のコツと撤収マナー
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:あなたに合うビーチテントはこれ
なぜサーファーにこそビーチテントが必要なのか

海水浴客とサーファーでは、ビーチでの過ごし方がまるで違います。海水浴なら泳いで、休んで、また泳いで。でもサーファーは違いますよね。朝マヅメから入って、波待ちして、何本か乗って、いったん上がって体力を回復させて、また入る。つまり「海と陸を一日に何度も往復する」のがサーファーなんです。
この「陸での回復時間」の質が、その日のサーフィンの満足度を大きく左右します。日陰のない砂浜で休んでいたら、休んでいるはずなのに体力はどんどん削られていきます。炎天下の砂は60℃を超えることもあり、地面からの照り返しだけで体感温度はぐっと上がります。だからこそ、自分専用の日陰=ビーチテントが効いてくるんです。
ビーチテントとは?パラソルとの違い
ビーチテントとは、海辺のレジャー向けに作られた「日除け」を目的としたテントのこと。キャンプ用テントと違って軽量コンパクトで、設営も撤収も簡単なのが特徴です。サンシェードと呼ばれることもあります。
「パラソルでよくない?」と思うかもしれません。でもパラソルは真上からの日差ししか防げません。朝や夕方の斜めから差し込む光、砂からの照り返しには無力なんです。その点ビーチテントは三方を囲えるので、日陰の質がまったく違います。風で倒れにくく、荷物を中に隠せて、フルクローズタイプなら着替えまでできる。サーファーが一日を過ごす拠点としては、テントに軍配が上がります。
サーファーがビーチテントで得られる5つのメリット
サーファー視点で見ると、ビーチテントの価値は日除けだけにとどまりません。具体的には、次の5つのメリットがあります。
- 休憩の質が上がる……涼しい日陰でしっかり回復でき、午後までスタミナが続く
- 日焼け・紫外線対策になる……入水していない時間の紫外線を大幅にカットできる
- 熱中症を予防できる……直射日光と照り返しを避け、体温の上がりすぎを防ぐ
- 貴重品の番になる……スマホや財布を人目につきにくい場所に置いておける
- 着替え・ウェット干しに使える……フルクローズなら着替え、サイドフックで濡れ物を掛けられる
特に見落とされがちなのが、3つ目の熱中症対策です。サーフィンは水に浸かっているぶん「暑さに気づきにくい」スポーツ。知らないうちに脱水が進んでいることも少なくありません。陸での日陰を確保することは、立派な安全対策なんです。夏のサーフィンの熱中症対策については、夏サーフィンで熱中症にならない!完全予防ガイドで詳しくまとめているので、あわせて読んでみてください。
ビーチテントの種類を知ろう(3タイプ)

ビーチテント選びでまず押さえたいのが、設営方式による3つのタイプです。「ポップアップ」「ワンタッチ」「組み立て式」。それぞれ得意なことが違うので、順番に見ていきましょう。
ポップアップテント|とにかく手軽
収納袋から出してポンッと広げるだけ。数秒で日陰が完成するのがポップアップテントです。1〜2kg台の超軽量モデルが多く、電車やバスでポイントに通うサーファーにはありがたい存在。価格も手頃で、はじめての一張りに選びやすいタイプです。
一方で弱点もあります。骨組みがワイヤー状で簡易的なため、強い風にあおられやすいんです。そして畳むのに少しコツがいる。慣れないと海辺で格闘することになります。買ったら一度、家の前で畳む練習をしておくと安心ですよ。
ワンタッチテント|風に強くバランス◎
傘を開くように、フレームを広げて紐を引くだけで立ち上がるのがワンタッチテント。骨組みがしっかりしているぶん耐風性に優れ、海風が強い日でも安定します。設営・撤収も5分程度。畳むと細長い棒状になり、収納のクセも少なめです。
重量は2〜3kg台とポップアップより重く、価格もやや上がります。それでも「風で飛ばされるストレスから解放される」価値は大きい。海をメインに使うサーファーには、いちばんバランスのよい選択肢だと感じます。
組み立て式(フレーム式)テント|本格派・大人数向け
ポールを組んで立てる、キャンプテントに近い本格タイプ。クロスポール構造で耐風性が高く、ペグでしっかり固定すれば多少の風ではびくともしません。コールマンのスクリーンシェードのように、砂袋が標準付属するモデルもあります。
設営にひと手間かかるのが難点ですが、安定感と居住性は随一。ファミリーやグループで一日じっくり過ごすなら、このタイプが頼りになります。
なお形状の面では、開放的な「オープンタイプ」と、全面を閉じられる「フルクローズタイプ」があります。日除け重視ならオープン、着替えやプライバシーも欲しいならフルクローズ、と覚えておけば十分です。
失敗しないビーチテントの選び方5つのポイント

タイプの違いがわかったら、次は具体的なスペックの見方です。ここを押さえておけば、買ってから「失敗した……」となることはまずありません。サーファー目線で重要な順に、5つのポイントを解説します。
①UVカット率と遮熱性能|数字で見極める
夏のビーチで最優先したいのが、紫外線と暑さ対策の性能です。目安はシンプル。UVカット率90%以上、UPF50+と書かれていれば合格ラインです。できれば95%以上、99%クラスならさらに安心できます。
そしてもう一つ見たいのが「シルバーコーティング」や「遮光コーティング」の有無。これがあると遮熱性が一気に上がり、テント内の体感温度が8〜10℃、製品によっては15℃以上下がるとされています。日陰なだけでなく「涼しい日陰」になるかどうかは、この一手間で決まります。サーファーの日焼け対策全般はサーフィンの日焼け対策完全ガイドも参考にしてください。
②耐風性と固定方法|海では最重要
海をメインに使うなら、正直ここがいちばん大事です。ビーチは風をさえぎる物がなく、海風がテントに直撃します。飛ばされたテントが他人にぶつかれば、大きなトラブルにもなりかねません。
チェックすべきは「砂袋が付属しているか」「ペグ用の穴やループがあるか」の2点。砂袋は砂浜の砂を詰めるだけで重しになる優れもので、これが付いているだけで安定感がまるで違います。クロスポール構造をうたうモデルは、構造的にも風に強い傾向があります。
③設営・撤収のしやすさ|サーフィンの時間を削らない
設営に手間取ると、その時間ぶんサーフィンが削られます。もったいないですよね。ひとりでサッと立てたいならポップアップかワンタッチ。「◯秒設営」「◯分で完成」といった表記が選ぶときの目安になります。
意外と差が出るのが撤収です。特にポップアップは畳み方にクセがあるので、収納動画のQRコードが付いているモデルだと、現地で迷わず助かります。
④サイズと収容人数|「人数+1」が黄金ルール
サイズ選びのコツは「使う人数+1人ぶん」を目安にすること。2人で使うなら3人用、という具合です。ウェットやボードバッグ、クーラーボックスなど、サーファーは荷物が多いですからね。余裕を持たせておくと、中で着替えたり寝転んだりもできて快適です。
ただし同じ「2〜3人用」でも、ブランドによって実寸はかなり違います。必ずcm単位の使用時サイズを確認してから選びましょう。
⑤フルクローズの可否|着替えと貴重品の安心感
意外と効いてくるのが、全面を閉じられるフルクローズ機能です。海の家やトイレが混む人気ビーチでも、テント内でサッと着替えられます。濡れたウェットから着替えるとき、人目を気にしなくていいのは大きな安心。
貴重品をテントの奥に置いて閉じておけば、ちょっとした番にもなります。メッシュ窓が付いていれば、閉じても通気性を保てて蒸れません。オープンとクローズを切り替えられるモデルが、いちばん使い勝手がいいですよ。
【比較表】タイプ別の特徴まとめ
ここまでの内容を、タイプ別に一覧で整理しました。自分の使い方と照らし合わせて、どのタイプが合いそうか見てみてください。
| タイプ | 設営の手軽さ | 耐風性 | 重量の目安 | 価格帯の目安 | こんな人向け |
|---|---|---|---|---|---|
| ポップアップ | ◎(数秒) | △ | 約1〜2.5kg | 2,000〜6,000円 | 電車移動・ソロ・とにかく手軽さ重視 |
| ワンタッチ | ○(約5分) | ○〜◎ | 約2〜3.5kg | 5,000〜12,000円 | 海メイン・風が気になる・バランス重視 |
| 組み立て式 | △(要ひと手間) | ◎ | 約3〜8kg | 8,000〜20,000円 | ファミリー・大人数・一日じっくり派 |
あわせて、選ぶときに見たいスペックの数値早見表も載せておきます。店頭やネットでスペックを見るとき、この数字を思い出してください。
| チェック項目 | 合格ライン | 理想ライン |
|---|---|---|
| UVカット率 | 90%以上 | 99%前後 |
| UPF | 50+ | 50+ |
| 遮熱コーティング | シルバーコート有 | 遮光率99%以上 |
| 固定具 | ペグ穴あり | 砂袋+ペグ付属 |
| サイズ | 使う人数ぶん | 使う人数+1人ぶん |
シーン別・あなたに合うのはどれ?
スペックの見方がわかっても、最後は「自分の場合どれ?」が知りたいですよね。よくある3つのケースで、おすすめのタイプを整理してみます。
ソロ〜2人でサーフィンメインなら
ひとりや少人数でサーフィンが主目的なら、軽さと耐風性のバランスがいいワンタッチテントの1〜2人用がおすすめ。海風に強く、設営もそこそこ速い。荷物番と休憩、ときどき着替え、という使い方にぴったりです。車移動が中心なら、少し重くても安定感のある組み立て式も選択肢に入ります。
ファミリー・グループの海水浴メインなら
子ども連れや大人数で一日のんびり過ごすなら、組み立て式かワンタッチの大型フルクローズタイプを。授乳やおむつ替え、子どものお昼寝スペースとしても活躍します。4〜5人用の広さがあれば、荷物を置いてもゆったり過ごせますよ。
電車・バス移動が多いなら
公共交通でポイントに通うなら、軽さが正義。1.5kg前後のポップアップが断然ラクです。ただし風には弱いので、砂袋やサンドペグでの固定は必須。「軽さを取るぶん、固定はしっかり」と覚えておきましょう。当日の持ち物全体はサーフィンに行く時の持ち物リストにまとめてあります。
サーファーならではのビーチテント活用術
ここからは、海水浴向けの記事ではあまり語られない、サーファーだからこその使い方を紹介します。同じテントでも、サーファーが使うと活躍の幅がぐっと広がるんです。せっかく一張り用意するなら、ここまで使い倒したいですよね。
ウェットスーツとサーフボードを日差しから守る
意外と知られていませんが、ウェットスーツとサーフボードは直射日光が大の苦手です。ウェットは紫外線でゴムが劣化し、硬くなって寿命が縮みます。サーフボードも炎天下に放置すると、内部の空気が膨張してデッキが浮く「ピンホール」や変形の原因に。高い買い物だからこそ、テントの日陰に置いておくだけで大切なギアの寿命をぐっと延ばせます。
ラウンド明けに濡れたウェットを脱いで干すときも、テントのサイドフックやロープが便利。日陰で陰干しすれば、劣化を抑えつつ生乾きのイヤなニオイも防げます。ボードは直接砂に置かず、テント内やフロントシートの上に立てかけておくと、ワックスに砂も付きにくいですよ。
入水中の貴重品と、ドリンクの保管庫に
サーフィン中、いちばん気がかりなのが車のカギやスマホですよね。フルクローズタイプなら、テントの奥に貴重品を置いて閉じておくことで、丸見えのリスクを減らせます。もちろん高価なものは車や防水ケースに、が大前提ですが、ちょっとした番として心強い存在です。
そして夏場にありがたいのが、テント内をドリンクの保管庫にすること。炎天下に置いた飲み物はあっという間にぬるくなりますが、遮熱テントの日陰なら温度の上がり方がまるで違います。クーラーボックスと組み合わせれば、海から上がってすぐ冷たい水分補給ができ、熱中症予防にも直結します。「冷たい一杯がそこにある」と思えるだけで、午後のもう一ラウンドへの気力もわいてきますよ。
設営・固定のコツと撤収マナー

いいテントを買っても、固定が甘いと風で飛ばされて台無しです。ここではサーファーが現場で実践している、固定と撤収のコツを紹介します。
砂浜での固定はサンドペグ+砂袋が鉄則
砂浜では、付属の普通のペグはスポスポ抜けて役に立ちません。ポイントは長さ。ポップアップやビーチテントなら30cm、大型なら40cm以上のロングペグやサンドペグを使いましょう。長いほど横からの力に強くなり、風で抜けにくくなります。
ペグだけで不安なときは、砂袋が大活躍。砂を詰めて四隅に置くだけで、しっかりした重しになります。砂袋がなければ、テント内の荷物やクーラーボックスを重しにするのも有効です。「ペグ+砂袋+荷物」の合わせ技なら、まず飛ばされません。
風速の判断基準を持っておく
風が強い日は、無理をしないことも大切な判断です。目安として、風速5m前後を超えたら設営は慎重に。耐風性の高いワンタッチや組み立て式に切り替えるか、しっかり固定しましょう。風速10m以上では、どんなテントでも使用は危険。きっぱり諦める勇気を持ってください。
サーファーなら、波予報と一緒に風速もチェックする習慣がついているはず。テントを出すかどうかも、その風の数字で判断するクセをつけると安全です。
撤収マナーと砂・塩の落とし方
ビーチテントの設営を禁止している海水浴場もあります。公共のビーチでも管理者が必ずいるので、行く前に公式サイトやSNSでルールを確認しておきましょう。海の家の営業エリアに無断で張るのもトラブルのもとです。
帰るときは、立つ鳥跡を濁さず。ゴミは必ず持ち帰り、固定に使った穴も埋めておきます。テントは砂をはたいて落とし、家でシャワーや固く絞った布で塩と砂を拭き取りましょう。しっかり乾かしてから収納すれば、カビや劣化を防げて長持ちします。次に使う人のためにも、気持ちのいい使い方を心がけたいですね。
よくある質問(FAQ)
Q. ビーチテントは風で飛ばないですか?
固定をきちんとすれば、ある程度の風には耐えられます。サンドペグでしっかりペグダウンし、砂袋や荷物を重しに併用するのが基本です。ただし風速5m前後を超えたら慎重に、10m以上では使用しないこと。耐風性で選ぶなら、ワンタッチ式か組み立て式が安心です。
Q. UVカット率はどれくらいあれば安心?
目安はUVカット率90%以上、UPF50+です。より安心したいなら95〜99%クラスを選びましょう。あわせてシルバーコーティングや遮光コーティングがあると、紫外線だけでなく暑さも和らぎます。日焼けと熱中症の両方を防げるので、サーファーには高いほどおすすめです。
Q. ポップアップとワンタッチ、どっちがいい?
手軽さ最優先で、電車移動やソロが多いならポップアップ。海風が気になる、海をメインに使うならワンタッチが向いています。サーフィンで一日使い倒すことを考えると、耐風性のあるワンタッチの満足度が高い傾向です。予算と使うシーンで選び分けてください。
Q. 砂浜でペグが効かないときは?
普通のペグは砂では抜けやすいので、30〜40cm以上のロングペグやサンドペグを使いましょう。それでも不安なら、砂袋に砂を詰めて重しにするのが確実です。テント内に荷物やクーラーボックスを置くだけでも安定感が増します。複数の方法を組み合わせるのが、いちばん飛ばされにくいコツです。
Q. どこの海でもビーチテントを張れますか?
いいえ、場所によっては設営が禁止されています。海水浴場は公共の場でも管理者や所有者がいて、安全や公平性の観点でテントやパラソルを禁じていることがあります。勝手に張ると注意やトラブルの原因になるので、事前に公式サイトやSNSでルールを確認しましょう。許可制の場所もあるので、あわせてチェックしておくと安心です。
Q. サーフィン用なら何人用を選べばいい?
ソロや2人なら、荷物のことを考えて2〜3人用が使いやすいです。ウェットやボードバッグ、クーラーボックスを入れても窮屈になりません。ファミリーやグループなら4〜5人用を選びましょう。「使う人数+1人ぶん」を目安にすると、ちょうどいい余裕が生まれます。
まとめ:あなたに合うビーチテントはこれ
最後に、この記事の要点を整理します。
- サーファーにとってビーチテントは、休憩・日焼け・熱中症対策・荷物番・着替えを支える夏の必需品
- タイプは「ポップアップ(手軽)」「ワンタッチ(バランス)」「組み立て式(本格)」の3つ
- 選び方の核はUVカット率90%以上・耐風性(砂袋/ペグ)・設営性・サイズ+1・フルクローズの5点
- 海メインのソロ〜2人はワンタッチ、ファミリーは大型フルクローズ、電車移動はポップアップが基本
- 固定はサンドペグ+砂袋が鉄則、風速10m以上は使わない、撤収はマナーよく
迷ったら、まずは「海メインならワンタッチの1〜2人用、UVカット率95%以上・砂袋付き」を基準に探してみてください。これだけ押さえれば、大きく外すことはありません。
快適な日陰の拠点があれば、夏のサーフィンはもっと長く、もっと楽しくなります。あわせて熱中症の完全予防ガイドと日焼け対策完全ガイドも読んで、万全の態勢でこの夏の海を満喫しましょう。最高の一本は、元気な体に乗ってきますよ。



















