サーフィンでテールが抜ける原因3つと直し方|診断フロー

ターンでスプレーを上げるサーファー|テールが抜ける原因と直し方

ボトムターンで踏み込んだ瞬間、テールがスッと横に流れて失速する。トップで当て込もうとしたら、ボードだけが先に回ってしまう。いわゆる「テールが抜ける」現象、中級者なら一度は経験があるはずです。そして多くの人が、こう考えます。「フィンが小さいから抜けるんだ。大きいフィンに替えれば直る」と。

結論から言うと、それは半分だけ正解なんです。テールが抜ける原因は、荷重・道具・波の3系統に分かれます。フィンを替えて直るのは、そのうち道具が原因だった場合だけ。荷重や波の位置が原因なら、フィンを大きくしても抜け続けます。むしろ動きが重くなって、別の問題を抱えることになります。

この記事では、テールが抜けるときにボードの下で何が起きているのかを、フィンの失速というメカニズムから解説します。そのうえで3つの原因を切り分ける診断フローを用意しました。抜け方のパターンから原因を特定し、自分に合った直し方にたどり着けるはずです。さらに、わざとテールを抜く「テールスライド」との違いにも触れます。抜けるのは、必ずしも悪いことではないからです。

目次

目次

  1. 「テールが抜ける」とは?ボードの下で起きていること
  2. 原因1|荷重が後ろすぎる・急すぎる
  3. 原因2|フィンのセッティングが合っていない
  4. 原因3|波のパワーゾーンを外している
  5. 直し方|3つの原因を切り分ける診断フロー
  6. わざと抜くテールスライドとの違い
  7. 中級者がやりがちな誤解と注意点
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ

「テールが抜ける」とは?ボードの下で起きていること

サーフボードのフィン|テールが抜ける仕組みとフィンの失速
テールが抜ける正体は、フィンが水をつかめなくなる「失速」。ボードの下で起きていることを知ると、原因の切り分けが一気に楽になる

まず言葉の定義をはっきりさせておきましょう。「テールが抜ける」とは、ターン中にフィンが水流をつかめなくなり、ボードの後ろ半分が横滑りする現象です。サーファーの意図に反して起きるもので、レールが波面から外れ、推進力が途切れます。英語では「フィンがブレイクする」「スライドアウト」と呼ばれます。要するに、ボードの舵が一時的に効かなくなっている状態なんです。

フィンは翼と同じ。角度がつきすぎると失速する

フィンは水中で飛行機の翼と同じ働きをしています。水流に対して少し角度がつくと、揚力が生まれてボードの向きを変えられる。この角度を「迎え角」と呼びます。ここで大事なのは、迎え角には限界があることです。翼が急角度になると空気の流れが剥がれて墜落するように、フィンも水流に対して角度がつきすぎると、水の流れが剥がれます。これがフィンの失速、つまりテールが抜ける瞬間です。

フィンの失速が起きる条件は、大きく3つあります。ひとつはフィンに対して急激に大きな力がかかったとき。もうひとつはフィンが水から浮き上がり、水中にある面積が減ったとき。そして、水流そのものが弱く、フィンが揚力を生めないときです。この3条件が、そのまま「荷重・道具・波」の3系統に対応しています。ここを押さえておくと、この先の話がスッと入ってきますよ。

抜け方には3つのパターンがある

実は、テールがどう抜けたかを観察するだけで、原因の見当はかなりつきます。海から上がったあとに思い出してみてください。抜けた瞬間、ボードはどんな動きをしていましたか。

抜け方のパターンボードの挙動疑うべき原因
踏んだ瞬間にガクッと抜けるテールが急に横へ弾かれ、体が置いていかれる荷重(急すぎる・後ろすぎる)
ターンの後半でズルズル流れる最初は曲がるが途中から横滑りが止まらないフィン(ホールド不足・緩み)
踏んでも手応えなくスカッと抜けるボードが軽く、反発が返ってこない波(パワーゾーンを外している)
抜け方のパターン別・最初に疑うべき原因の早見表

もちろん複数の原因が重なることもあります。ただ、最初にどこを疑うかが決まるだけで、練習の効率は大きく変わります。ここから先は、3つの原因をひとつずつ深掘りしていきましょう。

原因1|荷重が後ろすぎる・急すぎる

ターン中のサーファーの荷重と姿勢|テールが抜ける原因1
ターンで一番多い原因は荷重。後ろ足で「踏む」のではなく、レールを「入れてから乗せる」順番が鍵になる

3系統のうち、圧倒的に多いのがこの荷重の問題です。体感では中級者のテール抜けの7割はここだと思っています。しかも厄介なことに、上手くなろうとして意識的にやっている動きが原因になっているケースがほとんどなんです。

「後ろ足で踏め」の落とし穴

ターンの解説では必ず「後ろ足荷重」と言われますよね。これ自体は正しいのですが、順番と量を間違えると逆効果になります。よくあるのが、レールが水に入る前に後ろ足を思いきり踏み込んでしまうパターン。この状態でテールに全体重がかかると、フィンには一気に大きな迎え角がつきます。水流が剥がれ、ガクッと抜ける。先ほどの表でいう「踏んだ瞬間に弾かれる」タイプです。

正しい順番は、まずレールを入れて、フィンに水流をつかませてから荷重を増やしていくことです。イメージとしては、踏むというより「乗せていく」感覚に近いです。自転車でカーブを曲がるとき、いきなりハンドルを切らずに体を傾けてから曲がりますよね。あれと同じで、傾き(レール)が先、荷重は後なんです。

もうひとつ、荷重の「位置」も重要です。後ろ足がフィンよりも後ろ、テールの先端近くに乗っていると、ボードはテコの原理で極端に回りやすくなります。回転性は上がりますが、フィンが水から浮きやすくなり、ホールドを失います。目安として、後ろ足の土踏まずがサイドフィンの真上あたり。ここが最もフィンに力を伝えやすい位置です。デッキパッドのキックの手前に足がある状態、と言えば分かりやすいでしょうか。

上体が先に回ると、テールは必ず抜ける

荷重の問題と密接に絡むのが、上半身の使い方です。行きたい方向に肩を先に回してしまうと、下半身がその回転に引っ張られ、テールが横方向に押し出されます。このときフィンは進行方向に対して大きく横を向いている状態。当然、水流は剥がれます。特にトップターンやスナップで「もっとキレを出したい」と思っている人ほど、肩の回転が先行しがちです。

ここで効いてくるのが目線と手の位置です。目線は行きたい方向の少し先に置き、前の手はボードの進行方向を指すように出しておく。肩は「回す」のではなく、腰が回った結果としてついてくるもの。この感覚が身につくと、抜ける頻度は目に見えて減ります。目線の使い方は、サーフィンの目線のコツ|局面別の見る場所と直し方で局面ごとに整理しています。あわせて読んでみてください。

膝の向きが荷重を決めている

意外と見落とされるのが膝です。後ろ足の膝が外側に開いていると、荷重はかかと側に逃げ、レールではなくテールの平らな面を踏むことになります。この踏み方はテールを沈めるだけで、レールを入れる力になりません。結果、レールが入らないまま荷重だけが増え、フィンが失速します。ターン中は後ろ足の膝を進行方向、つまり前足の膝に寄せるように内側へ向けてみてください。これだけで荷重が自然とレール側に乗り、フィンが水をつかむ時間が長くなります。

原因2|フィンのセッティングが合っていない

荷重を見直しても抜けるなら、次は道具です。特に「ターンの後半でズルズル流れる」タイプは、フィンのホールドが足りていない可能性が高い。ただし「大きくすればいい」と単純に考えるのは危険です。フィンには面積のほかに、レイク・フレックス・ベースという要素があり、それぞれが抜けやすさに違う形で影響しています。

面積・レイク・フレックス・ベースの4要素

フィンの要素大きい/強いと小さい/弱いとテール抜けへの影響
面積ホールドが強く安定するルースで動きが軽い面積不足は直接的な原因になる
レイク(後傾角)伸びのある長いターン、抜けにくい小回りが効き、意図的に抜きやすいレイクが小さいと後半で抜けやすい
フレックス(しなり)反発が強く加速するが、戻りが遅いと抜ける硬く安定、反応が速い柔らかすぎるとねじれて失速する
ベース(付け根の長さ)ドライブが強くホールドが増す回転性が高いベースが短いと踏んだ瞬間に抜けやすい
フィンの4要素とテール抜けの関係。「面積」だけでなく「レイク」と「ベース」がホールドを左右する

ポイントは、レイクとベースです。同じ面積のフィンでも、レイクが大きく後ろに寝ているフィンは水流をつかむ距離が長く、失速しにくい。逆にレイクが立ったアップライトなフィンは、回転性が高い代わりにターン後半で抜けやすくなります。中級者で「後半に流れる」人は、面積を上げる前にレイクの大きいモデルに替えてみるのが、動きの軽さを犠牲にしない解決策です。フィンの基礎知識から選び直したい人は、サーフィン用フィンの選び方|トライ・クアッド完全ガイドを先に読んでみてください。この表の意味が、より深く理解できるはずです。

サイズ表記と体重のミスマッチ

主要ブランドのフィンには、体重の目安が設定されています。S(〜65kg前後)、M(65〜80kg前後)、L(80kg〜)が一般的な区分です。ここで多いのが、軽さを求めてワンサイズ下を選んでしまうケース。体重75kgの人がSサイズを使えば、踏み込んだときの力に対して面積が足りず、抜けるのは当然です。逆に、体重60kgでLを使うとフィンを沈めきれず、ターンが重くなります。それを補おうと踏みすぎて抜ける、という遠回りの失敗も起きます。まずは自分の体重が区分のどこにあるかを確認しましょう。境界にいる人は、パワーのある波では上のサイズ、小波では下のサイズという使い分けが理想です。

フィンの緩みと、テールデザインの相性

意外に多いのが、フィンそのものが緩んでいるケースです。ネジ式のフィンボックスは使っているうちにわずかに緩み、荷重がかかった瞬間にフィンが1〜2度傾きます。これだけで迎え角が変わり、抜けやすくなる。海に入る前に、フィンを指で横に押してみてください。カタつきがあればアウトです。付け外しと緩み対策はサーフボードフィンの付け方・外し方|緩み対策もにまとめてあります。

ボードのテール形状も関係します。テール幅が広いスカッシュやワイドテールは浮力が大きい分、テールが浮きやすく、踏み方によっては抜けやすい。一方、ラウンドピンやスワローはテールが水に食い込みやすく、ホールドが強い傾向です。最近の短くて幅広いボードで、テール抜けに悩んでいる人も多いはずです。その場合、フィンをワンサイズ上げるか、レイクの大きいモデルに替えてみてください。それだけで乗り味が落ち着くことは珍しくありません。

原因3|波のパワーゾーンを外している

波のパワーゾーンでターンするサーファー|テールが抜ける原因3
フィンは水流があって初めて仕事をする。波の力が弱い場所でターンすれば、どんな荷重でもテールは抜ける

荷重もフィンも見直した。それでも抜ける。そういう人は、そもそもターンする場所を間違えている可能性があります。「踏んでも手応えがなくスカッと抜ける」タイプは、ほぼこれです。フィンは水流を受けて初めて揚力を生みます。つまり、水流が弱い場所では、どんなに正しい荷重をしてもフィンは仕事ができないんです。

ショルダーでターンすると、フィンは空回りする

波の力が集まる場所、いわゆるパワーゾーンは、ブレイクしている場所のすぐ横、掘れた斜面の部分です。ここではボードの下を強い水流が流れているので、フィンがしっかり水をつかみ、踏めば踏んだ分だけ反発が返ってきます。一方、ショルダーと呼ばれる肩の部分は、斜面が緩く水流も弱い。ここで強くターンすると、フィンに水流が当たらないまま迎え角だけが大きくなり、あっさり失速します。

中級者に多いのが、スピードがついて気持ちよく走った先、ショルダーに出きったところでトップターンを打とうとするパターンです。テールが抜けて「荷重が悪かった」と反省するのですが、実は場所が悪かった。これは自分の映像を見ると一目瞭然で、抜けた場所がブレイクからどれくらい離れていたかを確認するだけで、原因が特定できます。

スピードがないままターンに入っている

もうひとつは、ターンに入る時点の速度不足です。フィンの揚力は速度の2乗に比例します。つまり、速度が7割に落ちると揚力はおよそ半分になる計算です。テイクオフ直後や、アップスで加速しきれていない状態でターンに入ると、フィンは十分な揚力を生めず、少しの荷重で失速します。これは「小波の日にテールが抜けやすい」と感じる人の多くに当てはまります。小波では速度が出にくいので、同じ荷重でも抜けやすくなるんです。

対策はシンプルで、ターンの前にワンアクション足すことです。ボトムに降りる前にひと踏みして加速してからターンに入る。あるいは、ターンの深さそのものを浅くして、フィンにかかる負荷を速度に見合った量に抑える。速度と荷重のバランスが取れれば、小波でもテールは抜けません。パワーゾーンへの戻り方はサーフィンのカットバックのやり方|パワーゾーンに戻るコツで詳しく扱っています。

波質によっても抜けやすさは変わる

同じサーファー、同じボードでも、波質で抜けやすさは変わります。面がざわついたオンショアの日は、フィンに当たる水流が乱れて剥がれやすい。厚くてダラっとした波は水流が弱く、フィンに揚力が生まれにくい。逆に、掘れた面ツルの波はフィンが最も仕事をしやすい条件です。「今日はやたら抜ける」と感じた日は、自分を責める前にコンディションを疑ってみてください。厚い波の日は無理に深いターンをせず、レールワークで走ることに集中するほうが、結果として練習になります。

直し方|3つの原因を切り分ける診断フロー

ここまでの内容を、実際に使える診断フローにまとめます。順番が大事です。道具から手をつけたくなる気持ちは分かりますが、フィンを替えても荷重が原因なら抜け続けるので、必ず「波→荷重→道具」の順で確認してください。波と荷重は今日から無料で試せますが、フィンはお金がかかるからです。

ステップ確認することYESならNOなら
1. 波抜けた場所はブレイクの近くだったか?速度は十分だったか?ステップ2へターン位置をブレイク寄りに。ターン前にひと踏み加速
2. 荷重レールを入れてから踏んだか?後ろ足はフィンの真上か?肩が先に回っていないか?ステップ3へ「傾けてから乗せる」順番を徹底。膝を内側に。目線を先に
3. 道具フィンのサイズは体重に合っているか?緩みはないか?レイクは十分か?複合要因。動画で再確認ワンサイズ上、またはレイクの大きいフィンに交換
テールが抜けたときの3ステップ診断フロー。必ず「波→荷重→道具」の順で確認する

海で試すときの「1本1テーマ」ルール

診断フローを海で回すときのコツは、1本の波で1つのことだけ試すことです。荷重も位置も一度に変えると、何が効いたのか分からなくなります。たとえば最初の3本は「ブレイク寄りでターンする」だけを意識する。次の3本は「レールを入れてから踏む」だけ。こうやって変数を1つずつ動かすと、自分のテール抜けがどの系統なのかが、1セッションでかなり絞れます。

そして可能なら、撮ってもらってください。テール抜けは自分の感覚と映像のズレが特に大きい失敗です。「ちゃんとレールを入れたつもり」が、映像では踏み込みが先行している。「パワーゾーンでターンしたつもり」が、実際はショルダーの先だった。この答え合わせがあるかないかで、上達速度は倍以上変わります。撮影と分析の方法はサーフィンは動画で上達する|セルフ分析と撮影のコツを参考にしてください。

陸でできる荷重の順番トレーニング

荷重が原因だと分かったら、陸でも直せます。サーフスケートに乗り、ゆっくりとしたターンで「傾けてから踏む」順番だけを反復する。スピードを出す必要はありません。むしろ遅いほうが、自分の踏み込みが先行しているかどうかを感じ取れます。後ろ足の膝を内側に向け、前の手で進行方向を指しながら、板が傾いてから後ろ足に体重を乗せる。この一連の動きを、左右10回ずつ。海に入る前日にやっておくと、体が順番を覚えた状態で波に向かえます。メニューの組み方はサーフスケートの練習法|海に繋がる陸トレメニューにまとめています。

わざと抜くテールスライドとの違い

意図的にテールを抜くテールスライド|抜けるターンとの違い
同じ「テールが抜ける」でも、意図して抜くテールスライドは技になる。違いは抜ける前と後のコントロールにある

ここまで「抜ける=失敗」として話してきましたが、実はテールが抜けること自体は悪ではありません。上級者がリップで見せるテールスライドやレイバックは、フィンをわざと失速させる技です。抜けるテールをコントロールできれば、それは失敗ではなく表現になる。この視点を持っておくと、テール抜けに対する見方が変わります。

「抜ける」と「抜く」を分けるもの

比較項目意図せず抜ける(失敗)意図して抜く(テールスライド)
抜けるタイミングボトムやフェイスの途中で突然リップの上や波のトップで自分から
抜ける前の状態レールが入っていない、速度不足十分な速度とレールワークの後
抜けている間体が置いていかれ、目線が下がる目線は着地点、体幹はボードの上
抜けた後失速、またはワイプアウトフィンを再び水に入れて加速を再開
抜ける原因荷重・道具・波のどれかの不足後ろ足のスナップと上体の回転
意図せず抜けるターンと、意図して抜くテールスライドの違い。決定的な差は「抜けた後にフィンを戻せるか」

決定的な違いは、抜けた後です。テールスライドでは、滑ったテールを後ろ足で引き戻し、フィンを再び水流に噛ませて加速に戻します。この「戻す」動作ができるかどうかが、技と失敗を分けています。そして戻すためには、抜けている間も体幹がボードの上に残っていて、目線が次の進行方向を向いている必要があります。意図せず抜けるときは、体が波側に置いていかれて目線も落ちているので、戻しようがないんです。

抜けるのが減ってきたら、次は「抜いて戻す」練習へ

診断フローで意図しないテール抜けが減ってきたら、次のステップに進みましょう。小波のトップで、わざと後ろ足を強めに踏んでテールを少しだけ滑らせ、すぐに戻す。最初は10cm滑らせて戻すくらいで十分です。この練習は、フィンが失速する境界線を体で覚える効果があります。境界線が分かると、ギリギリまで踏み込んだ深いターンができるようになる。テール抜けに悩んでいた時期が、そのまま上達の土台になるわけです。より攻めた形はスナップの延長線上にあるので、サーフィンのスナップのやり方|キレを出す練習のコツも読んでみてください。

中級者がやりがちな誤解と注意点

最後に、テール抜けをめぐってよく見かける誤解を整理しておきます。どれも「上手くなろうとしてやっていること」が裏目に出ているケースです。

誤解1|大きいフィンにすれば全部解決する

この記事で繰り返してきたとおり、道具で直るのは道具が原因の場合だけです。しかも、必要以上に大きいフィンはターンの入りを重くします。重いターンを無理に回そうとして踏みすぎ、結局抜ける。この悪循環にはまっている人は少なくありません。フィン交換は診断フローの最後、波と荷重を確認してからにしてください。

誤解2|抜けないように、そっと踏む

抜けるのが怖くて荷重を弱めると、今度はレールが入らず、ターンにならなくなります。中途半端な荷重は、フィンに揚力を生ませないので、実はそっと踏んでも抜けるときは抜けます。問題は量ではなく順番です。レールを入れてから、しっかり乗せる。怖がって弱めるのではなく、順番を守って強く踏む方向で考えてください。

誤解3|クアッドにすれば抜けなくなる

クアッドはセンターフィンがないぶん、トライより横方向のホールドがルースになります。加速性能は高いですが、テールが抜けにくいわけではありません。むしろ、深いターンの後半ではトライのほうがセンターフィンが軸になって粘ります。「抜けにくさ」を求めるなら、クアッドよりもレイクの大きいトライフィンのほうが目的に合っています。

誤解4|テールが抜けるのは初心者の失敗

これは逆です。初心者は、そもそもテールが抜けるほどの荷重をかけられません。テールが抜けるということは、レールを入れてターンしようとしている証拠であり、フィンを限界まで使おうとしているサインです。中級者の壁にぶつかっている時期に必ず通る道なので、悩む必要はありません。壁の越え方そのものはサーフィン中級者の壁の越え方|伸び悩みの原因と練習法で全体像を整理しています。

誤解5|スタンスを広げれば安定して抜けなくなる

安定感を求めてスタンスを広げると、後ろ足はどうしてもテールの先端側に下がります。その結果、フィンより後ろに荷重がかかり、テールが浮いて抜けやすくなります。安定は足幅ではなく、膝の曲げと体幹の位置で作るものです。肩幅より少し広い程度に収め、後ろ足はフィンの真上に置く。この基本に戻るだけで、踏んだ力がそのままフィンに伝わるようになります。

よくある質問(FAQ)

Q1. テールが抜けるのは、フィンが小さいからですか?

そうとは限りません。テールが抜ける原因は、荷重・フィン・波の3系統に分かれます。フィンの面積不足が原因なのは、ターンの後半でズルズル流れるタイプが中心です。踏んだ瞬間にガクッと抜けるなら荷重の順番、踏んでも手応えがないなら波の位置や速度を先に疑ってください。体重に対してフィンのサイズ区分が明らかに小さい場合を除き、まずは波と荷重から見直すのが近道です。

Q2. ターン中の後ろ足は、どこに置くのが正解ですか?

目安は、後ろ足の土踏まずがサイドフィンの真上に来る位置です。ここがフィンに最も力を伝えやすく、テールが浮きにくい位置になります。デッキパッドのキックより手前に足がある状態です。テールの先端まで下げると回転性は上がりますが、フィンが水から浮きやすくなり抜けやすくなります。テール抜けに悩んでいる時期は、少し前寄りを意識するくらいでちょうどいいです。

Q3. クアッドに替えるとテールは抜けにくくなりますか?

抜けにくくはなりません。クアッドはセンターフィンがない分、加速性能は高いものの横方向のホールドはトライよりルースです。深いターンの後半では、センターフィンが軸になるトライのほうが粘ります。抜けにくさを求めるなら、クアッドに替えるよりも、レイクの大きいトライフィンを選ぶほうが目的に合っています。クアッドは、加速を重視する小波や、意図的にルースな動きを楽しむ場面向きです。

Q4. 小波の日だけテールが抜けるのはなぜですか?

速度不足が原因です。フィンの揚力は速度の2乗に比例するため、小波で速度が7割に落ちると揚力はおよそ半分になります。同じ荷重でも、揚力が足りなければフィンは失速します。対策は、ターンの前にひと踏み加速してから入ること、そしてターンの深さを速度に合わせて浅めにすることです。小波の日は無理に深いターンを狙わず、レールワークで走ることを優先すると抜けにくくなります。

Q5. テールが抜けた瞬間、立て直す方法はありますか?

あります。抜けた瞬間に目線を進行方向へ戻し、後ろ足の荷重を一瞬ゆるめてから、もう一度レール側に乗せ直してください。フィンが再び水流をつかめば、ボードは走り出します。ポイントは、慌てて踏み込まないこと。抜けているフィンをさらに踏むと、迎え角が増えて完全に失速します。テールスライドをする上級者がやっているのも、まさにこの「ゆるめて戻す」動作です。

Q6. テールが抜けるようになったのは、上達している証拠ですか?

その見方で正しいです。初心者はテールが抜けるほどの荷重をかけられないので、抜けるということはレールを入れてターンしようとしている証拠です。フィンの限界を探っている段階だと考えてください。ただし、抜けっぱなしでは失速して終わるので、この記事の診断フローで原因を切り分け、意図しない抜けを減らしたうえで、次は「わざと抜いて戻す」練習に進むのがおすすめです。

まとめ

テールが抜ける原因を、荷重・フィン・波の3系統に分けて解説してきました。最後に要点を整理します。

  1. テールが抜ける正体は、フィンの迎え角がつきすぎて水流が剥がれる「失速」
  2. 抜け方のパターン(瞬間・後半・手応えなし)で、疑うべき原因の見当がつく
  3. 最も多いのは荷重。「レールを入れてから乗せる」順番と、フィンの真上に置く後ろ足
  4. フィンは面積だけでなくレイクとベースを見る。緩みと体重区分も確認する
  5. ショルダーや速度不足の状態でターンすると、正しい荷重でもフィンは空回りする
  6. 診断は必ず「波→荷重→道具」の順。1本1テーマで試し、映像で答え合わせをする
  7. 抜けるのは上達のサイン。減ってきたら「わざと抜いて戻す」練習に進む

フィンを買い替える前に、まず次のセッションでターンする場所と荷重の順番だけを変えてみてください。それだけで抜けなくなる人は、本当に多いです。ターン全体の伸び悩みを感じているならサーフィン中級者の壁の越え方を、道具から見直したいならサーフィン用フィンの選び方を、次の技に進みたいならカットバックのやり方をどうぞ。テールが抜けなくなった先には、踏み込んだ分だけスプレーが上がる、あの気持ちよさが待っています。

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この記事を書いた人

サーフィンにハマって海の近くに移住しちゃった女の子。効率良く楽しくサーフィンするために情報集めるサーフィンマニア。

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