サーフボードの持ち方と運び方|風の日も安全に運ぶコツ

サーフボードを脇に抱えてビーチを歩くサーファー

駐車場でボードを出した瞬間、風にあおられてヨロッ。脇に抱えたつもりが手が滑って、砂の上にゴトン…。サーフィンを始めたばかりの頃、誰もが一度は経験する「ボードの持ち方問題」ですよね?実は、海に入る前のこの数分間こそ、初心者がいちばんヒヤッとしやすい時間なんです。ワックス面はどっちに向けるのか、脇に抱えられないほど幅が広いボードはどうするのか、風の強い日はどう歩けばいいのか。今さら人に聞きにくいけれど、知らないと自分も周りも危ない。この記事では、サーフボードの正しい持ち方と運び方を、体格やボードの長さ、移動手段別に徹底解説します。読み終わる頃には、駐車場から波打ち際まで、堂々とボードを運べるようになりますよ。

目次

目次

  • なぜサーフボードはうまく持てないのか
  • 基本の持ち方3ステップ|ワックス面は体側が正解
  • 脇抱えができない時の対処|小柄な人・ロングボード
  • 風が強い日の持ち方と歩き方
  • 徒歩・自転車・階段での運び方
  • やってはいけないNG例5つ
  • 陸で確認できるチェックリスト
  • よくある質問(FAQ)
  • まとめ

なぜサーフボードはうまく持てないのか

サーフボードの基本の持ち方(脇抱え)
ボードの重心を脇の真下に置くのが安定のカギ。中央よりやや前を持つと歩きやすい

そもそも、なぜサーフボードは持ちにくいのでしょうか。理由は3つあります。長い、幅がある、そして風を受ける面積が大きいことです。初心者向けのファンボードは7’0〜8’0(約213〜244cm)が主流。自分の身長より30cm以上も長い板を、日常で持ち歩く機会なんてまずないですよね?だから最初はぎこちなくて当然なんです。

さらに厄介なのが幅です。初心者用ボードの幅は21〜23インチ(約53〜58cm)ほど。腕の長さが足りないと、レールを掴もうとしても指がかかりません。脇に抱えたくても抱えられない。これは筋力の問題ではなく、単純にサイズの問題です。ショートボードなら誰でも簡単に持てるのに、ロングボードで急に苦労するのはこのためなんです。

そして見落としがちなのが風の影響です。サーフボードは体積のわりに軽く、ファンボードでも3〜5kg程度しかありません。軽いのに面積が大きいということは、つまり「巨大な帆」を持って歩いているのと同じ。風速5mを超えると、歩行中に板が横へ持っていかれる感覚がはっきり出てきます。海から上がった瞬間の突風でボードごとよろけた経験、サーファーなら誰でもあるはずです。

もうひとつ、意識から抜け落ちやすいのがフィンの存在です。ボード裏側の突起は、車のボディや地面、他人のボードに当たると簡単に傷をつけます。ノーズばかり気にして、後ろのフィンを車のドアにガリッ…という失敗は本当に多い。持ち方の上達とは、実は「ボードの全体像を意識できるようになること」なんです。次の章から、具体的な手順を見ていきましょう。

基本の持ち方3ステップ|ワックス面は体側が正解

まず結論からお伝えします。脇抱えのとき、ワックスを塗ったデッキ面は自分の体側に向けるのが基本です。理由はシンプルで、ワックス面を外に向けると、すれ違う人の服や自分の腕にワックスがベッタリ付いてしまうから。さらに夏場は直射日光でワックスが溶けるので、太陽に面を向けない意味もあります。体に密着させれば滑り止めとしても働いて、一石二鳥なんです。

ステップ1:ボードの重心を見つける

持ち上げる前に、ボードの中央、やや前寄りの位置を確認しましょう。ここが重心です。重心を脇の真下に置くと、腕の力をほとんど使わずに板が水平を保ちます。逆に重心からずれた位置を持つと、ノーズかテールが下がって歩くたびにグラグラ。最初に立てかけた状態で、レールのどこを掴むか決めてから持ち上げると失敗しません。

ステップ2:レールに指をかけて脇で挟む

デッキ面を体側に向けたまま、遠い側のレール(側面)に指をかけます。手のひら全体でレールを包むように掴み、手前のレールを脇の下と骨盤の上あたりに引き寄せて挟みます。腕の力で「持つ」というより、体とのあいだに「挟んで固定する」感覚です。指先だけで引っかけると汗で滑るので、必ず深く掴んでくださいね。

ステップ3:ノーズをやや下げて歩く

歩き出したら、ノーズを気持ち下げ気味にキープしましょう。ノーズが上がると風の抵抗をまともに受けて、板が暴れやすくなります。テールを少し上げてノーズを下げるだけで、風の影響がぐっと減り、見た目もこなれた印象に。フィンは体の後ろ側、かつ内側向きにして、人の足に当たらない位置を保ちます。歩く前に周囲をひと目確認、これも忘れずに。

置き方と拾い方にもコツがある

持ち方とセットで覚えたいのが、置き方と拾い方です。砂浜に置くときはデッキ面を下、フィンを上に向けて寝かせるのが基本。デッキ面を上にすると、ワックスに砂がびっしり付いて悲惨なことになります。拾うときは腰から曲げず、膝を落としてしゃがんでから持ち上げましょう。ボードは3〜5kgと軽くても、前かがみのまま持ち上げる動作を繰り返すと腰にじわじわ効いてきます。波打ち際では、ボードを自分と波の間に置かないことも重要です。スープに押されたボードは想像以上の力で動き、スネに当たると本当に痛い。ボードは常に自分の横か、波下側に置く癖をつけてください。

脇抱えができない時の対処|小柄な人・ロングボード

サーフボードを抱えて海へ向かう3人のサーファー
体格やボードの幅に合わせて持ち方を変えれば、誰でも無理なく運べる

「脇に抱えたいのに、腕が反対側のレールに届かない…」。幅22インチを超えるロングボードやファンボードでは、よくある悩みです。でも安心してください。脇抱えだけが正解ではありません。体格に合わせた持ち方が、ちゃんと用意されているんです。

腰にひっかける「ヒップキャリー」

ロングボーダーの定番がこの持ち方です。ボードを寝かせた状態で、レールを腰骨の上にひっかけ、腕を上から回して押さえつけるように固定します。腕の長さが足りなくても、腰で重さを受けるので片手でも運べます。最初はグラつくので、空いている手をノーズ側に添えて練習しましょう。慣れれば駐車場から波打ち際まで、これひとつで十分です。ただし長距離だと腰に負担がかかるのが弱点。近場向きの持ち方と覚えてください。

頭の上に乗せる「ヘッドキャリー」

腕力に自信がない人や、駐車場からポイントまで5分以上歩く場合は、頭上に乗せる運び方が楽です。デッキ面を下にして頭の真上でバランスを取り、両手はレールに軽く添えるだけ。首や腕への負担が少なく、クラシックなロングボーダーらしいスタイルも魅力です。テールを進行方向に向けるとバランスが取りやすいですよ。注意点はワックス面を太陽に向けないこと。真夏の日差しでは歩いている間にワックスが溶け出します。

2人運びとキャリーグッズという選択肢

9’0超のロングや、風が強くて1人では不安な日は、迷わず2人で運びましょう。1人がノーズ、もう1人がテールを持ち、声をかけ合いながらゆっくり歩きます。また、ベルト式のボードキャリアを使えば肩掛けで運べて、両手も空きます。2,000〜4,000円程度で買えるので、小柄な方や女性サーファーには特におすすめ。道具に頼ることは、恥ずかしいことでも何でもありません。安全に運べる方法が、あなたにとっての正解です。

風が強い日の持ち方と歩き方

風が強い日の海岸に打ち寄せる波
風速5mを超えたら持ち方を切り替えるサイン。板の面を風に向けないのが鉄則

風の日のボード運びには、明確なコツがあります。鉄則はただひとつ、「ボードの面を風に正面から向けない」こと。板の広い面が風を受けると、体ごと持っていかれます。風向きを感じたら、レール(板の縁)を風上に向けて、板を「風を切る」角度に保ちながら歩きましょう。帆ではなくナイフにするイメージです。

目安として、風速5m前後から脇抱えの片手持ちは不安定になります。この段階になったら両手持ちに切り替えて、板を体に引き寄せ、低めに構えましょう。高く持ち上げるほど風を受けるので、腰から胸の高さでキープするのが安定します。ただし低く持つとフィンやノーズが人や車に近づくため、周囲確認はより丁寧に。突風が来たら無理に耐えず、一度しゃがんで板を砂に置くのも立派な判断です。

そして大事なことをひとつ。駐車場でボードを持った時点で「怖い」と感じる風なら、海の中ではもっと扱えません。風速8mを超えるオンショアの日は、そもそも波もぐちゃぐちゃです。持ち運びの段階で無理を感じたら、入水自体を見直す勇気を持ちましょう。風の強さと入水判断の基準はサーフィンは風速何メートルまで?入れる日の判断基準で詳しく解説しています。

筆者も以前、湘南の駐車場で油断した瞬間に突風を食らい、抱えていたミッドレングスごと隣の車へ半歩よろけたことがあります。幸い接触は免れましたが、あのヒヤッとした感覚は今でも忘れません。以来、車から降りたらまず旗や木の揺れで風を読むのが習慣になりました。ボードを持つ前に風を確認する。たった3秒の習慣が、板と財布と信頼を守ってくれます。

徒歩・自転車・階段での運び方

自転車でサーフボードを運ぶ人たち
自転車での運搬は専用キャリアが必須。手持ち運転は道路交通法違反になる可能性も

移動手段によって、気をつけるポイントは変わります。ここでは徒歩・自転車・階段の3つのシーンに分けて解説しますね。

徒歩:駐車場から波打ち際までの動線

徒歩移動で事故が起きやすいのは、実は砂浜ではなく駐車場です。車と車の間、防波堤の狭い通路、人とすれ違う瞬間。この3つの場面では、歩きながら方向転換しないことを徹底しましょう。体は通れてもボードの先が通れないことがあるからです。狭い場所では一度止まり、ノーズとテールの両方を目で確認してから曲がる。リーシュコードは地面に引きずらず、手でまとめて持つ。これだけで接触トラブルの9割は防げます。

自転車:手持ち運転はNG、キャリア必須

「近所のポイントだから自転車で」という人、多いですよね。ただし片手にボードを抱えての運転は絶対にやめてください。バランスを崩して転倒する危険があるうえ、片手運転は道路交通法違反に問われる可能性もあります。自転車で運ぶなら、車体の横にボードを固定する専用キャリアを使いましょう。5,000円前後から購入できて、取り付けも30分ほど。選び方と取り付け手順は自転車用サーフボードキャリア|取り付け方と積み方ガイドにまとめています。

階段・段差:フィンから下ろさない

堤防の階段や歩道橋では、ボードを立て気味にして運ぶ場面が出てきます。このときテール側を下にして引きずるように下りるのは絶対NG。フィンが段差に当たって、最悪の場合フィンボックスごと割れます。階段では重心を掴んで水平をキープするか、ノーズを進行方向に向けてやや立て、テールとフィンを浮かせたまま一段ずつ下りましょう。すれ違いが多い階段なら、人が途切れるのを待つのが結局いちばん早いですよ。

ちなみに車での運搬はルーフキャリアの固定方法、電車は鉄道会社ごとの持ち込みルールと、それぞれ別のノウハウが必要です。サーフボードの車への積み方|キャリア選びと固定術サーフボードは電車で運べる?持ち込みルールと駅近ポイントもあわせてチェックしてみてください。

やってはいけないNG例5つ

ここまで正しい持ち方を見てきましたが、逆に「これだけはやめて」というNG例も知っておきましょう。ビーチで実際によく見かける5つを挙げます。

NG1:ノーズを進行方向と逆に向けて歩く。後ろに突き出たノーズは自分から見えません。振り返った拍子に人の顔の高さを直撃する、いちばん危ない持ち方です。先端は必ず進行方向へ。NG2:テールを引きずる。砂浜ならまだしも、アスファルトで引きずればテールもフィンも一発で傷みます。疲れたら置いて休憩しましょう。NG3:ワックス面を外側に向ける。すれ違う人の服を汚してしまいます。トラブルのもとです。

NG4:風の日に頭上運びをする。頭の上は風の影響を最大限に受けるポジションです。あおられて板ごと飛ばされたら、自分も周りもケガをします。風速5m以上の日は低い位置での両手持ち一択です。NG5:ボードを地面に立てて放置する。立てかけたボードは風で必ず倒れます。倒れた先に子どもがいたら…と考えるとゾッとしますよね。置くときはデッキ面を下にして寝かせる、が鉄則です。

なお「ソフトボードだから当たっても平気」というのは大きな誤解です。表面が柔らかくても、8’0のソフトボードは5kg前後の質量があります。風で加速した状態で人に当たれば、十分ケガをさせる威力です。素材にかかわらず、持ち方の基本は同じと考えてください。むしろソフトボードは幅広で風を受けやすいぶん、ハードボード以上に丁寧な扱いが必要な場面もあるんです。スクールでソフトボードに慣れた人ほど、マイボード購入後に油断しがちなので気をつけましょう。

陸で確認できるチェックリスト

海に行く前に、家の近くの公園や駐車場で確認できるポイントを表にまとめました。出発前の10秒チェックとして使ってください。

チェック項目確認内容OKの目安
重心の位置脇の真下で板が水平になるかノーズもテールも下がらない
ワックス面デッキ面が体側を向いているか腕・服にワックスが付かない
フィンの向き体の後ろ側・内向きにあるか足や人に当たらない位置
リーシュ引きずっていないか手でまとめて持っている
板があおられないか風速5m未満なら脇抱えOK
周囲人・車・子どもとの距離ボード1本分以上の間隔

特に大事なのは重心・ワックス面・風の3つです。この3つさえ押さえれば、初日から見違えるほど安定して運べるようになりますよ。

よくある質問(FAQ)

Q1. ワックス面は体側と外側、どちらに向けるのが正解ですか?

脇抱えでは体側(内側)に向けるのが基本です。外側に向けると、すれ違う人の服や自分の腕にワックスが付着してしまいます。体に密着させれば滑り止めの役割も果たすので、落下防止にもつながります。また夏場は直射日光でワックスが溶けるため、頭上運びのときも太陽に面を向けないよう注意しましょう。

Q2. ノーズは前向きと後ろ向き、どちらで持つべきですか?

ノーズは進行方向(前向き)が基本です。前に向けておけば先端が常に視界に入り、人や障害物との距離を自分でコントロールできます。逆に後ろ向きは、見えない位置に尖った先端が突き出ている状態で、振り返った拍子に人へ当たる危険があります。混雑した場所では、ノーズをやや下げて持つとさらに安全です。

Q3. フィンは上向き・下向きどちらで運ぶのがいいですか?

脇抱えの場合、フィンは体の後ろ側で内向きになる向きが基本です。硬く鋭利なフィンが前側にあると、すれ違いざまに人へ当たる危険があるためです。地面に置くときはフィンを上に向けるか、砂浜ならフィンを砂に軽く埋めて安定させます。アスファルトにフィンを直接当てると破損の原因になるので避けましょう。

Q4. 腕が短くてボードの幅を掴めません。どうすればいいですか?

無理に脇抱えをする必要はありません。レールを腰骨にひっかけて腕で押さえる「ヒップキャリー」か、頭の上に乗せる「ヘッドキャリー」を試してください。どちらも腕の長さに関係なく運べる方法です。長距離ならベルト式のボードキャリア(2,000〜4,000円程度)を使えば肩掛けで運べて、両手も自由になります。

Q5. 自転車でボードを手に持って運転してもいいですか?

やめましょう。片手運転になりバランスを崩しやすいうえ、安全運転義務違反など道路交通法に抵触する可能性があります。風にあおられれば自分だけでなく歩行者や車も巻き込みかねません。自転車で運ぶなら車体側面に固定する専用キャリアを必ず使い、幅が出るぶん左右の間隔に余裕を持って走行してください。

まとめ|持ち方が決まれば海までの足取りが変わる

サーフボードの持ち方、意外と奥が深かったですよね。最後に要点を整理します。

  1. 脇抱えはワックス面を体側に、重心を脇の真下に置く
  2. ノーズは進行方向へ向け、やや下げ気味にキープする
  3. 幅が広いボードはヒップキャリーか頭上運びで対応する
  4. 風速5m以上は両手で低く持ち、8m超なら入水自体を再考する
  5. 自転車は専用キャリア必須、階段ではフィンを浮かせる

持ち方が身につくと、駐車場から海までの数分間が驚くほど快適になります。焦らず、堂々と、自分のスタイルでボードを運べるようになれば、もう立派なサーファーの仲間入りです。これから道具一式をそろえる人はサーフィンに行く時の持ち物リストと当日の流れを、初めての海が近い人ははじめてのサーフィン体験ガイドをどうぞ。次の週末は、ボードをスマートに抱えて海へ向かいましょう!

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この記事を書いた人

サーフィンにハマって海の近くに移住しちゃった女の子。効率良く楽しくサーフィンするために情報集めるサーフィンマニア。

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