犬とサーフィンに行く前に|ビーチのルールと冬の装備・ケア

砂浜でサーフボードのそばに座るハーネス姿の犬|犬とサーフィンに行く準備

朝の駐車場でウェットに着替えていると、後部座席からじっとこちらを見ている目があります。「連れてきたのはいいけど、本当に大丈夫だったかな」。犬と一緒にサーフィンに行く人なら、一度は感じたことがあるはずです。

海は人にも犬にも気持ちいい場所ですよね。ただ、犬にとっては砂も海水も冬の風も、人間よりずっと大きな負担になります。しかも、犬を連れて入れる浜と入れない浜は自治体ごとに違います。サーフポイントの駐車場には、看板に書いていない暗黙のルールもあるんです。

この記事では、犬を連れて行けるビーチの調べ方と、車で待たせるときの温度と時間の基準をまとめました。さらに、冬に入水させるかどうかの線引き、帰る前の砂・塩・耳のケア、周囲のサーファーへの配慮まで一本で扱います。犬用のライフジャケットやポンチョの選び方も扱います。読み終える頃には、「今日は連れて行く日か、留守番の日か」を自分で判断できるようになりますよ。

目次

目次

  1. 犬を連れて行けるビーチと行けないビーチの調べ方
  2. 車で待たせるときの温度と時間の基準
  3. 冬は犬も冷える|入水させる場合の線引き
  4. 犬用の装備|ライフジャケット・ポンチョ・リード
  5. 帰る前にやる砂・塩・耳のケア
  6. 周囲のサーファーと海水浴客への配慮
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめ

犬を連れて行けるビーチと行けないビーチの調べ方

リードをつけて砂浜を歩く犬|ビーチのルール確認
「海岸」は原則自由、「海水浴場」は期間と時間帯でルールが変わる

まず押さえておきたいのは、「犬NGのビーチ」の多くは、実は年中NGではないということです。禁止されているのは海水浴場の開設期間中、しかも日中だけというケースが目立ちます。サーファーが入る早朝は制限の対象外になっていることも多いんです。ここを知らずに「あそこは犬ダメらしい」で終わらせてしまうのは、もったいないですよね。

「海岸」と「海水浴場」ではルールの根拠が違う

海岸は海岸法のもとで、原則として誰でも自由に使える場所です。だから犬の散歩そのものを一年中禁止している浜は、実はそれほど多くありません。逗子市が「海・浜のルール」を作ったときのパブリックコメントが、わかりやすい例です。市は「浜辺での犬の散歩禁止は、海岸法により基本的に自由に利用できるため難しい」と回答しています。

一方、夏に「海水浴場」として開設される区域は別です。開設期間中は自治体や海水浴場組合がルールを決め、犬の立ち入りを制限することができます。逗子海岸では、海水浴場の開設期間中、午前9時から午後5時までは海水浴場区域内への犬の立ち入りを控えるよう定めています。裏を返せば、開設期間外、区域外、そして午前9時前と午後5時以降は制限の対象外ということです。

ただし、「制限がない=何をしてもいい」ではありません。神奈川県や千葉県の動物愛護条例では、犬を屋外に出すときはリードでつなぐことが求められています。逗子のルールにも「散歩時はリードを付ける」「糞は持ち帰る」が明記されていて、これは県条例で既に決まっている内容です。「ノーリードOKの公共ビーチ」は条例上は原則存在しない、と考えておきましょう。

自治体サイトで確認する3ステップ

調べ方はシンプルです。①「市町村名+海岸名+犬」で検索して、市役所か観光協会のページを探します。②海水浴場のルールのページで、開設期間と時間帯の制限を読みます。③それでもわからなければ、海岸を管理している部署に電話します。多くは市の観光担当課か、県の土木事務所です。電話が一番確実で、年度ごとの変更にも対応できます。

注意したいのは、自治体のページに犬の記述がないケースです。鎌倉市の海水浴場に関する条例は、砂浜での飲酒、入れ墨の露出、音響機器、火気などを対象にしていて、犬についての条項はありません。だからといって自由というわけではなく、海の家や浜の掲示で個別にお願いが出ていることがあります。最終的な判断は、現地の看板を読んでからにしてください。

もうひとつ、ペットメディアが載せている「犬OKの海水浴場」リストは便利ですが、掲載時点の情報です。大磯や三浦海岸のように犬連れで知られる浜でも、年によって運営方針が変わります。「去年OKだったから今年もOK」とは限らない、と覚えておきましょう。

サーフポイントならではの暗黙のルール

サーフポイントには、条例とは別の事情があります。まず駐車場です。市営・県営の駐車場は、犬の持ち込みに制限がないことがほとんどです。ところが私営の駐車場では、「ペット不可」や「車内に残さないで」と掲示している場所があります。駐車場のルールは管理者が決めるので、海岸のルールより厳しいこともあるんです。

もうひとつは、ローカルサーファーの目です。編集部が千葉のあるポイントで見た例ですが、放したままの犬が他人のボードに乗ってしまい、トラブルになったことがありました。その後、駐車場に「犬連れの方はリード必須」の貼り紙が増えました。犬を連れたサーファーは、その場の評判を背負っていると思って行動したほうがいいですね。

車で待たせるときの温度と時間の基準

車の窓から外を見る犬|サーフィン中に車で待たせる基準
1ラウンド40〜60分の間、車内がどうなるかを先に知っておく

「ちょっと1本だけ乗ってくるから、車で待っててね」。これが一番事故につながりやすい判断です。サーフィンの1ラウンドは短くても40分、波が良ければ平気で90分になりますよね。その間、車内の温度は想像以上に動きます。季節ごとに数字で見ていきましょう。

夏は「待たせる」という選択肢がない

JAFが2025年9月に行ったテストでは、外気温34℃の日なたに駐車した車は、開始5分で車内が約30℃から約38℃に上がりました。10分後には運転席がほぼ40℃、60分後にはダッシュボードが69.0℃、運転席が51.4℃に達しています。日陰に停めた車でも、90分後には33℃でした。

犬は汗をかけず、呼吸でしか体温を下げられません。車内が40℃を超える環境では、10分で命に関わります。夏の日中は「窓を少し開ければ」「日陰なら」という条件つきの話ではなく、そもそも車に残さない。夏の海に犬を連れて行くなら、陸で一緒にいてくれる人を確保するか、留守番にしましょう。

冬でも晴れた日の車内は暖かくなりすぎる

冬は「寒さで冷えるのでは」と心配しがちですが、気をつけたいのは逆の現象です。外気温が10℃でも、風がなく晴れた日の車内は日なたで25℃を超えることがあります。黒い内装の車なら、さらに上がります。冬は人間が寒いので、車内温度の上昇に気づきにくいんです。

反対に、北風が強い曇りの日は、外気温5℃なら車内も10℃前後まで下がります。短毛の小型犬や高齢犬には、これも十分つらい温度です。つまり冬の車内は「上がりすぎ」と「下がりすぎ」の両方があり、天気で変わります。編集部では、次の表を目安にしています。

外気温の目安待たせられる上限条件
25℃以上(夏)連れてこない日陰・窓開けでも不可
18〜25℃(初夏・初秋)30分以内日陰必須・窓開け・できれば陸で待つ人を用意
10〜18℃(秋〜春)60分以内日陰+サンシェード+網タイプの窓バイザー
10℃未満(冬)60〜90分以内毛布+クレート。短毛・小型・高齢犬は45分まで

この表は編集部の目安で、犬種や体調で変わります。大事なのは、戻ったときに車内温度計を見て、次回の判断を更新することです。デジタルの車内温度計は1,000円前後で買えます。最高・最低温度を記録してくれるタイプなら、留守中に何℃まで上がったかがわかりますよ。

待たせるときの装備と通報対策

車内で待たせるなら、クレートは必須に近い装備です。犬が落ち着きますし、ドアを開けた瞬間の飛び出しも防げます。水は倒れにくいボウルに入れ、冬は毛布を一枚。サンシェードはフロントだけでなく、サイドにも貼ります。窓を数センチ開けるなら、網タイプのバイザーをつければ防犯性も上がります。

冬にUSBの電気毛布やポータブル電源のヒーターを使う人もいますが、低温やけどと電源切れのリスクがあります。使うなら低温設定で、犬が自分で離れられる配置にしてください。暖房まわりの電源の考え方は、サーフィンの車の暖房|海上がり15分を暖める4つの選び方でくわしく扱っています。

もうひとつ忘れがちなのが、通報対策です。車内の犬を見た人が「閉じ込められている」と心配して、警察や管理者に連絡するケースは珍しくありません。ダッシュボードに「犬が待っています。〇時〇分に戻ります。連絡先090-…」とメモを置いておくと、無用なトラブルを避けられます。冬の車まわりの注意点は、冬サーフィンの車トラブル|凍結・バッテリー・濡れ装備の対策もあわせて読んでみてください。

冬は犬も冷える|入水させる場合の線引き

冬の砂浜で防寒着を着た犬|犬の低体温対策
水温15℃を切る真冬は、足先だけで「入れない」判断を

「うちの犬は水が大好きで、冬でも入りたがるんです」。わかります。でも犬は、自分で「もう寒い」と判断して上がってくれません。楽しい気持ちが勝って、体温が下がってもボールを追い続けます。線引きをするのは飼い主の仕事です。

犬の正常体温と低体温症のサイン

健康な犬の体温は38.3〜39.2℃で、人間より1〜2℃高めです。36.9℃を下回ると低体温の状態とされ、32〜37℃前後が軽度、27.7〜32℃が中等度、それ以下は重度の低体温症と分類されます。人間の低体温症の基準は、サーフィンの低体温症|震え・眠気が出たら上がる基準で詳しく書いていますが、犬は体が小さいぶん、変化が速いです。

見逃してはいけないサインは4つです。止まらない震え、動きが鈍くなる、歯茎や耳の内側が白っぽくなる、呼吸がゆっくりになる、の4つです。震えは最初に出る防衛反応で、「震えが止まったのに元気がない」はむしろ危険な段階です。応急処置は、乾いたタオルで拭いて毛布に包み、タオルでくるんだ湯たんぽを体に当てること。熱すぎるものは禁物です。そのうえで獣医師に連絡しましょう。

犬種・体格・被毛で寒さへの強さは別物

同じ「犬」でも、水への強さはまったく違います。ラブラドールやゴールデン、柴犬のようなダブルコート(下毛のある二重被毛)の犬は、水を弾きやすく体温を保ちやすいです。一方、ダックスフンド、チワワ、イタリアン・グレーハウンドのようなシングルコートの短毛犬は、濡れると一気に冷えます。

フレンチ・ブルドッグやパグなどの短頭種は、泳ぎそのものが苦手で、呼吸と一緒に水を吸い込みやすい犬種です。コーギーやダックスのような短足種も、波の中では足がつかずに流されやすくなります。子犬とシニア犬は体温調節の力が弱いので、どの犬種でも基準を一段厳しくしてください。

水温別の入水目安を表で決めておく

湘南や千葉の水温は、12月で18℃前後、1〜2月は14〜16℃まで下がります。人間はセミドライを着ていますが、犬は毛皮だけです。編集部では、水温を軸に次のように線を引いています。

水温入水の目安補足
22℃以上(7〜10月)泳がせてOK15分ごとに陸で休憩。日差しと熱中症にも注意
18〜22℃(11月・6月)足から胸まで10分区切り。シングルコート犬は5分
15〜18℃(12月・5月)足先だけ全身は入れない。濡れたらすぐ拭く
15℃未満(1〜4月)入れない砂浜を歩くだけ。濡れた砂の上も長居しない

この表はダブルコートの中型〜大型犬を基準にしています。小型犬や短毛犬は一段階下のルールで考えてください。獣医師から個別の指示が出ている犬は、もちろんそちらが優先です。「今日は入れない」と決めた日でも、砂浜を一緒に歩くだけで犬は十分楽しんでくれますよ。

上がった後の15分が本番

人間のサーファーと同じで、犬も「海から上がった後」が一番冷えます。濡れた被毛に冬の北風が当たると、気化熱でどんどん体温を奪われるからです。上がったらまず吸水タオルで全身を拭き、犬用ポンチョかドライローブをかぶせ、できるだけ早く暖房の効いた車に入れます。

順番として大事なのは、自分の着替えより先に犬を拭くこと。自分が着替えている5分の間に、犬は風に当たり続けます。濡れたまま車に乗せるときは、シートカバーがあると後の掃除がぐっと楽になります。サーフィン用防水シートカバー|濡れたまま運転する対策は犬連れにもそのまま使える内容です。

犬用の装備|ライフジャケット・ポンチョ・リード

ライフジャケットを着て水辺に立つ犬|犬用装備の選び方
背中の持ち手がある犬用ライフジャケットは、波に巻かれたときの保険になる

犬連れサーフィンの装備は、人間の装備の「犬版」と考えるとわかりやすいです。ライフジャケットは安全装備、ポンチョは保温、リードはマナーと安全の両方を担います。順番に見ていきましょう。

ライフジャケットは「持ち手」と「浮力の位置」で選ぶ

泳げる犬でもライフジャケットは必要です。理由は離岸流と波、そして疲労です。犬は自分の限界がわからずに泳ぎ続け、気づいたときには流されています。海では「泳げる」と「波の中で安全」は別物なんです。

選ぶときのポイントは3つ。①背中にしっかりしたハンドルがあること。波に巻かれた犬を引き上げるとき、首輪をつかむより圧倒的に安全です。②浮力材が胸と腹側にもあること。背中だけのタイプは顔が沈みます。③サイズは体重ではなく胸囲で合わせること。価格帯は3,000〜8,000円ほどで、明るい色のほうが海で見つけやすいです。

浮力の考え方は、子供用のライフジャケットと共通しています。子供のライフジャケット|親子サーフィンの安全な選び方で書いた「体を支える浮力の位置」の話は、犬にもそのまま当てはまりますよ。

犬用ポンチョ・ドライローブと吸水タオル

人間がポンチョやドライローブで海上がりをしのぐのと同じで、犬にも専用のバスローブ型ポンチョがあります。マイクロファイバー素材で、濡れた被毛の水分を吸いながら風を防ぐものです。2,000〜5,000円ほどで、タオルより手が空くのが利点です。

タオルは2枚用意してください。1枚目で砂と海水を落とし、2枚目で仕上げに拭きます。1枚だけだと、砂を含んだタオルで犬を擦ることになり、皮膚を傷めます。人間用の着替えと一緒に管理する方法は、サーフィンの着替えおすすめ|ポンチョ・ドライローブ・バケツ比較が参考になります。

ロングリード・ハーネス・砂浜のアンカー

リードは通常の1.2〜1.5mに加えて、5〜10mのロングリードがあると、砂浜で走らせつつ条例の範囲内に収まります。首輪は波で抜けやすいので、海ではハーネスにつなぐのが基本です。砂に刺すアンカー杭も売られていますが、これは「犬を係留して自分だけ海に入る」ための道具ではありません。あくまで荷物番のときに短時間使うものです。

持ち物をまとめておきます。真水10L(中型犬で5〜8L使います)、折りたたみボウル、タオル2枚、犬用ポンチョ、ライフジャケット、リード2本、うんち袋、車内温度計、おやつ、鑑札と迷子札、クレートです。真水は人間のポリタンクと兼用できます。サーフィンのポリタンクとお湯|秋冬の海上がり完全ガイドで紹介している容量の考え方に、犬の分を足してください。

帰る前にやる砂・塩・耳のケア

水辺で体を振って水を飛ばす犬|砂と塩のケア
体を振っても塩と砂は残る。真水で流す順番を決めておく

帰りの車で「あとでお風呂に入れればいいか」と思いがちですが、塩と砂は帰宅までの1〜2時間で皮膚に食い込みます。特に冬は乾燥していて、肉球のひび割れや皮膚炎が起きやすいです。駐車場での5分のケアが、翌日の通院を防ぎます。

真水で流す順番は「足→腹→背中」

最初に足先と肉球の間を流します。ここが一番砂が残る場所で、放っておくと指の間が赤くなります。次に腹側。海水に浸かった部分で、塩が乾くとかゆみの原因になります。最後に背中と首まわり。この順番にすると、上から流した砂と塩が下に落ちて、二度手間になりません。

水の量は中型犬で5〜8L、大型犬なら10L近く使います。人間用のポリタンクと分ける必要はありませんが、お湯を使うなら温度に注意してください。犬の皮膚は人間より薄いので、人間が「ぬるい」と感じる35℃前後で十分です。

耳・目・肉球は帰ってからもう一度

垂れ耳の犬は、海水が耳に残ると外耳炎になりやすいです。帰ったら耳の内側を乾いたコットンで拭き、翌日に頭を振る回数が増えていないか見てください。目は海水で結膜が赤くなることがあるので、人間用ではなく犬用の洗浄液で流します。

肉球は塩と砂で乾燥し、冬はひび割れます。帰宅後に犬用の肉球クリームを塗る習慣をつけると、翌週も気持ちよく歩けますよ。車に砂を持ち込まない動線は、人間の装備と同じ考え方です。サーフィン後の車の砂対策|持ち込まない動線と守るグッズの内容を、犬の分だけ一段増やすイメージで準備しておきましょう。

海水を飲んでしまったときの観察ポイント

海水の塩分は平均で約3.5%です。犬がボール遊びで繰り返し海水を飲むと、嘔吐や下痢から脱水に進み、量が多ければ塩分中毒(高ナトリウム血症)を起こします。症状は嘔吐、下痢、元気消失、ふらつき、重いと痙攣です。

対策は、ボール遊びを短く区切ること、陸で真水をこまめに飲ませることの2つです。もし大量に飲んだと思ったら、その場で遊びを中止して真水を飲ませ、2〜3日は体調を観察してください。塩分中毒は数日後に悪化することがあると獣医師も注意喚起しています。嘔吐が繰り返される、ぐったりしている、という場合は迷わず受診しましょう。

周囲のサーファーと海水浴客への配慮

ウェットスーツのサーファーと並ぶ犬|周囲への配慮とマナー
犬を連れたサーファーは、ポイント全体の「犬連れ」の評判を背負っている

ここまで犬の安全の話をしてきましたが、犬連れサーフィンを続けられるかどうかを決めるのは、実は周囲との関係です。犬が原因で苦情が出れば、ポイントの駐車場に「ペット禁止」の貼り紙が増えます。自分だけでなく、他の犬連れサーファーも来られなくなるんです。

鳴き声・飛びつき・排泄の3点だけは徹底する

トラブルの原因はほぼこの3つに集約されます。早朝の駐車場で吠え続ける犬は、近隣住民にとって一番の迷惑です。着替え中のサーファーに飛びつけば、濡れたウェットに砂がつきますし、子供なら転びます。排泄物は必ず持ち帰り、尿も可能なら水で流します。これは「やって当然」のラインで、ここができていないと他の配慮が全部帳消しになります。

ひとりで入るなら連れてこない、が結論

正直に書きます。犬を砂浜に係留して、自分だけ海に入るのはおすすめしません。その間、犬は無防備です。通りがかりの人に吠える、子供に触られてパニックになる、満潮で波が足元まで来る。どれも実際に起きていることです。飼い主は海の上から見えていても、すぐには戻れません。

犬連れでサーフィンをするなら、陸で犬と一緒にいる人がいる2人体制が基本です。交代で入れば、どちらも乗れますし、犬は常に人のそばにいられます。ひとりで行く日は、犬は留守番。それが一番、犬にとっても周囲にとっても安全な選択です。ソロで入ることの多い人ほど、ここは割り切ってください。

地元に「いい犬連れサーファー」の記憶を残す

最後は、少し気持ちの話です。駐車場で会うローカルサーファーや、散歩中の近隣の方に挨拶をする。糞を拾っている姿を見てもらう。リードを短く持って、他人のボードに近づけない。こうした小さな積み重ねが、「犬連れでも大丈夫な人たち」という評判になります。

夏の海水浴シーズンは、海水浴客との距離感も必要になります。混雑する時期のサーファーとしての立ち回りは、海水浴シーズンのサーフィンマナー|トラブル回避術にまとめています。犬が加わると、その配慮がもう一段必要になる、と考えてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 犬は何歳から海に連れて行けますか?

目安は、混合ワクチンのプログラムが完了して獣医師から外出の許可が出た生後4か月前後からです。ただし、砂浜デビューは短時間にしてください。子犬は体温調節が未熟で、砂の熱さや冷たさの影響を受けやすいからです。最初は水に入れず、砂浜を10〜15分歩くだけにし、反応を見ながら少しずつ延ばします。シニア犬は心臓や関節の負担を考えて、獣医師に相談してから連れて行くのが安心です。

Q. 犬が海水を飲んでしまいました。すぐ病院に行くべきですか?

少量なら、その場で遊びを中止して真水を飲ませ、様子を見てください。繰り返し嘔吐する、下痢が続く、ぐったりして動かない、ふらつく、といった症状が出たら受診の目安です。海水の塩分は約3.5%で、大量に飲むと塩分中毒を起こします。注意したいのは、症状が数日後に出ることがある点です。当日元気でも、2〜3日は食欲と便の状態を観察してください。

Q. 泳げる犬にもライフジャケットは必要ですか?

必要です。プールや川と違い、海には離岸流と波があります。泳ぎが得意な犬ほど沖に向かって泳ぎ続け、疲れて戻れなくなるケースが多いんです。背中にハンドルのあるタイプなら、波に巻かれたときに引き上げられます。サイズは胸囲で合わせ、浮力材が胸と腹側にもあるものを選んでください。3,000〜8,000円ほどで買えます。

Q. 冬でも犬を海に入れて大丈夫ですか?

水温15℃を下回る1〜4月は、入れないのが基本です。湘南や千葉の冬の水温は14〜16℃まで下がり、犬は毛皮だけで入ることになります。18〜22℃の11月や6月なら足から胸までを10分区切りで、15〜18℃の12月や5月なら足先だけ、が編集部の目安です。短毛の小型犬や短頭種、子犬、シニア犬は一段階厳しく考えてください。入れない日でも、砂浜を歩くだけで犬は十分楽しめます。

Q. 犬を車で待たせるのは何分までなら大丈夫ですか?

外気温25℃以上の夏は、日陰でも窓を開けても連れてこないのが答えです。JAFのテストでは外気温34℃の日なたで10分後に車内が40℃近くに達しています。18〜25℃なら日陰で30分以内が目安です。10〜18℃なら日陰とサンシェードで60分以内、10℃未満の冬は毛布とクレートで60〜90分以内と考えてください。戻ったら車内温度計を確認し、次回の判断を更新してください。

Q. ノーリードで遊ばせられるビーチはありますか?

公共の海岸では、神奈川県や千葉県などの動物愛護条例でリードの装着が求められているため、原則としてありません。「ノーリードOK」をうたっているのは、私営のドッグビーチや、ドッグラン併設の施設に限られます。公共の浜で走らせたいときは、5〜10mのロングリードを使えば条例の範囲内で運動させられます。

Q. サーフィン中、犬を砂浜に係留して海に入ってもいいですか?

おすすめしません。係留中の犬は無防備で、通行人に吠える、子供に触られてパニックになる、満潮で波が足元まで来る、といったトラブルが実際に起きています。海の上からは見えていても、すぐには戻れません。犬連れでサーフィンをするなら、陸で犬といてくれる人がいる2人体制が基本です。ひとりで行く日は留守番にしましょう。

まとめ

犬とサーフィンに行く日は、楽しさの分だけ準備が増えます。最後に、この記事のポイントを整理しておきますね。

  1. 「海岸」は原則自由、「海水浴場」は開設期間と時間帯で制限される。最終判断は現地の看板と管理者への電話
  2. 条例上、公共の浜ではリードが基本。ノーリードは私営のドッグビーチだけ
  3. 夏は車で待たせない。冬は60〜90分を上限に、戻ったら車内温度計で検証する
  4. 水温15℃未満は入水させない。上がった後の15分は自分の着替えより先に犬を拭く
  5. ライフジャケットは背中のハンドルと胸側の浮力で選び、サイズは胸囲で合わせる
  6. 帰る前に足→腹→背中の順で真水を流し、耳・目・肉球は帰宅後にもう一度
  7. ひとりで入る日は連れてこない。2人体制が、犬にも周囲にも一番安全

犬にとって海は、飼い主と一緒にいられる最高の場所です。だからこそ、犬が自分で判断できない温度や時間の線引きは、こちらが決めてあげましょう。装備まわりで迷ったら、次の3本が犬連れの準備にそのまま役立ちます。

次の週末、天気と水温を見て「今日は連れて行く日」と決められたら、後部座席の相棒にも最高の一日になりますよ。

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この記事を書いた人

サーフィンにハマって海の近くに移住しちゃった女の子。効率良く楽しくサーフィンするために情報集めるサーフィンマニア。

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