12月の海から上がって、駐車場で着替えを終えた瞬間。手が震えてジッパーがつかめず、ようやく車に乗ったら今度は強烈な眠気が来る。帰り道のコンビニで甘いものを買い込み、家に着いたら夕方まで動けない。翌朝は肩と背中が重く、月曜には喉が痛い。冬のサーフィンで、こんな流れを経験したことはありませんか?
「体力が落ちたのかな」と片づけてしまいがちですが、実は冬の海は夏とは消耗の種類が違います。低い水温で体温を保つための熱量、厚いウェットでパドルする筋肉の負担、乾いた空気と塩水で抜けていく水分。この3つが同時に削られるので、夏と同じ食事と休み方では回復が追いつかないんです。
この記事では、冬のサーフィンで落ちる4つの要素(回復・体温・関節・免疫)を軸にします。それに対してプロテイン、EAA、ビタミンD、オメガ3、マグネシウムの5種をどう使い分けるかを整理しました。摂取のタイミングは「前日・海に入る直前・上がった直後・その夜」と、サーファーのスケジュールに合わせて表にしました。最後に「サプリより先に直すべき食事と睡眠」も正直に書いています。読み終わる頃には、自分に必要なものが2〜3個に絞れているはずです。
目次
- 冬のサーフィンで消耗するもの|熱量・筋肉・水分
- サーフィン用サプリを選ぶ4つの判断軸
- 目的別に見る5種|回復・体温・関節・免疫
- 【比較表】5種の目的・目安量・価格帯・優先度
- 海に入る日のタイミング設計|前日・直前・上がった直後
- プロテインの種類と選び方|ホエイ・ソイ・ブレンド
- サプリに頼る前に直すべき食事と睡眠
- 入る頻度・年代別おすすめの組み合わせ
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
冬のサーフィンで消耗するもの|熱量・筋肉・水分

サプリの話に入る前に、冬の海で体から何が抜けていくのかを押さえておきましょう。ここがずれていると、「筋トレ用に買ったプロテインを飲んでいるのに疲れが取れない」という状態になります。
熱量:水温15℃の海は、座っているだけで体温を奪う
水は空気の20倍以上の速さで体から熱を奪うといわれます。関東の1〜2月の水温はおおむね13〜16℃。波待ちで浮いているだけでも、体は震えや血管収縮で熱をつくり続けています。つまり冬の1ラウンドは、パドルの運動量に「体温維持のための消費」が上乗せされている状態です。
どれくらい増えるかは水温とウェットの厚みで変わりますが、同じ90分でも冬は夏より明らかに腹が減りますよね。あの空腹感は正直です。詳しい数字はサーフィンの消費カロリーの記事で体重別にまとめています。冬はそこに1〜2割の上乗せを見ておくと、食事の量感が合います。
筋肉:5mmのウェットは「常に軽い負荷がかかったパドル」
厚いウェットは肩周りの可動域を狭め、同じ距離を漕ぐのに余計な力を使わせます。しかも冷えた筋肉は伸び縮みが悪く、微細な損傷が増えやすい。夏なら翌日に抜けていた肩の重さが、冬は2日残るのはこのためです。
ここで足りないのは「筋肉を増やすための栄養」ではなく、「壊れた分を戻すための材料」です。たんぱく質とアミノ酸の役割は、冬は回復寄りに考えるとちょうどよくなります。肩の違和感が続く人は、栄養の前に肩が痛くなる原因と漕ぎ方の記事でフォームも見直してみてください。
水分:冬の脱水は喉が渇かないから厄介
冷たい水に浸かると、体は末端の血液を体幹に集めます。すると腎臓が「水が多い」と判断して尿を増やす。これが寒い海でトイレが近くなる理由で、気づかないうちに水分を失っています。さらに冬は空気が乾いていて、呼気からも水が抜けます。
足がつる、海上がりに頭が重い、帰りの運転で集中が切れる。こうした症状の裏に、水分とミネラルの不足が隠れていることは珍しくありません。足がつる原因と対策の記事でも書きましたが、冬ほど「飲んでから入る」が効きます。
免疫:寒冷ストレスと日照不足が重なる季節
激しい運動の直後は一時的に免疫が落ちるとされ、そこに体温低下が重なるのが冬の海上がりです。加えて日本の冬は日照時間が短く、ウェットで肌を覆うので、皮膚でつくられるビタミンDが減ります。「冬のサーフィンを始めてから風邪が増えた」という人は、この二重苦に当たっている可能性があります。
サーフィン用サプリを選ぶ4つの判断軸
ドラッグストアやネットには数百種類のサプリがあります。全部を比べる必要はありません。サーファーが見るべき軸は4つだけです。この軸に当てはめると、要らないものが先に消えていきます。
判断軸1:冬に「落ちる要素」のどれを埋めるのか
回復(筋肉の修復)、体温(熱をつくる土台)、関節(肩・腰・膝の摩耗)、免疫(風邪を引かない)。サプリはこの4つのどれかに対応します。たとえば「疲れが抜けない」なら回復と免疫、「膝や肩がきしむ」なら関節です。目的が2つ以上重なるものから優先するのが、お金をかけずに効かせるコツです。
判断軸2:食事で足りているかを先に確認する
たんぱく質は肉・魚・卵・大豆で毎食20g前後取れていれば、プロテインは「海に入った日の補助」で十分です。逆にビタミンDとオメガ3は、魚を週3回以上食べない人には食事だけで満たしにくい栄養素。「足りない順」に買うと、効き目を実感しやすくなります。
判断軸3:海のスケジュールに乗せられるか
どんなに良い成分でも、朝5時出発の車の中で続けられなければ意味がありません。粉を水で溶くのか、カプセルを水で飲むのか、ゼリーで済むのか。冬は手がかじかんで、シェイカーのフタも開けづらいもの。「現場で扱える形」かどうかは、成分表よりも先に見てほしいポイントです。
判断軸4:続けられる月額か
サプリは1回で効くものではなく、2〜4週間続けて体感が出るものがほとんどです。5種すべてを揃えると月1万円を超えますが、必要な2〜3種に絞れば月3,000〜5,000円に収まります。この記事の比較表には価格帯も入れたので、予算から逆算してください。
なお、ここで扱うサプリはすべて「食品」であり、病気を治すものではありません。持病がある人や薬を飲んでいる人は、始める前に医師や薬剤師に相談してください。特にオメガ3とマグネシウムは、服用中の薬によって注意が必要なケースがあります。
目的別に見る5種|回復・体温・関節・免疫

ここからが本題です。冬のサーファーに関係が深い5種を、「何に効くか」「どれくらい摂るか」「どんな人に必要か」の順で見ていきます。目安量は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」や国際スポーツ栄養学会(ISSN)の公表値をもとにしています。あくまで一般的な範囲で、個人差があります。
①プロテイン:回復の土台。冬は「筋肉を戻す材料」として使う
5種の中で最も優先度が高いのがプロテイン、つまりたんぱく質です。日本人の食事摂取基準では、成人男性の推奨量は1日65g、女性は50g。ただし定期的に運動する人は、体重1kgあたり1.2〜2.0gが目安とされています。体重65kgなら78〜130gです。
冬にサーフィンした日は、この範囲の上のほうを狙いたいところ。朝食抜きで海に入り、昼にラーメン、夜に居酒屋という日は、たんぱく質が50gに届かないことも普通にあります。1回20〜30gのプロテインを海上がりに足すだけで、翌日の肩の重さが変わってくる人は多いです。
「筋肉がつきすぎてパドルが重くなるのでは」と心配する人がいますが、たんぱく質を摂っただけで筋肉は増えません。高負荷のトレーニングを継続して初めて増えるものなので、サーフィン目的なら「戻す」ために飲むと考えて大丈夫です。
②EAA:海上がり直後、胃が受け付けないときの即効補給
EAAは体内でつくれない9種の必須アミノ酸をまとめたものです。BCAAは、そのうち筋肉で使われやすい3種(ロイシン・イソロイシン・バリン)だけを取り出したもの。つまりEAAはBCAAを含む上位互換で、今から買うならEAAで迷いません。
プロテインとの違いは吸収の速さと、胃への負担の軽さです。冬の海上がりは体が冷え切っていて、ドロッとしたプロテインを飲むと気持ち悪くなる人がいます。そんなときにEAAを水に溶かして5〜10g飲んでおき、体が温まってから食事やプロテインで本番の補給をする。この「つなぎ」の役割が、サーファーにとってのEAAです。
長めのセッション(2時間以上)や、朝晩2ラウンド入る日は、ラウンドの合間に飲むのも効果的です。ただし価格は1gあたりプロテインの3〜5倍なので、毎日飲むものではなく「入った日だけ」で十分です。
③ビタミンD:冬のサーファーの免疫と骨の守り
ビタミンDは免疫の働きや骨の維持に関わる栄養素で、日光を浴びると皮膚でつくられます。夏に海で日焼けしているサーファーは不足しにくいのですが、冬は話が別です。日照が短く、フルスーツ・ブーツ・グローブ・キャップで露出がほぼゼロ。国内の調査でも、冬は血中ビタミンD濃度が下がり、不足に該当する人の割合が大きく増えることが報告されています。
食事摂取基準の目安量は成人で1日8.5〜9µg(版によって異なる)、耐容上限量は100µgです。サプリでは1,000〜2,000IU(25〜50µg)の製品が主流で、冬だけこの範囲で補う人が多いです。1µg=40IUなので、表示を見るときは単位に注意してください。鮭や青魚、きのこ類にも含まれますが、魚を毎日は食べない人ほどサプリの価値が出ます。
「冬のサーフィンを始めてから風邪を引きやすくなった」「寒い日の海上がりに体の芯から回復しない」。こんな人は、まずビタミンDを11〜3月の間だけ試す価値があります。
④オメガ3(EPA・DHA):肩・腰・膝の違和感と、体の炎症をなだめる
オメガ3は青魚の油に多い脂肪酸で、EPAとDHAが代表です。運動後の炎症をおだやかにし、関節の違和感を和らげる方向に働くとされています。パドルで肩を酷使し、テイクオフで膝と腰に衝撃が入るサーファーにとって、関節まわりのケアは冬の継続に直結します。
食事摂取基準では、n-3系脂肪酸の目安量は成人男性で1日2.0〜2.2g、女性で1.6〜2.0g。サプリとしては、EPA+DHAで1日1g前後を目安にする製品が多いです。鯖缶1缶(約190g)でEPA+DHAが2〜3g取れます。週3回以上青魚を食べている人は、サプリの優先度を下げて構いません。
魚油は酸化しやすいので、開封後は冷蔵庫で保管し、2か月以内に使い切れる量を買うのがコツです。魚臭いゲップが気になる人は、食事と一緒に飲むか、腸で溶けるタイプを選ぶと楽になります。
⑤マグネシウム:足がつる、寝つけない、冷えが抜けない人へ
マグネシウムは筋肉の収縮と弛緩、神経の伝達、エネルギーの産生に関わるミネラルです。汗や尿で失われ、ストレスでも消費されます。冬の海上がりに足がつる、夜に脚がピクつく、疲れているのに寝つけない。これらが重なる人は、マグネシウムが足りていないサインかもしれません。
推奨量は30〜40代の男性で1日370mg、女性で290mg。食事以外からの耐容上限は350mgとされているので、サプリでは1日100〜300mgの範囲で様子を見ます。多すぎるとお腹がゆるくなるので、まずは少なめから始めるのが鉄則です。
ナッツ、海藻、玄米、豆腐に多く含まれ、サプリでなく食事で満たすのも難しくありません。にがりを水に数滴落とす方法も安上がりです。どうしても寝る前の脚の違和感が消えない人は、就寝前のマグネシウムを2週間試してみてください。
【比較表】5種の目的・目安量・価格帯・優先度
5種をひとつの表にまとめました。価格は2026年10月時点の国内通販での目安で、ブランドや容量によって上下します。優先度は「週1回以上、冬も海に入るサーファー」を想定したものです。
| 種類 | 主な目的 | 1日の目安 | 月額の目安 | こんな人に優先 | 優先度 |
|---|---|---|---|---|---|
| プロテイン | 回復(筋肉の修復) | 1回20〜30g、入った日は体重×1.5g以上を食事込みで | 1,500〜3,000円(1kg 3,000〜5,000円を1〜2か月) | 毎食たんぱく質20gが取れていない人 | ★★★★★ |
| EAA | 即効の回復・つなぎ補給 | 1回5〜10g、入った日のみ | 1,000〜2,500円(500g 3,000〜5,000円) | 海上がりに胃が重い人、2ラウンド入る人 | ★★★☆☆ |
| ビタミンD | 免疫・骨 | 1,000〜2,000IU(25〜50µg)、上限100µg | 500〜1,200円 | 魚を毎日食べない人、11〜3月に風邪が増える人 | ★★★★☆ |
| オメガ3 | 関節・炎症ケア | EPA+DHAで約1g | 1,000〜2,500円 | 肩・腰・膝に違和感がある人、青魚が週3回未満の人 | ★★★★☆ |
| マグネシウム | けいれん予防・睡眠 | 100〜300mg(食事以外の上限350mg) | 800〜1,500円 | 足がつる人、寝つきが悪い人 | ★★★☆☆ |
全部を揃える必要はありません。最初の1か月はプロテインとビタミンDの2つだけで十分です。これで海上がりの消耗と風邪の頻度が変われば、関節の悩みがあればオメガ3、脚のつりがあればマグネシウムを足していく。この順番なら、月3,000円前後で始められます。
買う場所は、国内の大手通販で十分です。プロテインは1kg袋、ビタミンDとオメガ3は60〜90日分のボトルが割安になります。ただしオメガ3は酸化しやすいので、安いからといって半年分をまとめ買いしないでください。初めての製品は最小容量で味と体の相性を確かめ、合えば大容量に切り替えるのが失敗しない買い方です。
海に入る日のタイミング設計|前日・直前・上がった直後

筋トレ向けの記事では「トレーニング後30分以内」とよく書かれています。しかしサーファーのスケジュールは違います。朝5時に家を出て、6時半に入水、8時半に上がり、9時半に着替えと片づけが終わる。ジムのロッカールームとは条件が違います。ここでは朝イチの冬セッションを例に、現実的なタイムラインを組みました。
| タイミング | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 前日の夜 | 夕食でたんぱく質30g+炭水化物をしっかり。オメガ3・ビタミンD・マグネシウムはここで | 就寝中に回復が進む。油に溶けるビタミンD・オメガ3は食事と一緒だと吸収がよい |
| 出発前(入水の1.5〜2時間前) | おにぎりやバナナなど消化のよい炭水化物+水300〜500ml | 冬は体温維持にエネルギーを使う。空腹で入ると震えが早く来る |
| 入水30分前 | 車内で水かスポーツドリンクをコップ1杯。長時間入るならEAA5g | 冷水での利尿に備えて先に入れておく。胃に重いものは置かない |
| 上がった直後(0〜15分) | 温かい飲み物+EAAまたはプロテイン20g。まず体を温めるのが先 | 冷え切った体にドロッとした飲み物は受け付けにくい。先に温める |
| 着替え後〜1時間 | プロテインを飲んでいなければここで。帰路のコンビニでおにぎり+ゆで卵もOK | 回復のための補給は「2時間以内」で十分間に合う。30分に縛られなくてよい |
| 帰宅後の昼食 | たんぱく質25〜30g+炭水化物+野菜。普通の定食でOK | 1日のたんぱく質総量を満たす本番はここ |
| その夜 | 夕食で再びたんぱく質。マグネシウムは就寝30分前 | 夜間の回復と睡眠の質を上げる。翌日に残さない |
「上がって30分以内」にこだわりすぎない
かつて重視された「ゴールデンタイム」は、近年の研究では「運動の前後数時間の総量が大事」という見方に変わっています。冬の海上がりは、まず体を温めて着替えることが安全面でも最優先。低体温症のサインと上がる基準で書いたとおりです。震えや眠気が出ているときは、補給を急ぐより車の暖房と温かい飲み物が先です。プロテインは着替えが終わってからで間に合います。
車に常備しておくと続くもの
続けるコツは、家で準備しないことです。車に水2L、プロテインを小分けにした袋を3つ、EAAのスティック、シェイカーを置いておく。さらに保温ボトルにお湯を入れて持っていけば、海上がりに温かいプロテインもつくれます。粉を先にシェイカーに入れておき、上がったら水を注ぐだけにしておくと、かじかんだ手でも扱えます。海上がり15分を暖める車の装備と組み合わせると、冬の片づけが一気に楽になります。
プロテインの種類と選び方|ホエイ・ソイ・ブレンド

プロテインは種類が多く、ここで迷って買わずに終わる人がいます。サーファー目線で比較すると、答えはシンプルです。
| 種類 | 原料 | 吸収速度 | 向いている場面 | 注意点 | 1kgの価格目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| ホエイ(WPC) | 牛乳 | 速い(1〜2時間) | 海上がり、トレーニング後 | 乳糖でお腹がゆるくなる人がいる | 3,000〜5,000円 |
| ホエイ(WPI) | 牛乳(乳糖・脂肪を除去) | 速い | 乳糖が苦手な人、脂質を抑えたい人 | WPCより高い | 4,500〜7,000円 |
| カゼイン | 牛乳 | 遅い(6〜7時間) | 就寝前 | 海上がりには向かない | 4,000〜6,000円 |
| ソイ | 大豆 | 中程度 | 乳製品が苦手な人、朝食の置き換え | 溶けにくい製品がある | 3,000〜5,000円 |
| ブレンド/植物性ミックス | えんどう豆・玄米など | 中程度 | ヴィーガン、牛乳アレルギー | 1食あたりの価格が高め | 4,000〜7,000円 |
最初の1袋はホエイ(WPC)でいい
吸収が速く、1食あたりのたんぱく質量が多く、価格も手頃。海上がりの補給に求められる条件を、ホエイはすべて満たしています。牛乳でお腹がゆるくなる人はWPIにすると解決することが多いです。カゼインは就寝前向けの素材なので、まずは不要と考えて問題ありません。
成分表で見る3つの数字
1食あたりのたんぱく質量が20g以上あるか。たんぱく質含有率(たんぱく質量÷1食の量)が70%以上か。糖質が1食10g以下か。この3つを満たしていれば、味とブランドは好みで選んでかまいません。「筋肉に効く特別な成分」をうたう高額製品は、サーフィンの回復目的なら不要です。
冬だけは「溶かす温度」も気にする
ホエイは60℃を超えると固まりやすく、熱いお湯に直接溶かすとダマになります。温かく飲みたいときは、ぬるま湯(40〜50℃)で溶くか、冷水で溶いてから少量のお湯を足すとうまくいきます。ココア味をぬるめのお湯で割ると、冬の駐車場で飲むには最高です。
サプリに頼る前に直すべき食事と睡眠

ここまでサプリの話をしておいて何ですが、正直に書きます。冬の消耗が抜けない原因の多くは、サプリで足りないものより、食事と睡眠で漏れているもののほうが大きいです。ここを直さずにサプリだけ増やしても、ザルに水を注ぐようなものです。
朝食抜きで入っていないか
冬の朝イチは、寒くて食欲が湧かず、何も食べずに海に向かいがちです。しかし空腹で冷水に入ると、体温をつくる燃料がなく、震えが早く来ます。おにぎり1個とバナナ1本でいいので、出発前に入れてください。それだけで「上がった後の異常な眠気」が軽くなる人がたくさんいます。
海上がりの食事が「糖質だけ」になっていないか
帰りのコンビニで菓子パンとカフェオレ。これは糖質と脂質で、たんぱく質はほぼありません。同じコンビニでも、おにぎり+サラダチキン+ゆで卵にすれば、たんぱく質が30g近く取れます。サプリを買う前に、まずこの選び方を変えるほうが安く、効きます。
1日のたんぱく質を3回に分けているか
夜にまとめて100g食べるより、朝25g・昼30g・夜30gと分けたほうが、体は使いやすいとされています。朝は卵2個か納豆、昼は魚か肉の定食、夜も主菜をひとつ。この型ができていれば、プロテインは「海に入った日の1杯」だけで十分です。
睡眠7時間を切っていないか
回復の主役は睡眠です。どれだけ栄養を入れても、6時間を切る日が続けば筋肉も免疫も戻りません。朝4時起きで入る日は、前夜21時台に寝る設計が要ります。帰りの車で眠い、週明けに風邪を引く、という人は、まずここです。サーフィン後の疲労回復術で、睡眠とコンディショニングの全体像をまとめているので、合わせて読んでみてください。
体を温め直す時間を取っているか
冬の消耗は、海から上がった後にどれだけ早く体温を戻せるかで決まります。着替えに20分かかり、冷えた車で震えながら帰る。これでは栄養以前に、体がずっと「守り」のモードから抜けません。冬サーフィンの寒さ対策20選で装備側の対策をまとめています。サプリより先にポンチョと保温ボトルを買うのが正解だったりします。
入る頻度・年代別おすすめの組み合わせ
最後に、どの組み合わせから始めればいいかを、入る頻度と年代で分けました。すべて「食事と睡眠が最低限できている」前提です。
週1回・土日だけ入る人:プロテイン+ビタミンD
頻度が低い人ほど、1回の消耗が大きく、翌日に残ります。海上がりのプロテイン1杯と、11〜3月だけのビタミンD。月2,000〜3,000円で、冬の「月曜がきつい」がかなり変わります。EAAやマグネシウムは、まだ要りません。
週3回以上入る人:プロテイン+EAA+オメガ3
連日入る人は、肩と腰の蓄積疲労が最大の敵です。回復が間に合わないまま次のセッションに入ることになります。EAAをラウンド間のつなぎに使い、オメガ3で関節のケアを足しましょう。朝晩2ラウンドの日は、昼食のたんぱく質を多めにしてください。冬を乗り切る続け方は冬もサーフィンを続ける人の型でも整理しています。
40代以上:オメガ3+ビタミンD+マグネシウムを土台に
40代を過ぎると、筋肉の回復に時間がかかり、関節の違和感が出やすく、睡眠も浅くなります。この3つにそれぞれ対応するのが、オメガ3・ビタミンD・マグネシウムです。プロテインは食事で足りていれば入った日だけで十分。むしろ関節と睡眠を守るほうが、長く続けられます。50代からの体づくりと練習設計と肩と股関節をひらく冬のヨガを組み合わせると、サプリの効きも変わってきます。
女性サーファー:鉄分の不足にも注意
5種には入れていませんが、女性は鉄が不足しやすく、冬の冷えや疲れやすさの原因になっていることがあります。「貧血気味」と言われたことがある人は、サプリで自己判断する前に血液検査を受けて、必要なら医師の指示で補ってください。鉄は過剰も害になるので、やみくもに飲まないのが大切です。
避けたほうがいいもの
「飲むだけで痩せる」「脂肪を燃やす」系のサプリは、サーフィンの回復には無関係です。心拍が上がる成分を含むものもあります。寒い海で心臓に負担をかけるのは危険なので、冬は特に避けてください。カフェインも、出発前のコーヒー1杯程度なら問題ありませんが、エナジードリンクを何本も飲んで入るのはやめましょう。
よくある質問(FAQ)
サーフィンだけでプロテインは必要ですか?筋トレをしていなくても飲む意味はありますか?
食事で毎食20g前後のたんぱく質が取れていれば必須ではありません。ただし冬のサーフィンは、体温維持と厚いウェットのパドルで消耗が大きくなります。朝食抜き・海上がりは菓子パンという日は確実に不足します。筋肉を増やす目的でなく、「壊れた分を戻す材料」と考えてください。海に入った日に1杯(20〜30g)足すだけで、翌日の肩や背中の重さが変わる人が多いです。まずは入った日だけ飲む形で試してみてください。
プロテインを飲むと太りませんか?
プロテイン1杯は約100〜120kcalで、牛乳コップ1杯と大きく変わりません。太るかどうかは1日の総カロリー次第で、プロテインそのものが脂肪になりやすいわけではありません。むしろ海上がりに菓子パンやスイーツで空腹を埋めるほうが問題です。プロテインとおにぎりに置き換えたほうが、総カロリーは下がることがほとんどです。糖質の多い製品は避け、1食の糖質が10g以下のものを選べば心配いりません。
EAAとBCAAはどちらを買えばいいですか?
今から買うならEAAです。BCAAは必須アミノ酸9種のうち3種だけを取り出したもので、EAAはその3種を含む9種すべてが入っています。筋肉の修復には9種がそろっている必要があるため、EAAのほうが役割が広いです。サーファーの使い方は2つです。海上がり直後に胃が重くてプロテインが飲めないときの「つなぎ」と、2ラウンド入る日のラウンド間の補給。1回5〜10gを水に溶かして飲むのが基本です。
ビタミンDは夏も飲んだほうがいいですか?
夏に週1回以上海に入り、肌を出して日光を浴びているサーファーは、体内で十分つくられるので基本的に不要です。必要なのは11〜3月。日照が短く、フルスーツやキャップで肌の露出がほぼなくなるため、サーファーでも不足しやすくなります。サプリは1,000〜2,000IU(25〜50µg)の範囲で、油を含む食事と一緒に摂ると吸収がよくなります。耐容上限の100µg(4,000IU)は超えないようにしてください。
海に入る日の朝は何を食べればいいですか?
入水の1.5〜2時間前に、消化のよい炭水化物を中心に食べるのが基本です。おにぎり1〜2個とバナナ、または食パンにはちみつといった組み合わせで十分です。冬は体温維持にエネルギーを使うので、空腹で入ると震えが早く来て、上がった後の眠気も強くなります。脂っこいものや食物繊維の多いものは消化に時間がかかり、海で胃が重くなるので避けてください。水も300〜500mlを出発前に飲んでおきましょう。
サプリを複数一緒に飲んでも大丈夫ですか?薬との飲み合わせは?
この記事の5種は、目安量の範囲内なら一般的に併用されているものです。ビタミンDとオメガ3は食事と一緒に、マグネシウムは就寝前に分けると吸収と体感がよくなります。ただし血液をサラサラにする薬を飲んでいる人はオメガ3、腎臓の病気がある人はマグネシウムとプロテインに注意が必要です。持病や服薬がある場合は、始める前に必ず医師か薬剤師に相談してください。サプリは食品であり、病気を治すものではありません。
まとめ
冬のサーフィンで消耗するのは、熱量・筋肉・水分・免疫の4つでした。サプリは、このうち食事と睡眠で埋めきれない部分を補う「足し算」です。要点を整理します。
- 冬の海は体温維持の分だけ消耗が増える。夏と同じ食事と休み方では回復が追いつかない
- 最初の1か月はプロテイン(海に入った日に1杯)とビタミンD(11〜3月)の2つで十分
- 関節に違和感があればオメガ3、足がつる・寝つけないならマグネシウムを足す
- EAAは海上がり直後の「つなぎ」と2ラウンドの日のラウンド間に。毎日は不要
- 「上がって30分以内」に縛られない。まず体を温め、着替えてから2時間以内に補給すれば間に合う
- サプリより先に、朝食抜き・海上がりの糖質だけ・睡眠6時間未満を直す
サプリを選ぶ時間より、朝のおにぎりと海上がりのプロテイン1杯を続けるほうが、冬の体は確実に変わります。来週の土曜、出発前にコンビニでおにぎりを1個余分に買って、海上がりに温かいプロテインを1杯。そこから始めてみてください。
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