2026年夏のサーフィン波予想|エルニーニョと台風スウェル

台風スウェルが生む長い周期のパワフルな波(イメージ)

「今年の夏は、波に恵まれるのかな?」ーー6月の海から上がって、空を見上げながらそんなことを考えたサーファーは少なくないはずです。梅雨が明ければ、いよいよ本格的な夏。そして夏のサーフィンといえば、やっぱり気になるのが台風がもたらすうねり、いわゆる「台風スウェル」ですよね。

2026年は、気象庁が「エルニーニョ現象が発生しているとみられる」と発表した、ちょっと特別な夏です。エルニーニョと聞くと「波が当たる年なの?」「それとも冷夏でハズレ?」と、期待と不安が入り混じりますよね。この記事では、気象庁の最新の監視速報と日本気象協会の台風見通しという“一次情報”をベースに、2026年夏から秋にかけての波の傾向を、現場のサーファー目線でかみ砕いて解説します。

読み終えるころには、「今年の夏、いつ・どんな波を狙えばいいのか」「どこに注意すれば安全に楽しめるのか」が、きっとクリアになっているはずです。難しい気象用語は使いません。波チェックの前に、コーヒー片手にサラッと読んでみてください。

目次

この夏の波、結論から言うと「当たり外れの振れ幅が大きい年」

先に結論をお伝えします。2026年の夏から秋は、「コンスタントに良い波が続く」というより、「ハマれば最高、外せば静か」という振れ幅の大きいシーズンになりそうです。理由はシンプルで、エルニーニョ現象の影響で台風の数そのものは爆発的には増えない一方、ひとつひとつの台風が長く生き残り、発達しやすくなると見られているからです。

日本気象協会の見通しでは、日本列島への台風の接近数は8月を中心に「平年並みか多い」予想。9月以降は接近数こそ平年並みですが、発達した台風が近づくおそれがあるとされています。つまり、数を追うより「ひとつの台風をどう当てるか」が今年のテーマ。タイミングを読めるサーファーほど、おいしい思いをできる夏だと言えます。

まずはエルニーニョの正体から押さえ、そのうえで「いつ・どんなうねりが来やすいのか」「どう波を当て、どう安全を守るのか」へと話を進めていきましょう。

エルニーニョ現象とは?2026年の最新状況を整理

エルニーニョで変わる海面水温と気象パターンのイメージ
海面水温のわずかな変化が、地球規模で波のコンディションを左右する

エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の東部(南米ペルー沖あたり)の海面水温が、平年より高くなった状態が続く現象のことです。海と大気のバランスが崩れることで起こり、発生はおよそ2〜7年に一度。一度始まると、9か月から1年ほど続くことが多いとされています。

気象庁の監視速報が伝える「2026年の今」

気象庁が2026年6月10日に発表したエルニーニョ監視速報(No.405)によると、2026年春からエルニーニョ現象が発生しているとみられ、少なくとも秋にかけて継続する見込み(確率100%)とされています。5月のエルニーニョ監視海域の海面水温は、基準値からの差が「+1.2℃」。判断に使う5か月移動平均値も、3月の+0.4℃から上昇傾向が続いています。

ちなみに気象庁の定義では、この5か月移動平均値が「6か月以上続けて+0.5℃以上」となった場合をエルニーニョ現象と呼びます。逆に−0.5℃以下が続けばラニーニャ現象。2026年は、ちょうどその基準を超えてエルニーニョ側に振れた年、というわけですね。

「スーパーエルニーニョ」と呼ぶのはまだ早い

春先には「スーパーエルニーニョ到来か」という声もありました。ただ、現時点(2026年6月)の海面水温の差は+1.2℃で、これは“発達中の中規模クラス”という水準です。一般に「スーパーエルニーニョ」と呼ばれるのは+2.0℃を大きく超えるような桁違いの年(1997〜98年や2015〜16年が代表例)。今年はその域にはまだ達していません。期待しすぎず、でもしっかり備える。そのスタンスがちょうど良い温度感です。

エルニーニョが台風とうねりに与える影響

では、海水温のわずかな変化が、なぜ私たちの足元の波に関係してくるのでしょうか。ポイントは「台風の生まれる場所」と「台風の寿命」の2つです。

台風が遠くで生まれ、長生きする

エルニーニョの年は、台風の発生位置が平年より南東側、つまり日付変更線に近い“遠い海域”に偏りやすくなります。遠くで生まれた台風は、日本へ近づくまでに海上を長く進むことになり、その間にたっぷりエネルギーをため込んで「十分に発達した状態」で接近しやすくなります。

実際、エルニーニョ発生時の台風の平均寿命は約7.4日と、平年の約5.3日を大きく上回るというデータもあります。長く生きる台風は、それだけ長い時間うねりを送り続けてくれる存在。遠くの台風からじっくり届く長周期のうねりは、サーファーにとって「ごちそう」になり得ます。

うねりは届くが、進路次第で“空振り”も

一方で、台風が遠い海域を進むということは、進路がほんの少しズレるだけで「うねりが届くか・届かないか」が大きく変わるということでもあります。エルニーニョの年が「当たり外れの振れ幅が大きいシーズン」と言われるのはこのため。同じ夏でも、コンスタントに波がある年とは性格が違うのだと、最初に頭に入れておきましょう。だからこそ、次に紹介する「うねりの読み方」が効いてくるんです。

2026年夏〜秋の台風スウェル傾向の見方

台風うねりの掘れた波を攻めるサーファー
遠くの台風から届く長い周期のうねりは、夏のごちそう

日本気象協会が2026年5月27日に発表した「防災レポート Vol.1」をもとに、今年の台風シーズンを月ごとに見ていきましょう。サーフィン計画を立てるうえで、ここはしっかり押さえておきたいところです。

月別の傾向:8月が今年の山場

台風の発生数は、6〜7月が平年並みか多め、8〜9月はおおむね平年並み、10月は平年並みか少ない見込みです。注目は日本列島への接近数で、8月を中心に平年並みか多くなる予想。これは、8月に太平洋高気圧の本州付近への張り出しが弱まる時期があり、台風が日本へ北上しやすくなるためと説明されています。波の観点で言えば、8月は台風がぐっと近づきやすく、うねりの当たる確率が高まる“山場”になりそうです。

9月以降は接近数こそ平年並みですが、前述のとおり発達した台風が近づくおそれあり。接近する台風の「数」が多くなくても、ひとつの台風による影響(うねり・風・雨)が大きくなりやすいのが今年の特徴です。秋の大きなうねりに胸が高鳴る反面、安全管理の重要度も一段上がる、と覚えておきましょう。

時期発生数日本への接近サーファー的ポイント
6〜7月平年並み〜多いシーズン序盤。遠地からのうねりに期待
8月概ね平年並み平年並み〜多い(山場)最も波が当たりやすい時期
9月概ね平年並み平年並み(発達台風に注意)大うねりと安全管理の両にらみ
10月平年並み〜少ない平年並み少数でも発達した台風に警戒
日本気象協会「防災レポート Vol.1」をもとにした2026年の台風傾向

参考になる「類似年」は2023年

日本気象協会は、2026年と気象条件が似た年として2023年を挙げています。2023年もラニーニャが終息したあと春からエルニーニョが発生し、さらにインド洋の海面水温が西高東低になる「正のインド洋ダイポールモード現象」が重なりました。この年は発生数こそ平年並み〜少なめでしたが、8〜9月に台風6号・7号・13号が日本付近に影響し、各地で大雨をもたらしました。2026年も同様の組み合わせになる可能性があり、「少数精鋭の発達台風」に注意、というのが専門家の見立てです。

台風スウェルが“良い波”に育つ仕組み

そもそも台風スウェルは、フィリピンの東海上あたりで生まれた台風が北上する過程で、南東〜南向きのうねりとなって日本の沿岸へ届きます。台風の暴風圏の中ではぐちゃぐちゃに荒れた波も、圏外へ抜けて海上を長く進むうちに整理され、波長の合ったうねり同士が重なって、長い周期のきれいなラインへと成長していくんです。海から上がったあと、沖に並ぶ整ったうねりを眺めるあの瞬間、たまりませんよね。

良いうねりを当てるためのチェック方法

海に入る前に波とうねりをチェックする様子
「周期」と「向き」を見るクセをつけると、波当ての精度が上がる

振れ幅の大きい今年だからこそ、波予報を読む力がそのまま「良い波に乗れる回数」に直結します。難しく考える必要はありません。チェックすべきは大きく3つだけです。

①周期(ピリオド)を最優先で見る

波予報で波の高さ(サイズ)だけを見ていませんか?実は、台風スウェルでいちばん大事なのは「周期」です。周期とは、波と波の間隔を秒で表したもの。同じ1mの波でも、周期6秒と10秒ではまったくの別物で、周期は波の“厚み”と“速さ”に直結します。通常の台風で見る周期は長くても12秒ほどですが、はるか沖の台風から届く「グランドスウェル」では15〜16秒に達することもあります。周期が長いうねりほど、面が広くパワーのある“乗り応えのある波”になりやすい、と覚えておきましょう。

周期の目安波の状態サーフィンでの目安
6〜8秒風波寄り・厚みが少ないサイズのわりに力がなく崩れやすい
9〜11秒程よく整ったうねり乗りやすく扱いやすい。グッドコンディションの定番
12〜14秒パワーのあるうねり面が広くパワフル。中・上級者向き
15秒以上グランドスウェル桁違いのパワー。安全管理が必須
周期(秒数)別に見た波質の目安。サイズが同じでも周期で別物になる

②うねりの「向き」と地形の相性を見る

次に見るのが、うねりがどの方角から入ってくるか。台風スウェルは南東〜南うねりが基本ですが、同じうねりでもポイントの向き次第で「最高に決まる」ことも「ほとんど反応しない」こともあります。自分のホームがどの向きのうねりに強いのかを知っておくと、空振りが激減します。天気図から波を読む基礎は良い波をあてる!波予測の方法と天気図の見方で、ツールを使った実践的な見方はWindyの使い方完全ガイドで詳しく解説しています。

③潮(タイド)を合わせて“ベストな時間帯”を絞る

うねりが届いていても、潮が合わなければ波は割れにくかったり、逆にダンパーになったりします。サイズ・周期・向きにタイドを掛け合わせて、入る時間帯を絞り込むのが上級者のやり方。潮の基本はサーフィンの潮の満ち引き入門で押さえておくと、台風スウェルの読みがぐっと立体的になりますよ。

安全に楽しむための台風時の注意点

台風接近時の荒れた海。安全管理が最優先
最高の波と危険は紙一重。引く勇気もサーファーの実力のうち

台風スウェルは最高の波をくれる一方で、毎年のように事故が起きているのも事実です。良い波への高揚感と、命を守る冷静さ。この両方を持てるかどうかが、長くサーフィンを楽しめるかの分かれ道になります。

長周期=強いカレント。中級以下は「待つ」判断を

周期が長いうねりは、見た目のサイズ以上にパワーがあり、押し寄せる水の量も段違いです。その分、沖へ流す離岸流(カレント)も非常に速くなります。「思ったより流される」「沖に出られない・戻れない」というのが台風時の典型的な事故パターン。うねりが強い日は、中級者以下は無理をせず、ピークを外したり、いっそ入水を見送ったりする判断が大切です。引く勇気も立派なスキルですよ。カレントの見極め方は離岸流の見分け方|サーファーの避け方と沖出し活用術で必ず確認しておきましょう。

もし流されてしまったら|慌てないことが命を守る

どれだけ注意していても、台風シーズンは「気づいたら沖に流されていた」が起こり得ます。そんな時の鉄則は、とにかくパニックにならないこと。離岸流に逆らって岸へまっすぐ戻ろうとすると、体力を消耗して危険です。流れに逆らわず、岸と平行に移動して流れから抜けるのが基本。そして何より、浮力のあるサーフボードを絶対に手放さないでください。板にしがみつき、片手を大きく上げて助けを呼ぶ。この落ち着いた初動が、命を守ります。いざという時の動き方はサーフィンで流された時の対処法|セルフレスキューで具体的に確認しておきましょう。

「台風が遠いうち」がベストタイミング

台風シーズンは7〜10月、とくに9〜10月は太平洋側を通過しやすくなります。狙い目は、台風がまだ遠くにあり、整ったうねりだけが届いている“前半戦”。台風が接近して風が回り始めると、波はぐちゃぐちゃに崩れ、危険度だけが跳ね上がります。接近後や通過直後の海は、見た目以上に危険。最新の台風進路と海上の風をこまめにチェックし、「遠いうちにいただく」を合言葉にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. エルニーニョの年はサーフィンの「当たり年」ですか?

A. 一概に当たり年とは言えません。エルニーニョの年は台風が遠くで生まれて長く発達しやすく、長周期のうねりが届きやすい傾向があります。一方で進路がそれると一気に静かになるため、「ハマれば最高、外せば凪」という振れ幅の大きいシーズンになりがちです。2026年もこの傾向が予想されており、数より「ひとつの台風をどう当てるか」がカギになります。

Q. 2026年の台風はいつ頃が多いですか?

A. 日本気象協会の見通しでは、日本への接近数は8月を中心に平年並みか多くなる予想です。発生数は6〜7月が平年並みか多め、10月は平年並みか少なめ。9月以降は数こそ平年並みですが、発達した台風が近づくおそれがあるとされています。波を狙うなら8月、ビッグなうねりと安全管理の両にらみなら9月以降、というイメージで計画を立てると良いでしょう。

Q. 台風スウェルの「周期」は何秒からが良い波ですか?

A. 明確な基準はありませんが、目安として周期10秒を超えるとパワーのある乗り応えのある波になりやすいです。通常の台風で12秒前後、はるか沖から届くグランドスウェルでは15〜16秒に達することも。逆に6〜8秒台は風波寄りで、サイズのわりに力がなく崩れやすい傾向があります。サイズだけでなく周期をセットで見るのが、波当ての精度を上げる近道です。

Q. エルニーニョの夏は海水温が下がって寒いって本当?

A. 統計的には、エルニーニョの夏は西日本で平均気温が低め、東・北日本で平年並みか低めの傾向があるとされています。ただし近年は地球温暖化の影響が大きく、気象庁は2026年の夏について「日本付近は高温になる可能性が高い」と予報しています。海水温も例年並みかそれ以上の場所が多そうで、真夏に極端に寒くなる心配は小さいでしょう。朝晩や曇天時に備えて薄手のラッシュやタッパーがあると安心です。

Q. 初心者は台風の波に入っても大丈夫ですか?

A. 台風が接近している時、うねりが大きい時の入水は、初心者にはおすすめできません。長周期うねりは見た目以上にパワーが強く、カレントも速いため、流される事故が多発します。初心者の方は、台風がまだ遠く、サイズが上がりすぎていないタイミングの「軽いうねり」を、経験者やスクールと一緒に楽しむのが安全です。少しでも怖いと感じたら、その日は入らない判断を優先してください。

Q. 台風の波予報はどのツールで見れば良いですか?

A. 国内の波情報サイトに加え、風と波を地図で直感的に見られる「Windy」を併用するのがおすすめです。波の高さ・周期・うねりの向き・海上の風をまとめて確認でき、台風の動きと合わせて先読みしやすくなります。使い方はWavesのWindyの使い方完全ガイドで詳しく解説しているので、波予報を“読める”サーファーを目指す方はぜひチェックしてみてください。

まとめ:2026年の夏は「読んで・当てて・引く」サーファーが勝つ

最後に、この記事のポイントを整理しておきましょう。

  1. 2026年春からエルニーニョ現象が発生中。秋まで継続見込みで、海面水温の差は+1.2℃の中規模クラス(“スーパー”ではない)。
  2. 台風は遠くで生まれて長く発達しやすく、長周期うねりが届きやすい反面、進路次第で当たり外れが大きい年。
  3. 日本への接近は8月が山場。9月以降は数より「発達した台風1つ」の影響に注意。
  4. 波当ての鍵は「周期・向き・潮」。サイズより周期を最優先で見る。
  5. 長周期うねりはカレントが速い。中級以下は無理せず、引く勇気を持つ。

振れ幅の大きい夏は、波予報を読める人ほど得をします。今年はぜひ「周期」を見るクセをつけて、遠くの台風からのごちそううねりを狙ってみてください。夏のサーフトリップを計画している方は【2026年夏】国内サーフトリップおすすめ|エリアの選び方を、観戦も楽しみたい方は2026年夏のサーフィン大会まとめもあわせてどうぞ。

最高の一本は、油断した瞬間ではなく、しっかり読んで準備した人のもとにやってきます。安全第一で、2026年の夏を思いっきり楽しみましょう。海でお会いしましょう!

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この記事を書いた人

サーフィンにハマって海の近くに移住しちゃった女の子。効率良く楽しくサーフィンするために情報集めるサーフィンマニア。

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