「波が良い日を予測したい!」そんなふうに思ったこと、ありませんか?
波情報アプリや天気図など、波を予測するための便利なツールがたくさんあるので、コツをつかめば「今日はいい波に当たりそう!」という日が増えていきます。
この記事では、波を予測する方法・波情報アプリの使い方・海に着いてからの観察ポイントなどを、分かりやすく解説しています。
「せっかく海に行ったのに波がなくてがっかり!」なんて経験をしたくない人に、ぜひ読んでほしい内容です。
あなたも、波を読めるサーファーを目指してみませんか?
波予測の基本3要素
サーフィンを始めたばかりの人にとって、「週末の波は良いのか?」「どこのポイントで入ろうか?」と波を予測することは難しく感じるでしょう。
サーフィン初心者の人が知っておきたい、波予測に関する基本3要素についてご説明します。
この基本3要素を理解することで、波の状況をある程度予測できるようになり、自分のスキルや目的に合ったポイントでサーフィンができるようになります。
うねり

波予測の基本3要素の1つに「うねり」があります。
うねりとは、遠くの海で発生した風による波が、風の影響がなくなったあとも伝わってきたものです。
うねりには「高さ」「周期」「向き」という重要な要素があり、それぞれが波の質に大きく影響します。
「高さ」…波の大きさを示します。
「周期」…うねりの間隔を表します。周期が長いほど、波にはパワーがあり、押し寄せる力も強くなります。
「向き」…うねりがどの方向から来るかによって、波の入り方が変わります。
(例えば、南からのうねりが入ってくる日は、南向きのポイントで波が立ちやすく、北向きのポイントでは波があまりないこともあります。)
まずは波情報アプリで「波の高さ」と「うねりの向き」を確認する習慣をつけることから始めましょう。
最初は少し難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると自然に「今日は南うねりだから、あのポイントが良さそうだな」といった判断ができるようになります。

うねりの方向ってどうやって見ればいいの?
東から来るとか言われてもピンとこなくて…



このあと紹介する波情報アプリで、矢印の向きを確認してみて。
あれがうねりの向きだよ!
風


波予測に大切な要素として「風」があります。
「波のサイズがある=良い波」とは限らず、風の強さや向きによって、波の質は大きく変わります。
海から陸へ吹く風は、波をつぶしてしまい、まとまりに欠けた波になってしまいます。(=オンショア)
陸から海へ吹く風は、フェイスがきれいに立ち上がり、理想的なブレイクを生み出します。(=オフショア)
1日を通してみてみると、朝方は陸が冷えてオフショアが吹きやすく、昼頃にかけては気温の上昇でオンショアになりやすいという、風のリズムがあります。
特に春〜夏にかけてこの傾向が強いので、同じポイントでも時間によって波の状態が大きく変化します。
風の強さで見ると、風速5mを超えるオンショアでは海面が荒れやすく、初心者の人にとっては苦戦することがあります。
逆に風速が1〜2mのオフショアであれば、波の面が整い、比較的ゆったりしたブレイクが楽しめることが多いです。
このような風の情報は、波情報アプリで事前に確認することができます。



さっき海に波チェックしに行ったんだけど、風が強くて波がぐちゃぐちゃだったの。面ツルを期待してたのに!



今日はオンショア予報だったからね。波情報アプリを見てからいけばよかったのに。笑
潮回り


波予測で忘れてはいけない要素のひとつが「潮回り」です。
1日の中の潮位の変化
潮の満ち引きによって、海底の地形との関係が変わり、波のブレイクに大きく影響します。
通常、満潮と干潮が1日に2回ずつ起こります。
ポイントによって、干潮のほうが波がよかったり、満潮に近い時間が良かったりと、地形に合ったベストタイドが存在します。
月の周期による潮位の変化
1日全体として、潮の動きが大きいのか小さいのかを確認します。
干潮・満潮の差が大きい日を「大潮」と呼び、差が小さい日を「小潮」と言います。
このような潮回りは、月の引力によって決まります。
新月や満月のときには、太陽と月の引力が重なり、海面を強く引っ張るため、潮の満ち引きが特に大きくなります。(=大潮)
上弦や下弦の月のときは、引力の方向がズレるため、潮の動きが小さくなります。(=小潮)
大潮:干潮と満潮の差が大きい。干潮のタイミングを外すと、一気に波が崩れてしまうこともあるので要注意です。
小潮:潮の干満差が少ない。潮があまり動かないぶん、波のサイズやパワーに影響が出にくく、のんびりサーフィンするにはちょうどいいこともあります。



せっかくいいうねりが入っていても、全然波が割れない時、ありますよね。



満潮のピークだったんじゃないかな。
潮が多すぎると、波がブレイクしづらくなるんだ!
天気図から波を予測する
天気図は、波の予測においてとても役立つ情報源です。
しかし、サーフィン初心者の人にとっては、天気図の線や記号は難しく見えるかもしれません。
この章では、天気図の簡単な見方と、そこから波を予測する方法について説明していきます。
難しく見えていた天気図も、少しコツをつかめば「今日は波良さそう」とか「あそこに低気圧があるから週末は期待できるかも!」といった判断ができるようになりますよ。
等圧線から風の強さと向きを予測する


・等圧線の間隔が狭いほど、風は強い
等圧線の感覚が狭い場所は風が強く、等圧線の間隔が広い場所は風が弱い傾向にあります。
・風は気圧の高い方から低い方へ吹く
風の向きは、高気圧側から低気圧側へ吹くことを覚えておきましょう。
高気圧と低気圧の配置から風のパターンを把握する
・高気圧
高気圧の中心付近は風が弱く、晴天になることが多いです。
高気圧の縁を回るように風が吹くため、高気圧の東側では北風が、西側では南風が吹きやすい傾向にあります。
・低気圧
低気圧の中心付近は風が強く、雨や曇りの天気になりやすいです。
低気圧の進行方向に向かって風が強まることが多いですが、中心のどちら側にいるかによって風向は大きく変わります。
うねりの発生源と到達を予測する
・強い風が吹いている海域を探す
気圧配置で、等圧線が密になっている(=強い風が吹いている)海域を探します。
台風や発達した低気圧がある場所は、大きなうねりの発生源となります。
・発生源からの距離と方向
うねりは、発生源から放射状に伝わっていきます。
発生源となる強い風の海域が、自分から見てどの方向にあるのか、どのくらいの距離があるかを確認します。
遠ければ遠いほど、到達までに時間がかかります。



低気圧が近づいていると、波が上がるってこと?



そうそう。低気圧の近くは風が強いから、遠くからでもうねりが生まれて届くんだよ〜!
波情報アプリを活用する
天気図からの波予測についてお伝えしましたが、うねり・風の状況・潮の動きなどが一気に確認できる、便利なアプリもたくさんあります。
このような波情報アプリを活用する最大のメリットは、出先でもリアルタイムの波の状況や予測をチェックできることです。簡単に波予測をしたい人に向けて、おすすめの波情報アプリをご紹介します。
サーファー必須!Windyの使い方


波予測を正確に、かつ視覚的にみたい人にとって、Windy は神アプリです。
無料で使えて、知ることができる情報が多いので、ダウンロードしておいて損はないでしょう。
Windyの最大の特徴は、風・うねり・波高・潮の動きなどをアニメーションで表示してくれることです。
どの時間に、どの場所に、どんな波が来るかをかなり正確に読み解くことができます。
Windyの使い方


右下の赤い3本線をタップすると、「風」「波浪、海」などの項目があります。
この中から「風」のレイヤーを選ぶと、海上に流れる矢印で風の向きが分かります。


十字ボタンを観測したいポイントに合わせることで、風の強さ(風速◯m と表示される)が表示されます。
同じように操作すると「波浪、海」の項目から、波の高さやうねりの向きなどが確認できます。
また、画面下の時間スライダーで日付や時間を移動できるので、数時間先~数日先の風や波の動きを確認することが可能です!



最初は難しいかもって思ったけど、触っているうちに見方に慣れました!



Windyは視覚的に確認することができるから、比較的分かりやすいよ!
まずはたくさん触って慣れてみてね。
波伝説・BCM・なみある?など波情報アプリの比較
信頼できる波情報アプリは、サーファーにとって必須のツールです。
日本国内には「波伝説」「BCM」「なみある?」といった主要な波情報アプリがあり、それぞれ異なる特徴があります。各アプリの主な機能・強みを比較してみたので、あなたに合った波情報アプリを見つけてみてください!
波伝説
日本最大級の波情報サイトとして、長年の実績と高い信頼性があります。
・全国の主要ポイントをカバー
・プロサーファーによるリアルタイムレポートが毎日更新
・信頼性が高い
BCM
プロサーファーや気象予報士が監修する、質の高い情報が特徴のアプリです。
・プロサーファーや気象予報士が波の予想や解説を行っていて、専門的な情報が強み
・その日の波の傾向やおすすめのポイント、注意点などが文章で解説されていて、初心者にも分かりやすい
・主要ポイントにはライブカメラが設置されているので、リアルタイムの状況を確認できる
なみある?
2024年より、従来の専用アプリを廃止し、LINEアプリ内でのサービス提供に移行しています。
・全国の主要サーフポイントの波情報など、一部無料で使える機能あり
・シンプルな機能で簡単に波情報を見たい人におすすめ
・ポイントによってはライブカメラが設置、リアルタイムの映像を確認できる
それぞれのアプリに強みがあるので、自分に合ったアプリを取り入れましょう。
また、1つのアプリだけでなく、天気図やWindyなど、いくつかの情報源を組み合わせて利用することで、より正確で多角的な波の状況を把握できるでしょう。



波情報のアプリ、どれが良いか迷っちゃうよね!



よく一緒にサーフィンへ行く仲間同士で、それぞれ違うアプリを使っていると参考になったりもするよ!
海に着いたら確認したい波の観察ポイント
波情報アプリで事前に情報を確認していても、実際に海に着いてみないと分からないことも多々あります。
海に着いてから重要なのは、波をしっかり観察することです。
その日のコンディションを把握するために、以下の2つのポイントを必ず確認しましょう。
風向きの確認
波予測の基本3要素でもご紹介しましたが、海に着いてからも、風向きの確認は必須です。
まず海に立って、風がどちらから吹いているかを肌で感じてみましょう。周囲の木の揺れ方や、波のトップから飛ぶスプレーの向きも風向きのヒントになります。
「海から陸へ吹く風=オンショア」「陸から海へ=オフショア」であり、オフショアのほうが良い波になりやすいです。オンショアだと波が崩れやすく、面も荒れてしまいます。
波のまとまりとブレイクの位置


波のまとまりは、波がどれだけ規則的で、同じような形でブレイクしているかを観察します。
波のまとまりが良いか悪いかで、ライディングのしやすさ・安全性は大きく変わってきます。
まとまりの良い波
・沖から押し寄せる波が、同じような周期で入ってくる
・ブレイクする位置が安定している
・波の形が崩れにくく、ショルダーが長く続いている
ブレイクの位置とは、波が崩れる場所のことです。
波が岸近くでいきなり崩れるインサイドブレイクの場合は、波が小さくても急に掘れることがあるため、初心者にとってはハードなコンディションになります。
沖でゆっくり割れるアウトサイドブレイクは、乗るタイミングを見つけやすく、長く波に乗れる可能性も高くなります。
ダンパー波に注意!
・特徴
波が一気に全体的に崩れてしまう波です。
ライディングが難しいだけでなく、波に巻かれて危険な場合があります。
・見分け方
沖から来る波が、海岸線とほぼ平行に、または一度に広範囲で白波になっている場合、ダンパー波の可能性が高いです。



海に着いたらすぐにボードを持って海に飛び込むのではなく、まずは数分〜数十分、岸からじっくりと波の様子を観察しましょう!



初めて入るポイントでは、地元のサーファーの様子を参考にしたり、潮の流れや海底の地形にも気をつけてね。
まとめ
初心者の人でも今日から実践できる、波の読み方についてお伝えしてきました。
最初は専門用語も多く、波の情報が難しく感じるかもしれません。しかし「うねり」「風」「潮回り」の3つの要素をおさえておくだけで、波の読み方はぐっとシンプルになります。
波がある=いい波とは限らないのが、サーフィンの奥深いところです。
自分のレベルやコンディションに合ったポイント選びができれば、より安全に、より楽しくサーフィンを続けられます!
波を予測するスキルは、一朝一夕では身につきません。
でも、毎回少しずつ観察を積み重ねることで「今日は当たりだった!」という感動を味わえる日が増えていきます。
あなたのサーフィンライフが、もっと楽しくなりますように。