パドリングを覚えて、いよいよテイクオフの練習。そこで多くの初心者がふと止まります。「あれ、自分はどっちの足を前にして立つの?」と。
これ、本当にあるあるなんです。ボードの上で右足が前なのか、左足が前なのか。これを決めるのが「スタンス」です。ここがあいまいなままだと、テイクオフの練習もどこかちぐはぐになってしまいます。
でも安心してください。スタンスは利き足や利き目から、海に入る前にだいたい判定できます。この記事では、レギュラーとグーフィーの違いから、5つの見分け方、陸でできる確認法、そして「決めたあと」の立ち位置までまるごと解説します。読み終わるころには、自分のスタンスに自信を持って海に向かえるはずです。
この記事の目次
- サーフィンのスタンスとは?まずは基本を押さえよう
- レギュラーとグーフィー、何がどう違う?
- あなたはどっち?スタンスを見分ける5つの方法
- 陸でできる!スタンス確認チェックリスト
- 海で最終確認|「違和感」があれば変えてOK
- スタンスが決まったら|立つ位置と足の幅
- フロントサイドとバックサイド|乗り方が変わる
- 初心者がやりがちなスタンスの誤解と注意点
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
サーフィンのスタンスとは?まずは基本を押さえよう

スタンスとは、サーフボードの上に立ったときの「足の前後の向き」のことです。ひとことで言えば、どっちの足を前にして立つか。これだけです。
サーフィンのスタンスは大きく2種類しかありません。左足が前なら「レギュラースタンス」、右足が前なら「グーフィースタンス」です。スノーボードやスケートボードと同じ考え方なので、横乗り経験者にはなじみがあるかもしれません。
ポイントは、後ろ足が軸足(利き足)になるように立つと安定しやすいということ。サーフィンでは後ろ足でボードを踏み込んで、スピードやターンをコントロールします。だから利き足を後ろに置くのが基本になるんですね。
日本人はレギュラーが多数派です。体感としてはレギュラーが約7割、グーフィーが約3割といわれます。これは右利きの人が多いことと関係しています。ただ、グーフィーは決して珍しくも不利でもありません。プロにもグーフィーの名選手はたくさんいます。
レギュラーとグーフィー、何がどう違う?
まずは2つのスタンスの違いを表で整理しましょう。前足・後ろ足・多い利き手の傾向を並べると、自分がどちらに近いか見えてきます。
| スタンス | 前足 | 後ろ足(軸足) | 多い傾向 | 横乗りでの例え |
|---|---|---|---|---|
| レギュラー | 左足 | 右足 | 右利きの人に多い | 右バッター・右構え |
| グーフィー | 右足 | 左足 | 左利きの人に多い | 左バッター・左構え |
名前の由来も知っておくと愛着がわきます。「レギュラー(regular)」は英語で『一般的な』という意味。多数派だからこの名前です。一方「グーフィー(goofy)」は『おどけた』という意味で、ディズニーのキャラクターのグーフィーが右足前で波乗りしていたことが語源とされています。
どちらが優れているということはありません。大事なのは、自分の体にとって自然なほうを選ぶこと。次の章で、その見分け方を具体的に紹介します。
あなたはどっち?スタンスを見分ける5つの方法

スタンスは海に入る前に、いくつかのテストでかなり正確に判定できます。1つだけでなく複数試して、多数決で決めるのがおすすめです。代表的な5つを表にまとめました。
| 方法 | やり方 | 判定の目安 |
|---|---|---|
| ①ボールを蹴る | とっさにボールを蹴る足を見る | 蹴る足=利き足=後ろ足。右で蹴る→レギュラー |
| ②背中を押される | 後ろから不意に軽く押してもらう | とっさに前へ出る足が前足。左が出る→レギュラー |
| ③利き目で見る | 片目ずつ閉じて対象の見え方を比べる | 利き目が前にくると見やすい。左目が利き目→レギュラー |
| ④階段を上る | 一段目に自然に乗せる足を見る | 踏み出す足が前足になりやすい |
| ⑤横乗り経験 | スノボ・スケートのスタンスを思い出す | 横乗りと同じスタンスになることがほとんど |
一番手軽なのは「ボール蹴り」と「背中押し」
迷ったら、まず①のボール蹴りを試してください。サッカーボールでも、丸めた靴下でもかまいません。考える前にパッと蹴った足、それがあなたの利き足です。右足で蹴る人はその右足が後ろ足になるので、レギュラースタンスの可能性が高いということになります。
②の背中押しも直感的でわかりやすい方法です。誰かに後ろから軽く押してもらい、転ばないように一歩前へ出る足を見ます。とっさに出る足は体を支える前足になりやすい。1人でやるなら、軽くジャンプして着地したとき前に出る足でも代用できます。
利き手・利き目とそろうことが多い
ざっくりした傾向として、右利き・右利き目の人はレギュラー、左利き・左利き目の人はグーフィーになりやすいです。野球やゴルフの構えと同じ向きと考えると直感的ですね。ただしこれはあくまで目安。手は右利きでも足は左、という人もいます。だからこそ複数のテストで確かめるのが大切なんです。
陸でできる!スタンス確認チェックリスト
海に入る前に、陸で一度スタンスを「体に通して」おくと、当日の上達スピードが変わります。砂浜やリビングでできる簡単なチェックを順番に挙げます。
- ボード(または線)の上に立ってみる:判定した前足を前にして横向きに立ち、違和感がないか確かめる。
- 軽く膝を曲げて重心を落とす:後ろ足に軸を感じられればOK。グラつくなら逆スタンスも試す。
- 腕を進行方向(前足側)に向ける:自然に視線と体が開く向きが、あなたの乗りやすい向き。
- その場でテイクオフの動きを反復:寝た姿勢から一気に立つ動作を、決めたスタンスで5回。
陸トレでスタンスを固めておくと、海では「立つ向きを迷う時間」がゼロになります。その分、波のタイミングに集中できる。テイクオフの基本動作そのものは、テイクオフ完全マスターの記事で詳しく解説しているので、あわせて練習してみてください。
参考:テイクオフ完全マスター|初心者サーファーの基本動作と練習法
海で最終確認|「違和感」があれば変えてOK
陸で判定できても、最終的に正解を教えてくれるのは海です。実際にボードの上に立ってみて、しっくりくるかどうか。ここを大事にしてください。
利き足を後ろにするのが基本とはいえ、体の使い方は人それぞれ。判定どおりのスタンスより、逆のほうが自然に立てる人も一定数います。「なんか乗りにくいな」と感じたら、迷わず逆を試していい。これは失敗ではなく、自分の体に合うほうを見つける作業です。
スタンス決定の3ステップフロー
- ステップ1:陸で判定 5つのテストで多数決。仮スタンスを決める。
- ステップ2:陸で反復 テイクオフ動作を仮スタンスで体になじませる。
- ステップ3:海で確認 白波(スープ)でテイクオフし、自然に立てるか確認。違和感が強ければ逆を試す。
最初は腰より低い白波で十分です。安定して立てる波を選ぶことが、スタンスの確認にも上達にも効きます。どんな波を選べばいいか不安な人は、波の読み方の記事も参考になりますよ。
スタンスが決まったら|立つ位置と足の幅

スタンスの向きが決まったら、次は「ボードのどこに、どれくらいの幅で足を置くか」です。ここがズレると、せっかく向きが合っていても立てません。具体的な数値の目安を押さえましょう。
足の幅は「肩幅より少し広め」
テイクオフで立つときの足の幅は、肩幅より少し広いくらいがちょうどいいです。広すぎるとバランスは取りやすい反面、ボードの操作がしにくくなります。逆に狭すぎるとグラついて落ちやすい。まずは肩幅+こぶし1個分くらいをイメージしてください。
前足は胸の位置、後ろ足はフィンの上
足を置く位置は、前足を基準にすると分かりやすいです。前足は、パドリング中に胸が当たっていたあたりに置きます。そして後ろ足は、サイドフィンの少し上あたり。この2点を結ぶと、自然とボードの中心線に沿って立てます。
| 部位 | 置く位置の目安 | 役割 |
|---|---|---|
| 前足 | パドリング時に胸があった位置 | 重心・スピードの調整 |
| 後ろ足 | サイドフィンの少し上 | ボードのコントロール・ブレーキ |
| 足の幅 | 肩幅+こぶし1個分 | 安定と操作性のバランス |
慣れてくると、加速したいときは前足側に、ターンしたいときは後ろ足側に重心を移します。最初から完璧を目指さず、まずはこの基本ポジションで安定して立てることをゴールにしましょう。立ち姿勢を支える体づくりには、パドリングの正しいフォームも土台になります。
参考:サーフィン パドリングのコツ|初心者が30分で疲れる3つの原因
フロントサイドとバックサイド|乗り方が変わる

スタンスが分かると、もうひとつ理解しておきたいのが「波に対する向き」です。同じ波でも、スタンスによって体の向きが変わります。ここを知ると、波選びがぐっと上達します。
フロントサイドとバックサイドの違い
お腹側(正面)を波の壁に向けて進む乗り方がフロントサイド、背中側を向けて進む乗り方がバックサイドです。フロントサイドのほうが進行方向の視野が広く、初心者には断然乗りやすい。だから最初は、自分がフロントサイドで乗れる波を選ぶのがおすすめです。
レギュラーの波・グーフィーの波
波にも呼び名があります。岸から見て左へ崩れていく波が「レギュラーの波」、右へ崩れていく波が「グーフィーの波」です。レギュラースタンスの人はレギュラーの波でフロントサイド、グーフィースタンスの人はグーフィーの波でフロントサイドになります。
| あなたのスタンス | フロントサイドになる波 | 乗りやすさ |
|---|---|---|
| レギュラー(左足前) | 左へ崩れる波(レギュラー) | 正面を向けて視野が広い |
| グーフィー(右足前) | 右へ崩れる波(グーフィー) | 正面を向けて視野が広い |
少し先の話になりますが、横に走れるようになってターンを覚えると、フロントサイドとバックサイドの違いがさらに重要になります。興味がある人は、ボトムターンとトップターンの記事ものぞいてみてください。
参考:サーフィンが劇的に変わる!ボトムターン&トップターンのコツと練習方法
初心者がやりがちなスタンスの誤解と注意点
最後に、スタンスでつまずきやすいポイントを3つ整理します。先に知っておくと、ムダな遠回りを避けられます。
誤解1:利き足=前足だと思い込む
いちばん多い勘違いがこれです。利き足は「後ろ足(軸足)」になります。右利きだから右足を前に……ではなく、右足は後ろ。ここを逆に覚えると、ずっと乗りにくいまま練習することになります。
誤解2:グーフィーは不利だと思う
グーフィーは少数派ですが、不利ではありません。むしろ混雑したポイントでは、レギュラーの人が集まる波を避けてグーフィーの波に乗れるので、波数を稼げる場面もあります。プロのガブリエル・メディーナやロブ・マチャドもグーフィーです。
誤解3:一度決めたら絶対に変えられない
そんなことはありません。始めたては仮決めで十分。数回海に入ってから「やっぱり逆が楽」と気づいて変える人もいます。早い段階なら変更コストは小さいので、違和感があるうちに見直しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 右利きでもグーフィースタンスになることはありますか?
はい、あります。手の利きと足の利きは必ずしも一致しません。右利きでも、ボールを左足で蹴る人や、左足を軸にしたほうが安定する人はグーフィーになります。手の利きだけで決めず、ボール蹴りや背中押しなど複数のテストで確かめましょう。実際に海で立ってみて自然なほうが正解です。
Q. レギュラーとグーフィー、初心者はどちらが上達しやすいですか?
スタンス自体に上達の有利・不利はありません。大切なのは自分の体に合ったスタンスを選ぶことです。合っていればどちらでも同じように上達できます。日本ではレギュラーの波が多いポイントもありますが、グーフィーでも問題なく上達できるので心配いりません。
Q. スタンスは途中で変えても大丈夫ですか?
始めたばかりなら問題ありません。むしろ違和感があるなら早めに変えたほうが、後々ラクになります。ただし数年乗ってからの変更は、体が慣れている分だけ時間がかかります。だからこそ、最初の数回でしっくりくるスタンスを見極めておくことをおすすめします。
Q. スイッチスタンスって何ですか?
レギュラーとグーフィーのどちらでも乗れる技術のことです。ライディング中に前後の足を入れ替えることもあります。プロのフィリペ・トレドなどが見せる高度なテクニックで、初心者がいきなり目指すものではありません。まずは自分の基本スタンスを固めることが先決です。
Q. 子どもや女性でもスタンスの決め方は同じですか?
はい、同じです。性別や年齢に関係なく、利き足・利き目から判定し、最後は実際に立って違和感のないほうを選びます。体格が小さい場合でも考え方は変わりません。判定に迷ったら、スクールのインストラクターに陸で見てもらうと確実です。
まとめ
サーフィンのスタンスは、上達の最初の一歩。難しく考えず、次のポイントを押さえれば大丈夫です。
- スタンスは2種類。左足前が「レギュラー」、右足前が「グーフィー」。
- 利き足は後ろ足(軸足)になる。ボール蹴り・背中押しなど5つの方法で判定。
- 陸で仮決め→陸で反復→海で確認の3ステップで決める。違和感があれば変えてOK。
- 足の幅は肩幅+こぶし1個分、前足は胸の位置、後ろ足はフィンの上が目安。
- フロントサイドで乗れる波を選ぶと、初心者でも乗りやすい。
スタンスが決まれば、いよいよテイクオフの練習が一気に進みます。立つ向きに迷わなくなった分、波のタイミングに集中できるはず。次のステップとして、テイクオフやパドリングのコツもチェックして、自分のスタンスで波に乗る感覚をつかんでいきましょう。
あわせて読みたい:テイクオフ完全マスター/パドリングのコツ/サーフィン用語集
自分のスタンスがわかると、海がもっと楽しくなります。次の波、あなたの前足はもう決まっていますね。


















